12の月たち -スラブみんわ-

絵本 12の月たち -スラブみんわ-

絵本 12の月たちの表紙です

絵本 12の月たち
◆年齢◆
読んであげるなら5、6才から。
自分で読むなら小学校低学年向き。

◆ジャンル◆
◆むかしばなし絵本

◆シチュエーション◆
◆おやすみの前に絵本


サムエル・マルシャーク/再話 ダイアン・スタンレー/絵 松川真弓/訳 評論社

初版年月日:1986年12月 ISBNコード:4-566-00265-9

32ページ 31X22.5cm 定価1470円(本体1400円 + 税70円)

通常版はこちら!  定価1470円(本体1400円 + 税70円)
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「森は生きている」という劇をご覧になった方は多いのではないでしょうか。

「12の月たち」は、ボヘミア地方の昔ばなしを、マルシャークがロシア語に再話したものです。さらに、マルシャークは、この昔ばなしを元に、「森は生きている」という劇をつくりました。(岩波少年文庫の中に、この劇の戯曲があります)
各地のスラブ民族には、たくさんの類話が語り継がれてきたようですが、この昔ばなしはその一つです。ですから原話は少しずつ違っています。たとえば、「12のつきのおくりもの(スロバキア昔話・内田莉莎子再話・丸木俊画・福音館書店))もあります。

典型的な継母物語
グリム昔話の「灰かぶり」、「プンクマインチャ(ネパール昔話)」 ぺロー童話の「シンデレラ」(このお話は灰かぶりと同じ原話。グリムの方が古いと思われます)と同じ話形の、「継子・継娘が一日中働かされ」、最後にはこの子だけが幸せになるお話です。
どうして継母・継子話はこんなにも多いのでしょうか。
おそらく、継母というのは、親の一面(自立を促す、厳しさ)の象徴的な表現であり、子どもはそれを乗り越えて一人前にならなければなりませんから、こういった物語が不可欠なのでしょうね。

マツユキソウ(待雪草)
昔ばなしには、物語の奥にある隠れた意味を示す「もの」が象徴的に使用されます。よりイメージを鮮明にしたり、語り時間の短縮をはかったりする、口承文学(耳から聞く文学)の独特の表現法だと思われます。
このお話では「マツユキソウ」がそうですね。
マツユキソウには、こんないわれがあります。
『エデンから追放され極寒の地で凍えるアダムとイヴを慰めるため、天使が現れて雪原を花に変えた』
どんな花なのか、このHPをご覧下さい。

英語名「スノードロップ」。イギリスでは「2月の美しい少女」。
シューベルトの「スミレ」に、こんな歌詞もありました。
  『マツユキソウよ、マツユキソウよ
  牧場じゅうに、静かな森の中にも、
  鈴を鳴らしておくれ、
  いつまでも鈴を鳴らしておくれ、
  お前は、春、あの花婿殿が
  冬との戦いに勝ち、氷の武器を奪い取って
  近づいてくる、その喜びの時を
  知らせる使者なのだから。
  そこでお前は金色の茎を揺すり、
  銀色の鈴をまた鳴らすのだ
  お前の甘いにおいが、
  誘いの声のようにあたりに吹き渡ると
  土の中の花たちは、薄暗い巣から起きだして
  自分こそ花婿殿に相応しい者だと
  結婚式のために着飾るのだ。
  マツユキソウよ、マツユキソウよ
  牧場じゅうに、静かな森の中にも、
  鈴を鳴らしておくれ、
  花たちが眠りからさめるように
  (詩 フランツ・フォン・ショーバー)』
マツユキソウは、春先に雪の中から咲き出します。それゆえ、この花は「希望」を表しています。

12の月たち
ロシア(スラブ)には、新年を迎える大晦日の晩には1月から12月までの月の精が森の中に勢揃いするという伝説があるそうです。1月から12月まで、それぞれの月の精霊がいて、その精霊が季節の順番を乱さないように管理しています。
日本には、各月の精霊や神さまはいないようですが、その変わり、季節ごとに神さまがやってきますね。お正月にやってくる神さまを「年神さま」といいますから、ひょっとして、この神が1年を管理しているのかもしれません。年神さまがやってくると、ひとつ年を取ります。

「12のつきのおくりもの」との比較
(特製版販売中、メールにて御注文お受けします)
おそらくこちらのお話のほうが原話に近いと思われます。
1、姉娘との対比がくっきりしている。
2、継娘が冬の森へ行く場面は、3回の繰り返しになっている。一回目は、スミレ、2回目イチゴ、3回目リンゴ
3、文章がシンプルで、あっさりしていること
たとえば、「12の月たち」では、月が交代する場面で、
《1月は、氷の杖で地面をこつこつとつき、おごそかにとなえました。
 『この天然自然の森の中
  寒さよ、木ぎをかちかちならすな!
  ……』》となっています。
「12のつきのおくりもの」では、杖をふるだけでたちまち3月になります。

とうやら、マルシャークは、「12のつきのおくりもの」を原話として、「12の月たち」に脚色し、さらに劇「森は生きている」を作ったと考えられます。
その際、マルシャークは「スミレ」を「マツユキソウ」に変更した可能性があります。「マツユキソウ」のほうが、そのいわれに見るように(希望という意味で)象徴性が高いとみたのではないでしょうか。
どちらの絵本が優れているかは一概にいえませんが、「12の月たち」がより劇的になっていて、シンプルな「12のつきのおくりもの」は、昔ばなしの本来の形を持っています。ですから、「12のつきのおくりもの」がより小さい子向きだとだけは言えますね。





内容紹介です

『ある小さな村に、ふたりのむすめとくらしている、いじの悪い女の人がいました。ひとりは自分のむすめで、もうひとりはままむすめでした』
上の娘は一日中何もしないでいましたが、継娘は、休むひまなく働いていました。
ある冬の大吹雪の日、暗くなりかけたころ、継母にいいつけられて、継娘は、姉娘の誕生日に飾る、春にしか咲かないのマツユキソウをさがしに森へいかされました。
真っ暗な森の中、かすかな明かりを見つけて行ってみると、そこには12人の男の人がいました。
3人はお年寄りで、3人はおとな、3人はわかい人、3人は少年でした。
その時、お年寄りのひとりが、継娘を見つけました。
「どこから来た? そこでなにをしている?」
「マツユキソウを摘んでかえらなくちゃならないんです」
「みつからなかったら、どうするのかね?」
「ずっと森にいます。摘まずにかえるくらいなら、森でこごえたほうがましだもの」
すると、突然、一番若い男の子が口を開きました。
「1月のにいさん、ぼくと場所をかわってくれないかな」
もうひとりのお年寄りがいいました。
「はやいとこ、3月に場所をあけてやろう。みんなこの娘をよく知っとるだろう。氷のあなに水くみにきたり、森でたき木をひろったりしているのを」
「それなら、はじめよう」
1月は、氷の杖で地面をこつこつとつき、おごそかにとなえました。
 『この天然自然の森の中
  寒さよ、木ぎをかちかちならすな!
  ……』
すると、木ぎは霜でかちかちいうのを止め、雪はぼたん雪にかわりました。
1月は2月に杖をわたしました。
2月は叫びました。
 『風よ、嵐よ、烈風よ
  ここをかぎりと、ふきつのれ!
  ……』
とたんに、風はこずえをならし、雪をまいあげました。
「さあ、次はお前さんだ。3月のきょうだい」
3月が氷の杖を受け取ると、杖はつぼみをつけた枝に変わりました。
 『走れ、小川よ、走れ
  あふれ出ろ、水たまりよ、あふれ出ろ
  …
  クマは、はい出て、やぶをいき、
  鳥は、ほがらかに歌っている!
  ほうら…』

すると、どうでしょう!!





読み聞かせのポイント

劇的な表現が少し目立ちます。
ですから読む方はあまり大袈裟にならないよう、淡々と読んだ方がいいかもしれません。

絵本 12の月たち
◆年齢◆
読んであげるなら5、6才から。
自分で読むなら小学校低学年向き。

◆ジャンル◆
◆むかしばなし絵本

◆シチュエーション◆
◆おやすみの前に絵本


サムエル・マルシャーク/再話 ダイアン・スタンレー/絵 松川真弓/訳 評論社

初版年月日:1986年12月 ISBNコード:4-566-00265-9

32ページ 31X22.5cm 定価1470円(本体1400円 + 税70円)

通常版はこちら!  定価1470円(本体1400円 + 税70円)
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