日本の昔話2 したきりすずめ

絵本 日本の昔話2 したきりすずめ

絵本 日本の昔話2 したきりすずめの表紙です

絵本 日本の昔話2 したきりすずめ
◆年齢◆
読んであげるなら4、5歳から。
自分で読むなら小学校低学年から。

◆ジャンル◆
◆むかしばなし絵本

◆シチュエーション◆
◆おやすみの前に絵本


小澤俊夫再話 /赤羽末吉絵  福音館書店

初版年月日:1995年10月01日 ISBNコード:978-4-8340-1325-2

384ページ 22X16cm 定価2310円(本体2200円 + 税110円)

通常版はこちら!  定価2310円(本体2200円 + 税110円)
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日本の昔話(2)は、全5巻のうち、初夏、田植えの時期のお話を中心に編んでいます。この巻には全部で59話が収められています。

まず、有名なお話では、
舌切りすずめ、きつね女房、しょうとんどの鬼退治、食わず女房、お月お星、ざしきわらし、大工と鬼六、地蔵浄土、聞き耳ずきん、龍宮童子、かも取り権兵衛、
が収められています。他には、
田植えきつね、おしら神さまの田植え、日まねき長者、かえるの恩返し、かっこう鳥、かえるの聞きじまい、足折れつばめ、かにかに・こそこそ、かっこうとほととぎす、産神さまの運定め、さんしょううお女房、魚の嫁さん、がいこつの恩返し、蛇になった娘、蛇の子シドー、磐司と桐の花、かに淵の主、鬼婆の糸つむぎ、きじない太郎、蛇女退治、手なし娘、なぞの歌、うばすて山、弘法さまの万年機、身上あがるようだ、さめにのまれる、豆っこの話、豆と炭とわらの旅、きつねの茶釜、米出しえびすさま、天福地福、おおかみのまつげ、おおかみのおくりもの、送りおおかみ、あぶら取り、分別八惣、早わざくらべ、ほらふき長吉、仁王と賀王、知ったかぶり、どうもとこうも、かくれ簔笠、きつねのお風呂、山伏ときつね、きつねがわらう、師番の赤馬、虎千代丸、白鳥の姉。


「舌切りすずめ」について
このお話は日本の昔話のなかでも10本指にはいるくらいポピュラーですね。どうしてなのでしょうね。
(1)不思議を解く話だから?
なぜ、スズメには舌がないのだろうという疑問を解いてること。「サルのお尻はなぜ赤い」、「そばの茎はなぜ赤い」と同じですね。
(2)正直者や優しさをもつ者は、宝ものを得ることができるから?
隣のじいさん、ばあさん型ですね。教訓に利用されたから。でも、それだけでは長続きしませんよね。
(3)スズメの愛らしさ(小さい)、愛着から?
現代人には、この点はうなずけるような気がしますが、しかし、農民はずっと、スズメ被害に悩まされていました。長い間害鳥でした。
(4)人間に近しいから?
人間のすぐ近くにやってきます。子どもにとってはスズメ採りをして遊びましたから、(3)や親近感はあります。

でも、昔話は子どもだけのものではありませんでした。大人も支持しなければ、伝わってはいかないですね。
もっと、深い意味がありそうです。
舌切りすずめの世界には、自然(動植物)と人間の関係の古い古い考え方(おそらく石器時代)が残っているころが感じられます。特におじいさんに。動物(植物も)と人間は生きものとして、互いに支え合う関係(食べる食べられる関係も含む)や対等な関係がありました。ですから、魔法などなくても、互いに意思疎通ができました。鳥一般は神聖な生きものでした。大いなるもの(自然・神)との間を行き来して、人間に何かを伝えようとしてくれるからです。スズメも例外ではないです。ただ、スズメの場合、より近しいですから、畏れより親近感が強かったのではないでしょうか。

馬や牛の小便を三回飲む
人間と動物の関係がだんだん遠ざかっていくと、動物の世界へ到達できる人には特別なものが備わっていなくてはならなくなったのではないかと思います。
ですから、小便を飲むのは、儀式で、動物界へいけるいわばテストだ思います。おばあさんのように、この手続きを無視すると、行けないか、手痛いしっぺ返しを受けるのです。おばあさんは優しくなくて、とりたてて悪い人ではありません。だっていっしょに暮らしていたわけですから。

宝もの
金銀や美しい着物が象徴しているものは、「富」=自然界からの贈り物です。スズメが笹ぶき小屋で、機織りをしているというのはとても面白いですね。だから、つづらにも美しい着物が入っていました。そもそも、人間は「織物」をどうやって学んだのでしょうか。鳥がいろんな繊維を持っていって、それを編んで巣作りすることは、ヒントにならなかったのでしょうか。

「かえるの恩返し」について
日本の昔話には、ある日、突然娘がやってきて、女房になるお話がたくさんあります。この第2巻にも、「きつね女房」「くわず女房」「さんしょううお女房」が収められていますし、他にも「つる女房(つるの恩返し)」は、だれもが知っています。
こうしてみると、季節ごとにいろんな動物が人間界にやってくることがわかります。舌切りすずめも受け取りようでは、人間界にやってきた動物の話ですね。
その多くは、正体を知られると、本来の世界に帰らねばなりません。そうだとしても、動物界と人間界の壁はそんなに隔たっていかなかったことが分かります。
やってくる理由は「恩返し」と「不明」、そして、「連れ帰り」の三通りです。「恩返し」や「連れ帰る」型は、比較的新しい形で、時代が進むと、突然やってくる(不明)のでは納得いかなくなったからだと思われます。おそらく古くは、人間界と動物界は自由に行き来できるものと考えられたはずです。ただ、動物界(自然界)に対しては、畏敬の観念も同居していたと考えられます。これが「くわず女房」型を代表します。

こうした、動物界(自然界)との交流・交通は、人間界に「富」をもたらします。
カエルは「雨」を呼んでくれます。雨が降らないと、田植えはできず、干ばつがやってきます。夏祭りはほとんど「雨乞い」の行事と関係がありますね。主に「竜」が主役を務めます。これは雷、すなわち稲光を、竜の滝上りと想像したからです。このお話にも、池に落とされた石をかみなりだと、カエルたちが誤解する場面がありますが、雷神にたいする意識の痕跡が残っているようです。
カエルの鳴き声が、田植え歌に聞こえる感性に、「富=豊作」を願う農民のおおらかで切実な願いを読み取ることができます。「一本植えたら、千本でろ」は、オーバーな願いに思えますが、実際、稲というのは、「一粒が千粒」くらいにはなり、自然界はそれほどの富をもたらしてくれるのです。
カエルは雨を呼び、応援歌を歌ってくれて、その富を実現してくれたのです。
「なんとか女房」の話が多いのは、古来、「女・子ども」だけが「神(自然)」と交感でき、女の人は豊かさの象徴だったからですね。きっと。そういえば、田植えは、男には許されず、女の人の特別な役割、「早乙女」でしたし、古代、お酒を「醸す(かもす)」ことができたのも女の人の特別な力でした。





内容紹介です

《したきりすずめ》
『むかし、あるところに、じいさまとばあさまがいました』
ある日、じいさまは、山からすずめを連れてかえり、「ちょんこ」と名付けかわいがっていました。
あるとき、ばあさまは、洗濯糊の番をちょんこに頼み、隣へいきました。
帰ってみると、糊はすっかりなくなっていました。
ばあさまが、ちょんこの口を開けてみると、舌に糊がいっぱいついていました。

ばあさまは怒って、ちょんこの舌を切ってしまいました。ちょんこはいたいいたいと泣きながら飛んでいきました。

そのうち、じいさまが帰ってきました。でも、ちょんこは出てきません。
ばあさまにわけを聞くと、じいさまは、
「それはかわいそうな。ちょんこを探してくる」
といって、出かけました。
じいさまが、川上へ行くが行くが行くと、馬洗いが川で馬を洗っていました。
「馬洗いどん、馬洗いどん、わしの舌切りすずめを見なかったかい」
「ああ、見たよ。だが、馬の小便三杯のまなけりゃ、教えてやるわけにはいかない」
じいさまが馬の小便三杯飲むと、川上の牛洗いに聞けと教えてくれました。
また、どんどん行き、牛の小便三杯飲んで、牛洗いに「川上に笹ぶき小屋がある、そこへ行け」と教えてもらいました。

したきりすずめ

こうして、笹ぶき小屋にいくと、舌切り雀はお酒を出してくれて歓待してくれました。
それでいっしょに帰ろうといいましたが、断られ、かわりに、「重いつづらがいいか、軽いのがいいか」と聞かれました。
「わしはとしよりだから、軽いほうがいい」
舌切り雀は、「途中で開けないでください」といって、軽いつづらをもたせてくれました。
じいさまは、「うんしょ うんしょ」と帰ってきました。
それから、ばあさまとふたりして開けると、中には金銀やら、美しい着物やらがつまっていました。

これをみたばあさまは、「それじゃあ、わたしも行ってこよう」といって、すぐに出かけました。


「どんとはれ」


《かえるの恩返し》
『むかし、あるところに、ひとり暮らしのおじいさんがいました』
ある日、おじいさんは、朝からでかけました。途中、いっぴきのかえるが蛇にのまれかけていましたので、助けてやりました。

かえるのおんがえし

夕方になり帰る途中、うしろから娘がついてきて、町までいくといいます。
おじいさんの家まできて、
「それじゃあ、気をつけて行くんだよ」と娘にいいました。
ところが、娘は今晩泊めて欲しいといいます。

次の朝、娘は暗いうちからおきて、家じゅう掃除をし、朝ごはんをつくってくれました。
それから毎日、いっこうに出ていく様子はなく、くるくると働きます。
それで、おじいさんは、
「ありがたいが、そろそろ帰ったらどうかね」
といいました。
すると、娘は、
「嫁にして、このうちにおいてください」
といいました。
こうして娘を嫁にして、やがて赤ん坊が生まれました。
赤ん坊に「でっつくぼう」と名付けました。
ある日、嫁が実家の法事にでかけるというので、行かせてやりました。でも、こっそり後をつけていきました。
沼までいくと、嫁は、でっつくぼうをおんぶしたまま、沼に飛び込みました。
おじいさんは、びっくりして、沼をのぞきこみました。
すると、沼の中からは、
「おや、おばさんが帰ってきた。赤ん坊もいっしょだ」という話し声が聞こえ、それから沼のかえるたちがいっせいに鳴き始めました。
おじいさんははじめて嫁がかえるだと気がつきました。
そして、大きな石を投げ込み、逃げ帰りました。
夜になって、嫁は帰ってきました。
「立派な法事でしたよ。でも途中で、雷が落ちて、大騒ぎでした」
「そいつは、雷なんかじゃない。おれが石を投げたんだ」
「ああ、おまえさんに正体が知れたのですね。恩返しに嫁になりましたが、もうここにはいられません。でっつくぼうをいい子に育ててください」
そういって嫁は、かえるにもどると行ってしまいました。
その晩大雨になりました。
雨の中から田植え歌が聞こえてきます。
「やーれ、そーれ、
 でっつくぼうのおやじの田んぼは、
 穂に穂が重なれ。
 一本植えたら、千本でろ。
 やーれ そーれ」
「でっつくぼう、母さんが、今いっしょけんめい田植えしているぞ」
夜があけるとおじいさんはでっつくぼうをおんぶして田んぼにいきました。
すると、





読み聞かせのポイント

長短合わせ、59話集められています。
端から読んでいくのもいいし、興味にそって選んで読んであげるのもいいでしょう。4、5才なら他の昔ばなし絵本と同時進行で、6才以上なら、どんどん読んであげましょう。
童話への橋渡しとしても最適。

絵本 日本の昔話2 したきりすずめ
◆年齢◆
読んであげるなら4、5歳から。
自分で読むなら小学校低学年から。

◆ジャンル◆
◆むかしばなし絵本

◆シチュエーション◆
◆おやすみの前に絵本


小澤俊夫再話 /赤羽末吉絵  福音館書店

初版年月日:1995年10月01日 ISBNコード:978-4-8340-1325-2

384ページ 22X16cm 定価2310円(本体2200円 + 税110円)

通常版はこちら!  定価2310円(本体2200円 + 税110円)
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