非日常

 えほんおじさんです。

 現代に普及した宗教(キリスト教・仏教・イスラム教など)が
信じられる以前において、世界のほとんどの地域で信じられていた
宗教は、
「生きとし生けるものは、死ぬと、魂はそこから離れ、
 ここではない向こうの世界に行くもの」でした。
 この考え方は根深く、そうした現代の宗教の中にも
形を変えて生き続けています。

 「向こうの世界」へ行った魂は、ときどきはこの世に帰って
きます。特に子孫のところへ帰ってきます。今では日を限って
帰ってくるようになっています。
 それが日本では、「お盆・お彼岸」です。
ですから、こうしたお盆やお彼岸に似た行事は世界中にあります。

今月号の「こどものとも」
「アンヘリータと おばあちゃん メキシコのおぼん
  ディア・デ・ムエルトス」
は、メキシコのお盆とあるように、
日本のお盆と同じものと考えていいと思います。

《ディア・デ・ムエルトス》は日本語に訳すと「死者の日」
という意味だそうで死者が帰ってくる日。メキシコの場合は、
秋のお祭りと一体化して、ご先祖様と一緒に「収穫」を喜び、
収穫したものを一緒に食べる日(共食)だったはずです。
この日はお祝いだし、魂を呼び出し歓待しますから、
メキシコのように「装飾や音楽に溢れとっても賑やか」
なのが当たり前でしょう。
日本でもそうだったはずです。

 今月の《ちいさなかがくのとも 「のぼれ! ケーブルカー」》も、
お休みの日に出かけるお話のですから、これもいわば、日常から非日常
(向こうの世界)へ出て行く話です。

「こどものとも」11月号とは反対方向ですね。
出来たら、両方お楽しみください。 


 それでは、今日もごゆっくりお楽しみください。

◆ちいさなかがくのとも 2017年11月号
「のぼれ! ケーブルカー」石橋 真樹子/作

◎ストーリー紹介
 「なおき、あしたあの山のケーブルカーに乗って登ってみるか?」
お父さんがいいました。
つぎのひ、お父さんとぼくは朝はやくでかけた。
はじめてのケーブルカー。
ケーブルカーはホームも、車内も階段になっています。

「なおき、ケーブルカーはね、ケーブルという太いロープで
 山のうえからひっぱられているんだよ」とお父さん。
のぼれ! ケーブルカー!!

◎絵本の特徴
 子どもたちが大好きな乗り物の絵本です。
ケーブルカーに乗ったことのある子もない子も「わあっ」と声を
あげることでしょう。階段になっている車内。ケーブルに
引っ張られて急な斜面を登ってく様子。乗ったことのある子は
その時の気持ちを思い出すでしょうし、乗ったことのない子は
詳しく描かれた絵をみて想像を膨らませることでしょう。
登っていく様子がよくわかる縦開きの構図が見事です。
 主人公のなおきの気持ちに寄り添って描かれていますが、
ケーブルカーの構造も分かりやすく伝わってきます。
これを読んだ子どもたちは必ずケーブルカーに乗りたくなるはず。

◎子どもの反応
 下の子は去年の年末にケーブルカーに乗りました。
上の子は乗っていません。でも、上の子も下の子も目を輝かせて
見入っていました。読んだ後、「いつケーブルカーに乗るの?」
と聞いてきました。

◎読み手の感想
 作者の石橋さんの絵本「フェリーターミナルのいちにち」には
上の子が幼いころ、本当にお世話になりました。船が大好きだった
上の子に何度読んだことだろう。石橋さんの絵は写実的なところと
デフォルメしたところがちょうどよく織り交じっていて、
子どもたちをひきつけますね。
 ケーブルカーの金属的な質感やそのものの重さや量感が
伝わってくる絵。さらに人の表情も豊かにとらえられていて、
自分もその場にいるような気持になります。
 私も何度かケーブルカーに乗ったことがありますが、
やっぱりいつも乗っている電車とは違って、階段になっている
ところとか、急斜面を登っていくところとかにいまだにテンションが
あがります。頂上から眺める景色はもちろん、登っていく途中の
植物なんかも面白かったです。下の子と一緒にケーブルカーに
乗った時には、興奮して車内をうろうろうろうろしていたのを
思いだします。非日常感を味わうにはもってこいの乗り物ですね。


◆こどものとも 2017年11月号
「アンヘリータと おばあちゃん メキシコのおぼん
 ディア・デ・ムエルトス」 直江 みちる/文 今井 俊/絵

◎ストーリー紹介
 ディア・デ・ムエルというのはメキシコのおぼんのこと。
アンヘリータはおかあさんとちいさな村にすんでいます。
おとうさんはとおくのおおきな町へはたらきにいっていて
たまにしかかえってきません。ある日、おかあさんがいいました。
「あしたはごせんぞさまをおむかえするディア・デ・ムエルトス
 の日だから花ををたくさんつんできてね」
つぎのひ、アンヘリータは花をたくさんつんできました。
「きょうはおとうさんもかえってくるんだよ」
とおかあさんはいいました。ディア・デ・ムエルトスの日を
迎えるため、買い物をしなければなりません。それで町は装飾や
音楽に溢れ、とっても賑やかです(特に多いのはガイコツの
形の飾り!を売るお店)。アンヘリータはお店をながめたり、
ひろばでダンスをしたり。

◎絵本の特徴
 日本にもお盆という行事がありますが、
世界各地に同じような行事があります。
 11月号のこどものともはメキシコのお盆。
ご先祖様をお迎えするという考え方は日本と同じですね。
 季節は秋。秋と言っても日本の秋より暑いので、日本の秋の
イメージではなさそうです。日本でもお盆には盆踊りなんかが
あってお祭りのような感じになりますが、この絵本の中に
描かれているシーンの中にもダンスのシーンがあったり、
屋台みたいなお店のシーンがあったりして、日本のお盆と
似ているところがたくさんあります。
 でも、ちょっとずつ風情は違っていて、メキシコのお盆のほうが
もっとにぎやかな感じがしますね。熱気に包まれた町の様子が、
鮮やかな版画からあふれだしてくるようです。
 作者のお二人はご夫婦なのですが、13年間メキシコに滞在して
いてメキシコの習慣や風習などに熟知されています。熟知されて
いるからこそのリアリティで丁寧に細部まで描かれている
のでしょう。豊かで奥行きのある文章と絵のバランスも見事です。

 おとうさんが出稼ぎで都会で暮らしていて、おかあさんと
暮らしている主人公のアンヘリータ。メキシコでは一般的な
家庭なのだと思われます。日本における“普通”と海外における
“普通”の違い。それを幼いうちに知っておくことは、
大人になった時の許容量に差が出てくると思います。
より豊かな感性を育てるためにも、まずは肯定的に知ると
いうことが大切ですではないでしょうか。

◎子どもの反応
 静かにじっくりときいていました。
主人公を絵の中で探すのも面白かったみたいです。

◎読み手の感想
 メキシコには行ったことはありませんが、行ってみたいと
思っています。南米の色には昔から魅せられていて、
特にフリーダ・カーロの絵に描かれる色が大好きです。
 「サンタ・サングレ」という、これも本当に好きな映画
ベスト5には入る映画があるのですが、この映画もメキシコが
舞台なんですよね。本当にメキシコは憧れの国です!!
 日差しのせいでしょうか? 陰影がくっきりしていて、
原色の豊かな色にあふれていて、人の営みが生生しくて。
この絵本からもそういうメキシコの魅力が伝わってきます。
作者のお二人はしばらく住んでいただけあって、
臨場感をもって描かれているのがすばらしいと思いました。




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