王さまと九人のきょうだい − 中国の民話

絵本 王さまと九人のきょうだい − 中国の民話

絵本 王さまと九人のきょうだいの表紙です

絵本 王さまと九人のきょうだい
◆年齢◆
読んであげるなら、5・6歳から。
自分で読むなら小学校低学年向き。

◆ジャンル◆
◆むかしばなし絵本

◆シチュエーション◆
◆特になし、いつでもどうぞ


君島 久子 訳 : 赤羽 末吉 絵 岩波書店

初版年月日:1969年11月25日 ISBNコード:4-00-110557-8 C8798

42ページ 25.3x19.5cm 定価1260円(本体1200円 + 税60円)

通常版はこちら!  定価1260円(本体1200円 + 税60円)
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「こんな胸のすくような愉快な話があるだろうか、たくましく力強い奇想天外なドラマが展開する」
(この絵本のさし絵を描いた赤羽末吉さんのことば。折り込み付録より)

奇想天外なドラマ
(1)おばあさんが、白い髪の老人からもらった丸薬を飲むと、いっぺんに九人もの赤ん坊が生まれました。
(2)赤ん坊は、白い髪の老人からとんでもない名前をもらいます。「ちからもち」「くいしんぼう」「はらいっぱい」「ぶってくれ」「ながすね」「さむがりや」「あつがりや」「切ってくれ」「みずくぐり」
(3)九人は、すぐに自分で立派に成長します。
(4)九人は、それぞれの名前の通り、度はずれた能力をもっていました。

愉快・痛快
まず、名前が愉快ですね。
でも、九人は、それぞれの名前から想像する性格どころではない、驚くべき能力を発揮します。それは愉快を通り越して痛快。
たとえば、「ぶってくれ」は、しばられて何人もの家来から打ちすえられますが、うれしそうに「ああ、いいきもちだ!」といいます。激しい火炎にぶち込まれる「さむがりや」は、どうなるかと思いきや、にこにこ笑うだけなのです。
最後には、「みずくぐり」が水を含み、王さまや宮殿に吹きかけると、なにもかも大川に転げ込み、波にのまれてしまいます。悪者が完膚無きまでにやっつけられるのは、胸のすくような感じになりますね。
お話を聞いて(読んで)、この「胸のすくような」感じになれることこそ、読書の大きな魅力のひとつではないでしょうか。
この痛快さには、カタルシス作用があります。
(注 カタルシスとは、精神の浄化のこと、抑圧された感情や体験、心の緊張を解消すること。昔話にはいろんなレベルのカタルシス作用があります)

この昔話を伝えた「イ族」
中国には50を越える民族がいて、このお話の類話は各地(3人・5人・7人の兄弟のお話)に伝えられているそうです。その中にあって、イ族のこのお話は、もっともまとまった型を持っているそうです。(再話者 君島久子さん、綴じ込み付録より)その理由は、どうやら、イ族という民族が置かれてきた歴史にありそうです。「白イ族(タイ系農耕民)」は、ずっと「黒イ族(チベット・ビルマ系征服者)」に支配されてきました。お話が、すっきりまとまっていて、そのために痛快さをかもし出すのは、民族の願いと、いわば民族的カタルシスを併せ持っているからではないでしょうか。





内容紹介です

『それは、いつのころか、でんで、けんとうもつかないほどのおむかし。イ族のある村に、としよりのふうふがすんでいました』

ふたりはいつも子どもがほしいと思っていましたが、腰が曲がるようになっても子どもは生まれません。
ある日のこと、おばあさんは池のほとりで、涙をこぼしました。その涙は池に落ちました、
すると、池の中から白い髪の老人が現れて、
「なぜ、なくのじゃ」とたずねました。
おばあさんが理由を話しますと、丸薬を九つくれて、それを一粒飲むと子どもがひとり生まれると言いました。
おばあさんは家に帰るとさっそく一粒のみましたが、一年経っても赤ん坊は生まれません。

おばあさんは待ちきれなくなって、あるだけいっぺんに飲んでしまいました。
すると、まもなく、九人の赤ん坊が生まれました。
でも、とても、九人の赤ん坊など育てられません。
ふたりがつらくて涙をこぼしていると、また、あの老人が現れました。
老人は、「心配はいらん。この子らはひとりで立派に育つのだ」と言って、名前をつけてくれました。

「ちからもち」「くいしんぼう」「はらいっぱい」「ぶってくれ」「ながすね」「さむがりや」「あつがりや」「切ってくれ」「みずくぐり」
九人の兄弟はいっぺんに大きくなりました。

ちょうどそのころ、都の王さまの宮殿では、大事な竜の柱が倒れ、それがあまりに大きく重いので、誰も動かすことできず困っていました。
王さまは国中におふれをだしました。
「竜の柱を元通りにしたものには、望みのほうびをとらせる」
そこで、「ちからもち」が出かけ、夜中に柱を直して帰ってきました。
あくる朝、目を覚ました王さまはびっくり。
「そんな力持ちなら、大飯がくえよう」
九人の兄弟は、そっくりなので、今度は「くいしんぼう」が宮殿に行きました。そしてぺろり、宮殿の米倉はからっぽになりました。
それからというもの、王さまは、あんな男がいれば、この国の王になるに違いないと心配でたまらなくなりました。
そこで、王さまは次々大難題を兄弟にふっかけたのです。

「牢屋にいれて飢え死にさせよ」
「打ち殺してくれよう」
「谷底へ突き落としてしまえ」
「火のなかへぶち込め」
「雪のなかに埋めよ」
「切り刻んでしまえ」
「大川へほうりこんしまえ」
さて、兄弟の誰がどのようにして、苦難を乗り越えたのでしょう。





読み聞かせのポイント

かなり長いお話ですが、「型」がくっきりしていて、お話の順番もきちんと決まっています。
そして九人の「能力」がどんなものかという興味がお話をぐいぐい引っ張ってくれます。
少人数や家庭では、4才くらいからでも愉しめます。
読み聞かせに特別な工夫は必要ないでしょう。
淡々と読むだけで、このお話の力強さ、痛快さが伝わります。

絵本 王さまと九人のきょうだい
◆年齢◆
読んであげるなら、5・6歳から。
自分で読むなら小学校低学年向き。

◆ジャンル◆
◆むかしばなし絵本

◆シチュエーション◆
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君島 久子 訳 : 赤羽 末吉 絵 岩波書店

初版年月日:1969年11月25日 ISBNコード:4-00-110557-8 C8798

42ページ 25.3x19.5cm 定価1260円(本体1200円 + 税60円)

通常版はこちら!  定価1260円(本体1200円 + 税60円)
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「しんせつなともだち」 方軼羣 作 村山知義 画
「たなばた」 初山滋 画
「ほしになったりゅうのきば」 赤羽末吉 画
「巨人グミヤーと太陽と月 中国のむかしばなし」 小野かおる 絵 岩波書店
「銀のうでわ 中国の民話」 小野かおる 絵 岩波書店
「チワンのにしき 中国民話」 赤羽末吉 絵 ポプラ社
「ふえをふく岩」 丸木俊 絵 ポプラ社
「けものたちのないしょ話 中国民話選」 岩波少年文庫
「チベットのものいう鳥」 田海燕 編 岩波書店
「西遊記 上・中・下」 呉承恩 作 瀬川康男 画(文庫)
「白いりゅう黒いりゅう 中国のたのしいお話」 賈芝・孫剣冰編 岩波書店
「中国の神話 天地を分けた巨人」 筑摩書房

●画家赤羽末吉さん関連図書
「ももたろう」 松居直 文
「かさじぞう」 瀬田貞二 再話 
「だいくとおにろく」 松居直 再話 
「スーホの白い馬」 モンゴル民話 大塚勇三 再話
「おおきなおおきなおいも」 市村久子 原案
「ほしになったりゅうのきば」 中国民話  君島久子 再話
「つるにょうぼう」 矢川澄子 再話
「こぶじいさま」 松居直 再話
「くわずにょうぼう」 稲田和子 再話
「したきりすずめ」 石井桃子 再話
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