まゆとおに

絵本 まゆとおに

絵本 まゆとおにの表紙です

絵本 まゆとおに - やまんばのむすめ まゆのおはなし -
◆年齢◆
読んであげるなら4、5歳から。
自分で読むなら小学校低学年向き。

◆ジャンル◆
◆ファンタジー絵本

◆シチュエーション◆
◆ともだちとあそぼ!絵本


富安陽子 文:降矢なな 絵 福音館書店

初版年月日:2004年03月10日 ISBNコード:4-8340-0998-X

32ページ 27X20cm 定価840円(本体800円 + 税40円)

通常版はこちら!  定価840円(本体800円 + 税40円)
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やまんばはたくさんの子どもを産むことは知られていますが、やまんばの子どもっていったいどんな子のなでしょう。

こののっぽのやまんばには、一人っ子の「まゆ」がいます。
やまんば(山姥)
山姥とはどのような存在なのでしょうか。まず「さんまいのおふだ」「くわずにょうぼう」の解説をお読みください。

やまんばの住処
『きたの おやまの てっぺんの さんぼんすぎのしたに、ちいさな いえがありました』
そこへは、人はおいそれとは近づくことはできません。山へ行くということは「異界」へいくことと同じで、山は、山の神の支配する異界です。そこは「山のものたち」の住むところです。
やまのものたちにはいろんな「もの」がいます。「やまんば」「鬼」「もっこ」「山爺」「天狗」など、それからもちろん動物たちもそうですね。
普通「山のものたち」と人は境界(境にはきまりがあります)を挟んで別々に住んでいますから、ほとんど行き交うことはありませんが、時々「こっち」と「あっち」の境を越えることがあります。たとえば「くわずにょうぼう」では、美人の女房になってこちら側に(鬼あるいはやまんば)がやってきます。
この「まゆとおに」では、むこう側でだけのお話です。
やまんばと鬼は近い関係ですが、このお話の「おに」はまゆがやまんばの娘だとしりませんでしたから、大鍋で煮て食べようとしました。

やまんばの性格
山のものたちは、それぞれ大変な「異能力」を持っています。やまんばの娘がどんなに力持ちかは「まゆ(2枚目の画像)」に見る通り、鬼もびっくりです。それは親譲りですね。
その力で、山のものたちは「富」と「災害」を人にもたらします。山のものたちのうち「やまんば」は、子どもをたくさん産みますから、子どもと関係がもっとも深い存在です。山が生み出すもの(金・銀を含む、鉄は鬼との関係が深い)に大いに関係しているようです。

お母さんとしてのやまんば
この絵本ののっぽのやまんばは、とても礼儀正しいです。
「まゆ」にはちゃんとしつけをしています。
お母さんは日頃から、「しんせつな ひとには、いつも、れいぎただしくしなさい」と言ってますから、まゆは鬼にもそのように振る舞いました。
やまんばはお客さんも丁寧にもてなしをします。
「とくせいおにぎり」がそうですね。

きつねにご注目
まゆの友達らしき「きつね」が全場面出てきます。このきつねの表情はならはらドキドキ、読者の心情を代弁してくれています。このきつねは文章にはいっさい出てきません。きつねの存在は絵本ならではの楽しみの一つです。





内容紹介です

『きたの おやまの てっぺんの さんぼんすぎのしたに、ちいさな いえがありました。
 そのいえには、のっぽの やまんばと やまんばの むすめの まゆがすんでいました』

『あるひ まゆは、ぞうきばやしのおくで、とんでもなく おおきな ひとに であいました』

あるひ、まゆは〜

「こんにちは」
その人は、ぎらぎらひかる目玉でじろり。
「あたまの てっぺんに、ついているのは、たんこぶなの」
「つのに きまっているわい」
その人は地響きのような声で答えました。

まゆはおにを知らなかったのです。
「ちっと うちへ あそびにこないかね?」
おにはにやにや笑い、ずしんずしん歩きました。
まゆはぴょんぴよんついていきました。
おにはまゆがおいしそうだったので、おなべで煮て食べてやろうと思ったのです。

「さて、じゃあ、火をたこうかい。ちと寒いんでな」
「じゃあ、何かお手伝いすることはない?」
「たきぎを集めてくれ」

まゆは、近くに生えていた太い松を根っこから引っこ抜きました。
「なんちゅう力持ちの娘ッ子だ」
まゆはその間にも、松の木をぱきぱき折って、たちまちたきぎを作りました。

それからおにがかまどがいるというので、まゆはおにの岩屋の壁をけっとばしました。
がらがらがら、岩が崩れ落ちます。
かまどができると、おには大鍋を火にかけました。

「どうして、お湯をわかすの?」
「寒い日には風呂にかぎるからな」
ああそうかとまゆはにっこりうなずきました。

そのうち鍋はぐつぐつ煮えてきました。
おにはにやりと笑っています。
とうとう鍋の湯はぐらぐらわきかえりました。
「さあ、じょうちゃん熱いお風呂にお入り」

そのとき、まゆはお母さんの言葉を思い出しました。
「おさきにどうぞ」
そして、ひょいとおにをかかえ上げ、鍋のなかに放り込んだのです。

ひょいと、おにを かかえあげ〜

「ぎゃおー」
「やっぱりお湯が熱すぎたんだ」
おにはおしりをおおやけど。
まゆは泣いているおにを担ぎ三本杉の家へ。
やまんばはおにのおしりに膏薬をはってあげ、まゆのおきゃくさんのために、特製の山菜おにぎりをご馳走しました。

その日からまゆとおには仲良しになりました。





読み聞かせのポイント

こういった物語性のはっきりした絵本は、文字通り淡々と読んであげるだけでいいです。
この「やまんばのむすめまゆのおはなし」は続編『まゆとブカブカブー』『まゆとりゅう』(いずれも2006年1月現在入手不可なので、図書館でお読みください)があり、さらに、このお話は、その前編ともいうべき童話「やまんば山のもっこたち」に繋がっています。この童話にはまゆの誕生とまゆの世界がもっと詳しく語られています。
こうした絵本と童話が同じ主人公で語られるのはめずらしいですね。
だから、「やまんばのむすめまゆのおはなし」は、幼児期に絵本で「まゆ」に出会い、小学校低学年で童話を読んでもらい、小学校中学年以降、それを自分で読むという具合に、ちょうど絵本から童話、自分で読む読書へ「みちすじ」をつけてくれるシリーズとなります。

絵本 まゆとおに - やまんばのむすめ まゆのおはなし -
◆年齢◆
読んであげるなら4、5歳から。
自分で読むなら小学校低学年向き。

◆ジャンル◆
◆ファンタジー絵本

◆シチュエーション◆
◆ともだちとあそぼ!絵本


富安陽子 文:降矢なな 絵 福音館書店

初版年月日:2004年03月10日 ISBNコード:4-8340-0998-X

32ページ 27X20cm 定価840円(本体800円 + 税40円)

通常版はこちら!  定価840円(本体800円 + 税40円)
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