ひぐれのお客

絵本 ひぐれのお客

絵本 ひぐれのお客の表紙です

絵本 ひぐれのお客
◆年齢◆
読んであげるなら6才以上から。
自分で読むなら小学校中学年向き

◆ジャンル◆
◆ファンタジー絵本

◆シチュエーション◆
◆雨の日に絵本
◆おやすみの前に絵本


安房直子作 /MICAO画

初版年月日:2010年05月25日 福音館書店

ISBN:4834025632  ISBN13:9784834025637

208ページ 19X13cm 定価1470円(税込)

通常版はこちら!  定価1470円(税込)
「えほんおじさんセット」はこちら!  セット価格1670円(税込)

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いっぷう変わった動物たちが、身近にあるほんのちょっとしたすきまからすーっと不思議な世界に連れて行ってくれます。

≪いっぷう変わった動物たち≫
いっぷう変わっているとはいっても、身近にいるときは何らそれに気づくことはありません。
「白いおうむの森」の白いおうむは、日頃スダア宝石店のゴムの木の鉢植えにとまっていて「こんにちは」と機械のように繰り返すばかりです。「銀のくじゃく」の銀くじゃくとは、旗に織り込みたいと思ったくじゃくの柄です。はた織りが「旗」を織る仕事を頼まれていった先がくじゃくの国。くじゃくたちは最後の場面に 登場するだけで、はた織りの前では人間です。
「小さい金の針」では、おばあさんが、針箱として使っている古い小さなバスケットの中に、ある晩、金の針をつかうねずみを発見します。
「初雪のふる日」には、「白いうさぎ」たちが、たくさん登場しますが、それはある女の子だけに見える雪の精のようなうさぎです。「ふしぎなシャベル」では、おばあさんは公園の砂場で不思議なシャベルを見つけ、ついシャベルで穴を掘っていますと気がつくとネコの国へいたのでした。「ひぐれのお客」については 下記紹介のように、日暮れどきに黒ネコはふいとがやってきました。

≪不思議な世界へ招かれる人たち≫
特別の人たちだけが、不思議の世界へ招かれる訳ではありません。ある日ふといっぷう変わった動物たちに出会ったり、それらが唐突に現れます。でも、そうなるには、やはり「招かれる人」の心の中にそれらを呼び寄せる何かがあるかあるときだ、と感じられます。それは夕暮れであったり、深夜であったり、心配する飼い猫を探していたり、もっと自分の機織りとして表現したいと思っていたり、ひとりで石けり遊びに夢中になっていたり、置き忘れていた公園の砂場にシャベルを見つけたりしたときでした。共通しているのは、ひとりでいるときだし、ふっと考え事にふけるときです。そういうことは誰にもあることですね。

≪不思議な世界とその入り口≫
招かれた人たちは、ふっと思いにふけるとき、不思議の世界の入口が開かれました。
「銀のくじゃく」の機織り職人の元には、ある日ふいに「こんばんは。ご精がでますね」と、黒ずくめの小さな老人が仕事を頼みにやってきます。そして延々と森の中を歩いた後に、高い塔に案内され、そこで「緑色のくじゃくを一羽織り出した四角い旗」を織る仕事を請け合います。それは職人がやってみたい仕事でした。夢中で機織りをしていると、ふいに4人の若い娘が現れ、緑のではなく銀のくじゃく模様にしてほしいといいます。
「小さい金の針」では、おばあさんは縫い物が上手でいつも歌いながら縫い物をしていますが、ある日、自分の針箱に使っている古い大きなバスケットの中の小さな赤い針さしに、小さな金の針を見つけます。この小さな金の針は、この家に住むネズミのお母さんの針でした。おばあさんの針さしを借用していたんですね。このことをきっかけにおばあさんとネズミの心温まる交流がはじまります。そしておばあさんはネズミの住むところへ招かれます。





内容紹介です

6編の短編童話+1編のエッセイからなります。
「白いおうむの森」
「銀のくじゃく」
「小さい金の針」
「初雪のふる日」
「ふしぎなシャベル」
「ひぐれのお客」
「(エッセイ) 絵本と子どもと私」

《ひぐれのお客》

『裏通りに、小さいお店がありました。ボタンや、糸や裏地を売っているお店でした』
「こんにちは。白のカタン糸ください」
「ちいさい貝ボタンを、七つください」
「緑の中細毛糸…」
なじみのお客がつぎつぎにガラス戸をあけてやってきます。
お店の主人山中さんは、そのたびに、にっこりわらって、天井までとどきそうな高い棚から糸やボタンや毛糸をとりだすのでした。
山中さんは、この商売をはじめてそろそろ10年、商品にとても詳しくなっていました。

ところが、ある日のこと。冬のはじめの、ひぐれどきでした。
山中さんはレジの前の小さないすに腰掛けて夕刊を広げていました。
「こんにちは。裏地をください」
山中さんはひょいと顔をあげましたが誰もみえません。おかしいなと思って戸口のほうへ二歩三歩すすんでいきますと、これはまあ、しきいのところに、まっ黒いネコが、まっ黒いマントを着て立っていたのです。
緑色の目はエメラルドみたいです。その目でじっと見られると胸がドキドキしました。
どこからきたのか聞くと、遠くからこがらしにのってやってきたと言います。
「それで、いったい、何がほしいんだい?」
「じつはね、この黒いマントに、赤い裏地をつけたいと思いましてね。今年の冬は特別寒いってききましてね。長期予報によると、シベリヤ寒気団ってのが、やってくるそうじゃありませんか。そんな恐ろしいやつがやってきたら、ぼくはもうこごえて死んでしまいます。それで決心したんです」
山中さんは、裏地の棚からオレンジ色の布をひと巻きとりおろしました。
するとネコはけたたましい声でさけびました。
「ベンベルグは困ります。しゃらしゃらしていて、肌触りがよくありません。百パーセントの絹にしてください」
山中さんはあきれて、すみっこの棚から絹を取り出しました。
するとネコは、「色がいけません」といいました。
「だって、きみはさっき、赤がいいっていったじゃないか」
「ええ、赤は赤でも、ぼくは、ストーブの火の色がほしいんです。この色はお日さまの色ですよ」
「……」
こうして山中さんとネコの赤い布選びがはじまりました。
ネコは静かにいいます。
「赤は、全体にあったかい色ですけどね、そのあったかさにもいろいろありましてね。お日さまのあったかさ、ストーブのあったかさ、明りのあったかさはみんな違います。それからストーブのあったかさにも、薪ストーブとガスストーブと石油ストーブがありますけどね。ぼくは薪ストーブの感じが…」…。





読み聞かせのポイント

6編あるファンタジーはどれもそれほど長くはありません。その意味では幼児にも大丈夫そうですが、内容から考えると小学校中学年以降のほうが適当だと考えられます。
幼児にとってファンタジー(不思議の世界)はいつも身辺にありますが、小学校中学年以降ともなると、それは時々にしかその入口は開かれません。
ひとりで物思うときそれはふっとやって来ることが多いからです。
ですから、そんなとき、さりげなくこの本が側にあると思わず引き込まれるのではないでしょうか。

絵本 ひぐれのお客
◆年齢◆
読んであげるなら6才以上から。
自分で読むなら小学校中学年向き

◆ジャンル◆
◆ファンタジー絵本

◆シチュエーション◆
◆雨の日に絵本
◆おやすみの前に絵本


安房直子作 /MICAO画

初版年月日:2010年05月25日 福音館書店

ISBN:4834025632  ISBN13:9784834025637

208ページ 19X13cm 定価1470円(税込)

通常版はこちら!  定価1470円(税込)
「えほんおじさんセット」はこちら!  セット価格1670円(税込)

「えほんおじさんセット」って?
季節の日記、えほんおじさんのノートなどがついてくるセットです。
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「天の鹿 童話」 スズキコージ/絵 ブッキング
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「おしゃべりなカーテン」 河本祥子/絵 講談社

●画家 MICAO関連図書
広告や雑誌のイラストで活躍。
「季刊うかたま(表紙画)」農文協
「スタイルあさひ(表紙画)」朝日新聞社
「月刊日本語(表紙画)」アルク

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