雪むかえの村

絵本 雪むかえの村

絵本 雪むかえの村の表紙です

絵本 雪むかえの村
◆年齢◆
読んであげるなら6才以上。
自分で読むなら小学校低学年向き。

◆ジャンル◆
◆まいにち絵本

◆シチュエーション◆
◆ともだちとあそぼ!絵本


竹内もと代/文 西村繁男/絵 アリス館

初版年月日:2004年9月 ISBNコード:4-7520-0284-1

32ページ 29×22cm 定価1470円(本体1400円 + 税70円)

通常版はこちら!  定価1470円(本体1400円 + 税70円)
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雪国には、その年はじめて、小さい白い子たちに逢えるのを楽しみにして待つお祭り「逢う雪ん祭」という風習があるらしいのです。

それはいつどこで逢えるか分からないのですが、今年は「ブナ林」でした。その小さな白い子たちを迎える「呼び声」が、

「ながくる おうゆき こうこう
 こうゆき おうゆき こうこう」

というのだそうです。
さて、実際に雪を迎えるお祭りがあるのかどうか知りません。でもこのお話を読むかぎり、「本当にある」と信じられます。
雪国ではない地方でも、たまに雪がふりだすと、なぜだかわかりませんが、急にドキドキしたり、浮き足だってきますね。それは現代の子どもたちも変わらぬようで、ある日、誰もいなかった運動場に、粉雪が舞い始めはじめました。すると、保育室にいた子どもたちが一斉に運動場に飛び出してきて、舞う雪と子どもたちが群れ遊びするのを目撃しました。その幼稚園は200人を越える幼児がいましたが、その子どもたちが発する嬉々とした声は、それはそれは壮観なものでした。
このお話では、今日こそという日に、村じゅうで小さい白い子たちを迎えにいきます。この村では大人も「浮き足立つ」感覚を忘れていないのです。
そのシーン(1枚目の画像参照)は次のように表現されています。
村じゅうの人たちがブナ林にあつまってきて、地面を片足でとんとけります。すると、ふわりみんなこずえの上に吸い込まれるように浮き上がって、空から降りてくる小さい子の手を取って、ゆっくり地面に降り立ちます。
葉っぱがすべて散って、レースあみのようにからみあったブナのこずえの間から、次々と白い子たちが降りてくる、それを見上げていると、ふわりこずえに吸い込まれていくという感じと白い子たちの手を取ってゆっくりと降りてくるという感覚には、実にリアリティがあります。これを「雪むかえ」というのですね。これは作者の創作だったにしても、こうした感覚はおそらくずいぶん古く、私たちはこうした浮遊感から、この地に根付いたのではないでしょうか。外の世界からこの村にやってきてはじめて、ナナは「雪むかえ」体験しますが、この体験を通してこの村の子になったのではないでしょうか。 なお、「呼び声」の意味は、絵本紹介の最後に、呼び声を漢字で示で書いていますので、確認ください。





内容紹介です

『ナナの一家は今年の夏に、父さんと母さんの生まれこきょうのゆきさと村へ、ひっこしてきた』

一人暮らしのおばあちゃんと一緒に暮らすことになりました。
村は山深いところ。冬にはいっぱい雪がふるらしい。ナナはほんものの雪を見たことがありません。

冬になりました。
ナナはいっぱい着込んで学校へ行きます。
「もうすぐ、雪がふるよ、ナナちゃん。風の音聞いてみて」
一番になかよしになったやっちゃんが元気にいいます。

夜になって、やっちゃんが、ようくん、トシくんといっしょにやって来ました。
「おうゆきんさい、いこう」と誘います。
「い、か、な、い」
すると、おばあちゃんがナナのくるぶしあたりをとんとんとたたき、
「いっといで」
「おうゆきんさいは、雪にあうまつりだよ」と、
片方の目をつぶっていいました。
ひみつのにおいがしました。

「ながくる おうゆき こうこう
 こうゆき おうゆき こうこう」

歌いながら行きました。呼び声はあっちからもこっちからも聞こえ、まるで合唱のように村じゅう響いていました。

「あれ、あのグループのうしろに、見たことのない子が歩いている」
やっちゃんに聞くと、やっちゃんは「うん、うん」とうなづきました。
呼び声はブナ林に集まっているようです。
子どもたちはブナ林に向かって走り始め、ナナも走り出していました。
ブナ林を見ると、なんだか変です。村の子どもだけにしては多すぎます。

「あの小さい白い子たちだ」
「ナナちゃん、ほら。みて」

ブナの枝のあいだから、ゆっくり白いものが降りてきます。みんな小さい白い子どもでした。

ぶなやしきにちかづいた。子どもたちが〜

「ながくる おうゆき こうこう
 こうゆき おうゆき こうこう」

村の大人たちもブナ林に集まりました。父さんも母さんも、おばあちゃんも。
足の具合のよくないおばあちゃんが、地面をとんとけりました。
そして、父さんも母さんも、村じゅうの人も。
すると、みんなこずえの上に吸い込まれるように浮き上がって、空から降りてくる小さい子の手を取って、ゆっくり地面に降り立ったのです。ブナ林は小さい白い子たちであふれました。
「ナナちゃん」
やっちゃんがナナの手を取って、とんと地面をけりました。

「ナナちゃん」 すぐうしろで、声がうごいた。〜

ぐらりと林が大きくゆれ、やっちゃんといっしょに浮き上がり、ナナは何も分からなくなりました。

ナナが気づいたのはベッドの上、おばあちゃんが側にいて、しいっと口に指をたて「耳を澄ましてごらん」といいました。

『来う 来う
 汝がくる 逢う雪 来う 来う
 来う雪 逢う雪 来う 来う』





読み聞かせのポイント

「逢う雪ん祭」に歌う「呼び声」が、本文やあちこちの場面のなかで、村じゅうの人が呼びかけ歌います。
この呼び声を本文にないところでも適宜歌って(読んで)やると雰囲気がでます。
特にブナ林に限りなく雪がふる場面では、それは「みんなの笑いさざめく声と重なり合って、来う来うときこえる」とありますから、その効果を少し演出しではどうかと思います。

絵本 雪むかえの村
◆年齢◆
読んであげるなら6才以上。
自分で読むなら小学校低学年向き。

◆ジャンル◆
◆まいにち絵本

◆シチュエーション◆
◆ともだちとあそぼ!絵本


竹内もと代/文 西村繁男/絵 アリス館

初版年月日:2004年9月 ISBNコード:4-7520-0284-1

32ページ 29×22cm 定価1470円(本体1400円 + 税70円)

通常版はこちら!  定価1470円(本体1400円 + 税70円)
「えほんおじさんセット」はこちら!  セット価格1670円(税込)

「えほんおじさんセット」って?
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