絵本 おおきなかぶ

絵本 おおきなかぶ

絵本 おおきなかぶの表紙です

絵本 おおきなかぶ
◆年齢◆
読み聞かせは2〜3才から。
自分で読む場合は4才以上です

◆ジャンル◆
◆くいしんぼう絵本

◆シチュエーション◆
◆みんなでわいわいな絵本



A・トルストイ 再話:内田莉莎子 訳:佐藤忠良 画 福音館書店

初版年月日:1966年06月20日 ISBNコード:4-8340-0062-1

28ページ 20X27cm 定価840円(本体800円+税40円)


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この絵本が2、3才児向きの、「物語への入り口」絵本としてもっともすぐれていると言われる理由はここにあります。

あまりにも有名ですので、あなたも知っているのではないですか?
絵本批評についても、いろんなところで取り上げられています。そこで、ここではそちらではあまり触れられていないことを書きます。
この絵本は表紙と裏表紙がつながっています。タイトルのような「おおきなかぶ」をみんなで運んでいます。それは表紙からはみだすくらいおおきなかぶです。
さて、この絵本は昔話を絵本にしたものです。
絵本ではいきなり「おじいさんが かぶをうえました」と始まります。
本来の昔話の語り、「むかし むかし あるところに」という始まりの決まり文句(時、場所)が省かれています。
そのかわりこの絵本では、絵がその決まり文句をきわめて直截に描いています。
これをご覧下さい。

おじいさんは 植えたかぶに 声をかけています

家とおじいさん、かぶだけが描かれてますね。
それによって、どのような場所で、どんなおじいさんか一目でわかります。もちろん「これはロシアの服装で」などと子どもたちに説明する必要はありません。
この絵本の大きな魅力は、力を尽くしたのに抜けないものですから、
「どうすればいいだろう」
「そうだ」
と考えるところにあります。
つまり、次にどんな「人物」を呼んでくるのだろうという予想することですね。
赤ちゃん絵本のところで、何回も強調していること(予想できることと、予想をうらぎることの組み合わせ=つながりと変化・切れ)の少し複雑になった形をここにみることができます。
次はどうなる(かぶはぬけません)ー
めくることによる次への展開が、予想できることと予想をうらぎることの「繰り返し」になっています。
「おじいさんーおばあさんーまごーいぬーねこーねずみ」
特に2、3才児では、この「つながり」は正当な順番で、予想をうらぎる組み合わせではないですね。なじみのもので、大きいものから小さいものへの順番ですから。
大きい子ですと、「まご」以降は予想をうらぎるつながりになっています。
とてつもなく大きなかぶを抜くという一点において、「おじいさんーおばあさん…」という組み合わせが「つながり」をもってくるのです。
絵本の2枚目の画像がそれを「絵」にしたものですね。

おじいさんがおばあさんを、おばあさんがまごを、まごがいぬを、いぬがねこを、ねこがねずみを…

このつながりが、実は「ものがたり」ということです。
この絵本が2、3才児向きの、「物語への入り口」絵本としてもっともすぐれていると言われる理由はここにあります。
「予想すること、うらぎること」がなぜ大事なのでしょう。
おじいさんはひとりでは、かぶを抜くことはできなかったし、おばあさんとも抜くことはできませんでした。
そのひとつ一つは、別の出来事です。
その異なった出来事を、読者(子どもたち)は、絵本がめくられる前に、関連させて(つなげて)イメージします。つぎに孫がだれを連れてくるだろうかと。それは前のページの「絵」から予想するわけですね。
それがイメージされたもの通りだったかどうかは、この際どうでもいいことです。
これは赤ちゃん絵本の
「でてこい でてこい」
「たまごのあかちゃん」
「はしるのだいすき」
とまったく同じです。
要は、そのイメージを「こうなるだろう」と自分で変化させることが大事なのです。
これがつまり、想像力を働せるということですから。
そして、この「おおきなかぶ」があかちゃん絵本に比べ、少し複雑になっているという理由は、あかちゃん絵本が次ぎはどうなるだろうという点にだけ興味の中心があるのに対して、「かぶ」では収穫したい(抜きたい)という思いが、「次はどうなる」に加わって、イメージするときの重要な要素になるからです。
そういえば、おじいさん=家族の願いが「かぶ」をとてつもなくしたのでしたね。
それにしても、このお話は面白いですね。抜くという行為の決定的な瞬間に、最後に力を貸すのは一番小さい「ねずみ」ですからね。
これには子どもたちも喝采をおくることは間違いありません。
子どもは家族の中で一番小さいことをよくしっているし、「わたし、ぼくだって」といつも思っているのですから。



内容紹介です

『おじいさんが かぶを うえました。
 「あまい あまい かぶになれ。
 おおきな おおきな かぶになれ」』

おじいさんは 植えたかぶに 声をかけています

『あまい げんきのよい
 とてつもなく おおきい かぶが できました。
 おじいさんは かぶを ぬこうと しました。
 うんとこしょ どっこいしょ 
 ところが かぶは ぬけません』
『おじいさんは おばあさんを よんできました。
 おばあさんが おじいさんを ひっぱって、
 おじいさんが かぶを ひっぱってー
 うんとこしょ どっこいしょ
 それでも かぶは ぬけません』
『おばあさんは まごを よんできました。
 まごが おばあさんを ひっぱって、
 おばあさんが おじいさんを ひっぱって、
 おじいさんが かぶを ひっぱってー
 うんとこしょ どっこいしょ 
 まだ まだ かぶは ぬけません』
こんどはまごがいぬを呼んできました。
こうして、いぬがねこを、ねこがねずみを呼んできて、

おじいさんがおばあさんを、おばあさんがまごを、まごがいぬを、いぬがねこを、ねこがねずみを…

『うんとこしょ どっこいしょ』…







読み聞かせのポイント
最初のポイントは「おおきな おおきな かぶになれ」のところめくりです。
さっとページをめくると、「とてつもなく」大きなかぶができます。これでもう、子どもたちはびっくりして、絵本のなかに引き込まれます。
第二のポイントは「うんとこしょ」「どっこいしょ」のところです。
ここは集団の読み聞かせでは、子どもが自然に唱和してくれるところです。それに合わせて、いっしょに力を込めて引っこ抜いている感じで読むといいですね。
そして第三に、そんなに力のかぎりを尽くしたのに、かぶは抜けないのです。
だから
「ところが」
「それでも」
「まだ まだ」
「まだ まだ まだ まだ」
「それでも」
のところは、
「どうしよう」という感じが漂います。
「とてつもなさ」がどれほどのものかが、この言葉によって表現されていますので、ここに少し工夫が必要でしょうね。

絵本 おおきなかぶ
◆年齢◆
読み聞かせは2〜3才から。
自分で読む場合は4才以上です

◆ジャンル◆
◆くいしんぼう絵本

◆シチュエーション◆
◆みんなでわいわいな絵本


A・トルストイ 再話:内田莉莎子 訳:佐藤忠良 画 福音館書店

初版年月日:1966年06月20日 ISBNコード:4-8340-0062-1

28ページ 20X27cm 定価840円(本体800円+税40円)


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