お皿のボタン

絵本 お皿のボタン

絵本 お皿のボタンの表紙です

絵本 お皿のボタン
◆年齢◆
読んであげるなら6才以上から。
自分で読むなら小学校低学年から

◆ジャンル◆
◆ファンタジー絵本

◆シチュエーション◆
◆おでかけしよう!絵本


たかどの ほうこ

初版年月日:2007年10月 偕成社

ISBN:4035283509  ISBN13:9784035283508

101ページ 14x11cm 定価1260円(税込)

通常版はこちら!  定価1260円(税込)
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どんな人、どんなものにでも、今ここに「ある」のには、「物語」があり、「物語のない」ものが「ある」ことはないのです。

高橋さんの家のお皿に入れられているボタンも同じです。ホワイト夫人はかつて、大女優の舞台衣装のボタンだったし、金ボタンの船長には、今は鼻メガネをかけて新聞を読む高橋さんのおばあさんの大ロマンが隠されています。

でも、そんな大きな(?)「物語」だけではなく、たとえば、まとめて豆姉妹と呼ばれているあずき豆そっくりな三つのボタンにもお話があります。
「私たちにはロマンがない、洗濯機でじゃぶじゃぶされる、木綿の普段着についていたんだもんねえ」。
すると、金ボタンの船長がいいます。
「その、洗濯機でじゃぶじゃぶというのは、いったいどんなもんかね」
「え、知らない? あれはおもしろいわよ。水の中でグルグルまわんのよ。ときどき反対まわりになるんだけどね、そにときみんなそろってユユッってゆれるのがいい感じなの。それから、ビューゴオーグワーヒヨー〜〜〜ップルルルル〜〜ッってね。ただ、目が回るなんてもんじゃないくらいふりまわされて…」
「…それから、なかよく物干しにぶらさがるわけ。あれがきもちいいんだ。風に吹かれて、すっかりかわいて、ふわふわゆれて…」
船長とホワイト夫人はぱかんと口をあけたままでした。
「……んまあ、なんだか、洗濯機のほうが、ロマンよりもよさそうだわ…」

とぼけたユーモア
本人はそのつもりはなくとも(大まじめな場合が多い)、他人から見ると、面白くてかなわない人がいます。そんな人の「物語」はやはりどこかずれています。
ちょっと嫌みなきらいはありますが、さしずめ、ホワイト夫人もそんな人のおひとりでしょうが、「黒岩ジョー」にも笑ってしまいます。
新しく入ってきた若者にそっと名前を聞くと、「黒岩ジョー」とつぶやきます。二つ穴で、真っ黒く、いびつな形をしています。穴はあいているのではなく、へこんでいるだけ。裏には糸とおしの台がついているらしいのですから、なぜ、そんな役に立たないへこみがあるのかわかりません。
みんなの想像は膨らみます。
「ただものじゃないわ、でも、ちょっとニヒルでいい感じね」(ホワイト夫人)
「きっと、革ジャン出身よ! そうよパンクだったのよ! パンクのジョーよ」(豆姉妹)
「わたくしは仕立てのいいスエードのジャケット出身と見た。あの雰囲気からすると、彼はフランス製だな」(船長)
ホワイト夫人が聞くと、本人はこういいます。
「過去はわすれたぜ…。ああ、でも草原のようなところにいたことだけは、おぼえているなあ…」

その他、若者の話から長い人生を渡ってきた「うぐいすばあさん」のお話まで、ボタン人生のお話が、「前のはなし」と「あとのお話」を合わせて12のせられています。





内容紹介です

お話のまえのはなし
『ある家のーというか、はっきりいえば、高橋さんの家の、なんですがねー茶の間に、古い、ちょとすてきなかざりだながありました』
棚の一番上のはじっこに、お花のような白いお皿があって、いろんな色や形のボタンが入れてありました。縫い付けるまでのあいだそこにあるというわけです。
ところが、なかにはどこから来たものか分からなくなったものや、ぜんぜんボタンではないものもまじっていました。ここの家族四人(おじさん、おばさん、おばあさん、今では高校生の娘さん)はおおざっぱなたちなので、そんなことがおきるのでした。
このお話は、お皿の中のボタンたちのお話。

一つ目のお話ーホワイト夫人の身の上
一番いばっていたのは、ホワイト夫人。なにしろ、大女優の舞台衣装から来た、まるくて、ややたいらで、おもてに小さな縁飾りのついた高級ボタンでした。
でも、それほど高貴なボタンが、なぜ、ここの皿なんぞにいるのでしょう。
それは、ひとえに、舞台の上で起こった転落事故のせいでした。(大女優にではなく、ホワイト夫人に起こったのですよ)少し太った大女優が、激しく身をよじったとたんのこと。
「プッチーン」
ホワイト夫人は人知れず叫びながら客席へ飛ばされたといいます。
さて、ここから、ホワイト夫人の身の上に、悲喜劇がはじまるのでした。

二つ目のお話ー船長と港の娘
気持ちのいい夕暮れ、
「ああ、『潮風丸』を思い出すなあ」
船長という名の金ボタンがいいました。
「いかり」のうきぼり模様のある立派なボタンで、ホワイト夫人よりずっとまえからここに住んでいました。
船長は、潮風五郎船長の制服についていました。
お皿のボタンたちは、船長の思い出ばなしをきくのがすきでした。青い海、青い空の間を舞う白いカモメたちのこと、真夜中の海のこと、「五郎船長は、マドロスパイプがよく似合う、いい男だったなあ」。
そばにいたホワイト夫人は思いきって、聞いて見ました。
「なぜ、五郎船長と離れ離れになったんですの?」
「よくぞ、聞いてくれた。今日のような夏の夕暮れだった。…、五郎船長は、どこの港でも人気があった。船出のたびに、『いかないで〜』と泣きつかれると、わしの胸までいたんだものだ」
ところが、ある日、ひとりの娘がタラップまでついてきて、「いかないで」「時間なんだはなしてくれ」ともみ合った際に、いきなりわしの目の前がまっくらになった。娘がわしをつかんでがんばった。
「ぶつ……」不吉な音がした。
ホワイト夫人は感極まって、「んまあ」といいながらも、しっかりたずねた。
「で、そのべらぼうな娘さん、船長の金ボタンを宝物にして、そのあと、どうなったんですの?」


三つ目のお話ー豆姉妹とロマン
四つ目のお話ーなぞの黒岩ジョー
五つ目のお話ーすえっこ同盟
六つ目のお話ータビちゃんの旅
七つ目のお話ースミレ嬢の夢
八つ目のお話ーうぐいすばあさん
九つ目のお話ーはりきりとっつぁん
おしまいのお話ーホワイト夫人、第二の舞台へ
お話のあとのはなし





読み聞かせのポイント

短いお話ばかりですから、一気に読んであげられるでしょう。
お子さんの書棚においておけば、それがきっかけとなり、きっと自分でも読み返すことになると思います。
そしてこの本に影響されて、自分の周りの人が「今ここにいること」に興味をもつはずです。

絵本 お皿のボタン
◆年齢◆
読んであげるなら6才以上から。
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たかどの ほうこ

初版年月日:2007年10月 偕成社

ISBN:4035283509  ISBN13:9784035283508

101ページ 14x11cm 定価1260円(税込)

通常版はこちら!  定価1260円(税込)
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