おもちゃ屋へいったトムテ

絵本 おもちゃ屋へいったトムテ

絵本 おもちゃ屋へいったトムテの表紙です

絵本 おもちゃ屋へいったトムテ
◆年齢◆
読んであげるなら5〜6才から。
自分で読むなら小学校低学年向き

◆ジャンル◆
◆ファンタジー絵本

◆シチュエーション◆
◆おやすみの前に絵本


エルサ・ベスコフ作 /ささめやゆき絵 /菱木晃子訳

初版年月日:1998年10月 福音館書店

ISBN:4834015696  ISBN13:9784834015690

48ページ 22X19cm 定価1260円(税込)

通常版はこちら!  定価1260円(税込)
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いたずらものの、ほんものの「トムテ」が、トムテ人形になって、ひとりぼっちの男の子の友だちを作る仲立ちをするお話です。

《トムテについて》ースウェーデンのサンタクロース、トムテ。
サンタさんはどんな人なのでしょう? 本当の姿を見た人は誰もいません。今、世界中の人が知っているサンタさんのイメージは、アメリカのクレメント・クラーク・ムーアという人の詩の中ではじめて今のような姿に描かれました。それをトーマス・ナストという画家が絵にしたのが始まりだそうです。

サンタさんには大きく二つの源流がありそうですね。

ひとつは、セント・ニコラスです。この名前が、なまってサンタ・クロースになったといいます。
もうひとつは、北欧、スウェーデンのトムテ(妖精・小人)」、フィンランドの「ユールプッキ(クリスマスやぎ)」で、「恵み」を贈ってくれる存在です。
「クリスマス・クリスマス」を参照ください)

この本、「おもちゃ屋へいったトムテ」は、スウェーデン(作者ベスコフはスウェーデンの人)の人がイメージするサンタさん、「トムテ」が描かれています。
《この家の台所の床下に、昔から住む小人の父さんトムテがいました。父さんトムテはこれがどうしても気にいりません。父さんトムテは、ふたりのことを小さいころから知っているので、いまだ子ども扱い、子どもは早く寝るものだと決め込んできました。父さんトムテは夜更けになると、仕事部屋に忍び込みランプやロウソクの明かりを消します。それでふたりはようやく夜が更けたことに気付きました》
父さんトムテの息子ニッセとヌッセは、月夜の夜中起き出して遊びます。ふたりはトムテ人形の服と取り換えます。そのトムテ人形はニッセと同じ大きさの、真っ赤な服を着ています。
《ヌッセは、脱ぎ捨てた自分の服から、さやに入ったナイフを抜き取り、赤い服のベルトにさしました。本物のトムテはいつもナイフを身に付けているものだからです》

このような描写でから、トムテがどんな姿にイメージされているか少し分かりますね。
トムテの子どもは、ショーウインドウに飾られるおもちゃくらいの背丈です。後に町から帰ってくるとき、カラスの背に乗ります。真っ赤な服にベルトを締め、ベルトにはナイフをさしています。子どものトムテの大きさから考えて、父さんトムテは、せいぜい2、3倍でしょうか。このトムテ家族は、娘さんの家の台所の床下にずいぶん昔から住んでいます。娘さんを子どものころから知っていて、どうやら娘さんの保護者のように思っているようですね。他の文献によりますと、もともとは、農家の納屋に住み、農場を守っている存在と考えられています。昔はほとんどが農家ですから、家族、とくに子どもを守っている存在だったと考えててもいいでしょうね。
ただし、少し気難しかったようです。このお話でも、子どもが夜更かしすると、かってに明かりを消してまわります。父さんトムテは、家の中を見て回り、ドアや窓の鍵はかかっているか、かまどの火は消えているか確かめてから床下にもどります。こうした堅物にもかかわらず、その息子は夜中に遊び回るやんちゃな性格をもっています。スウェーデンのクリスマス時期には、家のすぐ外の雪の上に、ミルクで煮込んだライスポリッジ(おかゆ)を出す習慣ががあるそうです。また、クリスマス・イブのごちそうも、トムテ用に、必ずおすそ分けをし、十分に振る舞ってあげなければならないそうです。もし、こういったことを怠ると、不幸や病気、飢餓などに見舞われることになるということらしいですね。

クリスマスにケーキやご馳走を食べるのは、いわば豊作に対する感謝ですから、これを手伝ったトムテにも十分なお返しが必要だということでしょう。

現代のサンタさんが赤い服を着ているのも、トムテの服装からのようですね。そして、トナカイに乗るのも北欧だからでしょうか。
また、このお話で、子どものトムテが、寂しい男の子に友だちを仲介します。将来「家族」を守る役目をするトムテの一端を示すものといえるでしょうね。





内容紹介です

田舎の小さな白い家に、ちょっと年のいった娘さんがふたり住んでいました。娘さんたちは人形を町のおもちゃ屋へ売って暮らしをたてていました。クリスマスが近づと、ふたりは毎日夜遅くまで働きました。
この家の台所の床下に、昔から住む小人の父さんトムテがいました。父さんトムテはこれがどうしても気にいりません。父さんトムテは、ふたりのことを小さいころから知っているので、いまだ子ども扱い、子どもは早く寝るものだと決め込んできました。父さんトムテは夜更けになると、仕事部屋に忍び込みランプやロウソクの明かりを消します。それでふたりはようやく夜が更けたことに気付きました。
ところが、月の明るい夜には、父さんトムテの息子、ニッセとヌッセが寝床を抜け出し、仕事部屋に忍び込んで、作りたての人形と遊んでいたのです。

さて、ある夜のこと。〜

ある夜、クリスマスの2週間前のこと。
ニッセとヌッセは、人形の服と取り換えて遊んでいました。ヌッセは真っ赤な服を着たトムテ人形がとても気に入りました。
「ずっとこれ着ていたいな」
鏡の前をいったりきたりしながら、
「ぼくは、世界一かっこいいトムテだ!」
と思いました。ニッセがもう部屋へ帰ろうと言っても聞いていません。

ところで、この夜、姉のほうの娘さん、テレーゼは眠れませんでした。それで、夜のうちに町へおくりだす人形の荷造りをすることにしました。ちょうど仕事部屋にやってきたとき、ヌッセは赤い服を着たまま、いそいで箱の中に隠れました。テレーゼはその箱にフタをすると、ひもをかけてしまいました。箱の中のヌッセはぐっすり眠ってしまいました。目が覚めた時はもう列車の中でした。
やがて、荷物は車に積み替えられました。
とつぜん、細い光がさし込んできました。つつみ紙をはがしたのです。大きなおもちゃ屋のようです。
箱のフタが開けられました。ヌッセは人形のふりをしました。
おもちゃ屋の奥さんがいいました。
「このトムテ人形、まるで生きてるみたいよ」
「どれ、そいつはショーウインドウに飾ろう」
ご主人がいいました。
本物の人形みたいにじっとしてなくちゃいけない、伸びをしたり出来るのはショーウインドウの前に誰もいないときだけなんだ、ヌッセは、自分に言い聞かせました。
しばらくすると、ようやく人がいなくなりました。
ヌッセは伸びをして、あくびをしました。そのとたん、心臓が止まりそうになりました。
真ん丸い大きな目がメッセを見つめていたのです。
いつの間にか、小さな男の子がガラスに鼻を押し付けて立っていたのです。

人が見ているときは、〜

こうして、ヌッセは子どもが見ているときだけ、大胆に動いたりウインクしたりするようになりました。
おもちゃ屋におおぜいの子どもたちが集まるようになりました。
多くの子どもたちはクリスマスプレゼントに買ってもらおうと思いました。
ところが、あの最初の男の子は、ヌッセをじっと見ているだけでした。
……





読み聞かせのポイント

目に見える両親や大人だけではなく、目に見えない存在に見守られているという感覚(畏敬の念も含む)を子どもたちは持っています。
そういったことをはっきりと伝えるのがこういうお話だと思います。
トムテという存在は、子どもの性格も備えていますので、きっと近しく感じるはず。ゆっくり読んであげましょう。

絵本 おもちゃ屋へいったトムテ
◆年齢◆
読んであげるなら5〜6才から。
自分で読むなら小学校低学年向き

◆ジャンル◆
◆ファンタジー絵本

◆シチュエーション◆
◆おやすみの前に絵本


エルサ・ベスコフ作 /ささめやゆき絵 /菱木晃子訳

初版年月日:1998年10月 福音館書店

ISBN:4834015696  ISBN13:9784834015690

48ページ 22X19cm 定価1260円(税込)

通常版はこちら!  定価1260円(税込)
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「ペッテルとロッタのクリスマス」 ひしきあきらこ 訳
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「しりたがりやのちいさな魚のお話」 石井登志子/訳  徳間書店
「ラッセのにわで」 石井登志子/訳 徳間書店

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「バレエをおどりたかった馬」 H・ストルテンベルグ/作 さとうあや/絵
「パパはジョニーっていうんだ」  ボー・R.ホルムベルイ/作 エヴァ・エリクソン/絵  BL出版
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