一年の締めくくり

 えほんおじさんです。


 毎月月刊絵本を紹介していますが、このシリーズは、
目安として4月号の始まり3月号で一年の締めくくり
のようになっています。


◆こどものとも0、1、2 2018年3月号
 「つないで つないで」福知伸夫/作

 この絵本は、「ともだち」みんなが手を繋いで繋いで行くと
「輪」なって行きます。実際の生活でも、年間に出会った人たちと
「つないで つないで」、そして、輪になり、この「輪」なった
友達とは、一生の宝物になって行くはずですよね。

 そして

◆こどものとも 2018年3月号
 「あずきの あんちゃん ずんちゃん きんちゃん」
とみながまい/文 植垣歩子/絵

 のように、数奇な運命に翻弄されながらも、自分が「種」だった
ことを知れば、個性はどうであっても、その本質である「種」で
あることを発揮すれば、【やがて花を咲かせ、新しいたくさんの
「種」をつくります。その種たちは、小豆として、または一粒の種
として、一粒一粒が大きな可能性をはらんでいるのです】
このことって、こどもの成長にも似ていますが、「種」を撒いて
行く行為としての読み聞かせにも似ています。
お子様の心に「種」まく行為である読み聞かせだけは、
十年間毎日おつづけください。
4月以降のステップアップをお楽しみに。

◆こどものとも0、1、2 2018年3月号
「つないで つないで」福知伸夫/作


◎著者紹介
 1968年、東京都生まれ。武蔵野美術大学版画科卒業。
絵本に「とってください」「こちょこちょ」「ぱかぱか」
など多数。静岡県在住。

◎ストーリー紹介
 黒ねこがやってきて、白ねこに向かって「てをつなぎましょう」。
「はい、つなぎましょう」と、2匹は手をつなぎました。手を
つないだ2匹が、今度は赤いねこに「てをつなぎましょう」。
「はい、つなぎましょう」と、赤いねこも手をつなぎました。
こうして「てをつなぎましょう。はい、つなぎましょう」と
たくさんのねこたちが、てをつないでつないでいくと…。

◎絵本の特徴
 くっきりとダイナミックな線で描かれたねこたちが手を
つなぎます。ねこたちはほんのり微笑んでいます。見開かれた
目には好奇心とか、期待とか、楽しさとかそんな気持ちが
読み取れます。
 2歳くらいの子どもたちのやりとりを見ていると、
出会ったばかりの子でも「てをつなごう」とどちらから
ともなく声をかけいつのまにか一緒に走っているというような
姿を見ることがあります。手をつなぐととたんに嬉しなります。
二人の顔からは笑みがこぼれて、なんならげらげらと笑い
ながら、ただただ駆け回っていたりします。ほほえましい、
と思うと同時に、そんなやりとりを簡単にできなくなった
大人の私にすこしさみしさを覚えたりもします。大人同士で
手をつなぐことはめったにないですが、今でも、子どもたち
とはよく手をつなぎます。

 手をつなぐと、相手の体温や鼓動と共に、気持ちまで
つながれたような気がして、不思議な気持ちになります。
子どもたちの少し汗ばんだ柔らかい手。にぎったりにぎり
かえしたり、つないだ手と手でやりとりされる言葉ではない会話。
手をつなぐことで、お互いの気持ちの一部が交換される
のでしょう。親子で、兄弟と、友達と、いろんなひとと
手と手をつないでみんなで輪になればきっと楽しいですね。

◎こどもの反応
 子どもたちと手をつなぎながら読みました。
手をつないだだけなのに子どもたちはにこっと笑います。
最後には両手をつないで、小さな輪になりました。

◎読み手の感想
 福知さんの絵本はたくさん読ませていただいています。
勢いがあって、ダイナミックな線にいつも元気をもらっています。
今回の絵本の猫たちの表情がいいですね。おもいきりにこにこ
しているわけではなく、ほんのり微笑んでいる。こんな笑みで
手を差し出されたら、嫌とは言えませんね。
日本ではあまり握手の習慣はありませんが、海外では握手とか
ハグとか、体に触れて挨拶をする習慣があります。海外に行った
ときに、西洋の方々と出会ったとき、近づいてくる相手は
この猫たちのように親しみを込めた明るいまなざしで手を
差し出してきたのを覚えています。握手することで、相手に
対する警戒心は一気に溶けて、親しみを感じてしまう。
言葉を交わすよりも合理的なコミュニケーションなのかも
しれません。実際に子どもたちは仲良くなりたい相手と手を
つなぎたがります。そうすることがお互いの距離を縮める方法
だと本能的に知っているのかもしれませんね。


◆こどものとも 2018年3月号
 「あずきの あんちゃん ずんちゃん きんちゃん」
とみながまい/文 植垣歩子/絵


◎著者紹介
・作家 とみながまい 
東京都生まれ。映画「食堂かたつむり」「ウール100%」などの
監督をする。Eテレ「シャキーン!」のアートディレクター。

・画家 植垣歩子
1978年、神奈川県生まれ。
絵本に「にんじん だいこん ごぼう」「どろんばあ」
「すみれおばあちゃんのひみつ」など。

◎ストーリー紹介
 ある時お手玉からあずきが3粒こぼれおちました。
小さなあずきの3兄弟です。一番上はあずきのあんちゃん、
二番目めはあずきのずんちゃん、末っ子はあずきのきんちゃん。
おてだまからとびだした3兄弟にはそれぞれ願い事がありました。
あんちゃんはあんこ、ずんちゃんはだいず、きんちゃんは
きらくに気ままに暮らしたい。
ある日、あんちゃんは和菓子屋へ、ずんちゃんは大豆畑へ。
ところが、あんこにもだいずにもなれなくて「ずーん」と
おちこんでしまいます。きんちゃんが「きにしない きにしない」
とふたりにいったそのとき。ばさばさばさっとカラスがとんできて
3にんをごくりと飲み込んでしまいました…。

◎絵本の特徴
 今月は、なんと小豆が主人公。
お手玉からこぼれた3粒の小豆の兄弟の運命やいかに。
小さな小豆の粒の物語は、思いもよらない方向に
展開していきます。

 小豆というと、すぐにあんこが思い浮かびますね。
あんこは皆様もご存じのとおり、たくさんの小豆を煮て、
たっぷりのお砂糖と一緒に練り上げて作ります。ひとつぶ
ひとつぶの小豆の形はなくなり、おおきなひとつのかたまりの
ような仕上がりになります。3兄弟の一番上、あんちゃんは
そんなあんこになりたいと夢見ていたようです。小豆に
生まれたからにはあんこになって生涯をまっとうしたい、
というのはものすごくまっとうな夢ですね。
小豆の本能でしょうか。しかし、あんちゃんはたった
ひとつぶの小豆。あんこは小豆からできますが、
一粒の小豆ではあんこにはなりません。
 二番目のずんちゃんは、大豆になりたい。
残念ながら、小豆は大豆にはなれません。形がどれだけ
似ていても、そもそも種類が違うのです。この絵本を読む
4歳から5歳のころの子どもは、そういうことにうっすら
気づきはじめる年齢でしょうか。
自分がいくら大きく強く育っていっても
ゾウやライオンにはなれないのだ…と。
 三番目のきんちゃんはとくになにになりたいということもなく、
きらくにきままにいきていたい。そんなきんちゃんは何が
あってもマイペース。
 そんな3人をカラスがごくり。衝撃の展開です。カラスの
おなかの中で悲嘆にくれるあんちゃん、怒るずんちゃん。
きんちゃんは相変わらずのマイペースでなんにも気にせず
寝ています。
 この3人の組み合わせがいいですね。それぞれに同じ出来事の
受け止め方が全然違います。どんなに怒っても泣いても、
なるようにしかならない運命というものに子どもたちはこれから
先何度も出会うことと思います。でもその先に、もしかすると
想像していたよりももっとすばらしい未来が待っているかも
しれない。3人も、カラスのうんちと共に地面に放り出され、
何が何だかわからないままに眠ってしまいます。
 小さな小豆の3兄弟は、小豆として完成形でありながら、
一粒の種でもあったのです。こころや体の中に、本人も
意識していない可能性の種が、眠っている。種は芽吹き、
やがて花を咲かせ、新しいたくさんの種をつくります。
その種たちは、小豆として、または一粒の種として、
一粒一粒が大きな可能性をはらんでいるのです。
 3月は、別れの季節です。慣れ親しんだ保育園や幼稚園を
後にして、4月からは新しい世界へ。それぞれの子どもたちが、
それぞれの感じ方で、その大きな運命と向かい合う時期です。
そんな子どもたちにエールを送るような絵本です。

◎こどもの反応
 上の子はきんちゃんがお気に入り。
結構泣き虫の心配性のくせに一番自分と似ていると思っている
ようです。下の子は物語のダイナミックな展開を楽しんで、
歓声を上げていました。

◎読み手の感想
 緩やかなタッチで描かれたユーモラスな絵。
表情豊かな小豆の3兄弟に親しみがわきます。表情も豊かで、
絵を見ただけでそれぞれがどんな性格かまでわかってしまいます。
性格で言うと特に3番目のきんちゃんがいいですね。何が起きても
泰然自若。こういうものの感じ方ができると、人生を楽にすごせる
んだろうなあ…。でも、上の二人のように、挫折のあとに思いも
よらない幸運が訪れると、幸運をさらに大きなものに感じるかも
しれません。ほんと、いろんな出来事って人それぞれで、
どちらがいいとかわるいとかじゃないですね。
 話は変わりますが、もう3月ですね。福音館の月刊絵本は4月に
始まりますので、3月は一年の締めくくりです。保育園を通して
こどものともを読んでいらっしゃる方は、今年卒園される方も
多いのではないでしょうか。母親にとっても、卒園&入学は
緊張しますよね。きんちゃんみたいに“なるようになるさ、
きらくにいこうぜ”と構えたいところですが、なかなかそうも
いきません。まだまだ子育て真っ最中のわたしにはなんの
アドバイスもできませんが、この絵本のような新しい、
素晴らしい可能性を信じて進んでいけたらいいな、と思っています。




知っていましたか?日本の絵本の90%はホンモノではないんです。
えほんおじさん アメリカのNASAが教育に取り入れた絵本を知っていますか?
絵本1冊を描くのにかかる年数は?

絵本の読み聞かせ暦30年。
絵本の知識は日本屈指のえほんおじさんだからこそ選べる1冊を あなたにお届けします。
何か質問がありましたら、ご遠慮なくどうぞ!

質問!
FAXでのご注文お支払い方法

◆FAX:086-281-6857
FAXは、これをプリントアウトしてくださいね。


郵便代引、金融機関へ振り込み、クレジットカードの3種類からお選びいただけます。

    メリットデメリット
郵便代引・到着が早い
・銀行に行くなどの手間がかからない
・手数料が250円かかる
・1冊だと、時間指定ができない
金融機関へ入金・手数料が安い・振り込み確認後の発送なので、多少遅くなる(※1)
・金融機関へ行く必要がある(※1)
クレジットカード・手間がかからない・カード会社様に確認後の発送なので、多少遅くなる
※1 ネットで決済の場合、これらのデメリットはなくなる上、手数料も安い場合が多いので、特にお勧め!です。

お客様がEバンク銀行の口座を持っていらっしゃる場合、手数料は無料ですよ!

返品交換配送について
全国一律250円(税込)
配送先一ヶ所につき2,500円以上ご注文いただいた場合、
送料は無料です!
◆万一商品が破損・汚損していた場合商品の配達後10日以内にメール、もしくはFAXにてご連絡ください。この場合の送料は当社で負担いたします。
質問プライバシーの保護
質問! ◆「えほんのくに きび」では、お客様の個人情報であるお名前、ご住所、お電話番号等をいっさい外部にもらすことはございません。プレゼント等に関しても同様ですので、安心して応募してくださいね。

Trackback on "一年の締めくくり"

このエントリーのトラックバックURL: 

"一年の締めくくり"へのトラックバックはまだありません。

Comment on "一年の締めくくり"

"一年の締めくくり"へのコメントはまだありません。

コメントする

コメントする
(HTMLタグは使用できません)
ブラウザに投稿者情報を登録しますか?(Cookieを使用します。次回書き込み時に便利です。)
  •  
  •  

Copyright 2004-2007 えほんのくに きび 「えほんおじさんのぶろぐ:一年の締めくくり」ページトップへ。