マーシャとくま

絵本 マーシャとくま

絵本 マーシャとくまの表紙です

絵本 マーシャとくま
◆年齢◆
読んであげるなら4、5才から。
自分で読むなら小学校低学年向き。

◆ジャンル◆
◆むかしばなし絵本

◆シチュエーション◆
◆おやすみの前に絵本


M・ブラートフ 再話:エウゲーニー・M・ラチョフ 絵:内田莉莎子 訳 福音館書店

初版年月日:1963年05月01日 ISBNコード:4-8340-0011-7

12ページ 28X23cm 定価1155円(税込)

通常版はこちら!  定価1155円(税込)
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熊を主人公にした昔話や絵本や童話があまりに多いのは、熊と人間が何千年もいっしょに暮らしてきたので、そこに共生関係が成立しているからですね。

熊と人間
「3びきのくま」の解説をお読み下さい。中沢新一さんの著書を要約しています。「熊は人類の永い間の同伴者」を参照ください。
絵本や童話の主人公が多い理由には、この共生関係からくる親近感と、とりわけ熊が人間の幼児のような体つきや無垢さを持っていることもその背景にあります。
熊は北半球最強の動物です。
人間にとって熊は、「自然」の奥に秘められた力を象徴する(尊敬される=怖い)存在であり、他方、自然界の王として、豊かな森の恵み与えてくれ、病気治癒力を授けてくれる存在でもありました。
現代の熊ぬいぐるみにも、遠くそういった石器時代以来の感覚が残っていて、その肌触りに、安心感を呼び覚ますなどの自然治癒力を感じているのだと言っていいと思います。

つまり、人間にとって熊は、凶暴な自然性と親近感を漂わせる無垢さを合わせもった存在だったのですね。

マーシャと熊の関係
この絵本でも熊はやはり二つの面を持っていますね。
マーシャをまかない人として閉じこめ、逃げるとつかまえて「たべてやる」と脅します。
でも、熊は逃げないといったん信じてしまえば、マーシャのいうことを全部聞いてやります。
「ちょっと、表に出て雨が降っているかどうか、みてちょうだい」
マーシャは完全に熊の信頼を勝ち得ています。

マーシャの知恵
後半、マーシャは「考えて 考えて」逃げ出すいい方法を思いつきます。
それはマーシャが、熊のことをよく見て、この「性格」を見抜くことができたからです。マーシャは熊が自分から「おかしを持っていてやろう」というように仕掛けたのですね。
この場面の、マーシャの「目」にご注目ください。目がすべてを語っています。(2枚目の画像参照)
また、マーシャは、熊が途中で「おかしのつづら」を開けて、おかしを食べるだろうことも見抜いていました。
だからちゃんと手を打っています。
「途中で、つづらを開けたりしちゃだめよ。かしの木に登ってみているから」
そして、つづらの中にいるマーシャは、熊が途中何回も切り株に腰掛けて、おかしを食べようとすると、
「みえるわ みえるわ!食べちゃいけないわ。持って行くのよ」と、いかにも遠くのかしの木から見ているように声をかけます。
「やれやれ、なんて利口な子だろう!」
熊は急ぎ足で村に向かいます。

絵本の愉しみ
ロシアの絵本は装飾が美しいのが特徴です。
この絵本もそうですね。文字ページの全てにロシア文様が描かれています。また、熊が着ているスカーフとその模様が楽しいですね。「食べてやる」言う場面の熊はやはり怖そうですが、その後の熊は穏やかで、そんな服装をみると、なかなかおしゃれで、大きなおじさんに見えてきます。(表紙の熊も)
見返しと扉の続きのところに、村と森が描かれています。これが昔のロシア農村部の風景なのでしょうね。村は囲いにかこまれ、その先はずっと森のようです。ロシアの人と人の関係や自然との関係はこういう風だったのでしょう。





内容紹介です

『むかし むかし、あるところに おじいさんと おばあさんが すんでいました。ふたりには、マーシャという まごむすめが いました』

ある時、マーシャは村の女の子たちは連れだって、森へきのこやいちごを採りに行きました。
ところがいつのまにか、マーシャだけ友だちから遠く離れ、森深く迷い込んでしまいました。

あるとき、むらの〜

ふとみると、1けんの小屋があったので、戸をたたきましたが、返事がありません。そこで、小屋に入って腰掛けにすわりました。

この小屋は熊の家でした。ちょうど散歩にでかけ留守だったのです。
夕方、熊は帰ってきて、マーシャを見つけるて大喜び。
「これはありがたい。もうにがさんぞ。ここに住んでまかないをしてもらおう」
マーシャはかなしくなって、泣きました。
でも、しかたありません。ここで暮らすことになりました。
熊は一日中森へでかけ留守でしたが、
「逃げ出したってだめだ、すぐにつかまえて食べてやるぞ」と脅かしました。
「どうしたら、逃げ出せるだろう」
まわりは森で、どっちへいったらいいか分かりません。

考えて考えて、マーシャはいいことを思いつきました。

ある日、マーシャはいいました。
「一日でいいから、おじいさんとおばあさんに、おかしを持っていってあげたいの」
「だめだめ、森で迷子になる。わしが持って行ってやろう」
マーシャは熊がそういうのを待っていたのです。
マーシャはおかしを焼くと、おおきなつづらを出してきて、熊にいいました。

あるひ、くまが〜

「これを持って行ってね。だけど、途中でつづらを開けてはだめよ。かしの木に登って見張っているわ」
熊は請け合いました。
「ちょっと、表に出て雨が降っているかどうか、みてちょうだい」
熊が出て行くと、マーシャは大急ぎでつづらに入りました。

熊はつづらを背負って村へ出かけました。
はたして、マーシャは自分の家へ帰ることができるでしょうか?
というのは、熊がちゃんと約束を守ってくれるとは限らないですからね。マーシャはどんな手を打っていたのでしょうか?





読み聞かせのポイント

マーシャの体験は、そのまま子どもたちの体験です。
『「どうしたら、くまの ところから にげだせるかしら」道を教えてくれる人は誰もいません』
子どもたちはマーシャといっしょに、一生懸命考えます。
だからこの場面では、考えるあいだ少しの間があってもいいですね。「こうすればいい」と思わず大きな声をあげることもあるでしょう。
またマーシャの考えに「そうか」と思っても、「うまくいくだろうか」とドキドキしています。
会話文が多いですが、淡々と読んであげましょう。

絵本 マーシャとくま
◆年齢◆
読んであげるなら4、5才から。
自分で読むなら小学校低学年向き。

◆ジャンル◆
◆むかしばなし絵本

◆シチュエーション◆
◆おやすみの前に絵本


M・ブラートフ 再話:エウゲーニー・M・ラチョフ 絵:内田莉莎子 訳 福音館書店

初版年月日:1963年05月01日 ISBNコード:4-8340-0011-7

12ページ 28X23cm 定価1155円(税込)

通常版はこちら!  定価1155円(税込)
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