絵本 アンガスとあひる

絵本 アンガスとあひる

絵本 アンガスとあひるの表紙です

絵本 アンガスとあひる
◆年齢◆
読み聞かせは4〜5才から。
自分で読む場合は小学校低学年向きです

◆ジャンル◆
◆くいしんぼう絵本

◆シチュエーション◆
◆おでかけしよう!絵本



 マージョリー・フラック 作・絵 瀬田貞二 訳 福音館書店

初版年月日:1974年07月15日 ISBNコード:4-8340-0422-8

32ページ 17X25cm 定価1155円(本体1100円+税55円)


通常版はこちら!  定価1155円(本体1100円+税55円)

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表紙を見ると、タイトルの上に、あひる二羽と犬がいます。

「アンガスとあひる」ですから、この犬がアンガスという名前だろうと予想できます。アンガスは不思議そうにあひるを見ています。あひるのほうはアンガスのことをあまり気にしていないようですね。
見返しをみると、包装紙のように、アンガスとあひるの色々な姿が描かれています。アンガスは吠えたり、追いかけられたりしています。どうもこれは、アンガスとあひるの楽しいお話ではないようですよ。では、どんなお話なのでしょうか。
アンガスは大変な知りたがりでした。家の表の「ガー、ガー、ゲーック、ガー!」という音の正体を一番しりたかったのです。それで、ある日、革ひもに繋がれてなかったので、探検に出かけます。あひるというものを知らないアンガスは、最初吠えかかって追いかけますが、あひるは吠えられたときは逃げますが、アンガスを問題にしません。でも、やはり怒ったのでしょうか、あひるは反撃にでます。アンガスはほうほうの体で逃げ帰り、時計のきざむ三分間だけ、何事も知りたいとは思いませんでした。
小さい子は好奇心旺盛です。そしてその好奇心によって、つい手出ししたものにかまれたりすることがよくあります。アンガスはその小さい子そのものですね。これは好奇心にかられて冒険に出、危険なものに出会い、びっくりして帰ってくるお話です。でも、世の中には危険なものがあるぞという反省をするのは、たったの三分間だけ、たぶんアンガスはチャンスさえあれば、また出かけていくでしょうね。
行きて帰りし物語
優れた絵本や児童文学の基本的な構造は、「行って帰る」という形を持っていることを発見したのは瀬田貞二さんです。瀬田さんは「ホビットの冒険」、その続編である「指輪物語」(最近ではロード・オブ・ザ・リングという題名で映画になっていますからご存じの方も多いでしょうが、これが原作です)の翻訳者ですが、その「ホビットの冒険」の副題が「行きて帰りし物語(or There and Back Again)となっていることと、この絵本「アンガスとあひる」から、その考え方の着想を得たということを「幼い子の文学(中公文庫)に書いていらっしゃいます。これは「物語」というものの基本的な形ですね。「物語構造」ともいわれ、文学の基本構造でもあります。
では、何故物語がこの形になるのでしょう。
神話・伝説・昔話がすべてこの形であることを考えると、これは明らかに、口承文芸、耳の文化がその基礎にあることがわかります。
文字というものを持たない場合、知識や知恵、感情や情緒までも、他人や次世代に伝えようとするとすべて記憶しておかなければなりません。その記憶しやすい形式が物語だったと言うわけです。
つまり、これは人類が生み出した英知、文字文化を持たなかった時期の人類が発明した「記憶装置=コンピューター」なのですね。
そして、考えてみると、子ども(自由に文字を使うまでの間、10才くらいまで)は、文字を持たない人びとです。だから子どもは口承・耳文化のなかにいます。
絵本や児童文学は、この文化の直接の後継者ということになります。瀬田さんの発見は、実は再発見で、子どもはずっと「物語」を楽しんでいたのですからね。そして、「アンガスとあひる」に見えるように、人間の根本的で、本源的なあり方、好奇心をもち、それを知ろうとし、痛い目にあって、逃げ帰りながらも、また出かけていくことを繰り返します。そうやって知識や知識を得るわけですが、さらに人は、そのような体験が他人のものであっても、つまり「物語」であっても、自己の体験とすることができるのですね。



内容紹介です

『あるうちに、アンガスという こいぬが すんでいました。
アンガスは、スコッチ・テリアで、からだは とても ちいさいのに、あたまと あしは おおきな いぬでした』
アンガスは大変なしりたがりでした。
『ソファのしたにはなにがいるだろうとか、かがみのこいぬはだれだろうとか。
もってこられるものと、もってこられないものが、あることも、気になりました。くつは、もってこられるのに、ズボンつりは、だめでした。表のこともしりたくてしかたがありませんでした。けれども、皮ひものせいで、よくしらべられません。革ひものこっちがわは、アンガスのくび輪につながっていて、あっちがわは、だれかのてににぎられていましたから』
けれども、アンガスが一番知りたかったのは、庭のさかいの生け垣の向がわからきこえてくる、音の正体でした。

生け垣の向こう側には?

『ガー、ガー、ゲーック、ガー!』
『ゲーック、ゲーック、ゲーック、ガー!』
ある日のこと、ドアが、あけっぱなしになっていて、人もいなかったので、アンガスは、とびだしました。
アンガスは、垣根の下にもぐりこんで、むこうがわにでました。
すると、ちょうど目のまえに、2羽の白いあひるがいました。
あひるたちは、こちらにむかって、すすんできました。
『おいち、に、おいち、に!』
『ガー、ガー、ゲーック、ガー!』
アンガスはうなりました。
『ウーウーウーウーウーワン!』
アヒルたちは、逃げるのに、おおさわぎ!
『ゲーック!ゲーック!ゲーック!ゲーック!ゲーッ!』
あひるたちは、やなぎのこかげの水飲み場で、たちどまりました。あひるたちは、ゆっくり水をのんでいます。
アンガスもたちどまりました。
アンガスはほえました。
『ウーウーウーウーウーワン!』
あひるたちは、あわててにげだしました。
そこで、アンガスは、つめたい清水を「ぴちゃぴちゃ」飲みました。あひるたちは、はなしあっていました。
ところが、
『シーシーシーシーシーシーシュ!!!』
今度は逆に、あひるたちがアンガスを追いかけ始めました。
さきのあひるが、アンガスのしっぽを、つついたのです。

こんどはあひるが アンガスを追いかけ始めました

『シーシーシーシーシーシーシュ!!!』
アンガスは、生け垣の下を、もぐりぬけ…







読み聞かせのポイント
前半はアンガスがどんな犬かを紹介する場面ですから、ゆっくりと絵をみてもらいそのことを納得してもらいましょう。
めくりに気をつけるところは二カ所です。
アンガスが表に飛び出し、垣根の下にもぐりこんで、表にでる場面のめくりが一カ所目です。
ここはめくったあと、一呼吸おいて、「むこうがわにでました」と読むと効果的です。
次はアンガスがあひるを追いやって冷たい清水を飲んでいると、あひるたちは話し合っていました、の次のめくりです。
こちらはめくるといきなり、「シーシーシーシーシュ!!!」と読むといいでしょう。そしてこの場面以降は、アンガスが必死で逃げる場面ですから、スピードを速めると、より臨場感がでるはずです。

絵本 アンガスとあひる
◆年齢◆
読み聞かせは4〜5才から。
自分で読む場合は小学校低学年向きです

◆ジャンル◆
◆くいしんぼう絵本

◆シチュエーション◆
◆おでかけしよう!絵本


 マージョリー・フラック 作・絵 瀬田貞二 訳 福音館書店

初版年月日:1974年07月15日 ISBNコード:4-8340-0422-8

32ページ 17X25cm 定価1155円(本体1100円+税55円)


通常版はこちら!  定価1155円(本体1100円+税55円)

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作者マージョリー・フラックさん関連図書
アンガスのシリーズはあと二冊あります。
「アンガスとねこ」「まいごのアンガス」

「おかあさんだいすき」(岩波こどもの本) 光吉夏弥訳
訳者瀬田貞二さん関連図書
子どもの本について
「絵本論  瀬田貞二子どもの本評論集」
子どもたちにとって、あるべき絵本・物語とは何かに答えています。子どもの本を考えるための必読図書。
「落穂ひろい(上)・(下) 日本の子どもの文化をめぐる人びと」
小さい人たちのために心を砕いた人びとの姿を、日本の歴史の薄明の中から、掘り起こす。
翻訳書
「三びきのやぎのがらがらどん」(北欧昔話)
「よあけ」
「おおかみと七ひきのこやぎ」(グリムの昔話)
「げんきなマドレーヌ」
「ねむりひめ」(グリムの昔話)
「あおい目のこねこ」
著・再話書
「ふるやのもり」
「かさじぞう」

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  • 2008年11月01日 01:31
  • from 犬ちゃんの着替え

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