セミ神さまのお告げ―アイヌの昔話より
絵本 セミ神さまのお告げ―アイヌの昔話より
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絵本 セミ神さまのお告げ―アイヌの昔話より
◆年齢◆
読んであげるなら5〜6才から。
自分で読むなら小学校低学年向き
◆ジャンル◆
◆むかしばなし絵本
◆シチュエーション◆
◆おやすみの前に絵本
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宇梶静江 古布絵制作・再話
初版年月日:2008年03月 福音館書店
ISBN:4834023257 ISBN13:9784834023251
35ページ 26X27cm 定価1365円(税込)
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「えほんおじさんセット」はこちら! セット価格1565円(税込)
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下の台地のランペシカ・コタンには、六代の人の世を生きてきたおばあさんがいて、そのおばあさんは美しいのど声で昼も夜も歌をうたっていました。
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このアイヌの昔話には、予備知識があったほうがいい事柄がいくつかありますので、この絵本のあとがき、アイヌの昔話(稲田浩二編・ちくま学芸文庫)、アイヌの昔話(萱野茂著・平凡社ライブラリー)を参考に解説します。
〈アイヌの人たちの伝承と歌〉
●歌
「ウポポ」という順々に輪唱していく歌(お祭りに謡われる)や、「サイサマ(即興歌)」があるそうです。
●詞曲(ふしをつけて謡う・一人称で謡われる)
1、神謡〈カムイユーカラ〉
*同じ再話者の「シマフクロウとサケ」は、カムイユーカラです。
2、聖伝、英雄叙事詩
●散文物語(ふしなしに語る)
1、神の散文物語〈カムイウエペケレ〉
2、人間の散文物語〈アイヌウエペケレ〉
*「ウバユリ」 これに当たります。
以上は一人称語られる
3、隣の爺型物語〈パナンペウエペケレ〉
4、日本人の昔話
5、なぜなぜ話・うわさ話・小ばなし
以上は三人称で語られる
〈ウバユリ〉
『ウバユリの咲くころ、おばあさんはこんな歌をくりかえしくりかえしうたいはじめました」とありますが、そのウバユリについて。
「ウバユリ」というアイヌの昔話絵本があります。どんな花なのか、ここをお読みください。「ウバユリ」読むと、アイヌの人たちにとって、ウバユリがいかに大切な食料だったか分かります。また加工法や保存食づくり、食べ方などは、「セミ神さまのお告げ」の巻末に再話者本人のあとがきに詳しくお書きです。お読み下さい。
〈六代の人の世を生きたおばあさん〉
どうやら女の人にはとっても長生きをする人が実際いたようですね。このことも根拠となって、ずっと生きて、何代もの人の世を見ているおばあさんがいたという言い伝えがあちこちに残っています。おそらく女の人は神さまに近いと考えられてきたからはないかと思われます。(母系制社会のなごりかもしれません)
たとえば、「人形の旅立ち」(長谷川摂子著・福音館書店)という作品があります。この作品は山陰の町を舞台にした子ども・少女時代への旅の、短編ファンタジーの連作ですが、その一編に「歳は八百歳だと語る旅芸人のおばさん」が出てきます。いわゆる八百比丘尼伝説を、作者はどこかで聞いて育ったのではないかと思われます。この伝説が、将来日本民族を形成する人びとに伝えられたものだとすれば、アイヌの人たちには、「六代の人の世を生きたおばあさん」という存在として伝わったのではないかと考えられます。
〈八と六、六つ地獄〉
日本では「八」という数字が神秘的なのに対して、アイヌの人びとには「六」という数字が永遠性を表していたのかもしれませんね。アイヌの昔話では、「六枚の着物を重ね着して」などとよく使われ、これが晴れ着だったようです。
この昔話で、おばあさんは「六つ地獄」へ突き落とされますが、「地獄」という考え方は、仏教伝来以降の概念ですので、それほど遠くない時期に日本仏教の影響を受けたものと考えられます。「あの世」「死者の世界」はあったはずですが、「極楽・地獄」といったものではなく、魂の行く場であって、この世ではない、あちらの世界でしたし、比較的自由に行き来できました。その「あの世」は地下世界にもあったようで、それは六層構造で、村の守り神アイヌ・ラックルが管理していたようです。
〈セミ神さま〉
六代の人の世を生きたおばあさんは、『今も毎年、夏が来てウバユリの育つ頃、セミ神となって美しいのど声をひびかせ歌を歌い始める』のだそうです。
アイヌの人たちは、「神と自然の大きなふところにいだかれながら、それらと地続きに生活して(アイヌの昔話解説より・萱野茂著・平凡社ライブラリー)」いました。ですから、セミであれ、フクロウであれ、ウバユリであれ、みんな神さまです。神さまにたいして、人間が理不尽なことをすれば、すなわち、セミ神さまのお告げを聞かなかったり、ウバユリを根こそぎ採ってしまったりすれば、手痛いしっぺがえしを受けます。この当たり前の真実を、囲炉裏端の楽しい時間に、アイヌのひとたちは伝承し続けてきたのですね。
〈古布絵〉
「シマフクロウとサケ」の解説をお読み下さい。
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『むかしむかし、北の海辺に二つの村がありました。海辺のそばの下の台地にあるのが、ランペシカ・コタン、上の台地にあるのが、リペシカ・コタンでした』
二つの村にはそれぞれ川が流れ、その川では鮭や川魚、周辺の野山ではクルミやイチゴやヤマブドウ、ウドやワラビ、フキやキノコ、川が注ぎ込む海では貝やコンブや魚が採れました。
下の台地のランペシカ・コタンには、六代の人の世を生きてきたおばあさんがいました。おばあさんは昼も夜も美しいのど声で歌をうたいます。
ウバユリの咲くころ、こんな歌をくりかえしくりかえしうたいはじめました。
ホレンナー ホーレ、ホレンナー
ホーレ、ランペシカ ウンクルー、
リペシカ ウンクルー
下の台地のランペシカ・コタンの人びとよ、
上の台地のリペシカ・コタンの人びとよ、
坂をのぼり、高い台地に移りなさい
海から津波がおしよせ、
山から津波がおしよせ、
……
……
オーレプ ウンヤンマ
オーキム ウンペー
ホレンナー ホーレ
ホレンナー ホーレ』
下の台地の村人はお腹かかえて笑いました。
上の台地の村人は歌に耳を傾け、さらに上の台地に家を移しました。
ある日のこと、
おばあさんの歌の通り、海津波、山津波がひとつになり、大津波となって下の台地の村を飲み込んでしまいました。
下の台地に住んでいたおばあさんはわずかな村人といっしょに屋根の上に逃げました。でも、とうとう屋根ごと海に流されました。
おばあさんは大海原をただよいながら歌いました。
ホレンナー ホーレ
ホレンナー ホーレ
海の主であるアトゥイコルカムイ・エカシよ、
……あなたのうでの中で命を失うのでしたら、
私たちの死のにおいが、
いつまでも大海原のあなたにとりついたままになるでしょう。
そうならないように、どうか、私たちをお助けください。
ホレンナー ホーレ
ホレンナー ホーレ
ところが、
海の主、アトゥイコルカムイ・エカシは、この歌に腹を立て、
……
……
おばあさんは、セミ神さまに生まれ変わったのです。
今も毎年ウバユリの育つころ、セミ神さまは歌をうたいはじめるのです。
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読み聞かせのポイント
たんたんとゆっくり読んであげてください。
ひょっとして「六つ地獄」という言葉を非常に怖がる子がいるかもしれません。その場合には、その言葉は、解説に書きましたように必須事項ではありませんので、「地面の下のあの世」くらいに変えて読んであげてもいいですね。
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絵本 セミ神さまのお告げ―アイヌの昔話より
◆年齢◆
読んであげるなら5〜6才から。
自分で読むなら小学校低学年向き
◆ジャンル◆
◆むかしばなし絵本
◆シチュエーション◆
◆おやすみの前に絵本
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宇梶静江 古布絵制作・再話
初版年月日:2008年03月 福音館書店
ISBN:4834023257 ISBN13:9784834023251
35ページ 26X27cm 定価1365円(税込)
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「えほんおじさんセット」はこちら! セット価格1565円(税込)
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●作者・再話者宇梶静江さん関連図書
「シマフクロウとサケhttp://kibiehon.net/ehon/BC56/ShimaSake/ehon.php」
「アイヌの治造物語 思いはこずえからこずえにつなげて」 中野栄夫/編集 同成社
「幼稚園って何するところ」 瑞木書房
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