文庫版 お父さんのラッパばなし

文庫版 お父さんのラッパばなし

文庫版 お父さんのラッパばなしの表紙です

文庫版 お父さんのラッパばなし
◆年齢◆
読んであげるなら6才以上から。
自分で読むなら、小学校中学年以上

◆ジャンル◆
◆ファンタジー絵本

◆シチュエーション◆
◆おやすみの前に絵本


瀬田貞二作 /堀内誠一 画

初版年月日:2009-06-10 福音館書店

ISBN:483402458X  ISBN13:9784834024586

185ページ  17X13cm 定価735円(税込)

通常版はこちら!  定価735円(税込)
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最もシンプルな物語絵本。

七つの海をまたにかけ、大冒険!? お父さんが吹きまくる、奇想天外、ゆかいでハラハラ、14のラッパばなし。さて今日はどんなゆかいな冒険話が聞けるかな? ニューヨークでは窓ふき世界チャンピオン、バグダッドでは大泥棒を捕まえて、エアーズロックではブロントサウルスとご対面! 

子どもたちは、お話そのものが大好きです。昔話であれ、ほんとのお話であれ、ほら話(ラッパ話)であれ、種類を問いません。なかでも大好きなのは、「自分が登場するー小さかった頃のお話」や、自分の好きな人たちが主人公のお話、すなわち、お父さんやお母さん、祖父母などのお話です。それから、奇想天外な、ほら話も大好きですね。

このお話集は、お父さんが毎夕食後、三人の子どもたちに語ったラッパ話(ほら話)を集めた形式になっています。

「ラッパ話(ほら話)」というのは、おおげさで、誇張したうそや自慢話のことですが、お話というのは、多かれ少なかれそうした「ラッパばなし」の要素が含まれています。とはいえ、お話の骨格や背景にまったくリアリティがないのでは、お話は成立しません。つまり、うそとほんとが絶妙に折り込まれているのがお話で、そのうち「うその度合い」が大きいものが「ラッパばなし(ほら話)」といっていいでしょう。上記、子どもはと書きましたが、「人は」だれでも音楽が好きなように、「お話」が好きです。うそと分かっている「ラッパばなし(ほら話)にもつい引き込まれてしまいます。

そうしたお話の持つ魅力の一端が、「お話」そのものによって、語られているいるのが第五話「パンパのラッパ」です。(下記お話を参照ください)
「うそ話」を聞いているのは分かっているのに、つい「うそつけ」と突っ込んでしまうお話です。人はひとたびお話に入り込んでしまったら、どうもそこから出られなくなり、お話しを楽しんでしまう性癖があるようですね。そしてそれは人類がずっと持っていた楽しみで、ここから生きる力のエネルギーを得ていたようですね。

この14のお話集を聞いている三人の子どもたちもも同じでしょう。





内容紹介です

子どもたちは父さんの吹くラッパ(ほら)ばなしが大好き。晩ごはんのあとで、きまってお父さんに「ねえ、うんと大きいラッパ吹いてみて。」とさいそくします。するとお父さんは、「なにが、ラッパなもんか、ほんともほんと、お父さんが・・・・・・」と、話し始めます。

もくじ
1 富士山の鳥よせ(父さんが小さかったころ・日本)
2 ミスタ・レッドクロス(ハワイ)
3 ふりこ一発(ニューヨーク)
4 ビーバーの谷(カナダ)
5 パンパのラッパ(アルゼンチン)
6 きじの花たば(イギリス)
7 名前をかえた山(スイス)
8 指輪をもらった時計像(ドイツ)
9 アフリカのたいこ(アフリカ)
10 バグダッドのおおどろぼう(バグダッド)
11 インドの夢うらない(インド)
12 大きい石と大きいとかげ(オーストラリア)
13 プアプアのくじら舟(オセアニア)
14 海賊たいじ(シンガポール)

5 パンパのラッパ
『アルゼンチンは牧畜の国、馬は世界で三番目、ヒツジは四番目、牛は五番目。広い草原があって、パンパという。お父さんは、アルゼンチンのパンパで、でっかいラッパを吹いたことがあるんだ。ラッパの吹きっこで。
「それじゃ、お父さんが勝ったに決まってるね」と三人がいっしょに笑いました』

アルゼンチンのパンパには馬や牛やひつじがいくらでもいる。その世話をするのが、ガウチョというカウボーイだ。ガウチョたちは、肩から美しいポンチョという肩掛、腰のバンドには投げ縄をさげて、手にはギターを持っているのが普通だ。わたしはそのゆかいな仲間になった。五日も十日もパンパに出たっきり、昼は家畜を追い、夜は星空の下にごろりとポンチョをかけて寝る暮らしだ。

ある晩、歌がおわったころ〜

ある晩、歌が終わったころ、ペドロという男がこう言った。
「おい、みんな、順番にほら話をしようじゃないか。誰かがうっかり、うそつけと口に出しちまったら、そいつがほら吹きの手下になる。むこう一ヶ月仕えることにしようじゃないか」
これには、みんな賛成した。みんなじゅんにたいへんなほらを吹きはじめた。山の木を抜いた話、くじらのような大きな魚をつりあげた話など、どれも面白い話だったが、だれも「うそつけ」とは言わなかった。
そこで、ペドロが放し始めた。
「おれはあるとき、パンパで強盗に出会ったよ。
《とまれ、動くな、その馬と金をよこせ》
そういって、おれにピストルをつきつけた。おれの馬は名馬だったから、これをとられたらたまらない、そこで、馬にひとムチ駆け出した。このとき、後ろで「ダーン!」ピストルを撃ったらしいんだが、夢中だった。馬は目もくらむような速さで、すっとんでいった。

いやもう、むがむちゅうだったね。〜

一息に三時間もぶっ飛ばすと、腹がへっているのに気がついた、そこで馬を止め、馬上で昼飯をとって、鞍から水筒をとって、あおむけに口に当てたとたん、水筒が吹っ飛んだ。吹っ飛んだ水筒を調べてみたら、おい、どうだ。さっきのピストルの弾が、今水筒に当たって、水がごぼごぼ流れているじゃないか」
ガウチョのひとりが、大きな声をだした。
「そいつは、う……」
ペドロはいまいましそうに、その男をながめてから、わたしに、
「おい、ハポネス、お前の番だ」

私は話し始めた。
「ぼくが北アメリカのテキサスにいたころ、クラウディという素敵に速い馬を持っていた。わすれもしない独立記念日だった。近くの町へ行ってみようとクラウディに乗って砂漠を進んでいた。すると、岩陰から三人組が現れてこう言うんだ。
《とまれ、動くな、その馬と金をよこせ》
ぼくにピストルを突きつけた。
クラウディをとられちゃたまらない。そこでぼくはクラウディにひとムチ、さっとかけた。後ろで《ドン、ドン、ドン!》とピストルの鳴る音がした。無我夢中に走りにはしった。辺りが変に暗くなって夜になり、そのうちまた明るくなって、ぼくは近くの町についた。お腹がへってたまらないから、町の食堂へ入ったが、へんに、がらんとしている。【おや、おや、お祭りだのにおかしいぞ】と思って、食堂のおやじに聞いてみると、町の人たちは、明日のお祭りのしたくでてんてこまいしているから、こんなにここが空いているという。ぼくの、クラウディは、あんまり速く走ったので、きょうの時間を通り越して昨日に逆戻りしてしまったんだよ」
「うそつけ!」
大声で怒鳴ったのはペドロだった……

このようにしてお父さんは、夕食後、三人の子どもに大冒険話を語りました。この他、全部で14の冒険物語を聞くことができます。





読み聞かせのポイント

本当はお父さんが、あることないこと「ほら話」を吹いてあげるの一番だと思います。
がしかし、そういくつも話はできないでしょう。
そんなときに、毎晩一話ずつ読んであげるといいのがこの本です。
6歳ぐらいだと、読み手が自分の体験話にしてしまってもかまわないと思いますよ。
そうすると、読み方はできるかぎり体験談風にするといいですね。

文庫版 お父さんのラッパばなし
◆年齢◆
読んであげるなら6才以上から。
自分で読むなら、小学校中学年以上

◆ジャンル◆
◆ファンタジー絵本

◆シチュエーション◆
◆おやすみの前に絵本


瀬田貞二作 /堀内誠一 画

初版年月日:2009-06-10 福音館書店

ISBN:483402458X  ISBN13:9784834024586

185ページ  17X13cm 定価735円(税込)

通常版はこちら!  定価735円(税込)
「えほんおじさんセット」はこちら!  セット価格935円(税込)

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