2月号の紹介

 えほんおじさんです。


 化けることを軽々とやってのける子たちとその世界
(年中版こどものとも 2018年2月号
「たぬきの どっきりはっぴょうかい」)。

 この絵本のような遊びを通して何かになることは、すなわち
「他者」になるということ。でも最初はそんなに深いものでは
ないからこそ、そうした遊びは繰り返されるのかもしれません。
子もたちの軽々しさには、軽々さとユーモラスな絵がふさわしく、
そうした絵が「子どもたちの世界」を支えるのだと思います。

 他方、そうした軽々しさ(流動的知性)だけでは心は育たないし、
危険でもあります。だから、しっかりと大地に根ざす意識を身に
つけることも重要です。「ゆうちゃんとひよどり」の太い描線と
「ゆうちゃん」の生活リズムの安定こそが、動的で、流動的な
2、3歳児の心を鎮めつつ、しっかりと大地に根ざす意識を育んで
くれるのだと思います。


 それでは、今日もごゆっくりお楽しみください。

◆年少版こどものとも 2018年2月号
「ゆうちゃんとひよどり」いまき みち/作

◎著者紹介
作者 いまき みち
1944年、神戸市生まれ。武蔵野美術大学デザイン科卒業。
絵本に「なぞなぞなーに」「あがりめさがりめ」「とちのき」
などがある。

◎ストーリー紹介
 昨日からゆうちゃんのうちの庭にもたくさん雪がふりつもり
ました。ゆうちゃんは庭の柵に一羽のとりがじっととまっている
のを見つけました。
「あの鳥はなんていうの」きくと、おかあさんが「ヒヨドリよ」と
おしえてくれました。ゆうちゃんと、おかあさんはヒヨドリに
えさをあげました。

◎絵本の特徴
 大きな窓の向こうは雪景色です。真っ白に降り積もった雪の中に、
ヒヨドリが訪ねてきます。ヒヨドリは、おそらく全国でもいろんな
ところに生息している鳥なので身近に感じていらっしゃる方も多い
のではないでしょうか? この絵本では、ヒヨドリとゆうちゃん
たち家族との日常を淡々と描いています。

 庭に来たヒヨドリに、さっき食べたリンゴの皮を細かくしたのを
あげてみる。庭には猫もいるので、ヒヨドリは最初逃げてしまう
けれど、えさの箱を高いところにしたら食べてくれた。
ただそれだけといえば、それだけの絵本です。でも、そういう
細かな日常こそが、子どもたちにとっては新鮮な驚きであり、
喜びなのだと思います。
 ヒヨドリが自分のあげたエサを食べてくれる。それだけで、
ヒヨドリとの距離はぐっと縮まります。友達のような、仲間の
ような気持ちにもなります。主人公のゆうちゃんは後半、
ヒヨドリのことをずいぶん気にかけています。自然との接点と
いうのは、こういう身近なところにたくさんあって、子どもの
ころにどれだけ接点を持てるかというのは世界とのつながりに
おいて重要なポイントだと思います。親しみやすい絵柄が
ありふれた日常をカラフルに彩り、こどもたちのこころの窓を
もう少し大きく広げてくれるような絵本です。

◎こどもの反応
 ヒヨドリのことはよく見ているわが子たち。
ヒヨドリのでてくる絵本もおなじみなので、「またヒヨドリか」
という顔を最初はしていましたが、読んでいるうちに興味津々。
特に何か感想めいたことは言いませんでしたが、なにか新しい
発見をしたのではないでしょうか。そうです、我が家の庭に
放置されている餌台を見つけたのです。

◎読み手の感想
 我が家の庭に面した窓は大きく、庭に訪ねてくるいろんな鳥や
動物を、子どもたちと眺めることがよくあります。
名前は知らないけれど、ずいぶんキレイな姿をした鳥が柿の木に
とまっていたりします。庭の果樹はほとんど鳥たちのエサと
言っても過言ではないでしょう。家族でいまかいまかと色づくの
を楽しみにしていたキイチゴやブルーベリーなんかは、食べごろ
になるかならないかというところで鳥たちに発見されて食べられて
しまいます。いつの間に見ているんでしょうね。
まあ、でも鳥たちが来てくれる庭があるというだけでもなかなか
昨今の住宅事情からすると贅沢なのかもしれません。
我が家の周辺は今のところ田舎なので、まだまだ庭のある家も
多いですが、新しい住宅も増え田んぼや畑は減ってきています。
このままちょっとづつ街になっていくのかなあ、なんて家族でも
よく話しています。
それでも、自然とのつながりはどこかで保っていきたいなあ、
と思います。人工物の中では起こりえない事が起きたり、毎日
見ていなければわからないような小さな変化を感じ取ったりする
ような日常を大事にしたいものです。そんなことを考えさせて
くれる絵本なんですね。


◆年中版こどものとも 2018年2月号
「たぬきの どっきりはっぴょうかい」大島英太郎/作


◎著者紹介
作者 大島英太郎
栃木県生まれ。
絵本に「むかしむかしとらとねこは…」
「とりになったきょうりゅうのはなし」
「きょうりゅうのおおきさってどれくらい?」
などがある。

◎ストーリー紹介
 ある月夜のばん、山の中のお寺にたぬきたちが集まっていました。
“ばけかたがっこう”の生徒たちが、年に一度の
“どっきりはっぴょうかい”の練習をしているのです。
「自分のばけたいものを思いうかべて、“ぽんぽこ どろん”
 と呪文をとなえるのじゃ」
とたぬきの先生。こだぬきたちの練習は毎日よる遅くまで
つづきました。いよいよどっきりはっぴょうかいのひ。
最初は女の子のわかばから…。

◎絵本の特徴
 表情豊かな五匹のこだぬきたちが繰り広げる
“どっきりはっぴょうかい”。人間たちを相手にいろんなものに
化けてみせます。昔話のたぬきたちもいろんなものに化けて
きましたが、現代のたぬきは何に化けるのでしょうか?
 人間は果たして騙されてくれるのでしょうか?
 読みながら、どきどきはらはら。
 この絵本のたぬきは、昔話に描かれるたぬきよりもすっきりと
した線で描かれて、姿かたちも現代のたぬきという感じです。
でも昔話に出てくるたぬきのように化けることを心底楽しんで
います。きっとたぬきの間でも脈々と受け継がれてきたたぬき
スピリッツというものがあるのだろうな、と感じます。練習場所は
山のお寺。発表会の場所も同じ山の人が少し通る小道のような場所
でしょう。おそらくまだ土地の神様に対する信仰が残っている
ような場所で、たぬきたちは練習の成果を発揮します。人間と
たぬきのかかわりが緩やかであった頃の面影がそのまま残って
いる土地の人たちは多分おおらかなのだろうと思います。
わりと簡単に素直に騙されてくれるし、驚いてくれる。
たぬきたちもさぞやりがいのあることでしょう。

 こだぬきたちと同じで、人間の子どもも何かに変身するのが
大好きですね。絵本の中でこどもたちはきっとこだぬきたちに
同化して、ひとをだまして喜ぶことでしょう。ゆるやかで、
おおらかな化かしあいの世界を、大人も一緒になって楽しみ
たいですね。

◎こどもの反応
 化け損なったたぬきたちのしっぽを発見して喜んでいました。
特にお寺の和尚さんにしっぽがあるのを大発見!
 と言わんばかりに目をキラキラさせて指さしていました。

◎読み手の感想
 少し漫画っぽい絵が、子どもたちには親しみやすいのでしょう。
わが子たちは、大島さんの絵本が好きです。
「きょうりゅうのおおきさってどれくらい?」という絵本を何度も
読んでいます。わたしも身近なものの大きさと比べることができて、
わかりやすく、良い絵本だなあ、と思っています。
 でもこの絵本は、少し残念だな、という気がしています。
もう少しインパクトのある展開がほしかったな…。現代に生きる
たぬきたち、という臨場感があまりなく、そのまま時代設定を
昔にしてもお話としては成り立ってしまいます。変身するもので
今っぽいものと言えばサッカーボールやリュックサックですが、
そのまま別のものにもおきかえられそうです。全体的に平坦な感じ
がして、展開が想像の範囲を超えない。設定の面白さに物語が
ついていっていない感があります。たぬきの表情は生き生きして
いて楽しいのですが、もう一歩、現代に生きるたぬきたちが化ける、
というリアリティに突っ込んでほしかったな、という気がします。




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