シマフクロウとサケ

絵本 シマフクロウとサケ - アイヌのカムイユカラ(神謡)より

絵本 シマフクロウとサケの表紙です

絵本 シマフクロウとサケ
◆年齢◆
読んであげるなら5、6才から。
自分で読むなら小学校低学年向き。

◆ジャンル◆
◆むかしばなし絵本

◆シチュエーション◆
◆おやすみの前に絵本


宇梶静江古布絵制作・再話 福音館書店

初版年月日:2006年09月30日 ISBNコード:4-8340-2228-5

32ページ 25X22cm 定価1260円(本体1200円 + 税60円)

通常版はこちら!  定価1260円(本体1200円 + 税60円)
「えほんおじさんセット」はこちら!  セット価格1460円(税込)

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『フムフムカト フムフムカト
 わたしは、村の守り神、
 シマフクロウのカムイチカプ』

カムイユカラ
アイヌの神話・物語には、「ウエペケレ(昔ばなし)、「ユカラ」(英雄叙事詩)、「アイヌユカラ」の3種類あり、アイヌの人びとに語られ、歌われ続けられてきたものです。
「アイヌユカラ」は、神さまの歌「神謡」と呼ばれ、シマフクロウ、シャチ、ネズミ、クマ、火などの神が、『自らが語る』という形式をもった神話・物語です。
この絵本でも、上記のように、『わたしは、村の守り神』と語り始めます。
「アイヌユカラ」の特徴は、物語の始まりや終わり、また節々に、その神さまの鳴き声やたてる音を表す「サケヘ」という歌のひとふしが必ず入ることです。「フムフムカト フムフムカト」というのがそれです。
(この絵本の巻末解説より)

語りの雰囲気は以下のようだったそうです。
『…ユーカラ・クル(語り部)が、いろりを囲んで語るのです。語り手も、聞き手も細い棒(イ・レプ・ニ、30・ほど)をもって、いろりのふちを、軽くたたきながら、ユーカラが流れる合間、合間に聞き手の人びとが「ヘイ…ホッ…ヘイ…ホッ…」と、受け声を入れながら聞くのです。幾晩も続く長いものもあります。聞き手も語り手も渾然一体、あるときはせせらぎ、あるときは激流のよう…(カムイユーカラ・平凡社ライブラリーあとがきより)』

巻末の、作者宇梶静江さんの解説に「アイヌの人びとの心」について詳しく書かれています。ぜひお読みください。

神話とシマフクロウ
どんな民族でも「神話」をもっています。否、むしろ同じ神話をもつことが、「民族」を創っています。ヤマト(後に日本)も「古事記」を持っています。ただし、古事記はいわば、神話集のようなものです。これを読むと、それぞれが独立していたころの、民族の痕跡をみることができ、寄せ集めだったことがよくわかります。ところが、同じ日本列島に住みながら、アイヌの人たちは、ヤマト民族に組み込まれることはありませんでした。そのことは、創世神話である「古事記」と「アイヌ・ラッ・クル伝」の違いにはっきり現れています。
さて、
「アイヌ・ラッ・クル伝」によると、天上から派遣された男女二神が、国土を創り、土をこねてあらゆる生きものを創り、人間(アイヌ)を創ったのですが、ワシフクロウ(これがシマフクロウの先祖だと思います)とイヌは、男女二神といっしょに、天上から派遣された神です。ワシフクロウは、この二神を助け、主に、この世の見張り役という役目をもって派遣されています。
カムイユカラの「シマフクロウ」は、アイヌの人びとの守り神として自らを語りますが、アイヌの人びとよりも先に、この世の創世に関わり、偉大な神「アイヌ・ラッ・クル(雷神が春ニレの木に恋して、ニレの木が地上に生んだ神、人間と変わらない神の意味をもつ)」のお守り役の神でもあります。
シマフクロウは、とても大きく、羽を広げると2m程もあり、また、360度頭をめぐらせることができ、金色の大きな目玉で四方八方に睨みをきかせることができます。こんな能力を持つ神だからこそ、最初にこの世に派遣されたのでしょうね。

アイヌ刺繍と布絵で綴るシマフクロウの物語
この絵本は、アイヌ伝統刺繍を生かし、古布を使った古布絵で描かれています。この画法は、作者宇梶静江さんが始めたものだそうです。その独特の味わいは、カムイユカラの壮大で不思議な、特に「シマフクロウ」が活躍する夜の神話世界に、私たちを誘います。もともと、どこの神話も「感覚の論理」で成り立っていますが、シマフクロウの「闇に光る金色の大きな目玉」に畏れを感じる感覚がアイヌ神話の背景にあります。この古布絵からは、その畏れ感覚が、直接伝わってくるような気がするのですが、いかがでしょうか。





内容紹介です

『フムフムカト フムフムカト
 わたしは、村の守り神、
 シマフクロウのカムイチカプ』

独りでいるのがつまらなくなったので、
カムイチカプは、山を下り、浜へおりてくると、

山でひとり暮らしていたので、〜

沖の方から神の魚サケの群れがやってきました。

まっさきに上ってきた〜

先頭のサケがいいました。
「尊いシマフクロウのカムイチカプがおいでだ。おそれつつしみなさい」

ところが、一番どんじりの「しっぽの裂けたもの」は、バカにして、
「何のカムイだい。そんなでっかい目をしたものが神?」
「テレケ テレケ、ホリピリピ」
と海の水をまき散らしました。

これには、シマフクロウの私、カムイチカプも、がまんならなくなって、銀のひしゃく(シロカネピサック)、金のひしゃく(コンカネピサック)を取り出し、海の水を汲みましたので、海は干上がってしまいました。

先頭のサケは、
「神をおそれぬことをしてはならぬと告げてたのに、今、仲間は死のうとしている」
ともがき苦しみました。

これを見て、シマフクロウの私、カムイチカプは……。
……





読み聞かせのポイント

解説に引用したように、カムイユカラは、語り手と聞き手が一体となり、棒をたたき、合いの手をいれながら物語が進んでいくそうです。
そんな気分で読んであげると少しは違うかもしれませんね。

絵本 シマフクロウとサケ
◆年齢◆
読んであげるなら5、6才から。
自分で読むなら小学校低学年向き。

◆ジャンル◆
◆むかしばなし絵本

◆シチュエーション◆
◆おやすみの前に絵本


宇梶静江古布絵制作・再話 福音館書店

初版年月日:2006年09月30日 ISBNコード:4-8340-2228-5

32ページ 25X22cm 定価1260円(本体1200円 + 税60円)

通常版はこちら!  定価1260円(本体1200円 + 税60円)
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