おだんごぱん―ロシア民話

絵本 おだんごぱん―ロシア民話

絵本 おだんごぱん―ロシア民話の表紙です

絵本 おだんごぱん―ロシア民話
◆年齢◆
読んであげるなら4〜5才から。
自分で読むなら小学校低学年から

◆ジャンル◆
◆むかしばなし絵本

◆シチュエーション◆
◆おでかけしよう!絵本


瀬田 貞二 脇田 和 

初版年月日:1966年01月 福音館書店

ISBN:4834000575  ISBN13:9784834000573

ページ 30x1cm 定価1155円(税込)

通常版はこちら!  定価1155円(税込)
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同じ場面は同じせりふ、これは昔話の法則ですが、このお話では、これまでのいきさつを歌って語ります。

それはこんな歌です。(注*)
『ぼくは、てんかの おだんごぱん。
 ぼくは、こなばこ ごしごし かいて、
 あつめて とって、それに、クリーム
 たっぷり まぜて、バターで やいて、
 それから、まどで ひやされた。
 けれども ぼくは、おじいさんからも、
 おばあさんからも、それに、
 ○○さんからも、にげだしたのさ。
 おまえなんかに つかまるかい』
(この歌詞は、新たな出会いのたびに、出会った者が加わり、長くなります)

《呪文》
おだんごぱんは、「お前を食べてあげよう」という動物たちに、
「…そうはいかないよ。あんたに歌を聞かせてあげるんだからね」といって、この歌を歌います。
出会いがくり返されるその場面が、いちばんドキドキするところ、子どもたちがもっとも好きな場面ですね。
食べられるかもしれないという緊張場面において、まず、第一に「歌」は一呼吸おく「すきま」を作ります。歌っているときには相手は手を出せません、歌にはそんな力があったのですね。第二に、歌詞の内容は、「ぱんの誕生物語」と世間を渡ってきたこれまでのいきさつになっています。ぱんは、粉から苦難を乗り越えて生まれてきた、そうしたものは、おいそれと他者に食べられる存在ではないのだと歌っています。そして、こうした者がもつ力を言葉にすると、その現実においても実際の力となり、言葉通り、歌詞通りになります。つまり、この歌詞は呪文のような働きを持っています。呪文が効かないのはどんな場面なのでしょう。

《お前を食べてやる》
小さな子に、「お前を食べてやる」ごっこをしてやると、とても喜びますね。逃げおおせるか捕まるか(食べられるか)、この緊張感がたまらないのでしょうね。なかには、捕まることを喜ぶ子もいます。これは奇妙なことに思えます。ここには「ごっこ遊び」だからではすまされない、もっと根源的なものがある気がします。考えてみれば、「鬼ごっこ」や「追いかけっこ」はすべてこの遊びですね。人類は誕生以来ずっとこのような遊びをやって来たことになります。捕まること(食べられる)ことも一種の「自己解放」なのかもしれません。実際にはできないことであるから、その代償として、「鬼ごっこ」などの遊びが延々と繰り返されているのかもしれません。
このお話の、最後、おだんごぱんはキツネにあっさりと食べられてしまします。あまりにもあっけらかんとしていて、あっけにととられますが、でも、後からじわっと解放感がわいてくるような気がします。いかがでしょうか。

《脇田さんの絵》
この昔話は、かなりシビアなお話で、しかもいわば「ほめ殺し」のお話でもありますね。子どもにとっては、とてもシリアスなお話だと思います。だからドキドキします。
おだんごぱんは苦難を経て生まれ、うまく世間を渡ってきました。そしてそのことが認められると、うぬぼれが芽ばえたのでしょう、それをほめそやされると、つい相手のペースにはまってしまったのではないでしょうか。
こういうお話は、昔話であるからこそ、つまり語る先からイメージが消えていくからこそ成り立つお話でもありますね。
そんなお話を「絵本」にする場合、どんな絵であるかがとても重要になります。問われるのは、ユーモアとおおらかさと、ちょっとした怖さではないでしょうか。おだんごぱんと動物のかけあいを、ユーモラスな場面(つまり消えていくお話のように)に転換する必要があります。そして最後のあっさりと食べられてしまう場面は、あっけらかんとしてなくては、あまりに重いものが目の前に残ってしまします。(本質的なことは、こころのずっと奥、意識しないところに残る)
脇田さんの絵はこうしたことを実によく表現していると思えます。





内容紹介です

むかしむかし、あるとき、『おじいさんが、なにか おいしいものが たべたくなって、おばあさんにいいました』
『ばあさんや、ひとつ、おだんごぱんを つくってくれないか』
おばあさんは粉箱をひっかいて粉を集め、おだんごぱんを焼きました。

そこで、おばあさん、〜

ほかほかに焼けますと、おばあさんは、ぱんを窓辺の棚に冷やしておきました。

おだんごぱんは、じっとしているうち、ついついころがしだしました。窓のところからイス、イスから床へ、床から戸口へころころ転がり、『それから、だんだんを ころころ おりてって』表通りへ出て行きました。

おだんごぱんは、野はらでウサギにあいました。
ウサギはぱんにいいました。
「おだんごさん、おだんごさん、おまえを ぱくっと たべてあげよう」
「いや、ウサギさん、そうは できないよ。あんたに、歌をきかせてあげるんだからね」
おだんごぱんは、自分が生まれてここまできたいきさつを歌い(*注 歌の内容は解説をお読み下さい)ました。
そうして、おだんごぱんは逃げ出しました。

こうして、ころころ、ころがっていきますと、
オオカミやクマに出会います。
「おだんごさん、おだんごさん、おまえを ぱくっと たべてあげよう」
その度に、おだんごぱんは、ここまできたいきさつの歌をうたってにげます。

キツネに会いました。
『ごきげん いかが、おだんごぱんさん。なんて あなたは きれいで、なんて ほかほか やけているんでしょう」
おだんごぱんは、また、ここまできたいきさつの歌を歌いました。
すると、キツネはその歌をとてもほめてくれました。
それで、今度はキツネの鼻の上でその歌をうたいました。
『どうもありがとう、おだんごぱんさん。だけど、おねがいだから、もういちどだけ、うたってくださいな。さあ、こんどは、このしたべろのうえに いらっしゃい。そのほうが、よくきこえるから』
そして、キツネが舌をぺろりと出しますと、おだんごぱんは、飛び上がって舌の上に…





読み聞かせのポイント

どんな絵本や昔話でもそうですが、「はなしはおしまい」「とっぴん ぱらりのぷ」で終わることが大事です。
つまり、読みっぱなしですね。
とくにこの絵本はそうですね。
おおらかさを楽しみましょう。

絵本 おだんごぱん―ロシア民話
◆年齢◆
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◆むかしばなし絵本

◆シチュエーション◆
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瀬田 貞二 脇田 和 

初版年月日:1966年01月 福音館書店

ISBN:4834000575  ISBN13:9784834000573

ページ 30x1cm 定価1155円(税込)

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