哲学絵本

 えほんおじさんです。


「わたし」という絵本があります。
「谷川俊太郎・長新太」コンビによる傑作絵本。
世界最初の幼児にも分かる「哲学絵本」ともいうべき絵本です。


『わたし おとこのこから みると おんなのこ
 あかちゃんから みると おねえちゃん
 おにいちゃんから みると いもうと
 おかあさんから みると むすめの みちこ
 おとうさんから みても むすめの みちこ
 おばあちゃんから みると まごの みちこ
 けんいちおじさんから みると めいの みっちゃん
 
 わたし
 さっちゃんから みると ……
 せんせいから みると ……
 となりのおばさんから みると やまぐちさんの したの…
 ごろう(犬の)から みると …
 きりんさんから みると ちび
 ありさんから みると …

続いて、外人さん、宇宙人、絵描きさん、おまわりさん、
おいしゃさんからそれぞれみると?? 」
となっています。

 「わたし」=「やまぐちみちこ」は、まずいろんな
シチュエーションに於いて、それぞれに違った呼び方を
されることに気づきます。「わたし」はわたしなのに、
なぜいろんな呼び名があるのだろうと考え始めます。
 つまり、ここに「わたし」が発見するのは、
「他者(自分ではない)からの目があること」いうことです。
この発見は同時に「わたしの見るわたし」をも見つけることが
可能になります。

 それから実に40年、今月、かがくのとも2018年1月号として
「わたしとわたし 五味太郎/作」が発行されました。
いわば「わたし」の続編というべき絵本です。

 他者を発見した「わたし」は、この絵本で「わたし」の中に、
「もうひとりのわたし」がいることに気づいたのです。


 それでは、今日もごゆっくりお楽しみください。

◆かがくのとも 2018年1月号
「わたしとわたし」五味太郎/作


◎作者 五味太郎
1945年生まれ。工業デザイナーを経て絵本の世界へ。
著作は450冊を超える。
代表作に「きんぎょがにげた」「みんなうんち」
「まどからのおくりもの」「たべたのだあれ」など

◎ストーリー紹介
 「あさだ! おはよう! さっとおきて さっときがえよう!」
と おもう わたし
いやいや このままもうすこしねていたい…
と おもう もうひとりのわたし
 わたしがなにかをおもうとき、もうひとりのわたしが
ちがうことをおもったりする。
いろんなわたしがわたしのなかにいて、いろんなことを
おもうんだね。でも、どれもわたし。

◎絵本の特徴 
 わたしのなかに何人かの私がいて、それぞれに違うことを思って
いる。そんなことに気づき始める年頃の子どもたちにぴったりの
絵本です。
天使のわたしと悪魔の私が出てきてどうしよう…と悩むみたいな
描き方をいろんな作品でみかけます。人の心の中は複雑で、同時に
いろんなことを思っているんですね。それは当たり前のことで
自然のこと。天使と悪魔、みたいなはっきりした分かれ方ではなく
とも、ちょっとポジティブだったり、ちょっとネガティブだったり
そのどちらでもなかったり、人のこころのありようは本当に面白い
です。子どもたちはまだはっきりとそんなことを意識していなく
とも、この絵本を読んでみんなそんな風にいろんなことを同時に
思うんだ、という気づきにつながるかもしれません。
自分のこころを知ることは、人のこころを知ることへもつながり
ます。子どものころに培った共感力が、大人になった時に大きな
力になって子どもたちを支えることになるでしょう。五味さんの
楽しい絵と文章が、子どもたちのこころの中に小さな種を植え
付けてくれます。

◎子どもの反応
 年長児と低学年の子には、すごく気になる絵本。
六歳の上の子は興味深そうに聞いていました。どうやら
自分の中の別の自分に気づき始めているようです。
「こういうことある?」ときいたら「うん」とうなずいていました。

◎読み手の感想
 哲学的な絵本ですね。大人になると、様々なシチュエーションで
いろんな心の中の私がせめぎあうことがあります。きっと子どもの
こころのなかでも同じようなことがおこっているのでしょうね。
子どもはそれをなかなか言語化して考えることはないのでしょう
から、その複雑なこころのうちをうまく処理することができな
かったりして、とまどっていたりします。
 そんな時にこの絵本に出会うと、「これだ!」と思う
子どもたちも多いのかな?
成長していく中で、自分のこころのありようを言い当ててくれる
ような本との出会いは本当にうれしいものです。
どう言語化していいかわからないものを、ぱっと言い当てられる
と「そう!それがいいたかったの!」と叫びたいような気持に
なります。誰かが自分のことをわかってくれたという気持ち、
それは世界に自分の居場所を見つけられたという安心につながり
ます。子どもたちにはそんな経験を積み重ねていってほしいな、
とこころから思っています。


◆こどものとも0・1・2 2018年1月号
「ふわふわ ふうせん」白川三雄/作


◎著者紹介
作者 白川三雄
1941年、京都府丹波生まれ。京都産業デザイン研究所卒業。
フリーのイラストレーター。
絵本の仕事に、「はなふうせん」「かしてよ」「みんなではしろう」
など。

◎ストーリー紹介
 「ふわふわふうせん、かばさんのふうせん とことことこ。
 ふわふわふうせん いぬさんのふうせん すーいすい
 ねこさん、うさぎさん、ぶたさん…みんなふうせんもって
 あつまるよ」

いろいろな動物たちがそれぞれ思い思いの乗り物に乗ってやって
きます。手には色とりどりのふうせんを持っています。

◎絵本の特徴
 シンプルな線で描かれた、ふうせんをもったかばさんが描かれた
表紙に思わず笑みがこぼれます。かばさんの何とも言えない絶妙な
表情。これからどこに行くのかな?と、興味がわきますね。
 さあ、絵本には、たくさんの動物たちが登場します。いぬさんは、
キックボードにのってすーいすい。どこかに向かっていきますよ。
ねこさんは二匹で仲良く、ウサギさんは自転車に乗って。楽し気な
表情から、これから起こることを想像してワクワクします。
みんながたどり着いた先には、大きな大きなわにさんのふうせん。
気球になって、みんなで大空のお散歩です。
最後の壮大な展開に向けて、進んでいく物語。言葉は少ないの
ですが、絵からいろんなことが想像されます。表情豊かな動物たち。
かわされている会話や笑い声まで聞こえてきそうです。

◎子どもの反応
 「赤ちゃんの絵本よな」と言いながらにやにやする6歳児。
やっぱり風船というテーマは大好物のようです。最後に気球に
乗るところが気に入ったようで、何度か読みました。

◎読み手の感想
 子どもたちは風船が大好きですね。
ただふわふわと飛んでいるだけの丸いものなのになぜでしょう?
 自分も空に飛んでいるような感覚になるからでしょうか?
 子どものころの私も風船が大好きでした。風船をもらった時の
高揚感は忘れることができません。でもなぜ? と言われると
それを言語化することが難しいですね。なんであんなに好き
だったんだろう。いや、子どものころだけではなく今でも風船を
見ると嬉しくなります。何が何でもそれを手にもって歩きたい、
という欲望はさすがに薄れましたが、でも風船は嬉しいものです。
からだがふわっと軽くなるような、そのまま空に飛んでいける
ような心持ちで風船を眺めています。
 この絵本の最後に向かってみんなが集まってくるという展開が
好きです。故・寺山修司さんの、「人力飛行機ソロモン」という
演劇のシナリオがありますが(同時代に生まれなかったので
残念ながら劇は見ることはできていませんが)最後に向かって
登場人物たちがある場所に集結していくという展開が面白い
作品です。この絵本にもそんな壮大な展開を感じて、嬉しく
なりました。




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