絵本 鬼が出た

絵本 鬼が出た

絵本 鬼が出たの表紙です

絵本 鬼が出た
◆年齢◆
読んであげるなら小学生低学年から
自分で読むなら小学校中学年から


◆ジャンル◆
◆科学絵本

◆シチュエーション◆
◆行事のときなどに


大西廣 文:梶山俊夫 絵

編集・発行 福音館書店
発売 福音館書店

初版年月日:1989年11月08日 ISBNコード:4-8340-1001-5

40ページ 26X20cm 1365円(本体1300円+税65円)


通常版はこちら!  1365円(本体1300円+税65円)

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この本は、小学校中学年以上向き月刊誌「たくさんのふしぎ」をハードカバーにしたものです。

この月刊誌はあらゆる「ふしぎ」に挑戦しています。この本の、「鬼」も不思議な存在ですね。一面では、人を助ける存在ですし、他方ではこわいもの、悪いものの代表のようにも思われています。
この本では、昔の図像をひとつひとつ見ることによって、それらがどのように考えられて来たかをまとめ、同じ考えのもの、違ったものを区分けし、それらがどういう関係になっているかをみることで、鬼とはなにかを明らかにしています。
以下の文は、この本をヒントに「えほんおじさん」が考えたことです。ですから、みなさんも別の考えもできるでしょうね。そういった鬼のふしぎを考えるためのヒントが詰まった本です。
さて、
これらの絵=図像・祭りの姿から分かることは、「鬼」はだれも見たことはないのに、姿・形として絵にされてきたということです。2枚目の画像でわかるように、その姿はでたらめではないということです。
もともと、日本の古代では、見えない祖先の霊と自然の力を「かくれているもの」=「おに」と言っていました。それは明確な絵として描けるものではありませんでした。仏教が輸入されるまでは、恐ろしいけれど、守ってもくれる目に見えない存在でした。そしてその存在はひとつの形や姿ではなく、いっぱいあったのです。それらは神々としても観念されていました。
仏教はインドや中国でやったと同じことを日本でも行ったようです。それは善でもあり、悪でもある神々を、「鬼」として、仏教に従う神々にやっつけさせ、こわいもの、悪いものとし、姿・形に表しました。「おに」を「鬼」に変容させ、すり替えました。四天王の足下にいる鬼がそうです。
これが以降「鬼」としての共通イメージとなったことがわかります。
このことは、「鬼」が現れるのが特定の時間と場所であることからもうかがうことができます。
鬼は特定の日や闇、そして辻(四つ角)・川・橋・角・山・峠から現れました。
人が住んでいるところの、向こう(闇)からやってきて、その《境》のところに現れています。特定の日とは主に祭りの日です。
おまつりに現れるというのも実に面白いことですね。お祭りの多くは、季節の変わり目で、1年でいうと《境》にあたります。
日本仏教の特徴は神仏混淆です。仏教は日本では完全に鬼を支配することはできませんでした。文明化(=のちに仏教化)された私たちの住むところと、そうではない向こうの世界(鬼の住むところ)に、区分けしたにとどまりました。だから今でも、《境》の場所や日には鬼はやってきます。節分の鬼がそうです。
「かくれているもの=おに」は、古代以前では、自然の生命力や先祖の霊ですから、生きている人びとに、生命の息吹をそそぎ、守ってくれるものでした。なまはげなどの鬼と呼ばれるものが、年に一度出てきて、特に子どもを抱いたりすると、病気にかからなかったり、頭を咬んでもらったら頭がよくなったり、すくすくと育つといわれるのもそこに理由がありそうです。
そういえば、
私たちの心のなかにも、鬼のようなものがいますね。1年間も生きていると、私たちは心も体も疲れ、ぼろぼろになって、鬼も住みやすくなってきませんか。「おに」は年に一度現れて、それらを持って行ってくれ、生命力をつけてくれるのです。それによって、私たちを再生させ、また1年を生かしてくれるのではないでしょうか。



内容紹介です

鬼はー外! 福はー内!

『「鬼はー外! 福はー内!」
毎年、二月初めになると、あちこちから節分の豆まきの声が聞こえてきます。みなさんもお家や学校で豆まきをしたことがあるでしょう』
みなさんも鬼になったことはありますね。鬼ごっこをしたことがない人はいませんね。鬼ごっこは、大むかしからあった「ひふくめ」というお祭りが、遊びになったものです。地獄の鬼が人間たちに襲いかかろうとするのを、お地蔵さんが守るというお祭りです』
『鬼ってなんだろう』
「怪物? 悪霊?」
病気、貧乏、争いごと、目に見えない闇のような力など、2、3ページの桃太郎豆蒔之図では、嫌なものはみな鬼になっています。
鬼は昔から、図像などにたくさん残されてきました。それはなんのためでしょうか。その図像やお祭りに出てくる鬼を見ていくと、鬼の本当の姿が分かってきます。
(1)(星光寺縁起絵)
「地獄の鬼」
地獄で人間に罰を与えるのが鬼の役目。閻魔大王に監視され夜も寝ずに働き続けます。
「地獄の鬼」は羅刹(らせつ)というインドの神さまでした。仏教の神さまに負けて仏教に従うようになって、地獄の鬼になりました。絵因果経の絵には、お釈迦さまにいろんな魔物が襲いかかろうとする場面が描かれています。実は、この魔物たちは仏教とは違う別の宗教の神さまたちなのです。この絵はお釈迦さまにとっては、魔物に見えました。
(2)「法隆寺金堂/多聞天」「東大寺戒壇院/持国天」
四天王の足もとに踏みつけられてもがく鬼がいます。力は強うそうですが、こっけいで、とぼけた感じの鬼です。この鬼も別の宗教の神さまでした。今はこのように捉えられています。
(3)「風神雷神図(俵屋宗達、建仁寺)」
風と雷の神さまも鬼の姿。人間にはどうにもならない自然の力。立派で楽しそうな鬼です。
(4)「天稚彦草紙」
天の上にも鬼はいました。七夕のお話の天稚彦(あめわかひこ)は鬼の子。
(5)「再版桃太郎昔話」
海上の島々にも別の種族住み、お互いを鬼と見ました。「鬼ヶ島」
桃太郎はそのことが背景にある昔話。
(6)大江山図屏風
大江山の酒呑童子は鬼です。手下を都のやっては財宝や姫君をさらいました。源頼光ら六人武者が、三人の神さまから不思議な酒とかぶとをさずかり、退治します。
(7)百鬼夜行絵巻
身のまわりの「もの」は一斉に鬼になるという話もあります。
百鬼夜行(ひゃっきやぎょう)絵巻には、あらゆる「もの」ーなべ・かまなどが鬼になって、ある特別の日の夜、さまよい歩きます。
(8)「吉備大臣入唐絵」
人間も鬼になります。昔の人は、人が死ぬとその霊が鬼になると考えていました。その鬼が今の世を守っているのです。鬼が、今の私たちを助けたり、間違った考えを、正したりしてくれました。遣随使の阿倍仲麻呂は中国で死に、鬼になりました。中国に渡った吉備真備は、この鬼に助けられました。
ところで、鬼のでる場所は決まっていました。
辻(四つ角)・川・橋・角・山・峠などです。そこはいずれも自分たちの住んでいるところと、そのむこうへいく、「境」のところです。
昔の日本語では、「おに」というのは「かくれているもの」(隠)の意味でした。また「鬼」を「もの」と読んでいました。
どこの町や村にも大昔からの祖先の霊が眠っています。人間の手ではどうしょうもない自然のおくふかい力が、山や川や森に潜んでいます。その見えない祖先の霊と自然の力を「かくれているもの=隠(おに)=鬼」と名付けました。その鬼は一年に一回だけお祭りのときに表れて鬼ごっこのように人といっしょに遊びます。(愛知県の花祭りの鬼、千葉県光町の鬼来迎のまつりなど)
その鬼に、背中を踏んでもらったり、だかれたり、体ごとふれあうと、鬼のもつ生命の息吹が、その人にそそぎかけられるのです。
鬼の作り方

鬼の作り方図解

鬼の姿はだいたい決まっています。でたらめではありません。
・いろんな獣や鳥の体の強そうなところが、鬼の体の部分になっています。たとえば爪は鳥のようですし、角は牛、牙は動物、顔は猿という具合です。
・手足胴体など、全体の形は人間。背丈はや大きさはかなり大きい。







読み聞かせのポイント
昔の図像から、昔から今につながる鬼のイメージを読み解いています。
図像の読み解きのやり方は絵本の絵を読む場合と同じです。
小学校低学年の子に読み聞かせすることもできます。その場合は、一度通読し、その上で、読み手と聞き手いいしょに図像を丹念に読んでいくと、面白い発見がいくつもあります。

絵本 鬼が出た
◆年齢◆
読んであげるなら小学生低学年から
自分で読むなら小学校中学年から


◆ジャンル◆
◆科学絵本

◆シチュエーション◆
◆行事のときなどに


大西廣 文:梶山俊夫 絵

編集・発行 福音館書店
発売 福音館書店

初版年月日:1989年11月08日 ISBNコード:4-8340-1001-5

40ページ 26X20cm 1365円(本体1300円+税65円)


通常版はこちら!  1365円(本体1300円+税65円)

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「人生の階段」 いまは昔むかしは今5
(すべて網野善彦・大西廣・佐竹昭広 各編集委員による)

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