旅日和

 えほんおじさんです。


 今月号の「ちいさなかがくのとも」と「こどものとも」
のキーワードは、期せずして「たびひより」です。

「ちいさなかがくのとも10月号 きょうは たびびより」
というのは、ヒヨドリが渡りにでるのに「ふさわしい天候」
だということ。
このヒヨドリの旅日和には、幾つもの「驚き」が隠されています。

 ヒヨドリって渡り鳥?
 どちらかというと人間にとっては迷惑な鳥なのに、
でもヒヨドリにも強力な敵がいるということ。
渡は多くの場合群れをなして渡るが、ヒヨドリの渡りには
ヒヨドリの工夫があることによって、その独特な生態が
対象年齢のにもかかわらず、わかりやすく明らかにされます。

「こどものとも10月号 はしを わたって しらない まちへ」の方は、

【「こんどの日曜日、お父さんと海の上を歩こうか?」父さんが
言いました。「えっ、海の上を歩けるの?」とぼくが聞くと
「海に大きな橋がかかっているだろう。
 一年にいちど、たくさんの人が集まって橋をわたるんだ」
と、お父さん】
 という、いわば冒険の一日にふさわしい天候に
なったということです。

 この絵本のモデルになったイベントは
「瀬戸内しまなみスリーデーマーチ」の一日のことで、
つまり「一年に一日にしかない橋を渡るにふさわしい天候で」
「橋日和」になったということです。

 特別が行事が、それを行うのに、ふさわしい天候になったというのは、
何はともあれ第一に嬉しいことですね。しかしながら、それが旅
(一日のハイキングのようなものであれ)の始まりなら、これから
起こることには、嬉しいことや大変なこともともないます。

 それでは、今日もごゆっくりお楽しみください。

◆ちいさなかがくのとも 2017年10月号
「きょうは たびびより」とうごう なりさ/作

◎ストーリー紹介
 ある秋の日、岬の先端の林にヒヨドリが集まってきました。

「おれのいた町では木の実が少なくなってきたんだ」
一羽がいった。

「もっとあたたかいところにいきたいわ」
もう一羽がいった。

「あすは海をわたるぞ」
みんなが口をそろえた。
夜明け、「よし、いい天気だ」とヒヨドリたち出発。

 ところが、その瞬間を逃すまいと待ちかまえるのは、
恐ろしいハヤブサ。つかまったら食べられてしまいます。
ヒヨドリたちは林にかくれた。しばらく隠れて出発すると
またハヤブサが待ちかまえている。でも絶好の「旅びよりだ」。
みんなかたまって波の上をすれすれをとんで…

◎絵本の特徴
 ヒヨドリはそこらじゅうでよく見かける鳥です。
我が家の庭でも、しょっちゅうみかけます。
灰色のあまり目立たない鳥なので、見逃している方も多いのでは
ないでしょうか? 甘いものが好きだそうで、庭の果樹を食べて
いるのはヒヨドリかもしれません。(別紙のおりこみふろくに
詳しいヒヨドリの生態なのが書かれているのでそちらも参照
してください)
 そこに興味深い事実が並べられており、面白く読ませて
いただきました。一度子どもたちに絵本を読んでから、
おりこみふろくを読んで、もう一度絵本を読む。
するとさっきは気づかなかったことに気づきます。

 ヒヨドリたちの少しぶっきらぼうな言い回しは、
ヒヨドリの生態を表している感じがしてクスリと笑って
しまいます。集団で海を渡ると言っても、そこまで集団を
重視しているわけではないヒヨドリ。その集団にはリーダー
みたいな存在はいないそうです。だから、みんなすきなように
口々にしゃべっているのだろうな、とか。きちんとヒヨドリの
実態が絵本には描かれているのです。
 絵のほうもトーンを落とした渋い色合いと、見事な構図が目を
引きます。羽の様子や目の表情、細部まで描きこまれた鳥と、
塊として描かれた海や林とのバランスで、自然に鳥に目が行く
ようになっています。近づいていくたびに、表情を変える
波の様子も迫力があります。

◎子どもの反応
 昨日の夜、眠る前に読んだときは特に何も言わなかった
のですが、きょうになって「この絵本面白い」とつぶやいて
いました。

◎読み手の感想
 とうごうさんの作品は、「アオサギのさかなとり」も
印象的でした。この絵本の色合いの渋さが私好みです。
文章もわざとらしくないユーモアにあふれています。
今回も、ヒヨドリの生態がよく描かれていて面白かったです。
行っては戻り、行っては戻りする姿は思わず応援したく
なりますね。我が家の庭にくるヒヨドリたちも、もうすぐ
旅立ちの時でしょうか? ヒヨドリが渡り鳥だなんて
この絵本を読むまで知りませんでした。絵本を読むまで
知らなかったことがたくさんあります。子どもたちと
一緒にいろんなことを学びながら絵本を読む時間は
わたしにとっても大切な時間です。

◆こどものとも 2017年10月号
「はしを わたって しらない まちへ」高科正信/文 中川洋典/絵

◎ストーリー紹介
 お父さんがめずらしくはやく帰ってきたある日、
「こんどの日曜日、お父さんと海の上を歩こうか?」
といいました。
「えっ、海の上を歩けるの?」とぼくが聞くと
「海に大きな橋がかかっているだろう。
 一年にいちど、たくさんのひとがあつまって橋をわたるんだ」
と、おとうさん。
 そして、日曜日の朝お父さんとつくったおにぎりと、
お母さんのつくったからあげのお弁当をもって出発。
広場にはたくさんの人。
準備体操の後、「ただいまよりスタートします。」
という合図でみんな歩きだしました。

◎絵本の特徴
 海にかかる大きな橋を歩いて渡るイベントに親子2人で参加する。
海の壮大で美しい風景をバックにお父さんと男の子の交流が
描かれます。男の子は5歳。お父さんはお仕事で普段忙しい
のでしょう。いつもはお母さんと二人で晩ごはんを食べている
様子。めずらしく早く帰ってきたおとうさんが、
「日曜に海の上を歩こう」と男の子を誘います。
土曜でなく日曜というのも、もしかするとお休みは日曜だけ
なのかもしれません。文章から伝わってくる生活のリアリティが、
絵本に奥行きを与えます。
 橋の上から見る海の広さや、さざめく波に光の跳ね返る様子。
参加者の表情も一人ひとりがユーモラスに描かれていて、
それぞれにいろんな気持ちでこのイベントに参加しているのが
みてとれます。終り頃のシーンで、光る海の前で主人公の二人が
会話しているシーンは印象的です。お父さんは言葉の多い人でも
ないし、説教臭い人でもないけれど言葉ではなく息子に伝えたい
想いのようなものがあってこのイベントに二人で参加したの
だろうな、と想像します。
 蛇足ですが、橋を渡るイベントは全国で開催されているようです。
この絵本のモデルになったイベントは
「瀬戸内しまなみスリーデーマーチ」。
 作者のお二人と編集者の方は、
へとへとになりながら橋を往復したそうです。

◎子どもの反応
 歩いて橋を渡ったことなどないので、「すげえ」とか
「そんなにあるけんわー」とか言いながらきいていました。
車で瀬戸大橋を渡ったことならなんどもあるので、
その風景の記憶と重ね合わせていたようです。

◎読み手の感想
 絵本の風景が瀬戸内海の橋の上から見る風景だなあ、
と思いながら読んでいました。さざめく波ときらきらと細かい光が
跳ね返る穏やかな海の間に浮かぶ小島。日本海の荒々しい海とは
また違った風景で、岡山生まれの私は海と言えば瀬戸内の海を
思い浮かべます。絵本の橋は瀬戸大橋ではないようですが、
瀬戸大橋から車で見える風景にも通じて親近感をもちました。
 文章を書かれた高科さんはとても実直な方なんだろうな、
と思います。書かれている言葉よりも、書かれなかったあるいは
削られた言葉の中に含まれた想いを感じました。絵はその言葉を
受け止めて描かれているんでしょうね。親子二人を包む空気が
読み手に伝わってくる絵でした。




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