第三弾 月刊誌四月号紹介

 えほんおじさんです。


新学期第三弾の月刊誌四月号紹介です。

 年少版4月号の「ひよこはにげます」は、典型的な
「行きて帰りし物語」です。ただ、このお話は、
「達成」を経て帰ってくるという感じはありません。
「逃げて逃げて」行っているといつのまにか帰ってきている
という少し変種の物語構造にになっていますが、
これが「年少」の子どもでは、そういうことがありうること、
そこにリアリティーがあります。

 かがくのとも4月号の「まちでくらすとり すずめ」は、
かがくのともの大きなテーマである身近でなんとも思わなかった
ものが、よく見ると「不思議」ということがたくさんあります。
「すずめ」はそんな存在ですね。


 それでは、今日もごゆっくりお楽しみください。

◆年少版こどものとも 2018年4月号
「ひよこは にげます」五味太郎/作

◎作者紹介
五味太郎 1945年東京生まれ。桑沢デザイン研究所卒業。絵本作家。
「かくしたのだあれ」「たべたのだあれ」(以上文化出版局刊)
でサンケイ児童出版文化賞。

「みんなうんち」「ばったくん」「きんぎょがにげた」
「かぶさんとんだ」「さんぽのしるし」「からだの みなさん」
「正しい暮し方読本」
など作品多数。
  
◎ストーリー紹介
「ひよこが にげます」「みんなで にげます」――好奇心いっぱい。
おうちから元気に逃げ出したひよこたちは、外のひろい世界で
いろいろなものに出会い、どこまでもどこまでも逃げていきます。
ところがいつのまにかおうちに帰っていました。行きて帰りし物語。

◎絵本の特徴
 五味太郎さんの新刊です!
 五味さんで、“にげる”といえば、あの名作「きんぎょがにげた」
が思い出されます。もちろん五味さんは「きんぎょがにげた」を
意識して描かれたそうです。続編のような位置でしょうか。
 今回の主人公は、小さくてかわいいひよこたち。きんぎょは
一匹で逃げましたが、ひよこたちはみんなで逃げます。仲間が
いるときっと逃げるのは楽しいでしょうね。きんぎょのときは
ひとりでかくれんぼしているような楽しさでした。絵本の外に
大きな視線があって、見つけられるのをドキドキわくわくして
息をひそめるこどもの息遣いを感じました。今回のひよこたちは
「逃げる」という行為を全力で楽しんでいます。「どこへ?」も
「なにから?」もなく、ただただ逃げる。大人の「逃げる」は
目的や意味が付きまといどこか悲壮感が漂いますが、小さな
子どもたちにとっての「逃げる」は遊びの延長であり、目的や
意味からも解放されているのかもしれません。本当の「逃げる」は、
こういうことなのでしょう。そして逃げるだけ逃げたら、
逃げながら家にたどり着きます。家は逃げ出す場所であり、
逃げてたどりつく場所でもあるというのが面白いですね。

 五味さんの絵本には哲学的な香りのするものが多いので、
大人としてはいろいろと考えてしまいます。でも、子どもたちは
ただ全力で受け止めて楽しんでいる。絵本というのは子どもと
大人の世界をつなぐ接点でもあります。そのマージナルな領域で、
お互いの心に触れる。絵本や物語の役割のひとつはそこにある
のではないかと思います。


◎子どもの反応
 私ではなくて、お父さんに読んでもらっていました。
「ひよこは」とお父さんが読むと、「にげます」とこどもが
続けます。かけあいを楽しみながら読んでいました。読み手が
違うとリズムとか読み方とかが違うのも読み聞かせの面白い
ところですね。

◎読み手の感想 
 五味さんらしい絵本です。
色使いも、テーマも、私たちが子どものころからなじんできた
五味さんそのもの。五味さんは昔から、いまでも精力的に絵本を
描き続けていらっしゃいます。少し難しい絵本、突き抜けて
明るい絵本。多様な絵本を描かれていますが、やはりその原点は
「きんぎょがにげた」にあるのではないかと私は思っています。

今回その続編を描かれたのはきっと満を持して、なのでしょう。
 わたしは絵本に囲まれて育ちました。五味さん世代の作家さんの
言葉や絵の影響を強く受けています。大人になって、子どもたちを
育てながら、絵本が私に与えた影響の強さや豊かさをひしひしと
感じることがあります。それがわたしを素晴らしい人間にした、
と宣言できるほどの功績はありませんが、確実に絵本があったから
進むことができた一歩もたくさんあります。
 「きんぎょがにげた」から40年。五味さんはその間ずっと
子どもたちの本と向かい合ってこられました。作家さんのひとりの
ひととしての歴史と作品を照らし合わせて読むと、さらに感慨深い
ものがあります。


◆かがくのとも 2018年4月号
「まちでくらすとり すずめ」三上修/文 長島充/絵


◎作者紹介
・画家 長島充 1959 千葉県生まれ。
創形美術学校研究科版画課程修了。(社)日本美術家連盟会員。
日本ワイルドアート協会会員。展覧会略歴等
・1995 フレヘン国際版画トリエンナーレ(ドイツ)
・イビザ国際版画ビエンナーレ 最高賞(スペイン)
・2010 環太平洋国際版画展2010・特別賞(ニュージーランド)。
 絵本作品に「小さな四角い海・谷津干潟(たくさんのふしぎ)」
がある。

・作者 三上修 1974年島根県松江市生まれ、
東北大学大学院理学部生物学科修了
 現在北海道教育大学函館校・准教授)鳥類の行動や生態を研究。
主な著作に『身近な鳥の生活図鑑(筑摩書房)」
『スズメ―つかず・はなれず・二千年(岩波書店)』
『スズメの謎:身近な野鳥が減っている!?(誠文堂新光社)』

◎ストーリー紹介
 朝。道を歩いていると、上のほうから「ちゅんちゅん」という
声がきこえてきました。なんの声でしょう?
 見上げると、電線に小さな鳥がいます。
そうです、「ちゅんちゅん」というのはすずめの鳴き声だったのです。
すずめは、建物の隙間に巣をつくり、子育てをします。
えさをとったり、敵がこないように見張ったり…。
さあ、身近な鳥「すずめ」のことをじっくり見てみましょう。

◎絵本の特徴
 春ですね。まだ時々寒い日もありますが、ぽかぽかと暖かい日が
多くなってきました。子どもたちと散歩に出かけるのも楽しい季節
です。道を歩いていると、よくすずめに出会います。すずめたちは
集団で道の真ん中でなにかをついばんだりしています。昔に比べ、
すずめは少なくなったと聞いたことがあります。それでも、まだ
日常生活の近くで、すずめたちが暮らしているのを感じることは
多いのではないでしょうか?

 この絵本は、すずめたちの子育てを中心に、その生態を丁寧に
描いています。身近な鳥とはいえ、ツバメのように軒下に巣を
つくったりしないので、なかなかそのたまごや赤ちゃんは見る
ことはありません。すずめは、屋根の隙間やパイプの中といった
見えない場所に巣をつくります。ちょっとのぞいてみたい気も
しますが、それには高い脚立なんかが必要です。それにのぞかれる
すずめもびっくりしてしまいますね。この絵本では、巣の中の
様子も描かれています。“ちょっとのぞいてみたいきもち”も
満たされるくらいにリアルです。卵から生まれたばかりのすずめは
ちょっと奇妙でちょっと不気味な感じもするのですが、リアルで
ありつつ柔らかな描き方なので、抵抗なく受け入れられると
思います。このさじ加減が、絵を描く人の腕の見せ所ですね。

 かがくのともは、
「この世界のすばらしさを知り、探求する力をそだてる」という
テーマを掲げています。世界は“知る”ことでどんどん広がって
いきます。そして“知る”事の先にはさらに豊かで奥深い領域が
あります。かがくのともが内包しているテーマは、子どもたちが
この先生きていくための大事な智恵になることでしょう。

◎子どもの反応
 卵の色の違いを発見したり、ひなの目の大きさに驚いたり、
1ページごとにいろんなことを言いながら読みました。ひなの
鳴き声が「しゃりしゃり」というのはまだうまく鳴けないん
じゃないかという考察をしていました。

◎読み手の感想
 「すずめはかわいい」子どものころから、庭先のすずめたちを
見ながら思っていました。世の中には、すずめだけを撮った写真集
なんかもあって、ひそかに愛好している方々の多い鳥みたいです。
地味と言えば地味な色合いですが、よく見ると結構美しい配色です。
鳴き声も大きすぎず、穏やかな日常のBGMとしてもぴったり。

 日本人が思い浮かべる鳥というアンケートがあったとしたら、
多分カラス、すずめは上位にランクインするのではないでしょうか。
昔話にも、俳句にもすずめは登場しますね。それくらい身近で、
愛着のある存在だったのでしょう。時代とともに、風景は激変して
いっています。おそらく生態系はここ最近だけでも様変わりして
しまったのではないでしょうか。そんな中でも、すずめは人の
近くで生きる場所や術をもち、減ったとは言え、まだしょっちゅう
見かけることができます。すずめの生きる隙間のある社会を
これからも続けていきたいですね。そして、もうすこしその隙間を
広げていきたいなと、ひそかに、でもこころから思っております。




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