絵本タイム

 メルマガ読者の方から、怒りのメールをいただきました。


 ある大手通信教育出版社が出している親向け月刊雑誌
(4、5才コース用)の11月号に、

『今までの読み聞かせにちょっとプラスするだけ!
 考える力や意見を言う力が身につく
 新「絵本タイムのススメ」』

 という特集があり、これは間違っているという
怒りの内容でした。


 それでは、今日もごゆっくりお楽しみください。

 さっそくその現物の雑誌を送っていただき、目を通しました。
これは問題だと思いました。

 特に、新「絵本タイムのススメ」の方法では、本嫌いの
子をつくる原因になりかねないと思いました。

 以下雑誌を原文のまま引用します。
ただし「●」以下は私の反論ないしコメントです。


--原文----------------------------------------------
◆本を「読める」「聞ける」からといって、
 「わかっている」とはかぎりません(大見出し)
----------------------------------------------------

●おっしゃるとおりです。
 でも、「わかる」とはどういうことでしょうか。

 「意味がわかる」ことだとしたら、
 芸術体験のほんの一部でしかありませんね。

 意味がわかる前に感じて、感情体験をして
 欲しいのが絵本です。


--原文----------------------------------------------
◆言葉の意味がわかっていない場合も(小見出し1)

 読んでいるように見えても、実際はひらがなを追うのに
 精一杯で、内容が理解できないことがあります。
 知らない言葉が出てきた場合にも、どんな意味なのか
 質問せずに、そのまま読み飛ばしていることもあります。
----------------------------------------------------

●これもそのとおりです。
 ですが、幼児ですよ。
 自分で一生懸命読んでいるのですね。
 ほめてもいいくらいですね。

 これはこれでいいのです。
 でも、これはもちろん「読書」ではありませんね。

 意味がわかって読んでいるかどうかは、文節を
 区切って読んでいるかどうかで、大体判別できます。
 おそらく幼児は声を出して読みますから、
 横で聞いてみてください。

 ただし読み聞かせは、そんなこととは関係なく毎日
 読んでやってください。


--原文----------------------------------------------
◆細部に気をとられ、内容が見えなくなりがち(小見出し2)

 また、子どもは大人にとってはとるにたりないもの
 (話には関係のないすみっこに描かれた小さな花など)
 に気をとられがち。
----------------------------------------------------

●このようになるのは、絵本の選び方の間違いですね。
 子どもの責任ではありません。
 優れた絵本の場合、細部にこだわるべきだし、
 「子どもは細部にこだわりがち」自体は、
 とてもいいことなのです。

 なぜなら、優れた絵本ならば、ごく小さなものでも
 話に関係ないものは描かれていません。

 なんらかの意味があるか、あるいは隠喩(いんゆ)に
 なっているのです。

 たとえば、「とんとん とめてくださいな」の解説を
 お読みください。

 この絵本など細部を読まなければ、読んだことに
 なりません。「大人にとってはとるにたりないもの」
 であるかどうかは、子どもの読書には関係がありません。

 たとえば、「ごろごろにゃーん」など、どれだけ分かる
 大人がいるでしょうか。
 まさに、一見とるにたりない絵本ですね。


--原文----------------------------------------------
 これは、興味・関心を深めるきっかけとなるので、
 悪いことではないのですが、細部にこだわりすぎるあまり、
 話全体の筋が見えなくなってしまうことも多いものです。
----------------------------------------------------

●悪いことではないとも書かれていますので、
 おっしゃっている意味がよくわかりません。

 要は細部にこだわると話の筋が見えなくなると
 いいたいのでしょうか。
 でも、幼児の読み聞かせの場合、何回も同じ絵本を
 読んでくれといいます。
 すると、筋どころか結果さえ分かっています。

 にもかかわらず何回も読み聞かせするのです。
 何を幼児は愉しんでいるのでしょうか。
 こここそが大事ですね。


--原文----------------------------------------------
 ですから、読み聞かせやひとり読みに対して
 おうちのかたが何もかかわらずにいると、
 せっかくの話を理解できないまま、「本を読んだつもり」
 になってしまう可能性があります。
----------------------------------------------------

●そもそも1、2回、自分で読む読書というのは、
 幼児の場合、はじめからありえません。
 幼児の読書とは、読み聞かせしかないのです。


 以上のような理由づけがあって、
次のように「提案」されています。


--原文----------------------------------------------
 『読み聞かせのあとの楽しいクイズで、
  「考える姿勢」がはぐくまれる!』
----------------------------------------------------

 さて、大問題はここからです。
しかし、もうここまででかなり長く書いてしまいました。
以下次号とさせてください。


※参考
●とんとん とめてくださいな

●ごろごろにゃーん




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