読み聞かせの意味(3)

 えほんおじさんです。


◆読み聞かせは聞く耳を育てる
 子どもは、「耳の文化=口承文化圏」の中に生まれて来ます。
そして、一般的に子どもは大人の何倍もの注意力とよく聞こえる耳
を持って生まれて来ます。(大人も身体的機能面では大きな違いは
ないのですが、大人は文字文化を持ったために、「音を聞かない」
ー注意力を失ったー習性を身につけています)


 それでは、今日もごゆっくりお楽しみください。

 ですから、「聞く耳を育てる」は少々語弊があります。
もともと子どもは感度の良い「聞く耳」と注意力を持っているのですが、
「文字文化」重視の世界では、
音を聞き流す習慣を早くからつけさせられるのと、
「耳文化」として現在でも残っている「文化」が極めて低俗化し、
聞く価値がないものばかりとなっているために、
聞き流す習性がクセとなってしまいました。
テレビの文化がそのような世界を作ってしまったのです。
圧倒的なテレビ(アニメや断片の垂れ流し)文化は、
そのスピードと単純な意味内容に、子どもたちの優れた「耳」を
狭い世界に閉じ込めてしまいました。

 かつて、神話や昔話・わらべ歌は、音がする時間がすぎると消えてしまう、
いわばそのような単純化を迫る文化にも関わらず、
その独特の語法や表現法やあるいは身体との結びつきによって、
その文化を享受し、心の愉しみやうれしさを味わう心の広がりや
深さを作って来ました。
さらにはその方法によって、私たちがどこから来たか、
私たちは何者なのかを、現代哲学にも負けない
深度で諸々のことを体系的に考え抜く方法を身につけてきました。

 とはいえ「聞く耳」を持っていても、雑音と止まらせない音
(流れ行く音)だけが蔓延すると、心は深くならず単純なことでも
感動してしまう心を生み出します。

 神話や昔話には、繰り返しや耳に馴染みやすい音やリズムを
取り入れた方法や語法や型の発明によって、流れ行く音を
かたまりとして丸ごと受け入れる方法を生み出し
(もちろん現代の小説には及ばないけれど)ました。


◆耳の文化(口承文化)の継承としての読み聞かせ

 もともと「聞く耳」を持って生まれてくる子どもたちですから、
現代の「音声事情」による邪魔が入らないかぎり、
語ってあげればあげるほど、「聞く耳」はさらに育っていきます。

 そして「聞く耳」は1時間や2時間、平気でじっと聞くことが
できるということにとどまりません。(これだけでも、聞く耳を
育てる意義は大きいと思います、現代の子は15分以上聞くのに
耐えないられないとも聞きますから)

 聞くことと脳の関係についても、人間の歴史には不思議なことが
起きています。子ども期に幾度か聞いた昔ばなしは、
どうやら一生忘れることはないようです。
 昭和40年代まで、どこの地方にも昔話を語れる「話し手」が
何人もいました。300話以上語れる人もたくさんいたようです。
そしてどこのおじいちゃんおばあちゃんでも、少なくとも5話や
10話くらい語れるのは当たり前でした。このような「語り手」は、
わざわざ覚えて語るのではありません。「語る機会」があれば、
突然「お話」がぞろぞろ出てくるのでした。人によっては、
自分の孫にねだられるまで半世紀近く語ったこともないのに、
それををきっかけに次から次へ語り始めるのです。
自分が子ども期に聞いた数だけ語ることができたのでした。

 実はこうして昔話は、次の世代に何千年もの間、
語り継いでできたのです。これが耳の文化=口承文化の伝わり方で、
聞くこととそれが脳のタンスの引き出しにしまわれ、その引き出し
は必要に応じて引っ張り出されるという構造を持っていました。

 さらに語りの文化には、話型や語法だけではなく、近・現代人の
それとは大きな違いがあります。いわゆる「抽象概念」を論理に
よって組み立てるのではなく、「具体的事項」を物語に組み込んで
思考する方法をとりますから、いわば物語でものを考えるという
思考方法をとり、人間の知恵は「物語」の中に繰り込まれます。
したがって、多くの「物語」を持つことは、知恵の塊になるのでした。

 さて、読み聞かせは「音」は耳から聞こえて来ます。
絵本の場合は、眼は絵を見ていますが、絵本の文章は「耳の文化」
領域のものです。さらには絵本の「絵」は、近代絵画ではありません。
それは絵も物語る絵であって、絵と文章の両方が相補って
「物語」を語ります。
それゆえ「絵本」そのものも「耳の文化領域」に含まれているのです。
だから、絵本は子どもが自分で読む本ではありません。
大人が子どもに「読んであげる」本なのです。そうしないと
絵本の世界は何分の一も伝わらないようにできています。
このように「読み聞かせ」は人類が二万年以上も培ってきた
「耳の文化(口承文化)」の知恵と文化の蓄積を、
現代に直接繋げる役割を果たしています。

 子どもは10歳くらいまでは、耳の文化(口承文化)の中にいます。
文字や抽象概念を自在に使えるのは、それ以降となります。
これは現代人の順当な発達過程なのですが、それを早めればいいと
いい訳ではありません。抽象概念も根っこのところは「具体的事項」
と切り離されてはませんから、具体的事項を十分に味わう実際体験が
必要なのです。
 とはいえ実際体験は現代では、それほどたくさんできるわけでは
ありません。そこで、具体的事項を使った「物語」がたくさん
ありますから、それらをたくさん聞くことがその解決策です。
それは耳の文化の継承ともに耳を育てることになるのです。




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