イギリスとアイルランドの昔話

絵本 イギリスとアイルランドの昔話

絵本 イギリスとアイルランドの昔話の表紙です

絵本 イギリスとアイルランドの昔話
◆年齢◆
読んであげるなら5、6才から。
自分で読むなら小学校中学年から。

◆ジャンル◆
◆むかしばなし絵本

◆シチュエーション◆
◆おやすみの前に絵本(毎日少しずつ)
◆ほいくえん、ようちえん絵本(毎日少しずつ)


石井桃子 編・訳:ジョン・D・バトン 絵 福音館書店

初版年月日:1981年11月25日 ISBNコード:4-8340-0860-6

344ページ 22X16cm 定価1680円(本体1600円 + 税80円)

通常版はこちら!  定価1680円(本体1600円 + 税80円)
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「ジャックとマメの木」「三びきの子ブタ」など世界中の子どもたちが読み継いできた、
イギリス編22話、アイルランド編8話、合わせて30編からなる昔話集です。

ここには「ちいちゃい、ちいちゃい」など、短いお話から、本格昔話までいろんなお話が集められています。
ほとんどがジェイコブス再話のもので、あと一部がアニー・スティール、そしてアイルランド編の3話が有名な詩人イェーツ編んだ昔話集から、石井桃子さんが翻訳されています。
ジェイコブスの再話の特徴は、語り手(原話)から直接採集したものではなく、大英博物館の記録から再話したそうです。しかしその際、子どもに何回も語ってから再話しており、その結果、現在の昔話研究で発見された「昔話の文法」を先取りしているかのように、きちんと整理されたものになっています。だから、ストーリーテリングのテキストとして使用する語り手の方が非常に多い昔話集です。

イギリス編
《ちいちゃい、ちいちゃい》
下記に紹介しました。
《チイチイネズミとチュウチュウネズミ》
《三びきのクマの話》《かたやきパン》
ロシアの昔話とそっくりのイギリス風「三びきのくま」「おだんごぱん」。
《三びきの子ブタ》《ジャックとマメの木》

そこで、人食い鬼は、〜

みなさんよくご存じのイギリスを代表する昔話。これこそ、もっとも昔話の基本となる再話となっています。
ただし類話は世界中に広がっており、イギリス特有の話ではありません。
《ミアッカどん》
《おスだんなと、おスおくさん》
《だんなも、だんなも、大だんなさま》
下記に紹介しました。
《空の星》
《ヘドレイのべこコ》
《ふしぎなお客》
《りこうなお嫁さん》
表紙絵がこのお話の一場面。城作りの名人の父親とその息子が、息子の嫁に命を救われるお話。。たとえばこんな場面もあります。城作りのために、遠い道のりを歩いていっていると、父親が「長い道を短くさせるにはどんな方法があるか」と息子に聞きます。その方法が分からない息子に父親は役立たずと追い返します。帰って嫁さんにいうと、即座に「こうするのよ」と息子に教えます。
《姉いもうと》
《スワファムの行商人》
日本には「夢見小僧」というお話があります。小僧はけっして夢を売ることをしませんでした。このイギリスのお話は、ロンドン橋にいけばいいことがあるという夢にしたがって行ってみます。ロンドン橋の上である商人が見た夢の話を聞いて、実際にその場所へいってみると…。夢は正夢。
《トム・ティット・トット》
下に紹介があります。
名前を当てられると力を失い、姿を消してしまいます。名前が命の一部であると考えられていた古代の古代に起源のあるお話。日本の「だいくとおにろく」に似ています。
このモチーフは、「ホビットの冒険」の謎ときにも使われ、現代児童文学にも延々と命脈を保っています。
《ものぐさジャック》
《ノロウェイの黒ウシ》
《妖精のぬりぐすり》
《巨人たいじのジャック》
《イグサのかさ》
《ディック・ウィッティントンとネコ》
アイルランド編
昔話の宝庫の国。妖精など不思議なものがたくさん登場します。
《元気な仕立て屋》
悪魔でようと、何が出ようとそんなことは気にせず一心に服を縫う仕立屋のお話。
《どろぼう名人》
どんなものでも盗んでしまう若者のお話。終いには地主の寝ているシーツを盗む約束をして、まんまと地主の娘まで盗んでしまうお話。日本にもどろぼう名人の話はたくさんありますが、こちらは「欠け椀」など援助者がいます。アイルランドのお話は、若者がすべて自分の知恵で目的を果たします。
《たまごのカラの酒づくり》
下に紹介があります。替え子のお話。日本にはほとんどないのでは?
替え子、取り替え子(チェンジリング)
美しい赤ん坊が生まれると、子鬼のような妖精が彼らの醜い子どもと取り替えます。西欧を中心に世界に広がっているお話。替え子とは残された醜い子のこと。
このモチーフは、私たちの深い無意識に根ざしていて、「子どもの自立」に大いに関係しています。だから文学においても中心的なモチーフになっています。
アメリカ絵本界の第一人者センダックの「まどのそとのそのまたむこう(脇明子訳・福音館書店)」は、まさに替え子のお話です。ノーベル賞作家大江健三郎氏の小説「取り替え子」は、センダックのこの絵本の、読み取りの仕方そのものが小説になっているといってもいいと思われます。
《ノックグラフトンの昔話》
アイルランド風「こぶとり」のお話。こぶとりの中心的なモチーフが「音楽と踊り」であるのは世界中共通しています。地域による違いは、民族音楽ではないでしょうか。
《白いマス(コングの昔話)》
伝説に近いお話。極めて珍しい白いマスのいわれが語られます。悲しくて美しいお話。
《主人と家来》
小人の家来になったビリーのお話。「くしゃみ」にはのろいがかかっていることをご存じでしょうか。それを三回するとともう神さまの力はおよびません。くしゃみをしたすぐあとに「神さま、お祝福を」と言わなくてはならないのです。
《大男フィン・マウカル》
上には上がいるもので、大力のマウカルに挑戦者が現れました。怖くて隠れてしまうマウカル、でもマウカルのおくさんはその知恵だけで、挑戦者をやっつけてしまいます。
《グリーシ》
グリーシは父親と衝突するばかり。それでグリーシは妖精と仲間になって、狩りをしたり大いに発散します。ある晩、妖精たちとグリーシは、フランス王の、この世でいちばん美しいお姫さまを奪ってきました。お姫さまは親の決めた王子との結婚がいやで、醜い妖精のほうがまし、と涙を流していたのです。
グリーシは、お姫さまに心を奪われ、このまま醜い妖精にやってなるものかと、「神の名」を語ります。
ところが妖精は、仕返しにお姫さまの口をきけなくしてしまいます。はたして妖精の魔法を解くことはできるでしょうか。そして、ふたりは幸せをつかむことができるのでしょうか?
自立をめぐる象徴的な昔話です。





内容紹介です

イギリス編
《ちいちゃい、ちいちゃい》
『むかし、ひとりのちいちゃい、ちいちゃいおばあさんが、ちいちゃい、ちいちゃい村の、ちいちゃい、ちいちゃい家に住んでいました』
こんなふうに、そんなちいちゃい、ちいちゃいおばあさんのちょっと怖くて、ユーモラスな、大きくてちいちゃなお話。

《だんなも、だんなも、大だんなさま》
『…その晩のこと、女中さんは、大あわてで、ご主人をおこして、いいました。
「だんなも、だんなも、大だんなさま。へばりつきからおきて、ドタバタドカンをおめしになってください。色白のおどりんこのしっぽに、あついあばれものがもえつきました。はやく、ながれものをとってきてくださらないと、背っ高の大山に、あついあばれものがついてしまいます」
これでおしまい。』
何のことだかおわかりでしょうか?最後の部分を抜き出したものです。笑い話、ことば遊びの昔話です。

《トム・ティット・トット》
むかし、あるところに、ひとりのおかみさんがいました。ある日、パイを焼きすぎたので、娘にいいました。
「このパイを棚の上に並べて。しばらくするともどるから」
それを聞いて、娘はこう考えました。
「パイがまたもどってくるなら、これを食べもいい」

おかみさんが晩ごはんにパイをだそうとすると、パイはひとつもありませんでした。
おかみさんは嘆いて、こんな歌を歌いました。
「うちのむすめはよ パイ五つ 食った
 きょう 五つ食った(繰り返し)」
この歌を、ちょうど通りかかった王さまが聞きつけ、どういう意味か聞きました。
おかみさんは娘のしたことは恥ずかしいとおもって、
「うちのむすめはよ 糸 五かせつむいだ
 きょう 五かせつむいだ(繰り返し)」と歌いました。
王さまは、
「こんなすごいことは聞いたことがない、娘をめとる」ことにしました。
「ただし、1年のうち、11ヶ月は好きなだけ食べ、好きなものを着て、好きなことをして良い。しかし最後のひと月は、日に五かせの糸を紡がねばならん。もし紡がねば首をはねる」
おかみさんと娘は、そのときには逃げ道もあるだろうと考えました。
ふたりは結婚しました。
そして、最後の月がきました。
王さまは約束通り、糸車と小さい腰掛けしかない部屋にお后をとじこめました。
紡ぎ方さえしらないお后は、どうしたらいいか、ワアワア泣いていました。
すると、そこへ、長いしっぽの小さい子鬼が現れました。
お后から話を聞くと、子鬼は言いました。
「わしが毎日夕方までに糸を紡いでやろう。そして毎晩、お前にわしの名前を当てさせる。ひと月の間、当てられないとき、お前はわしのものになる」
お后は約束しました。
こうして、毎日糸を受け取り、子鬼の名前をいいました。
「ビル?、ネッド?、マーク?」
けれど、どうしても名前が当てられません。
とうとう最後の日になりました。
お后は子鬼の名前を当てられたでしょうか?

そこで、おきさきは、〜

アイルランド編
《たまごのカラの酒つくり》
『サリバンのおかみさんは、いちばんすえの子どもが、「妖精かくし」にあって、替え子をされてしまったのだと思いました』
ひと晩のうちに、ちいさくしなびて、キイキイ、キャアキャア泣くようになったからです。
世間の人たちが、本当の子どもを取り戻すさまざまな方法を熱心に教えてくれても、とても、その子を生きながら鉄板で焼くとか、道ばたの雪の上に放り出すなど、やって見る気にはなりませんでした。
ある日、物知りのエレンばあさんに出会いました。おかみさんは、話しているうち、こころを許せそうなので、この人のいうことを聞くことにしました。
「大きな鍋に水を煮たてるのよ。それから生みたての卵を12コ取ってきて、殻だけ煮たったお湯にいれると、その子が妖精か、あんたの息子かわかるからね。それで妖精だとわかったら、真っ赤なひかき棒でやっつけなさい。そうすりゃ、金輪際ヤツはあんたにやっかいをかけることはない」
おかみさんはエレンおばあさんのいう通りにしていました。ちょうど卵の殻をお湯の中にいれようとすると、
「かあちゃん、なにをしてるんだい?」
と赤ん坊がガラガラ声で聞きました。
おかみさんはびっくりしましたが、気を落ち着けて、
「ぼうや、酒を造っているんだよ」
「なんの酒つくっているの、かあちゃん」
間違いなく妖精の「替え子」に違いありません。おかみさんは、早くひかき棒が赤く焼けないかと待っていました。
「たまごの殻の酒だよ、ぼうや」
「へえ!生まれて千五百才になるが、そんな酒みたことがない」
おかみさんは、ひかき棒でやっつけようとしましたが、足が滑って転んでしまいました。それでも、立ち上がって妖精を煮え湯に放り込んでやろうゆりかごに駆けつけました。
すると、ゆりかごにすやすや眠っていたのは、おかみさんの赤ん坊でした。





読み聞かせのポイント

読み聞かせするなら、毎日少しずつ読んであげてください。
この昔話集は、易しく短いものから本格的なものまで集められています。年齢によって選んで読むのもいいと思います。
昔話集は、読み聞かせから自分で読む読書への橋渡しにとてもいいです。たとえば、「三びきのこぶた」を絵本で読んで、もう一度この昔話集で読むことができます。そうすると、文字だけを比較的簡単に読むことができます。そのことによって、文字を読むことに自信をもつことになります。すると、絵本でなじみ無かった昔話も自分で読めてしまうのです。そうして一冊を読み上げると、もうこれほどの分厚さの他の本にも馴れてくるでしょう。

絵本 イギリスとアイルランドの昔話
◆年齢◆
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◆シチュエーション◆
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初版年月日:1981年11月25日 ISBNコード:4-8340-0860-6

344ページ 22X16cm 定価1680円(本体1600円 + 税80円)

通常版はこちら!  定価1680円(本体1600円 + 税80円)
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●ジョーゼフ・ジェイコブズ関連図書
「ケルト妖精物語1・2」 ジョーゼフ・ジェイコブズ/編 山本史郎/訳 山本泰子/訳 原書房

●編・訳者石井桃子さん関連図書
著書
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「ノンちゃん雲に乗る」 中川宗弥絵
「ちいさなねこ」 横内襄 絵
翻訳
「ちいさなうさこちゃん」 ディック・ブルーナ 文・絵
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