はじめてのおつかい

絵本 はじめてのおつかい

絵本 はじめてのおつかいの表紙です

絵本 はじめてのおつかい
◆年齢◆
読んでもらうなら4、5才から。
自分で読むなら小学校低学年向き。

◆ジャンル◆
◆まいにち絵本

◆シチュエーション◆
◆特になし


筒井頼子作 /林明子絵 福音館書店

初版年月日:1977年04月01日 ISBNコード:4-8340-0525-9

32ページ 27X20cm 定価840円(本体800円 + 税40円)

通常版はこちら!  定価840円(本体800円 + 税40円)
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小さな子のこころの状態をこれほどまでに「絵」が物語っている絵本は、同じ作・絵コンビの 「あさえとちいさいいもうと」 にならんで、他にはないのではないでしょうか。

ひとりでおつかいにいって欲しいと、頼まれたときには、みいちゃんは驚いて飛び上がります。はじめてですから。
でも、ママはとても忙しいですね。2、3 ページの場面のような状態です。ですから、ここは「うん! みいちゃん、もう いつつだもん」と言ってしまいます。

不安とひたむきさと
(4、5ページ)家を出てすぐの場面、いきなりみいちゃんの緊張感が伝わってきます。みいちゃんの歩き方は、手足がっしょ。文章の方では、お金を「てにしっかり にぎりしめ」となっています。
続いて、自転車が風のようにやってきます。みいちゃんは、「どきんとして、へいに ぺたっと くっつ」いています。この場面は、塀の灰色と、みいちゃんの存在の小ささと、その影の濃さが、みいちゃんの気持ちを表しているのかもしれません。
(8、9ページ)ともだちのともちゃんに出会います。ともちゃんはひたすら「へえ!」と驚きます。この場面は、俯瞰図になっており、ふたりは小さく描かれています。
これからみいちゃんのおつかい先は?
(次の角をまがるのか、それとも真っ直ぐいって、花屋さんやソバ屋さんの前を通るのでしょうか)
見えぬ行き先と町の大きさと二人の小ささに、ともちゃんの「驚き」があいまって、小さな読者にも不安が広がります。

先の俯瞰図の右端に小さく描かれていたかどを、みいちゃんが曲がったことが分かります。この坂を登ればお店です。坂の向こうの端に小さくお店が見えてきました。みいちゃんは、「かけあし どん!」と、自分に号令しました。
でも、こころの状態と体の緊張のバランスがとれていなかったのか、すぐに転んでしまいます。お金がふたつ転がりました。

次ぎの場面は、みいちゃんの表情がアップで描かれています。みいちゃんは「くるくる くるくる」お金を探しまわります。両すねぼうずを怪我してしまいましたが、そっと左手を添えるだけ。右手は一枚のお金をすでに見つけてしっかり握っています。みいちゃんは泣きもしません。目を大きく見開いて、もう一枚のお金のゆくえを追っています。お金は道路右端、側溝の草のかげに。

(14、15ページ)
やっと坂のてっぺんのお店につきました。遠景で描かれています。筒井商店(ちなみに作者の名前は筒井頼子さんです)の前にたたずむみいちゃん。
「ぎゅうにゅう ください」と小さな声でいいますが、「お店には誰もいません」。

(16、17ページ)
誰もいないお店の中から、大人の目の高さで描かれた場面。お店にはパン、お菓子、牛乳などが置かれています。
「みいちゃんは、むねが どきどき」しながら、店頭から店をのぞき込むような姿勢で、「ぎゅうにゅう くださあい」と声をかけています。ところが、店の前をスポーツカーが通り過ぎました。その音に消されて、またもや声は届かなかったようです。

(18、19ページ)
サングラスをかけた怖そうなおじさんが、やってきて、「たばこ」と怒鳴りました。黒ねこも怖がって逃げていきました。みいちゃんは思わず振り返って、目をまんまるにしておじさんを見ました。
店の奥の暖簾から手がのぞいています。
冷蔵庫のかげになって、店のおばさんにはみいちゃんが見えていません。みいちゃんは小さいですからね。

(20、21ページ)
みいちゃんはおおいそぎで「あのう」といいます。ところが、ちょうど、太って大きなおばさんが、「パンをくださいな」とやってきます。おばさんの大きなお尻が店先をふさいでしまい、みいちゃんはより小さくなり、またも店のおばさんからは見えません。子どもはつらいですね。小さいので存在に気づいてもらえないのです。

(22、23ページ)
この場面は、みいちゃんの目の高さから描かれています。
「ぎゅうにゅう くださあい!」(みいちゃん自身が驚くほど大きな声で)。その声は、ちょうど店のおばさんのお尻に向かって発せられているみたいです。この場面はみいちゃんの声に店のおばさんが気づいて、振り返る直前です。おばさんの両手が固まっています。おばさんも、「え!」声はどこからとびっくりしたのかもしれません。

(24、25ページ)
やっと気づいてもらいました。お金を渡して牛乳を受け取っている場面。この場面も見上げる構図です。店のおばさんが笑顔で、謝っている、その向こうに見える緑の木々と青い空が、読者の緊張感を和らげます。さっき逃げ出した黒ねこも道の反対がわから店先を伺っています。みいちゃんも「なみだが おっこっちてしまいました」。

(26から31ページ)
牛乳を大事そうに抱えて、みいちゃんは、「ぱっと かけだしました」。みいちゃんの緊張感はまだ続いています。でも、この場面では、みいちゃんの表情は(ほっぺは真っ赤)輝いています。両の膝には血が赤くにじんでいますが、気に留める風もなく、坂をかけ下っていきます。店のおばさんが「まって!」と声をかけ、追いかけてきました。おばさんは、「はあはあ」苦しそうに胸をおさえ、やっとみいちゃんに追いつき、驚くみいちゃんに「おつり」を渡しました。
それでも、みいちゃんはまたかけ始めました。
坂の下ではママが、あかちゃんを右手にだっこしたまま、手を振っていました。

絵本の愉しみ
最後の場面の並んで帰る親子。裏表紙の家に帰って牛乳を飲む場面など見おとししないでくださいね。
また、他にもこの絵本には、絵を読み解く楽しみがたくさんあります。みいちゃんはどんな絵を描く子、どんな絵本を読む子なのでしょう。みいちゃんの住む町はどんな町なのでしょうか。
8、9ページの俯瞰図に町の人びとの生活をかいま見ることができます。掲示板や電柱の掲示物に注目ください。みいちゃんの名字も分かりますよ。ちょっと珍しいです。





内容紹介です

ある日、ママが、言いました.
「みいちゃん、ひとりで おつかい できるかしら」
「ひとりで!」
みいちゃんは飛び上がりました。
赤ちゃんの牛乳を頼まれたのです。
「うん! みいちゃん、いつつだもん」
みいちゃんは百円玉をしっかりにぎりしめて出かけました。

自転車がぴゅるーん、とやってきました。
みいちゃんは塀にぺたっとくっつきました。
そこへ友だちのともちゃんがきました。

そこへ、ともだちのともちゃんが〜

ともちゃんは、ひとりでおつかいにいくと聞いて、
「へえ!」とびっくり。

坂のてっぺんにお店はあります。
「かけあし どん!」
とたんに、
「すってん!」
お金がころころ。
足も手もじんじん痛みます。
でも、お金が気になってすぐ立ち上がりました。お金は二つとも見つかりましたので、元気に坂をかけのぼりました。

お店には誰もいません。
「牛乳 ください」
みいちゃんの胸はどきどきしました。
深呼吸してから、
「牛乳くださあい」
でも、誰も出てきません。
後ろで誰かが「ごほん!」と言いました。
振り返ると、黒いめがねのおじさんが、立っていました。
おじさんが、「たばこ!」とどなると、おばさんが出てきておじさんにたばこを渡しました。
みいちゃんは、大急ぎで、「あのう」と言いました。

みいちゃんは、おおいそぎで、〜

ところが、今度は太ったおばさんが、みいちゃんを押しのけるように店に入ってきて、「パンくださいな」といいました。
それから、店のおばさんと世間話をして、いってしまいました。
「牛乳 くださあい!」
突然、自分でもびっくりするくらい大きな声がでました。
店のおばさんと、目があって、胸はどきどき、目もしばしば音がしました。
「まあまあ、ちいさな おきゃくさん…」
やっと牛乳を買うことができました。
それで、みいちゃんはぱっと駆け出しました。
ところが、
おばさんが「ちょっと、ちょっと まって!」と追いかけてきます。…





読み聞かせのポイント

絵が語る、こような本格的な絵本は、ゆっくり読んで欲しいですね。
絵を読めば読むほど、その分だけ「物語」が愉しめて、かつ主人公「みいちゃん」の心情を深く体験することができます。

絵本 はじめてのおつかい
◆年齢◆
読んでもらうなら4、5才から。
自分で読むなら小学校低学年向き。

◆ジャンル◆
◆まいにち絵本

◆シチュエーション◆
◆特になし


筒井頼子作 /林明子絵 福音館書店

初版年月日:1977年04月01日 ISBNコード:4-8340-0525-9

32ページ 27X20cm 定価840円(本体800円 + 税40円)

通常版はこちら!  定価840円(本体800円 + 税40円)
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●作者筒井頼子さん関連図書
絵・林明子さんとの コンビによる作品
「とん ことり」
「おいていかないで」
「いもうとのにゅういん 」
「おでかけのまえに」
他に、
「ながれぼしをひろいに」 片山健/え 福音館書店

●画家林明子さん関連図書
筒井頼子さんとの絵本は上記。

「なないろ山のひみつ」 征矢かおる/
「魔女の宅急便」 角野栄子/作
「ガラスのうま」 征矢清/さく
「まほうのえのぐ」 林明子/さく
「ぼくのぱん わたしのぱん」 神沢利子/ぶん
「かみひこうき」 小林実/ぶん
「10までかぞえられるこやぎ」 プリョイセン/作 山内清子/訳
「こんとあき」 林明子/さく
「はっぱのおうち」 征矢清/さく
「クリスマスの三つのおくりもの」
 ふたつのいちご
 ズボンのクリスマス
 サンタクロースとれいちゃん
「くつくつあるけのほん」
  1 くつくつあるけ
  2 おててがでたよ
  3 きゅっきゅっきゅっ
  4 おつきさまこんばんは
「はじめてのキャンプ」 林明子/さく・え
「びゅんびゅんごまがまわったら」 宮川ひろ/作
「おふろだいすき」 松岡享子/作
「もりのかくれんぼう」 末吉暁子/作
「ぼくはあるいたまっすぐまっすぐ」 マーガレット・ワイズ・ブラウン/作 坪井郁美/ぶん ペンギン社

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