絵本 親指姫―アンデルセンの童話1(愛蔵版・文庫版)

絵本 親指姫―アンデルセンの童話1(愛蔵版・文庫版)

絵本 親指姫―アンデルセンの童話1の表紙です

絵本 親指姫―アンデルセンの童話1
◆年齢◆
読んであげるなら6才以上から。
自分で読むなら小学校中学年以上

◆ジャンル◆
◆ファンタジー絵本

◆シチュエーション◆
◆いつでもどうぞ


大塚勇三編・訳 /イブ・スパング・オルセン絵

文庫版

初版年月日:2003年11月 福音館書店

ISBN:4834006654  ISBN13:9784834006650

352ページ 17x13cm 定価893円(税込)

愛蔵版

初版年月日:1992年4月 福音館書店

ISBN:4834010864  978-4834010862

336ページ 26X19cm 定価4200円(税込)

通常版(文庫版)はこちら!  定価893円(税込)
「えほんおじさんセット」(文庫版)はこちら!  セット価格1093円(税込)

通常版(愛蔵版)はこちら!  定価4200円(税込)
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「えほんおじさんセット」って?
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アンデルセンとグリムとでは根本的に違っています。

童話といえば、アンデルセン、グリムが話題にされ、子どもにはその名前がある本を与えるといいと思われています。今でもグリム童話と称されることがありますから混乱はいまでも続いています。
アンデルセンとグリムは根本的に違います。グリムのは昔話を集めたもので、アンデルセンのは創作されたものです。混乱する大きな原因は、アンデルセン童話がその多くを「昔話に心情表現を持ち込んで、新たな物語へと生まれ変わらせ(下記掲載の本より)」ているからです。しかも、日本に翻訳紹介するさいに、抄訳し、概略したために、その表現が新たな物語になっていない場合がほとんどで、一見昔話に似たものになっているからです。
下記の私の紹介も概略ですから、いきおい「筋」を追いかけるものとなっています。ですから、これをお読みになってもアンデルセンの「野の白鳥」を読んだことになりません。これと同じことが一般に売られているアンデルセン童話に起こっていいます。

それでは、昔話とアンデルセン童話はどこが違っているのでしょうか。どこが新たな物語となっているのでしょうか。
その一つは、表現方法に大きな違いがあります。
アンデルセンは「昔話を下敷きに」、心情表現・情景描写でふくらませたのです。以下「物語が生きる力を育てる(脇明子 岩波書店)」を参考に違いの例を少しだけ見ていきます。詳しくはこの本をお読み下さい。

アンデルセンの「野の白鳥」は、昔ばなし「六羽の白鳥」(グリムなど多くの国や地域にそれは伝わっているはずです)を下敷きにしていることは間違いないでしょう。大筋はほとんど同じです。違いは王子の数、下の妹の名前がエリサとなっていて、昔ばなしではこうした具体名は使用されないのが普通です。エリサが兄を救うためにつくる「くさりかたびら」が、昔ばなしでは肌着、そしてその材料がアンデルセンのこのお話ではイラクサ、昔ばなしでは「ヒナギク」です。そして、エリサを魔女だと告発するのは、昔ばなしだと王さまの母親ですが、このお話だと大僧正になっています。昔ばなしには「子どもが生まれ」殺されることになっているモチーフがありますが、このお話にはありません。

このような変更にはおそらくとても大きな意味がある場合もあるのでしょうが、ここでは問題にしません。というのは、昔ばなしの場合、そのモチーフやエピソードが象徴的に語られることが多く、深い意味が隠されています(魔女だと告発するのが王の母親と大僧正の違いは大きいかもしれません)が、現代人の私たちには、よくわからない場合が多いのです。あるいはそれらは、昔ばなしの独特な表現上必要(極端性)だから、そのモチーフがある場合もあります。「子どもがうまれる」モチーフはその例かもしれませんね。(下記参照 女の子の生き方)

で、ここで問題にする大きな違いは表現法です。
さて、エリサは一緒につくった網に乗せられて兄たちの国に出発します。白鳥の兄たちがくちばしで網のはしをもって運んでいくわけです。
前掲の本を長いですが引用します。(66ページ)
『白鳥たちに運ばれていくエリサは、日が沈みそうになっているのに、岩らしいものがちっとも見えてこないので、非常に心配します。自分という荷物を運んでいるために、いつもより飛ぶのに時間がかかり、そのせいで兄たちもみんな溺れ死ぬのではないかと気をもむのです。白鳥たちが急降下しはじめたときには落ちたかと思い、やがて「海から頭をつきだしているアザラシくらいの」岩が見えて、太陽が「燃え尽きる紙の最後の火花のように」消えてしまうまでの見事な描写』があります。

この場面はもちろん昔ばなしにはありません。アンデルセンの創作です。そしてこういった表現はまったく昔ばなし的ではないのです。このようにアンデルセンは、「六羽の白鳥」の枠組みを使いながら、まったく新たなお話を作り出しました。これは「文字」をというものを最大限に使って、つまり描写することによって情景と心情を書き表したものです。昔ばなしが耳から聞こえた言葉からイメージをつくるのに対して、童話は文字で書かれたものを手がかりにイメージをつくります。ですから、文字表現では、立ち止まって描写されたものに触発されてイメージをつくります。(こういう童話を読んであげる場合とてもゆっくりとなりますね)そしてそれは立ち止まることが許されるからこそできる心情表現が同時に表現されたり、その場面の主人公の心情を想像することができるのです。

《女の子の生き方》
昔ばなしの「六羽の白鳥」が象徴的に語っているものは何でしょう。私は日本神話にある「サホビコ」と「サホビメ」の話(「サホビメ」は天皇の妃となるも、皇子を残して、反乱の罪にとわれた兄といっしょに死を選びます)と同じで、母系制社会から父系性社会への移行を語る物語の痕跡ではないかと疑っています。。
ですが、ただまだ勉強中で今のところ分かりません。
それに対して、アンデルセンの「野の白鳥」は、ひとりの女の子が試練を乗り越えて、成長していく姿を描いたものだと思われます。その意味で近代児童文学の端緒を切り開いたものといえるでしょう。アンデルセンはそのように文字文化の可能性を求めて、新しい物語を作り直したのだと思います。





内容紹介です

 収録お話一覧18編
 親指姫
 エンドウ豆の上に寝たお姫さま
 火打ち箱
 ヒナギク
 ナイチンゲール
 一つのさやからとびだした五つのエンドウ豆
 皇帝の新しい服
 あるお母さんの物語
 妖精の丘
 ブタ飼いの王子
 古い家
 恋人たち
 モミの木
 雪だるま
 青銅のイノシシ
 パンをふんだ娘
 天使
 野の白鳥
上記18編の中から、特に傑作とされる『野の白鳥』を紹介します。

『ここからずっと遠く、わたしたちのところが冬になると、ツバメたちがそこへ飛んでいくというずっと遠くの国に、ひとりの王さまがいました。その王さまには、十二人の息子と、エリサというひとりの娘がありました』
この子たちはとても幸せでした。
ところが、王さまは悪い妃と結婚してしまい、この妃は前のお母さん違って、この子たちをかわいがりませんでした。それどころか、エリサをお百姓の家にやり、王子たちを白鳥に変えてしまったのです。
やがて、エリサが15歳になると、お城に帰ることになりました。王さまが会いたがったからです。ところがお妃はエリサがどんなに美しいかを見ると、「エリサの体にくるみの汁をこすりつけて、すっかり茶色にし」顔には臭い油を塗りつけ、髪の毛をくしゃくしゃにしてしまい、王さまの父さんにも娘だと分からなくしました。
それでエリサは、お兄さんたちを探したいと思いお城をぬけだし、森の奥へはいっていきました。その森で、ひとりのおばあさんに会いました。おばあさんは「金の冠を頭に被った白鳥が近くの小川で泳いでいるのをみたよ」と教えてくれます。小川に沿っていくと広い海辺につきました。やがて、日が沈もうとする頃白鳥が十一羽陸地をさして飛んで来るのを見ました。エリサが丘にのぼって隠れていると、白鳥はエリサの近くに舞い降り、日が暮れると、羽がふいにおっこちて、そこには十一人の王子が、つまりお兄さんたちが立っていました。みんな兄妹だとわかり泣いたり笑ったりしました。
いちばん年上の兄さんが、「お日さまのあるあいだは白鳥になって飛んでいるが、日が沈むと人間の姿に戻れる。ぼくたちは海の向こうに住んでいる。大きな海には小さい岩があって、夜をすごし、ふるさとまでやってくる。一年に一度だけふるさとに帰ることを許される。どうやったらお前を向こうの国に連れていけるだろう」と言いました。エリサは、「どうやったら、お兄さんたちを救ってあげられるかしら」と言いました。
兄妹はひと晩じゅうかかって、ヤナギと木の皮、アシを編んで網をつくりました。
エリサはお兄さんたちが運ぶ網にのって、向こうの国にやっとのこと到着しました。そこは緑のじゅうたんのようにつる草で覆われた洞窟でした。この場所でエリサは眠り、夢の中で仙女に出会います。
「お前の兄さんたちは救うことができますよ。お前にそれをする勇気と辛抱があるなら」
それは、
「イラクサを集め、踏んで糸にする。それを使って十一枚のくさりかたびら編み、そしてそのかたびら白鳥に投げなさい。そうすれば魔法はとける。その上、くさりかたびらができるまでけっして口をきいてはならない」というものでした。
エリサはさっそく仕事にかかります。
ところが、くさりかたびらが二枚できあがったころ、狩りの角笛がひびきわたりました。この地の王さまが狩りにきたのです。王さまはエリサをみつけ、お城に連れていくことにしました。口をきかぬ、美しいエリサを妃にしようと思ったのです。大僧正だけは反対しました。それでも、王さまは婚礼をあげさせました。エリサは日一日と王さまが好きになりました。
「ああ、王さまにこの思いをうちあけられたらいいのに」
でも、エリサは口をきかないまま仕事をやりとげなければなりません。だからエリサは夜になると、くさりかたびらを一枚一枚編みあげていきました。ところが、7枚目で洞窟からもってきた糸がなくなります。糸にするイラクサが墓地にあることを知っていたエリサは夜中、そこへ出かけることにしました。墓地は魔女の住処でした。エリサはお祈りをとなえてそこを通り、イラクサを集めてお城に戻りました。
ところが、たったひとりだけエリサのようすを見ていた人がいました。それは大僧正でした。この大僧正が、くさりかたびらをあと一枚編めばいいというところになって、エリサのことを魔女だと訴えたのです。エリサは裁判にかけられ、口をきかず弁明できませんから、火あぶりの刑に処せられることになりました。エリサはあなぐらに放り込まれ、そこでも、そして刑場にいく馬車の上でも仕事を続けました。

さて、エリサはどうなるのでしょうか。お兄さんたちを救うことはできるのでしょうか……





読み聞かせのポイント

アンデルセン童話には、読み聞かせに向かないものや、年齢にふさわしくないものがあります。
いきなり読むのではなく、お子さんの様子などを見て、また読み手が先にお話を確かめた上で、読んであげてください。
ほとんどは幼児には向かないと思います。
そして読んであげる場合にも、描写をたしかめるようにできるだけゆっくりです。

絵本 親指姫―アンデルセンの童話1
◆年齢◆
読んであげるなら6才以上から。
自分で読むなら小学校中学年以上

◆ジャンル◆
◆ファンタジー絵本

◆シチュエーション◆
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大塚勇三編・訳 /イブ・スパング・オルセン絵

文庫版

初版年月日:2003年11月 福音館書店

ISBN:4834006654  ISBN13:9784834006650

352ページ 17x13cm 定価893円(税込)

愛蔵版

初版年月日:1992年4月 福音館書店

ISBN:4834010864  978-4834010862

336ページ 26X19cm 定価4200円(税込)

通常版(文庫版)はこちら!  定価893円(税込)
「えほんおじさんセット」(文庫版)はこちら!  セット価格1093円(税込)

通常版(愛蔵版)はこちら!  定価4200円(税込)
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関連絵本はこちら!

アンデルセンの童話 愛蔵版・文庫版 イブ・スパング・オルセン 絵 大塚勇三訳
 1「親指姫」
 2「人魚姫」
 3「雪の女王」
 4「絵のない絵本」
「白鳥」マーシャ・ブラウン 画 松岡享子 訳
「おやゆびちーちゃん」 木島始 訳 堀内誠一 画
「雪の女王」 ラース・ボー 画 大塚勇三 訳

●訳者 大塚勇三さん関連図書
「グリムの昔話 1」
「グリムの昔話 2」
「グリムの昔話 3」  
「プンクマインチャ ネパール民話」 秋野亥左牟/画
「スーホの白い馬 モンゴル民話」 赤羽末吉/画
「つぐみのひげの王さま グリム童話」 フェリックス・ホフマン ペンギン社
「おやゆびこぞう グリム童話」 フェリックス・ホフマン/え ペンギン社
「やかまし村はいつもにぎやか」 リンドグレーン/作 岩波少年文庫
「やかまし村の春・夏・秋・冬」 リンドグレーン/作 岩波少年文庫
「やかまし村の子どもたち」 リンドグレーン/作 岩波少年文庫
「やかまし村はいつもにぎやか」 リンドグレーン/作 岩波書店
「トム・ソーヤーの冒険」 マーク・トウェイン/作 八島太郎/画 福音館文庫
「ハックルベリー・フィンの冒険」 上・下  マーク・トウェイン/作 E・W・ケンブル/絵
「ノルウェーの昔話」 アスビョルンセン/編 モー/編 エーリク・ヴェーレンシオル/ほか画
「大力ワーニャの冒険」 プロイスラー/文 堀内誠一/絵 瑞雲舎
「山賊のむすめローニャ」 リンドグレーン/作 岩波書店 
「はるかな国の兄弟」 リンドグレーン/作 岩波少年文庫
「ミオよわたしのミオ」 リンドグレーン/作 岩波少年文庫 
「長くつ下のピッピ」 リンドグレーン/作 岩波少年文庫
「ピッピ南の島へ」 リンドグレーン/作 岩波書店
「ピッピ船にのる」 リンドグレーン/作 岩波少年文庫
「やねの上のカールソン」 リンドグレーン/作 岩波書店
「小さいきょうだい 四つの物語」 リンドグレーン/作 岩波書店
「親指こぞう」 ニルス・カールソン リンドグレーン/作 岩波書店
「やねの上のカールソンとびまわる」 リンドグレーン/作 岩波書店
「地下の洞穴の冒険」 リチャード・チャーチ/作 岩波少年文庫
「黄金の七つの都市」 スコット・オデール/作 岩波書店
「ハンニバルの象つかい」 ハンス・バウマン/作 岩波書店
「小さい魔女」 プロイスラー/作 学研
「小さいおばけ」 プロイスラー/作 学研
「しあわせのテントウムシ」 プリョイセン/作 岩波書店
「小さなスプーンおばさん」 プリョイセン/著 ビョールン=ベルイ/画 学研
「スプーンおばさんのゆかいな旅」 プリョイセン/作 ビョールン・ベルイ/画 学研
「スプーンおばさんのぼうけん」 アルフ=プリョイセン/作 ビョールン=ベルイ/画 学研
「ウルスリのすず」 ゼリーナ・ヘンツ/文 アロワ・カリジェ/絵 岩波書店
「フルリーナと山の鳥」 ゼリーナ・ヘンツ/文 アロワ・カリジェ/絵 岩波書店
「マウルスとマドライナ」 アロワ・カリジェ/文・絵 岩波書店
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