感覚・感性

 えほんおじさんです。

 年長さんに向けた、今月号の「こどものとも」「かがくのとも」
は、「多数で多様なもの」と「巨大で少数なもの」が描かれました。

●こどものとも 2017年12月号『さおとかめきちのマラソンたいかい』
は「多数で多様なもの」を描くことによって、私たちをクラクラ
させ、私たちの「感覚・感性」を無限に広げてくれるようですし、

他方
●「かがくのとも 2017年12月号『シロナガスクジラ』」
は、その「スケールの大きすぎるもの」によって、なぜか世界を
無音に感じさせてしまいます。
大きな生き物に対する私たちの共通な心は「しん」とする感じだと思います。
それは共感とは違う、畏敬の念。地球で生きていくのに、
不可欠な「感覚・感性」の一つをもたらしてくれます。


 対照的な二冊ですが、共通しているのは、私たちの「感覚・感性」
をいつまでも柔らかく、より広くしてくれる役割を持っている
点にあります。それは子どもにとっても同じで固まろうとする
「感覚・感性」をなお柔軟に保ってくれるような絵本と言えましょう。


 それでは、今日もごゆっくりお楽しみください。

◆こどものとも 2017年12月号
「さおとかめきちのマラソンたいかい」中垣ゆたか/作


◎ストーリー紹介
 今日は年に一度のマラソン大会。大勢の人が集まってきています。
「うさおとかめきち」のふたりも参加するようです。
「ゆうしょうするのはぼくにきまりだね」とかめきち。
「はっは〜、のろまのおまえがゆうしょう?
 ゆうしょうするのはおれさまさ」とうさお。「よーいどん」

 足の速いうさおは、どんどん先を走ります。
マイペースなかめきちは、後からのんびり追いかけます。
おや、早くも疲れはじめたうさお。追いつかれてなるものかと、
なにやら悪だくみをはじめましたよ。さてさて、どんなレースに
なることやら。

◎絵本の特徴
 人の姿をびっしりと描きこんだ、ユーモアにあふれる絵が特徴の
絵本です。まず一回目に読むときは、うさおとかめきちのレースの
展開を追っていく。二回目に読むときは、他の登場人物が何をして
いるか、ページをめくるたびに新たな発見。じっくりじっくり、
なんどもなんども読みながら、子どもたちとの会話も弾みます。
 それにしても登場人物たち一人一人の表情の豊かなこと!
 びっしりと描かれた一人一人の個性や、生活なんかを想像する
のがとても楽しいです。もちろん、うさおとかめきちのレースも
目が離せません。こつこつと、努力するタイプのかめきちと、
ちょっとずるいけど憎めないうさお。イソップの寓話と同じように
、最後にはまじめでひたむきなかめきちが優勝するのですが、
その想像を裏切らない展開にも安心感がありますね。
寝る前にあおむけで読むのもいいですが、テーブルや床の上に
ひろげて、指でいろんな人物を探しながら読むのもおすすめです。

◎子どもの反応
 もう何度か読みました。
そのたびに違う発見をして、歓声をあげています。

◎読み手の感想
 子どものころに「ウォーリーをさがせ」という絵本が流行り
ました。今でももう廃れてしまいました。なぜでしょうか。
あの絵本には、物語がありません。探して、見つけてそれで終わり。
わかってしまえばもう十分でした。この絵本をウォーリーと
通じるものがあると思う方は多いと思います。細かく描かれた
人々、どこに誰がいるのか探す楽しみ。
 でも、この絵本にはきちんと物語と展開があります。
その物語の中で、人々は生き生きと動いています。
その差は大きいと私は思います。想像の世界は物語によって
裏付けられ、深まっていきます。今日、上の子とこの絵本を
読みました。たしかもう3度目なのですが、ページを進んだり
戻ったりして、さっき出てきた人が、次のページでは
こんなことをしている、とか、最後にはこんなことになったとか、
そんな話をしながら読みました。特徴的な人物だけでなく、
その他大勢と思われる人物んひとりひとりに豊かな表情が
あることに感動します。


◆かがくのとも 2017年12月号
「シロナガスクジラ」加藤秀弘/文 大片忠明/絵

◎ストーリー紹介
 ここは冷たい北の海。
夜、月あかりのてらす水面にぽっかりと島のようなものが
うかびあがってきました。夜が明けてから海のなかをみてみると、
島のようにみえたのはシロナガスクジラ。地球にいまいる動物と
昔いた動物、全部のなかで一番大きな動物です。水のなかで
息のできないシロナガスクジラは、15分おきに水の上に
鼻をだしていきをします。このシロナガスクジラはメスで
今おなかのなかには、赤ちゃんがいます。

◎絵本の特徴
 静かな海の青をバックに印象的な深いまなざしをたたえて、
大きな大きなクジラが目の前を悠然と泳いでいきます。12月号の
かがくのともは、「シロナガスクジラ」。世界中でもっとも
大きな生き物です。大きな生き物の持つ、独特の静寂。
人智をはるかに超えた存在に抱く畏れが、見る者の心を
沈黙させるのかもしれません。
繊細に、丁寧に描かれた絵と、冷静にわかりやすく伝える文章。
親しみを込めて、というよりもそこに漂うのは祈りのような
気持ちでしょうか。読んでいると、不思議と心が穏やかになるのを
感じます。
 普段の生活の中では、なかなかシロナガスクジラに出会う、
ということはありません。それがどんな大きさなのか、
体感としてはなかなかつかめないと思います。
ただ、この絵本はその知識もさることながら、作者の目を通した
実感として、シロナガスクジラと出会うことができます。
子どもたちは、おおきなものへの憧れがあります。
その大きさを体感したがっています。良質な知識を深めながら、
豊かな海の世界を旅しましょう。

◎子どもの反応
 「すげえ」と言いながら読みました。
とくに、
「ちきゅうにいまいるどうぶつとむかしいたどうぶつ、
 ぜんぶのなかでいちばんおおきなどうぶつです」
と読んだときに驚いた顔をしていました。
また、子クジラが母クジラと別れて行く(シロナガスクジラは
たった一年で親離れする)場面がありますが、
ここでは「どうして?」と悲しい顔になりました。

◎読み手の感想
 海の中の無音と沈黙。それを感じるのは、多分私が人だから
なのでしょう。おそらく海で生きる生き物にとっては、もっと
にぎやかな世界なのだと思います。この絵本でも、もちろん
躍動感のあるシーンはたくさん描かれています。そこでは大きな
音がしていることでしょう。でも、スケールの大きすぎる出来事
ってなぜか無音のように感じてしまうのは私だけでしょうか?
 脳の処理能力が追い付かず、とりあえず音を感じなく
なっているのかもしれません。
 私は、シロナガスクジラと出会ったことはありません。
でも、水族館で出会うジンベイザメや、動物園で出会うゾウ、
大きな生き物に共通する心がしん、とする感じ、覚えのある方も
いらっしゃるのでは…??
この絵本に、わたしが感じたのは、そういう感覚でした。
共感とは違う、畏敬の念。地球で生きていくのに、
不可欠な感覚の一つかもしれません。




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