カラクリ江戸あんない

絵本 カラクリ江戸あんない

絵本 カラクリ江戸あんないの表紙です

絵本 カラクリ江戸あんない
◆年齢◆
読んであげるなら6才以上から。
自分で読むなら小学校中学年以上

◆ジャンル◆
◆まいにち絵本

◆シチュエーション◆
◆いつでもどうぞ


太田大輔文・絵

初版年月日:2010年11月25日 福音館書店

ISBN:4834025926  ISBN13:9784834025927

48ページ 29X22cm 定価1575円(税込)

通常版はこちら!  定価1575円(税込)
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発明家のおじいちゃんから、「面白いものをつくったから見においで」という手紙をもらった一郎と美江子は、さっそく家へいってみることにしました。

おじいちゃんが、発明したものは、カラクリ機械。それにはどんなからくりがあったのでしょう。

《ウォーターフロントの町・水の都、江戸》
(以下の解説は、大人の学校・卒業編中の、杉浦日向子の「ぶらり江戸学」を参照しています。静山社文庫)
江戸の語源は、「入り江の戸口」にある土地という意味だそうです。つまりウォーターフロントの町。しかも、内陸部に川や運河がたくさんありました。ですから、この絵本のご隠居と手代のように、江戸見学には、水辺から見るのがいいですね。

《江戸の町と人口》
天保年間(遠山の金さんの頃・1830年〜1844年)の江戸の人口は、120万人。当時パリやロンドンより大都市だった。しかも庶民は下町に住んでいました。下町とはお城の直ぐ近くにある商業地、町人地、お城の下にある町、城下の町、それで下町。江戸の場合、下町というのは、神田川より南、大川(隅田川)より西、江戸城から東、江戸湾より北の細長い一帯のこと。神田・日本橋・銀座・新橋あたりだけが下町だった。四谷・新宿・赤坂あたりは、武家地で山の手と呼んでいた。江戸の町は山手線の内側の狭い土地で、なかでも下町は15%〜20%弱くらいの面積でした。そこに全人口の約半分が住んでいた。大変な人口密度です。残りの5、60万人が武家地、寺社地という他のところに住んでいた。

この絵本のカラクリ機械で覗く江戸の町は、大川(隅田川)両岸の深川・両国(喜助さんの長屋がある)・日本橋・銭瓶橋などの周辺です。ですから、下町とはちょっとずれていますが、現代の下町バスツアーでめぐる、江戸後期の風景・風物を写しています。

《江戸は女性上位》
初期、江戸には女の人がとても少なかった(50人に2・3人)ので、女性上位になったらしい。喜助さんにはお千さんというおかみさんがいますが、普通、男性の2割ぐらいしか結婚できず、長屋(6軒向かい合わせの12軒単位)では、おかみさんがいるのは1、2軒だったそうです。喜助さんはラッキーでした。

《江戸前寿司》
カラクリ機械で見ると、寿司屋台というにぎり寿司のお店が出ています。江戸後期頃には、江戸前寿司があったんですね。
江戸前にぎり寿司は、深川の松寿司というお寿司屋さんが初めだそうです。最初は大変高価格でしたが、たちまち江戸中に広まり、庶民の口にも入るようになったらしい。でも、江戸以外からやってきたご隠居にはいい案内先だったようです。ただ、今と違って、「トロ」なんか食べず肥料にしていたとのことです。

《家系図》
カラクリ機械で、江戸時代の喜助さんの一家をずっとみていました。喜助さんには船吉という坊やがいました。

江戸案内が終わろうとする頃になって、おじいちゃんはこういいました。
「ところでな、船坊って子ども、どこかわしに似ていると思わんか……」
「じつは、船坊てのは、名を船吉といってわしのおじいちゃんなんだ」
「ということは、ぼくたちのご先祖さん!?」





内容紹介です

『吉夫おじいちゃんから「おもしろいものを作ったから見にこないか……」という手紙をもらった』
一郎と美江子は、家まで遊びに行くことにしました。いつも変な発明ばかりしているおじいちゃんが大好き。
バスに乗って、新宿を通り、中野の家に着きました。
「おじいちゃん、こんにちは!」
「おおっ、よく来た、よく来た」
おじいちゃんの部屋は、めちゃくちゃ、わけのわからない発明品や工具でちらかっています。
「こっちに来なさい、とってもおもしろいものがあるんだぞ…」

おじいちゃんのそばに行くと、〜

「何これーっ! 音楽を聞くもの?」
「もっとすごいぞ。むかしの世界がみられる、カラクリ機械さ」
みんなで、万華鏡のような筒を覗くと、そこは……

江戸時代の長屋。
「おまえさん、はやくしないとおそくなっちまうよ!」
「さっ、行ってくるぜ」
「きょうもしっかり船をこぐんだよ!」
「まかしときなって、それより船坊をたのんだぜ、でぇじなあとつぎだからよ」

※ここの長屋は、喜助って船頭の家族が暮らしているところらしい。
『「センドウ」って何?』
『船の運転手だよ、いまでいうタクシーみないなもんかな』
おじいちゃんはダイヤルを回した。

「なーっと、なっと、なっとー」
「とーふー、とーふー、とうふはいらんかねー」
※ここは、深川。納豆売りや、朝食材料を売りにきているようだ。喜助さんも仕事場に向かって歩いていきます。

※「仕事場の船宿「みうらや」についたようだな」
舟にご隠居と手代を乗せて、出発。舟は大川を行きます。屋形船とすれ違いました。ずっと向こう、江戸の町の向こうに富士山が見えます。永代橋をくぐって、佃島をぐるっとまわります。帆船の大船に抜かれました。
八丁堀から江戸橋をくぐって、すぐ。

「おまたせしやした、〜

「おまたせしゃした、日本橋につきましたよ。どうです、この賑わい、てぇしたもんでしょう!」

それから喜助さんは、魚河岸を案内。
「どいたっ! どいたっー!」
「こんなとこ突っ立ってちゃ、じゃまじゃねぇかいっ! おおっ、喜助じゃねぇか」
「こちっとら、お客様のご案内よ! 河岸見終わったら、寿司屋台にでもおつれしようかと思ってるところよ」

※冷蔵庫のない時代、新鮮さが命の魚は、素早く運ばなくてはならなかった。

「うん、こちらはお侍家族の、遊山のようだよ」
※「遊山って何?」
「ピクニックのこと。花見、花火、紅葉狩り、雪見。今日は舟遊びのようだ」

「僕にもやらせて。このダイヤルを回せばいいんだよね」
「ガチャ ガチャ……」

「どーん どーん」
「たーまやー」「かーぎやー」
びっくり、両国の花火です。

「ガチャ ガチャ……」

こうして、カラクリ機械の筒で見た喜助さんに案内されて、一郎と美江子は、水辺から江戸のまちを見学します……。

※「ところでな、船坊って子ども、どこかわしに似ていると思わんか……」
おじいちゃんがいいました。





読み聞かせのポイント

カラクリ機械のこっち側の吉夫おじいちゃんと一郎と美江子の会話、そして向う側の江戸後期の人々の会話を通して、行ったこともなく見たこともない江戸の町を体験します。
ファンタジーとして受け取るもよし、歴史体験をするもよし。ていねいにも、巻末に、付録の江戸あんない絵地図や、喜助さんの家系図があります。
読み終えた後、絵地図と絵本の各場面を見比べるととても楽しいです。

絵本 カラクリ江戸あんない
◆年齢◆
読んであげるなら6才以上から。
自分で読むなら小学校中学年以上

◆ジャンル◆
◆まいにち絵本

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ISBN:4834025926  ISBN13:9784834025927

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