絵本 黒ねこのおきゃくさま

絵本 黒ねこのおきゃくさま

絵本 黒ねこのおきゃくさまの表紙です

絵本 黒ねこのおきゃくさま
◆年齢◆
読み聞かせは6才以上向き
自分で読む場合は小学生低学年向き


◆ジャンル◆
◆ファンタジー絵本

◆シチュエーション◆
◆おやすみの前に絵本



ルース・エインズワース作:山内ふじ江絵:荒このみ訳

編集・発行 福音館書店
発売 福音館書店

初版年月日:1999年10月15日 ISBNコード:4-8340-1584-X

56ページ 22X19cm 1260円(本体1200円+税60円)


通常版はこちら!  定価1260円(本体1200円+税60円)

「えほんおじさんセット」はこちら!  セット価格1460円(税込)

「えほんおじさんセット」って?

季節の日記、えほんおじさんのノートなどがついてくるセットです。

くわしくはこちら!





このお話はもちろん、創作ですが、昔話や神話ににそっくりです。

「むかしむかし」で始まりますし、終わりほうでは、「もう二度と食べものや、まきがなくなることはありませんでした」となっていますからね。お話の内容も「かさじぞう」や「つるにょうぼう」によくにています。昔話の文学版(絵本と童話の表現方法の違いについては、「狼森と笊森、盗森」の解説をお読み下さい)といっていいかもしれません。その意味で、昔話絵本に親しんできたお子さんが、次の段階にステップアップする(童話への移行期)際にお薦めです。
このお話は、いくつもの魅力を持っていますが、そのすべてを取りあげることはできませんので、次の点だけにします。
(1)挿絵について
アリス(不思議の国の)が「挿絵のない本なんて、本じゃない」というとおり、子どもの本にとって挿絵は大きな役割をします。(絵についても「狼森と笊森、盗森」の解説をお読み下さい)
この本でみてみましょう。まず表紙をご覧下さい。
雪の上を黒ねこが歩いています。タイトルが「黒ねこのおきゃくさま」ですから、この黒ねこがお客さまとしてどこかへいくのでしょう。その訪問先を探しているのでしょうか。
でも、この表紙絵は少し変ですね。
ここでもう読者に、このお話はどんなお話なのだろうか、黒ねこはどんなねこなんだろうか、という謎が仕掛けられました。
表紙をあけると、黒ねこが疾走しています。何か見つけたようです。
そして扉を開けると、もう一度タイトルがあって、遠景でみる林のそばに、小さな家が見えます。空を黒雲が覆って、もうすぐ嵐がやってきそうです。
このように、黒ねこの姿やおじいさんがどんな所に住んでいたかなど、文章の端々にしかないところのイメージを挿絵は助けてくれます。
この本は童話ですが、全ページに挿絵がありますので、ほとんど絵本に近い童話(幼年童話)といえます。
(2)黒ねこは何者?
吹雪の夜に、黒ねこはおじいさんのところにやっってきます。そして「わたしはあなたのミルクをのんで、パンも肉も全部食べてしまいました。それにまきも、ぜんぶつかわせてしまいました。どうして、わたしをおいだして、とびらをしめてしまわなかったのですか」と言って去っていきます。
おじいさんが黒ねこを見送って帰ってみると、二度とこまらないだけ、ミルクもパンも肉も、まきもプレゼントされていました。
こんなことができるのは、神さましかないように思えますね。
(3)おじいさんはどんな人
おじいさんは最初から、すべてを黒ねこにあげようなどとは考えていませんでした。最初はあまりにみすぼらしい黒ねこに、つい見かねてミルクをやり始めたのでした。ところが、おじいさんは「大きな緑いろの目」で見つめられるうち、こらえきれなくなって、このわがままなねこが要求するがままに、全部の食べものをあげてしまったのです。
おじいさんは、二度、「頭のてっぺんからつまさきまで、あたたかくなり」ます。一度目は、はらぺこのままで眠るとき、黒ねこが気持ちよさそうにしているのをみてそうなります。
二度目は、プレゼントをもらって、「ゆうべのように」なります。一度目はこころが、二度目は身もこころもですね。
こうしてみると、おじいさんは何も特別な人ではなく、普通の人のようです。
黒ねこに、大きな緑色の目で見つめられると、それに抗える人はほとんどいません。黒ねこは赤ちゃんか、ごく小さな子どものようですからね。赤ちゃんの無垢な目で見られると、私たちは赤ちゃんのペースに合わしてあげる他ありません。その場合、おじいさんも私たちも、けっして見返りを考えて、助けたりはしません。私たちはその行為自体に、自分で「頭のてっぺんから、つまさきまで、あたたかくなる」のです。
多くの昔話は、宝物をもらって、一生幸せにくらしますが、実はこころのなかに宝物をもらったということです。このお話のおじいさんも同じ宝物をもらったわけです。
そういうことを気づかせてくれる存在は、別に神さまではなくともいいですよね。
(4)では、同じような話を昔話で聞いたからもういいや!といえるでしょうか。
そうではありません。この本は文学の入り口にたつお話です。昔話と文学では、私たちの身体への伝わり方が違いますと、ここでは言っておきましょう。



内容紹介です

『むかしむかし、ひとりのまずしいおじいさんが、ほうきでゆかをはきながら、ふうっと、ためいきをつきました。
「ああ、なんて今夜はさむいんだ。かがむと、せなかがいたむなあ。年をとって、体が弱ってきたうえに、金があまりないと、人生はつらいものだ」』
でも、おじいさんは、一週間に一度、土曜だけはおいしい肉とミルクにひたしたパンを食べることにしていました。
おじいさんがほうきをたけかけようとしたとき、声が聞こえました。おじいさんは、扉をほんの少しあけました。風がいきおいよくふきこみ、雨が強くかかり、やせた黒ねこが入ってきました。黒ねこはずぶぬれで、お腹はぺしゃんこ、しっぽはまるで黒い靴ひものような、みすぼらしいねこでした。
おじいさんは、お皿にミルクを注いでやりました。
黒ねこはすぐに飲み終えると、大きな声でないて、食器棚を見ました。今度はミルクとパンをやりました。お皿はまたたくまにからになり、「にゃーおう」となきます。
おじいさんは自分のミルクとパンを全部黒ねこにやりました。
黒ねこはそれもまた、たいらげると、部屋のなかをみまわしました。そして食器棚のひつじ肉をかぎつけました。それはおじいさんの一週間に一度のごちそうです。

ちょっとみすぼらしい黒ねこが 食器棚をひっかいています

おじいさんはこらえきれなくて、自分のぶんも、この黒ねこのおきゃくさんにやってしまいました。
食べ終わった黒ねこは、ほねまで要求し、おじいさんはとうとうスープさえ取りあげられたことになりました。
『すると、もう何もないのはわかったように、黒ねこの鳴き声はようやくおさまりました』
黒ねこは暖炉の前に行き、念入りにぬれた毛を整えました。ねこさっきの2倍ほどの大きさになっていました。
でも、まきは少ししかなく、暖炉は消え入りそうでした。すると、黒ねこは体をぶるぶる震わせます。
『「おまえ、ぐあいがわるいようだな」…、
「まきをもう一本くべよう」』
黒ねこはやがて、のどをごろごろ、深く大きくならし始めました。
『…なんて心地がいいんだろう。なんてしずかな気持ちだろう。なんて心がいっぱいなんだろう。おじいさんは、おなかがぺこぺこだったのも、すっかりわすれてしまいました』
こうして、最後のまき二本もくべました。おじいさんと黒ねこはいっしょにすわって、心地よくあたたまりました。

暖炉の前であたたまる おじいさんと黒ねこ

真夜中もすぎてから、寝床にはいりました。毛布をまいてもさむかったのですが、黒ねこが気持ちよさそうしているので、頭のてっぺんからつまさきまで、あたたかくなって、ぐっすり眠り込みました。
翌朝、風もやんで、日がてっていました。おじいさんの家には食べるものもなく、暖炉には火もいれられません。
おじいさんが戸口をあけてやると、黒ねこは明るい外へ出て行きました。
黒ねこは、雪の上で、振り返って、こう言ったのです。
『「わたしはあなたのミルクをのんで、パンも肉も全部食べてしまいました。それにまきも、ぜんぶつかわせてしまいました。どうして、わたしをおいだして、とびらをしめてしまわなかったのですか」』
……
『さよなら、わしの友だちよ。さよなら!』
黒ねこは林に消えていきました。おじいさんはしばらくして、こな雪の上に何の足跡もないのに気がつきました。
そしておじいさんが、家に帰ると…。







読み聞かせのポイント
この本は絵本から、童話への橋渡しの本として最適です。読んであげると20分少々かかりますが、挿絵がたくさんあって、その挿絵が実によくイメージ形成を助けてくれますので、絵本のように、絵を見せながら読んであげるといいですね。

絵本 黒ねこのおきゃくさま
◆年齢◆
読み聞かせは6才以上向き
自分で読む場合は小学生低学年向き


◆ジャンル◆
◆ファンタジー絵本

◆シチュエーション◆
◆おやすみの前に絵本


ルース・エインズワース作:山内ふじ江絵:荒このみ訳

編集・発行 福音館書店
発売 福音館書店

初版年月日:1999年10月15日 ISBNコード:4-8340-1584-X

56ページ 22X19cm 1260円(本体1200円+税60円)


通常版はこちら!  定価1260円(本体1200円+税60円)

「えほんおじさんセット」はこちら!  セット価格1460円(税込)

「えほんおじさんセット」って?

季節の日記、えほんおじさんのノートなどがついてくるセットです。

くわしくはこちら!



関連絵本はこちら!




著者 ルース・エインワース関連図書
「こすずめのぼうけん」石井桃子 訳  堀内誠一 画
「ふゆのものがたり」河本祥子 訳・絵
「ちいさなろば」石井桃子 訳  酒井信義 画
画家 山内ふじ江さん関連図書
「ごろごろ どっしーん」西内ミナミ 文

◇同じジャンルの絵本はこちら!

絵本 絵本 クリスマスのみっつのおくりもの のページへ

絵本 クリスマスのみっつのおくりもの

絵本 トーキナ・ト アイヌの神話 ふくろうのかみのいもうとのおはなし のページへ

トーキナ・ト アイヌの神話 ふくろうのかみのいもうとのおはなし

絵本 絵本 きつねものがたり のページへ

絵本 きつねものがたり

絵本 お皿のボタン のページへ

お皿のボタン



◇同じシチュエーションの絵本はこちら!

絵本 かにむかし のページへ

かにむかし

絵本 ごろはちだいみょうじん のページへ

ごろはちだいみょうじん

絵本 日本の昔話5 ねずみのもちつき のページへ

日本の昔話5 ねずみのもちつき

絵本 ちいさいおうち のページへ

ちいさいおうち




知っていましたか?日本の絵本の90%はホンモノではないんです。
えほんおじさん アメリカのNASAが教育に取り入れた絵本を知っていますか?
絵本1冊を描くのにかかる年数は?

絵本の読み聞かせ暦30年。
絵本の知識は日本屈指のえほんおじさんだからこそ選べる1冊を あなたにお届けします。
何か質問がありましたら、ご遠慮なくどうぞ!

質問!
FAXでのご注文お支払い方法

◆FAX:086-281-6857
FAXは、これをプリントアウトしてくださいね。


郵便代引、金融機関へ振り込み、クレジットカードの3種類からお選びいただけます。

    メリットデメリット
郵便代引・到着が早い
・銀行に行くなどの手間がかからない
・手数料が250円かかる
・1冊だと、時間指定ができない
金融機関へ入金・手数料が安い・振り込み確認後の発送なので、多少遅くなる(※1)
・金融機関へ行く必要がある(※1)
クレジットカード・手間がかからない・カード会社様に確認後の発送なので、多少遅くなる
※1 ネットで決済の場合、これらのデメリットはなくなる上、手数料も安い場合が多いので、特にお勧め!です。

お客様がEバンク銀行の口座を持っていらっしゃる場合、手数料は無料ですよ!

返品交換配送について
全国一律250円(税込)
配送先一ヶ所につき2,500円以上ご注文いただいた場合、
送料は無料です!
◆万一商品が破損・汚損していた場合商品の配達後10日以内にメール、もしくはFAXにてご連絡ください。この場合の送料は当社で負担いたします。
質問プライバシーの保護
質問! ◆「えほんのくに きび」では、お客様の個人情報であるお名前、ご住所、お電話番号等をいっさい外部にもらすことはございません。プレゼント等に関しても同様ですので、安心して応募してくださいね。

Trackback on "絵本 黒ねこのおきゃくさま"

このエントリーのトラックバックURL: 

"絵本 黒ねこのおきゃくさま"へのトラックバックはまだありません。

Comment on "絵本 黒ねこのおきゃくさま"

"絵本 黒ねこのおきゃくさま"へのコメントはまだありません。

コメントする

コメントする
(HTMLタグは使用できません)
ブラウザに投稿者情報を登録しますか?(Cookieを使用します。次回書き込み時に便利です。)
  •  
  •  

Copyright 2004-2007 えほんのくに きび 「えほんおじさんのぶろぐ:絵本 黒ねこのおきゃくさま」ページトップへ。