ながれぼしをひろいに

絵本 ながれぼしをひろいに

絵本 ながれぼしをひろいにの表紙です

絵本 ながれぼしをひろいに
◆年齢◆
読んであげるなら4〜5才から。
自分で読むなら小学校低学年向き

◆ジャンル◆
◆ファンタジー絵本

◆シチュエーション◆
◆おでかけしよう!絵本


筒井頼子作 /片山健絵

初版年月日:1999年10月 福音館書店

ISBN:483401567X  ISBN13:9784834015676

32ページ 27X20cm 定価840円(税込)

通常版はこちら!  定価840円(税込)
「えほんおじさんセット」はこちら!  セット価格1040円(税込)

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『「ぜったい会うんだ」、「会ったら何と言おう、メリー・クリスマス、サンタさん、これがいいかな」などと…』

《サンタさんに会いたい》
サンタさんの存在を信じているのは、小学生くらいまでが普通のようですね。目に見えない存在というのは、どうしても見たい会いたい、と思うものです。幼児ですと、いろんな隙間とかちょっとした闇などに、ちらっとサンタさんを見ることができます。そうして、そうした瞬間に出あえば出会うほど、余計に「会いたい」思うものですね。
この絵本の主人公「みふで」もそうでした。
『「ぜったい会うんだ」、「会ったら何と言おう、メリー・クリスマス、サンタさん、これがいいかな」などとふとんの中で、目をこすり、ほっぺをぱちぱちたたきながら、眠いのをがまんしていました』。それでも、眠いので、窓辺に行ってカーテンを開けました。そして、「わたしもサンタさんにプレゼントをあげよう」と考えています。ちょうどそのとき、大きな赤い流れ星を見たのです。それで、「みふで」は流れ星を拾いに出かけました。

《強い意思は「万難を排する」》
「みふで」のこうした強い意思からは勇気がわいてきます。
そして、こうした勇気をもつものには、必ず援助者が現れます。すいどう山への道々、最初に出会うのは、「ミーウ」となく子猫でした。この子猫こそ、援助者であり、随行者ですね。夜の雪道、そして道も分からないすいどう山を登っていくとき、この子猫がどんなにこころの支えになったことでしょう。(この子猫は、クリスマス以降も大きな役割をはたすことになります)

《話しかけてくるものたちと最大の苦難》
ひとりでいく道々にはさまざまな困難や励ましがあります。落とした「目」を拾ってくれとのんびりと頼んでくるゆきだるま。ひゅるひゅると吹く風は、「小さい子はもうお休み」と親切心で言ってくれました。枯れ草はしゃらしゃらと、粉雪はほろほろと励ましてくれました。すいどう山の入口の雪の花は「かぁん」と冷たい匂いをさせます。
そして最大の苦難は、カラスでした。
カラスの羽はどこまでも延びて闇の中に広がっており、黄色い目玉だけがまっすぐ「みふで」をにらみつけています。
そして低いしわがれ声でいいました。
「どこへいくのかな。夜のこの道は私の道、通したくないものは通れないのだよ。100年前からきまていることだ。なに、流れ星を拾いにだと。いくがいいさ。だがな、帰る時は、この私に渡すんだ」
でも、「みふで」強い意思は思わずいいかえします。
「ダメ! サンタさんへのプレゼントよ!」

《ファンタジー絵本の傑作》
物語の基本は、「行って帰ってくる」構造を持っています。ファンタジーの物語はその典型ですね。こうした物語では、まずは、ファンタジー世界(想像世界)への入口と出口の本当らしさが物語を支えます。
この物語は、どこが入口なのか判然とはしません。というのも、「みふで」が布団から起き出して、流れ星を見てしまうことは十分あるうるし、その流れ星を拾いにすいどう山に出かけることも有りうることですね。でも、冷静に考えて見ると小さい子がひとりで夜中に出ていくことは考えられませんよね。おそらく、「みふで」は眠ってしまったのでしょう。ですから、ここがファンタジーの入口です。有りうることのように信じさせてくれるところが、この物語の本当を支えています。
「みふで」は遠くに「ミーウ」という声を聞きながら、朝の、明るい光の中で目覚めます。そして枕元に小さなバスケットを見つけます。サンタさんからのプレゼントです。サンタさんは、すいどう山の道々で支えになってくれた、子猫をプレゼントしてくれたのでした。朝目覚めるところがファンタジーの出口となっています。これもうそっぽくないですね。
そして、出入口以上に大事なのは、物語の進み行きにある本当らしさです。
「みふで」は雪明かりの道、そして暗闇に咲く冷たい雪の花の中をすいどう山のてっぺんまで歩いていきます。「みふで」は強い意思を持っていますが、もちろん大いなる不安や恐怖を抱えているはずです。
こうしたことが、雪・風・木々・雪明かりなどの描かれ方や雰囲気(色調や線のゆれ)に描かれていなければなりません。圧巻なのは、最大の苦難である「カラス」の描かれ方ですね。見開きいっぱいにカラスは翼を広げ、その羽の先はどこまでも闇の中に延びて、見ることはできないくらいです。そして、真っ正面から(みふでに向かって)、人さし指の鋭い爪がはっきりと命令を出しています。
「…いくがいいさ。だがな、帰る時は、この私に渡すんだ」
「みふで」はどんな表情をしているのでしょうか。「みふで」はカラスに正対面していますから、読者には分かりません。《話しかけてくるものたちと最大の苦難、カラスのところ参照》
暗闇の道をひとり歩いていると、昼間にはなんでも無い木々や音などが、まったく別のものに思えてくるという経験をしない人はいないでしょう。そういったことが文章や絵の細部に表現され、この物語の本当らしさを支えています。

ですから、この「みふで」の物語は、あたかも読者自身も体験したことがあるような真実味のあるファンタジー絵本となっています。





内容紹介です

『きょうは クリスマス・イブ。あさから ふっていた ゆきも やんで、とてもしずかな よるになりました』

みふでは、サンタさんに布団から抜け出し、窓のカーテンを開け考えていました。
「あたしからも、サンタさんにプレゼントをあげたいな」

そのとき、
「あっ!」星が流れました。
大きな赤い流れ星が、すいどう山へ落ちていきます。

そうだ、流れ星をサンタさんにプレゼントしよう。
みふではこっそり家をでました。

三つ目の角を曲がったときでした。
「ミーウ」
まっしろのちいちゃな子ねこがなきました。
あんたもいっしょにきたいとたずねると「ミーウ」となくので、ポケットに入れていくことにしました。
ゆきだるまにも出会いました。でも、歩くことが苦手なのでついてきませんでした。

みふでは急ぎます。
冷たい風、枯れ草、こな雪が心配して話しかけてきました。

すいどう山の中腹まで来た時です。
「どこへいくのかな」
カラスが低いしわがれ声でいいました。
「夜のこの道は私の道、通したくないものは通れないのだよ。100年前からきまていることだ。なに、流れ星を拾いにだと。いくがいいさ。だがな、帰る時は、この私に渡すんだ」
「ダメ! サンタさんへのプレゼントよ!」
「いや、それは私のものだ。ここを通らなければ帰れない。拾ってくるんだ。さあ!」

みふでは、かけだし、のぼって、のぼりました。
そして、とうとうすいどう山のてっぺんにつきました。

ちょうど、松の木に風がまいおり、雪が舞い上がって、竜巻になりました。
その竜巻の向こうに、ちらり赤いものが見えます。
「流れ星だ! みつけた!」
みふではかけ寄ろうとしました。
でも、竜巻がおさまると、その、赤いものはゆさっと動きました。
それは、……





読み聞かせのポイント

このお話は、物語性が強く、どこにも想像を破綻させる要素がありません。
(想像の隙間がない)ですから、ちょっとトーンをさげてゆっくり読んであげるだけで、十分にファンタジー世界を楽しむことができます。
クリスマスってこんな不思議なことが起こってもいいですよね。

絵本 ながれぼしをひろいに
◆年齢◆
読んであげるなら4〜5才から。
自分で読むなら小学校低学年向き

◆ジャンル◆
◆ファンタジー絵本

◆シチュエーション◆
◆おでかけしよう!絵本


筒井頼子作 /片山健絵

初版年月日:1999年10月 福音館書店

ISBN:483401567X  ISBN13:9784834015676

32ページ 27X20cm 定価840円(税込)

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