日本の昔話5 ねずみのもちつき

絵本 日本の昔話5 ねずみのもちつき

絵本 日本の昔話5 ねずみのもちつきの表紙です

絵本 日本の昔話5 ねずみのもちつき
◆年齢◆
読んであげるなら4〜5才から。
自分で読むなら小学校低学年から

◆ジャンル◆
◆むかしばなし絵本

◆シチュエーション◆
◆おやすみの前に絵本


小澤俊夫再話 /赤羽末吉絵

初版年月日:1995年10月 福音館書店

ISBN:4834013286  ISBN13:9784834013283

368ページ 22x16cm 定価2310円(税込)

通常版はこちら!  定価2310円(税込)
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日本の昔話全5巻のうち、この第五巻目(ねずみのもちつき)は、冬を感じさせるお話を中心に編まれています。全58話の内容は以下のとおりです。

「ねずみのもちつき」「三枚のお札」「サトリ」「猟師と山じい」「雪おなご」「鮭の大助」「鬼退治」「ばけものをひと口」「馬方やまんば」「片子」「やまんばとくし」「仙人のおしえ」「灰坊」「つる女房」「猫の嫁」「雪娘」「雪女」「ねずみのすもう」「おんちょろちょろの穴のぞき」「糸ひき婿」「どっこいしょ」「馬の尻に札」「ぬすっと女房」「なぞの子守歌」「きつねのないしょばなし」「目の養生」「とんびになりたい」「たからの水」「うそつく槍」「岩くだき堂せおいと知恵もん」「蛇の湯治」「蛇の泊まり」「炭焼き長者」「龍宮女房」「大歳の火」「笠地蔵」「おわれ化けもの」「貧乏神」「じいさん、いるかい」「猟師とせんぐり食い」「炭焼き小屋のあねさま」「猫と鉄びんのふた」「西の狩人と東の狩人」「天狗の太郎坊」「けちくらべ」「だんだん飲み」「つぎちがい」「こおった声」「しっぽの釣り」「きつねとおおかみ」「みそさざいは鳥の王」「山のねずみと里のねずみ」「ねずみの婿取り」「とうふとこんにゃく」「もちあらそい」「ペナンペと子犬」「三本足の大熊」「炎の馬」

このうち、「雪女」「こおった声」「しっぽの釣り」は、冬そのものを語っています。「大歳の火」「笠地蔵」は、おおみそかが舞台、お正月準備を感じさせる「もち」の話もたくさん入っています。

ネズミ考
「もち」といえば、この第5巻のタイトルともなっているように「ねずみ」との関係がとても深いですね。
この第5巻中、ねずみの出てくるお話は、「ねずみのもちつき」「ねずみのすもう」「おんちょろちょろのあなのぞき」「山ねずみと里ねずみ」「ねずみの婿取り」です。
そのうち、「ねずみのすもう(紹介参照下さい)」も、「もち」の話です。
ところで、第1巻には、「十二支のおこり」があります。12年でひとまわりする干支(えと)は、ねずみ年からはじまりますし、月の始まりの1月(正月)もねずみです。干支(えと)は、年月を数える数詞(1・2・3などと数えるのと同じ)であって、本来動物との関係はまったくないそうですが、「十二支のおこり(十二支のはじまり)」というお話で、12の動物と関係づけられました。ねずみがはじまりであるとする考えには、人間とねずみの関係がそれほど深いことがあらわれています。ねずみは人の食料や住まいに害をもたらすので嫌われる一方、昔話では、親近感以上に、人間の能力を超える何かをそこに感じています。そうした精神的背景から、「予兆」を示す動物とも考えられています。たとえば、平家物語には、《福原遷都後、平家の人々は夢見悪く、怪事が続いた。平清盛の愛馬の尾に一夜のうちに鼠が巣を作って子を生み、七人の陰陽師が「重き御つつしみ」と占った。まもなく、「伊豆で源頼朝が挙兵した」との報が届いた。(物語要素事典 )》
また、ねずみはきつねやカラス同様、神の使いと考えられてきました。予兆を表すのも神の使いだからでしょう。「おんちょろちょろのあなのぞき」という笑い話が成立するのも、神仏が混淆した精神とねずみへの親近感とがない交ぜになっている感じがします。
一方ねずみのほうでも、人類歴史のどの段階からか知りませんが、人間近くで生きる決断をした「里ねずみ(家ネズミともいうのでしょうか)」がいます。「山ねずみと里ねずみ」は、そのことを物語っています。
「もち」とねずみの結びつきは、ずいぶん古いでしょうね。「もち」は現在の私たちが食べている「うるち米」と違い、蒸して食べる種類ですから古代米の伝統をひいています。ひょっとしたら、ねずみがこの米を先に食べていたのかもしれません。それを見た人間が、そのままではねずみのように食べられませんから、「烝す」という方法を考え出したのかもしれません。いずれにせよ、「ねずみともち」の関係のお話からは、「もち米」への神聖視が感じられます。「もち米」へは、いくら感謝してもしたりないくらいです。それの発見が米食人類を生き延びさせてくれたのですから。
「ねずみの婿取り」というお話も笑い話です。これを教訓話とうけとる向きもありますが、もっと深いお話ではないでしょうか。「お日さま」「雲」「風」「壁」よりも偉いもの、それはねずみだという飛躍した論理に、なぜか納得してしまいます。ちょっと大袈裟にいえば、「ねずみ」の生命力に対して、何かしら神秘性と畏怖の念を、人間の側はいだいているような気がします。そういえば、恐竜をすべて滅びつくした困難な時代に、哺乳類はネズミのような姿だったそうです。そうやって生き延びた記憶が人間に元々備わっているのかもしれません。





内容紹介です

【ねずみのもちつき】
『むかし、あるところに、正直なじさまとばさまがいました。
ある日、じさまが山へいって、とっけーん、とっけーんと木を切っていると、ねずみ穴からねずみが一ぴき、ちょろちょろとでてきました。ねずみは、
「ああ、いい天気だ。お金をほすのにちょうどいい。おい、みんな、金ほそう、金ほそう」
といって、穴の中へもどっていきました。
やがて、たくさんのねずみが一枚ずつ小判をもってでてきて、むしろに、一枚ずつ干しました。
ところが、急に雨がふってきました。
それで、じさまはむしろごと小判をまとめ、ねずみ穴に入れてやりました。
雨が止むと、父さんねずみがでてきて、
「じさま、じさま。さきほどは、おかげさまで助かりました。今晩、家でもちつきをするのでおいで下さい」
といいました。
じさまは、ねずみと手をつないで目をつむりました。
しばらくして、じさまが目をあけると、なんとそこは立派な座敷でした。
「よくおいでくださいました」
母さんねずみ、じさねずみ、ばさねずみ、若衆ねずみ、娘ねずみ、みんなでもてなしてくれました。
それから、ねずみのもちつきが始まりました。
「でたばこ こーん、
 でたばこ こーん、
 百になっても二百になっても、
 猫の声、ききたくない
 でたばこ こーん、
 でたばこ こーん」
じさまはいろんなもちをたっぷりごちそうになりました。
その上、もちをいっぱいつめた重箱をおみやげにもらいました。来たときとおなじように、ねずみと手をつないで目をつむりました。
そして、目をあけると、そこはもうじさまの家でした。

じさまとばさまが、みやげのもちを食べていると、となりの欲張りばさまがやってきました。

(以下略)

【ねずみのすもう】
むかしあるところに、貧乏なじいさまとばあさまがいました。
ある日、じいさまが山へ木を切りにいくと、
「よいしょ」「どっこいしょ」
「うんとこしょ」「どっこいしょ」
「はっきた」「ほっきた」
やせたねずみとふとったねずみが相撲をとっていました。

「うんしょ」「どっこいしょ」〜

よくみると、やせたねずみはじいさまの家のねずみで、ふとったねずみは長者の家のねずみでした。
じいさまの家のねずみは負けてばっかり。
そこで、じいさまはうちに帰ると、ばあさまと相談して、なけなしのもち米でもちをつき、棚にのせておきました。
次の日、また山へ行くと、ねずみが相撲をとっていました。
「はっきた」「ほっきた」
今度は、じいさまのねずみが長者のねずみを投げ飛ばしました。
長者のねずみはびっくりして、いいました。
「どうして今日はそんなに強いんだ」
(以下略)

【ねずみの婿取り】
むかし、やっとのことで、女の子にめぐまれたねずみ夫婦がいました。ねずみ夫婦はひとり娘を大事に育てました。
やがて、娘は年頃になり、婿を迎えようということになりました。
「こんないい子だから、仲間のねずみにはもったいない。もっとえらいものを婿にしよう」
「いったい、だれがいちばんえらいだろう」
すると、母さんねずみがいいました。
「そりゃあ、お日さまですよ。空から世界中を照らしていなさるんだもの」
「それでは、お日さまにたのんでこよう」

「お日さま、お日さま、うちのかわいい娘のお婿さんは、世界でいちばん偉い方にしたいのです。お日さまは世界でいちばん偉い方です。うちの娘をもらってもらえませんか」

すると、お日さまはいいました。
「そりゃあもらいたいけれど、いちばん偉いのはわしではないよ」
「それは、いったい誰ですか」
「雲だ、雲がでると、わしがどんなにかんかん照っても光をふさがれてしまう」

それで、ねずみ父さんは雲のところへいきました。
雲はいいました。
「もっと偉いのがいる。風だ」

こうして、ねずみ父さんは、風より偉い壁のところへ行きました。すると、壁はもっと偉いのがいるといいます。





読み聞かせのポイント

4・5歳ともなると、この昔話集の中の「長いお話」(ページの厚さ)を選んで、今日はこのお話を読んでというようになります。
読み手はたいへんでしょうが、これはチャンスです。
本格的な「物語」への欲求が始まっています。
短いもの、長いもの、多様ですので、お子さんの状況に合わせ、組み合わせて読んであげてください。
そして、一冊読みあげること、この分厚い本を読んだという達成感も読書にとって大事なことです。

絵本 日本の昔話5 ねずみのもちつき
◆年齢◆
読んであげるなら4〜5才から。
自分で読むなら小学校低学年から

◆ジャンル◆
◆むかしばなし絵本

◆シチュエーション◆
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小澤俊夫再話 /赤羽末吉絵

初版年月日:1995年10月 福音館書店

ISBN:4834013286  ISBN13:9784834013283

368ページ 22x16cm 定価2310円(税込)

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