5月号

 えほんおじさんです。

 今月号は「乗り物絵本(年少版」に、ファンタジー絵本。
どちらも子どもたちの成長に、この時期(5月)にふさわしい
絵本です。
 とりわけ年長さんにとってはこれから本格化する「物語絵本」
への導入としてふさわしい絵本だと思います。


 それでは、今日もごゆっくりお楽しみください。

◆年少版こどものとも 2018年5月号
「なんのくるまにのるのかな」小輪瀬護安/さく


◎作者紹介
小輪瀬護安 1976年埼玉県生まれ。
東北芸術工科大学芸術学部洋画コース卒業。
イタリア・ボローニャ絵本原画展入選。
絵本に
「エスカレーターとエレベーター」
「まえうしろどんなくるま?1 どうろこうじのくるま」など

◎ストーリー紹介
 宅配便のおねえさん、何の車にのるのかな?
清掃作業員さんは何の車に、それから警察官は、
何の車にのるのかな?

◎絵本の特徴
 美しい色合いの、洗練された乗り物絵本!
 作者の小輪瀬さんは、去年のかがくのとも
「エスカレーターとエレベーター」の作者でもいらっしゃいます。
斬新な切り口で描かれた美しい絵を、覚えていらっしゃる方も
いるのではないでしょうか?
 リアルでありながら、どこか無機質。でも決して冷たくはない。
少し別の次元に連れ去られるような感覚の付きまとう不思議な
絵です。乗り物の絵本は世の中に星の数ほど存在していますが、
その中でも異彩を放つ作品だと私は思います。それは作者の、
この世界との距離感や接点の独特さが際立っているからかも
しれません。
 この絵本に触れる子どもたちは、その視点を自分のものとし、
新たな視野を手に入れることでしょう。
「また乗り物の絵本か」ということなかれ。
そこにはいろいろな切り口のものがあり、
多様性に満ちた面白い世界が待っています。

◎子どもの反応
 クイズ形式でやりとりしながら読みました。
人と車のイメージがつながっていたりつながって
いなかったりして面白かったです。

◎読み手の感想
 私は、日本の色使いがあまり好きではありません。
ガチャガチャとうるさい看板の色合い、面白みのないグレーの
建物や、車を彩るべたっとした配色。でも、この絵本の作者の
方が切り取る日本の色は全然違います。そっくりに描かれて
いるのに、全然違うしむしろ美しい。こういう風に見ると日本の
色使いもそんなに捨てたもんじゃないじゃんとすら思います。
時々、海外の写真家の方が切り取る日本の街の風景にはっとする
ような感覚で、この絵本をよみました。
 否定ばかりしていると、そのフィルターがかかってしまって
見えなくなるものが確実にあります。特に歳を重ねれば重ねるだけ、
そのフィルターはますます曇って見えにくくなり、もうほとんど
脳内のイメージの世界と化します。もうそうなると目で見ている
ようで見ていないんですね。思い込みっておそろしいものです。
そんな思い込みフィルターを取っ払うような絵本でした。


◆こどものとも 2018年5月号
「たんぽぽのまほう」河本祥子/作


◎作者紹介
河本祥子 東京都生まれ。
女子美術大学卒業後、ロサンゼルスのアート・センター・スクール
に留学。ルース・エインズワースの作品を訳して絵を付けた童話に
「雪だるまのひみつ」「ようせいのゆりかご」。
絵本に「しおちゃんとこしょうちゃん」「マフィンおばさんのぱんや」
「りすのクラッカー」など。
また童話作品に「ごきげんいかが がちょうおくさん」がある。

◎ストーリー紹介
 くうは、のうさぎの男の子。ある日、おかあさんがクッキーを
やいたので、おばあちゃんのうちにとどけにいきます。たんぽぽが
いっぱいの道を元気に歩きながら、くうはわたげをいっぽん、
ふーっとふいてみました。まもなくおばあちゃんのうちについたくう。
おばあちゃんはくうが手にもったわたげにきづいていいます。

「きょうはたんぽぽびよりだ。
 こんなひにはたんぽぽのまほうがおきるかもしれないよ」

くうはおばあちゃんがいったとおりにわたげを両手にいっぱい集めて、
「ふーっ」と吹いてみました。すると、ふしぎふしぎ。くうの体が
わたげといっしょにふわりとうかんだのです…。

◎絵本の特徴
 春の野原や道端で、たんぽぽがさいています。
綿毛を見つけると子どもたちは嬉しそうにその綿毛を摘み取り、
ふーっとふきますね。綿毛はふわふわと、広い空をどこまでも
どこまでも飛んでいきます。空を飛ぶそんな綿毛を見て、子ども
たちの心はいっしょに飛んで行っているのかもしれません。
 5月号の「こどものとも」は、のうさぎのくうが、たんぽぽの
まほうで大冒険をするファンタジー作品です。

 明るい色使いと、子どもたちの想像力が自由に行き来できる
余白の多い絵。絵の感じは、どこか「ぐりとぐら」を彷彿と
させます。柔軟で楽しく、包容力のある絵です。細部まで細かく
描かれた絵の中に没入する楽しみを持つ絵本もあります。
この絵本の絵はその逆です。子どもたちのイメージを掻き立て、
その力と一緒に壮大な世界観を作り出します。もちろんどちらの
タイプの絵の絵本も素晴らしい作品がたくさんあります。しかし、
絵がシンプルであればあるほど、微妙な匙加減が難しいように
思います。洗練されたデザインのような絵は絵本の絵としては
適さなかったりすることを見てもお分かりになると思います。
作者の河本さんはたぐいまれなるセンスとバランス感覚の持ち主
であると、私は思います。そして豊かで奥行きのある心を
持たれている方なのでしょう。

 物語のほうも王道の「行きて帰りし物語」の物語構造の中で、
子どもの心の成長もしっかりと描かれています。安定感のある
良心的な作品。子どもたちがなんども手に取る作品になること
と思います。

◎子どもの反応
 静かに黙って聞いていました。
特に大きな反応や感想はありませんでしたが、そういう絵本は
多々あります。そういう絵本を本棚に置いておくと、不思議と
また読んで、と持ってくることも多いです。これからが楽しみな
絵本ですね。


◎読み手の感想
 こころがふわっと軽くなるような作品でした。
たんぽぽの綿毛といっしょに私の心も浮かんだのでしょうか。
河本祥子さんの以前の絵本、「しおちゃんとこしょうちゃん」の
時の絵も素敵でしたが、今回の絵本もいいですね。
 どこが好きかというと、絵や文章に「我の強さ」があまりない
ところです。もちろん個性はあるのですが、その個性を超越した
無名性のようなものを私は感じます。私たちの中に普遍的にある
明るいイメージのようなものの具現化とでもいいましょうか。
それは「ぐりとぐら」にも同じようなことを感じます。
 どちらにしろ私がいいとか悪いとか評価するような対象ではない
作品ですね。こういう作品が後世に残っていくといいなあ、
と思います。




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