おやすみなさいおつきさま
絵本 おやすみなさいおつきさま
絵本 おやすみなさいおつきさま
◆年齢◆
読んであげるなら2、3才から。
◆ジャンル◆
◆まいにち絵本
◆シチュエーション◆
◆おやすみの前に絵本
マーガレット・ワイズ・ブラウン/作 クレメント・ハード/絵 せたていじ/訳 評論社
初版年月日:1979年09月刊 ISBNコード:4-566-00233-0
36ページ 17.8X20.4cm 定価1050円(本体1000円 + 税50円)
通常版はこちら! 定価1050円(本体1000円 + 税50円)
「えほんおじさんセット」 はこちら! セット価格1250円(税込)
「おやすみなさいコッコさん」 は、お月さまがあらゆるものを寝かしつけていき、まだ眠っていない「コッコさん」を寝かせるお話だとすれば、この「おやすみなさい おつきさま」は、逆にお月さまに答えて、子ウサギがあらゆるものに「おやすみ」を言って、いっしょにねむろうと語りかけるお話、耳から聞こえてくるのは静かな詩のようなことば、そして、「絵」のはしばしは大きな「物語」をかたります。
夜の7時です。今のいままで、子ウサギは、絵本「おやすみなさい おつきさま」を読んでもらっていました。誰が読んでいたかはわかりませんが、サイドテーブルの上の、電話と時計の横にその絵本がありますから、おそらく間違いないでしょう。
おやすみの儀式
子ウサギは今から眠りにつこうとしています。子ウサギは眠る前にいつもすることがあります。
電話、赤い風船、絵の額(めうしがお月さまを飛び越す絵とイスに腰掛ける三びきの熊の絵)、子ネコ二匹、てぶくろひとそろい、人形の家、子ネズミ一匹、くしとブラシ、おかゆひとわん、おばあさん(静かにおしといいます。いましがたおばあさんは部屋に入ってきました)などなど、みどりの部屋と、それら、部屋のうちそとのものたちに、いちいちそっと語りかけていきます。
それから、子ウサギは、それらのものたちのすべてに、おやすみなさいをいいます。
まず、お部屋から。
「おやすみ おへや」
「おやすみ おつきさま」
(窓の外のおつきさまに)
「おやすみ おつきさまをとびこしてるこうしさん」
(絵のなかのうしさんに)
「おやすみ あかりさん」
(ここでテーブルの上のあかりを除き部屋のあかりが消されました)
「おやすみ くまさん」
(絵の中のくまさんにいいます。この絵はベッドの枕元の上にかかっていますから、また起きだしていいます)
「おやすみ ……」
「おやすみ ねこさん」
(子猫はまだねそうにありませんね。おばあさんの毛糸玉で遊んでいます)
それから、ねずみさん、くしとブラシに。
それから、星さん、夜空さん。
最後は、「そこここできこえるおとたちにも」
(テーブルの上の明かりも消されました。部屋で明るいのは暖炉の火と人形の家の明かりだけになり、その分、お月さまと星に照らされた窓の外のほうが明るくなりました。もう、揺り椅子にいたおばあさんは部屋からでてゆき、二匹の子猫がその椅子で眠りにつきました)
もうすぐ、子ウサギの目はふさがれるでしょう。時計の針は8時10分を指しています。
こうした子ウサギの一々の儀式は、身のまわりのすべてのものたちとの、一体感を確認するためだろうと思われます。こうして自分がその中の一員であると確認できれば、心が静まります。それこそが安眠を約束してくれるのではないでしょうか。
「絵」中の言葉・物語
部屋のなかに掛けられている絵の額の「絵」
文章では、部屋には、「絵の額」はふたつ、とあります。
「めうしがおつきさまを飛び越す絵」と「三びきの熊の絵」です。
「三びきの熊の絵」
この絵は、おそらく「三びきのくま」という昔ばなしの一場面の絵だろうと思います。そして、その絵の中で、三びきのくまの部屋に掛けられている「額の絵」は、「めうしがおつきさまを飛び越す絵」です。まるで入れ子のようですね。
「めうしがおつきさまを飛び越す絵」
この絵は、ナーサリー・ライム『Mother Goose's Nursery Rhymes イギリスの、マザーグース=伝承わらべ唄、ライムとは押韻詩のこと』の、代表的なナンセンス唄(意味不明、音、韻の面白さを唄う、ヘイ・ディドル・ディドルの、三行目、メウシが月とびこした)を絵にしたものですね。
♪ Hey,diddle diddle,
The Cat and the Fiddle.
The Cow jumped over the Moon.
The little Dog laughed
to see such fun,
And the Dish ran away with the Spoon. ♪
♪ヘイ・ディドル・ディドル
ネコとヴァイオリン
メウシが月をとびこした
ちいさいイヌがわらったよ
そんな冗談をみせられて
そして、お皿とおさじがかけおちだ
ところで、このみどりの部屋にはもうひとつ「絵の額」があります。
「おやすみ おへや」という場面の、子ウサギのベッドから見て正面に掛けられています。この絵は不思議な絵ですよ。ウサギが川釣り(鮎釣りみたい)をしている絵ですが、釣り糸の先の餌はニンジンで、今にも子ウサギが釣られようとしています。何を意味しているのでしょうね。
子ネズミ
子ネズミを探そう!
みどりの部屋が描かれている場面の、どのページにも子ネズミがいます。「おやすみ ねずみさん」と子ウサギはいいますから、子ウサギはその存在を知っています。ところが、子ネコ二匹のうち白ネコは気づいているのに追いかけません。毛糸玉あそびのほうが楽しいのでしょうね。子ネズミは部屋中を動きます。なぜか、明かりスタンド横に、「おかゆひとわん」がありますが、子ネズミは、おかゆをいただいたと思われます。その姿を子ウサギもベッドから見ていますので、あげたのでしょうね。さらに、気になるのは、暖炉の火をじっと見つめてていたり、明かりが消され部屋がくらくなると、窓枠に座って、星空を見上げていたりします。子ネズミと子ウサギはどういう関係なんでしょうね。
こうして、「絵」の隅々を見ていくと、子ウサギはどんな子なのか、ここには、色んな物語が隠されているようです。
『おおきな みどりのおへやのなかに
でんわが ひとつ
あかい ふうせん ひとつ
えの がくが ふたつ』
『それは めうしが おつきさまを とびこす えと
さんびきのくまが いすにこしかけてる え』
『こねこが …ひき
てぶくろ ……
にんぎょうのいえ
こねずみ …ぴき』
『くし と …
おかゆが …
うさぎのおばあさん ちいさいこえで
“しずかにおし”といっています』
『おやすみ おへや』
『おやすみ おつきさま
おやすみ …
おやすみ …
おやすみ …
おやすみ …
おやすみ …
おやすみ そこここできこえるおとたちも』
読み聞かせのポイント
この絵本には、二つの使い方があるように思います。
ひとつは、「おやすみなさいの本」として、一日のしめくくりに読んであげる絵本として。
もうひとつは、この子(子ウサギ)はどんな子なのかしらんと、ひょっとして病気にかかっているのでは? と、友だちを気遣う絵本として。
とにかく、想像をどんどん広げてくれる絵本ですから、静かに静かに読んであげましょう。
絵本 おやすみなさいおつきさま
◆年齢◆
読んであげるなら2、3才から。
◆ジャンル◆
◆まいにち絵本
◆シチュエーション◆
◆おやすみの前に絵本
マーガレット・ワイズ・ブラウン/作 クレメント・ハード/絵 せたていじ/訳 評論社
初版年月日:1979年09月刊 ISBNコード:4-566-00233-0
36ページ 17.8X20.4cm 定価1050円(本体1000円 + 税50円)
通常版はこちら! 定価1050円(本体1000円 + 税50円)
「えほんおじさんセット」 はこちら! セット価格1250円(税込)
●マーガレット・ワイズ・ブラウン/作
クレメント・ハード/絵 コンビによる絵本
「『おやすみなさい おつきさま』ができるまで」 評論社
「ぼくにげちゃうよ」 いわたみみ訳 ほるぷ出版
「ぼくのせかいを ひとまわり」 おがわひとみ訳 評論社
●画家 クレメント・ハードさん関連図書
「とんでもないおいかけっこ」 江国香織/訳 BL出版
●マーガレット・ワイズ・ブラウンさん関連図書
「ちいさなもみのき」 バーバラ・クーニー/え かみじょうゆみこ/やく
「おやすみなさいのほん」 ジャン・シャロー/え いしいももこ/やく
「ぼくはあるいたまっすぐまっすぐ」 坪井郁美/ぶん 林明子/え ペンギン社
「まんげつのよるまでまちなさい」 ガース・ウイリアムズ/え まつおかきょうこ/やく ペンギン社
「なつのいなかのおとのほん」 レナード・ワイズガード/絵 江国香織/訳 ほるぷ出版
「おへやのなかのおとのほん」 レナード・ワイズガード/絵 江国香織/訳 ほるぷ出版
「うさぎのおうち」 ガース・ウィリアムズ/え 松井るり子/やく ほるぷ出版
「おおきなあかいなや」 フェリシア・ボンド/え えくにかおり/やく 偕成社
「おぎょうぎのよいペンギンくん」 H.A.レイ/え ふくもとゆみこ/やく 偕成社
「きこえるきこえるなつのおと」 レナード・ワイズガード/絵 よしがみきょうた/訳 小峰書店
「きこえるきこえるふゆのおと」 チャールズ・G・ショー/絵 よしがみきょうた/訳 小峰書店
「きこえるきこえる」 レナード・ワイズガード/絵 よしがみきょうた/訳 小峰書店
「いぬおことわり!」 H.A.レイ/え ふくもとゆみこ/やく 偕成社
●訳者 瀬田貞二さん関連図書
「きょうはなんのひ?」 林明子/絵
「かさじぞう」 赤羽末吉/画
「ねずみじょうど」 丸木位里/絵
「ねむりひめ グリム童話」 フェリックス・ホフマン・え
「よあけ」 ユリー・シュルヴィッツ/作・画
「アンガスとあひる」 マージョリー・フラック/さく・え
「げんきなマドレーヌ」 ルドウィッヒ・ベーメルマンス/作・画
「おだんごぱん」 ロシア民話 脇田和/画
「金のがちょうのほん 四つのむかしばなし」 レズリー・ブルック/文・画 瀬田貞二/訳 松瀬七織/訳
「ナルニア国物語」 C.S.ルイス 岩波書店
1ライオンと魔女
2カスピアン王子のつのぶえ
3朝びらき丸東の海へ
4銀のいす
5馬と少年
6魔術師のおい
7さいごの戦い
「世界のむかしばなし」 太田大八/絵 のら書店
「ポルコさまちえばなし」 岩波おはなしの本 R.デイヴィス文 岩波書店
「人形の家」 ルーマー・ゴッデン/作 岩波書店
「ホビットの冒険」 トールキン/作 岩波書店
「指輪物語」 トールキン/〔著〕 瀬田貞二/訳 田中明子/訳 評論社
「絵本論」 瀬田貞二子どもの本評論集
「幼い子の文学」 中央公論社
「落穂ひろい」 上・下巻セット
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2009年10月08日 14:07
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