絵本 ラベンダーのくつ

絵本 ラベンダーのくつ

絵本 ラベンダーのくつの表紙です

絵本 ラベンダーのくつ
◆年齢◆
読み聞かせは6歳以上、小学校低学年向き
自分で読む場合は小学校中学年向きです


◆ジャンル◆
◆ファンタジー絵本

◆シチュエーション◆
◆おでかけしよう!絵本


◆ともだちとあそぼ!絵本



アリスン・アトリー 作
大島英太郎 絵:松野正子 訳

編集・発行・発売 福音館書店

初版年月日:1998年04月25日 ISBNコード:4-8340-1425-8

136ページ 22X16cm 1260円(本体1200円+税60円)


通常版はこちら!  定価1260円(本体1200円+税60円)

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この本は
小さな白いメンドリとキツネのお話
(1)キツネと小さな白いメンドリのおはなし
(2)小さな白いメンドリと三びきの子ギツネのおはなし
チム・ラビットのお話
(3)チム・ラビットのまほうのマント
(4)チム・ラビットとサム・ヘアのぼうけん
の四つのお話は入った短編童話集です。

シンデレラといえば、「くつ」が重要な働きをしますね。この本タイトルは、第二話でメンドリが三びきの子ギツネにしてあげたお話「シンデレラという小さいキツネ」に出てくる「ラベンダーのくつ」から採られています。
この本のみどころは、四つのお話のいずれにも、登場人物たちの日常のすぐそばに、魔法や不思議や冒険があるところですね。
第一話では、キツネは、たとえば「たぶらかしのわざ」(メンドリは最初は気づいていませんが)などの魔法を使います。メンドリはある日、キツネがいつも読んでいる本の秘密を知ります。その本はキツネが使う魔法の教科書でした。それを読んだメンドリは、「カウスリップは魔法の花、その花輪を首に掛けると敵から身を隠す」を知り、その魔法を逆手にとって、キツネの元から逃げ出す方策を考えます。
*注 カウスリップ(黄花九輪桜)
花は鎮静作用、ハーブティーやサラダに加えたり、飲み物の香りづけに。浸出液は、ローション。また「婚姻の花」とも呼ばれるそうです。
第二話では
農場の少女がメンドリからもらった白い羽は「魔法のペン」でした。そして、メンドリの話に出てくる子ギツネはラベンダーの靴をはいています。だから子ギツネは軽やかに美しく踊ることができました。この話中の話はまるで魔法のようです。
第三話は文字通りまほうの話です。
森に落ちた紅葉は、それ自体自然が仕掛けた魔法のようですね。
このお話は「葉っぱ」のもつ、魔法力について語ります。葉っぱは凧のしっぽになり、風を誘って、チムを空高く運びあげます。またそれはお母さんへの誕生日プレゼントとなって、お母さんにも魔法を掛けます。そして、チム・ラビットをねらうキツネからも身を隠す魔法のマントにもなります。
この短編集は、ハーブなどのさまざまな香り、さまざまな花や落ち葉の色々、そしてそれらに囲まれた小さな動物たちの姿が、お話の細かいところにに織り込まれています。小さなメンドリは子どもに返ったおばあさんみたいだし、チムは子どもそのものですね。ちょっとした自然との交流が実にたのしい本です。
こういった世界は、読者が自分でイメージしたほうが楽しいですね。下手に絵にされると、想像力の自由度を失いかねません。



内容紹介です

第1話 小さな白いメンドリとキツネのおはなし
『むかし、一羽の小さな白いメンドリが、じぶんのうまれたとりごやをにげだして、ぼうけんにでかけました』
トリ小屋が狭くて、他のメンドリのおしゃべりにうんざりしていたからです。
メンドリは草原をつっきって、石垣の隅に干し草の山を見つけました。
『ここに家をつくりましょう』

メンドリが ぼうけんに でかけました

メンドリがなにもかもそろえ、寝る用意をしたころ、茶色いウサギ、ノネズミがやってきて、3人はいっしょに暮らすことになりました。
さて、ある日
はらぺこのキツネが、小さな白いメンドリと家をみつけました。
『うーん、うーん、もう、だめだ。わたしは、もう、死にそうだ」とキツネは家の前に寝そべりました。
「まあ、おきのどくに」
メンドリはクロスグリのお茶をキツネの口に入れてやりました。
おいしいお茶でした。
とたんに、キツネは気が変わりました。メンドリを食べるより、もっと良いことを思いついたのです。
「どうだろう、家政婦として家へきてもらえないだろうか。どうかわたしを助けてくだされ」
キツネはよこしまな微笑みをうかべてメンドリを誘いました。キツネには「たぶらかしのわざ」がありました。
メンドリの人の良さといったらありません、とうとうその仕事を引き受けてしまいました。
こうしてメンドリはキツネの家でせっせと働きました。
ある日、メンドリはキツネが菜食主義だと思っていたのに、キジやホロホロチョウの羽を見つけます。そして、キツネがよく読んでいる本の中身を知ることになります。
そこには《うまいことをいってメンドリをさそいだすには》と書いてあったのです。
さらに読み進めると、《てきをふせぐふしぎな力ーカウスリップはまほうの花》とあって、「カウスリップの花の輪を首にかけると敵に見えなくなるー恐ろしいものから身を守るたしかな方法」と書いてあったのです。
メンドリは思いました。
「これはあぶないわ。キツネはやはりあたしを食べるつもりよ。この本に書いてある魔法をつかわなきゃ。ああ、カウスリップの花さえ手に入れば…」
さあ、小さな白いメンドリはキツネのもとから逃げ出すことができるでしょうか……。
第2話 小さな白いメンドリと三びきの子ギツネのおはなし
干し草、セイヨウナツユキソウの花、スイカズラの花の良い香りがしていました。ある日、小さな白いメンドリは、掃除しながら思いました。
『このいいにおいをいちねんじゅうとっておけたらいいのに』
そうして、メンドリたちは香り袋をたくさん作ります。

メンドリは ひなたぼっこをしながら ラベンダーをいれるふくろを つくっていました 

そんな小さな白いメンドリに、第一話でメンドリを食べようとしたキツネの子どもたちは、あこがれ尊敬するようになります。
 『むかしむかしのそのむかし
  子ギツネ三びき おったとさ。
  子ギツネたちは おそろいの
  ラベンダーのくつ はいていた。
  くつは いつでもたいせつに 
  ジギタリスのはこに しまってた。
  そうさ、いい子の子ギツネさ
  かしこい小さな子ギツネさ』
第3話 チム・ラビットのまほうのマント
秋でした。子ウサギのチム・ラビットは、ほんもののたこ糸のついたしっぽはぼろぼろの小さな凧をもって、家から出てきました。
「いってきます、おかあさん。ぼく、もしかしたら、お月さままで飛んでいくかもしれないよ」
スキップで小道をおり森へ入っていくチムを、おかあさんは笑って見てました。
「はっぱがいっぱいだ。木にもまだまだいっぱいだ。このはっぱで、凧のしっぽがつくれるぞ。それから、そうだ、おかあさんにはっぱのマントをつくってあげられるぞ」チムは一生懸命つくりました。
  茶色いはっぱ 黄色いはっぱ 赤いはっぱに 金色はっぱ
  しましまはっぱ… はっぱでつくるよ このぼくが
  つめたい風を ふせぐため すてきなマントを つくるんだ。
  はっぱでマントをつくるとは ああ、チムは なんていい子だろう!
  おかあさんは わらうだろ じょうだんだろうって おもうだろ
  でも、おかあさんは 着てくれる。
  はっぱのマントを着たならば おかあさんは貴婦人さ
  みどりの草原 とおりぬけ 森のこかげを あるいてく
  とってもきれいな貴婦人さ。
気がつくと、いとこのノウサギ、サム・ヘアが見ていました。
「なにつくってるんだ」とサムは聞きました。
「凧のしっぽを直して、それからおかあさんのたんじょうびにあげるマントをつくったのさ」
「うわあー、なんてきようなんだ」
「さあ凧揚げにいこう」
森を出て、小さな丘にマントをおいて、ふたりは凧の糸をもって走り出しました。凧はあまり高くあがりませんでした。風が半分眠っていたからです。
とつぜん、チムはマントのことを思い出しました。ふたりは方向転換して、丘へ駆け戻りました。
すると、そこにはキツネがいて、じっとマントを見ています。
「このはっぱの山はお前のかい?」
「そうだよ、マントなんだ」
「こんなふうに、着るんだよ」とチムが体にかけると、はっぱにかくれました。
チムはたこ糸を握りしめ、走り出しました。
すると、風が凧を引っ張り上げ、はっぱのマントを捕まえました。
「うわあ、すごい!ぼく空をとんでるぞ」
キツネはとびあがって捕まえようとしましたが、チムには届きませんでした。
風はそのちいさなものを高く高く運んでいきました。

風は チムを たかくたかく、はこんでいきました

チムが空高く飛びながら歌います。
  かぜさん、どうぞ このぼくを おとさないでくださいね。
  …
  どうぞ 海におとさずに うちまで つれてかえってね
  おかあさんが まっている…
「ウサギだって?」風はいいました。「なんと!これは、チム・ラビットだ!」
こうしてチムはうちへ帰ってきました。
「まあ、おまえの着ているものはなあに?」とおかあさん。
「おたんじょう日のプレゼントだよ、おかあさん」

ある日「はっぱが歩いているぞ」とキツネはいいました。
かしこいフクロウが「それはまほうのマントだ、カムフラージュ・マントという悪者から身を守るためのものだ」とキツネに教えました。
第4話 チム・ラビットとサム・ヘアのぼうけん
(略)







読み聞かせのポイント
童話への入り口、読み聞かせは、短編童話から始めるといいでしょう。毎日一話ないし二話という感じで。
童話には挿絵しかありません。5、6歳までしっかり絵本を読んであげた子は、絵がなくなっても、自分でイメージをつくり、そのイメージを操作することに慣れています。もしまだ聞けないようでしたら、絵本に戻りましょう。あわてて童話へ進むことはありません。
小学生への読み聞かせは、自分で読むきっかけとなるよう心がけましょう。
第一話だけ読んであげるとあとは、自分で読むかもしれません。それはそれでかまいません。
自分で読まないようでしたら、続いて二・三話と読んであげましょう。
そのときけっして、自分で読みなさいとは言わないでください。
読み方は読みっぱなしです。感想は決して聞かないでくださいね。
ただ、読み聞かせの結果、お子さんにその本の影響が見られることがあります。
その様子を見ていれば、どんな感想を持ったかわかると思います。

絵本 ラベンダーのくつ
◆年齢◆
読み聞かせは6歳以上、小学校低学年向き
自分で読む場合は小学校中学年向きです


◆ジャンル◆
◆ファンタジー絵本

◆シチュエーション◆
◆おでかけしよう!絵本
◆ともだちとあそぼ!絵本


アリスン・アトリー 作
大島英太郎 絵:松野正子 訳

編集・発行 福音館書店
発売 福音館書店

初版年月日:1998年04月25日 ISBNコード:4-8340-1425-8

136ページ 22X16cm 1260円(本体1200円+税60円)


通常版はこちら!  定価1260円(本体1200円+税60円)

「えほんおじさんセット」はこちら!  セット価格1460円(税込)

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季節の日記、えほんおじさんのノートなどがついてくるセットです。

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著者 アリスン・アトリー関連図書
「むぎばたけ」 矢川澄子 訳:片山健 絵 
 読んであげるなら5・6歳向き、自分で読むなら小学校低学年向き
 かぐわしい初夏の夕べ、小さなハリネズミが目をさまし、月夜の冒険に出発しました……。
 美しい田園の中でひそやかに繰りひろげられる小動物たちの絵物語。
「くつなおしの店」 こみねゆら 絵:松野正子 訳
 読んであげるなら6歳以上向き、自分で読むなら小学校低学年向き
 草ぶきの家や小さな屋根窓やはば広の煙突がめだつ、イギリスのふるい村。そのなかの貧しいくつなおしの店で起こった、小さな奇跡……。
 人の善意が織りなす美しい妖精の物語。
「時の旅人」 松野 正子 訳 小学生高学年向き 岩波少年文庫
 時を往復する少女の本格時間ファンタジー。
 母方の農場にやってきたペネロピーは,16世紀の荘園に迷い込み,そこで繰り広げられていた王位継承権にまつわる事件に巻きこまれる。
訳者 松野正子さん関連図書
「ふしぎなたけのこ」 松野正子 作:瀬川康男 絵
「か さ」 松野正子 文:原田治 絵
 読んであげるなら 2・3歳向き 
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