9月号紹介

 えほんおじさんです。

 今週に紹介するのはちょっと早いけれど、9月号紹介です。

 「こどものとも」はイランの昔話。
 世界中に昔話のない地域はないことは知っていましたが、
日本に「イラン」の昔話が紹介されたのは非常に珍しいこと
ではないかと思いました。しかも、その内容が昔話としては
世界中どこにでもある昔話です。子どもを望んでいても授から
なかった夫婦にささやかな子が生まれ、その子が偉大なことを
成し遂げるというお話。

 もう一冊は、「おしりじまん」という絵本。
 動物ならば同じ体の部位を持ちますが、その同じ部位(この絵本
では「お尻」)は動物によってみんな違っている、そのことを
あらためてしっかり見せてくれます。そうすると当たり前のこと
なのに目をみはることになりますね。


 それでは、今日もごゆっくりお楽しみください。

◆こどものとも 2018年9月号
「ノホディとかいぶつ イランの昔話」 愛甲恵子/再話
 モハンマディ・ナルゲス/絵

◎再話者紹介
 愛甲恵子 東京外語大学大学院修士課程修了後、
10か月のイラン留学を経て、2004年よりサラーム・サラームという
ユニットを組んで、イランの絵本やイラストレーターを紹介する
展覧会などを開催している。訳書に「フルーツちゃん!」
「ごきぶりねえさんどこいくの?」など。

◎画家紹介
 ナルゲス・モハンマディ 2006年よりイラストレーションの仕事
をはじめ、これまでに20冊以上の絵本の絵を手がける。ボローニャ
国際絵本原画展や、野間国際絵本原画コンクールなど入賞多数。

◎ストーリー紹介
 むかし、あるところになかのよい夫婦がくらしていました。
ふたりは幸せでしたが、子どもがいませんでした。
「豆つぶぐらい小さくいてもいいから、子どもがほしい」
といつも願っていました。ある日、おかみさんはノホドまめの
スープをつくっていました。すると、鍋から豆がひとつこぼれおち、
おちたとたんに女の子になりました。おかみさんはおんなのこに
ノホディというなまえをつけました。

 女の子はは近所の娘たちとおちぼひろいにいきました。
もうすこし、もうすこしと遊んでいるあいだにあたりはまっくら。
そして森の奥でかいぶつにでくわしてしまいます。かいぶつは
なんとかして女の子たちを食べてしまいたいとおもいます。
でもかしこいノホディのきてんで、なかなかうまくいきません。

◎絵本の特徴
 色味を抑えた渋いピンク色の表紙には、小さな女の子がひとり。
腰に手を当てて、勇ましく、小さく立っています。後に分かること
ですが、この女の子はノホディと言って、もとは鍋からこぼれた
豆粒でした。ノホディのまえに立ちはだかるのは、きっとかいぶつの
体の一部なのかな? と思います。日本ではあまりなじみのない
イランの昔話ですが、世界中の昔話にはどこか共通する部分がある
なあ、と思わされます。「小さいものが知恵を使って大きいものを
倒す」物語。これは主人公に差はありますが、ひとつのパターンです。

 日本の昔話だと小さな男の子が出てくる場合が多いですね。
このお話の場合は、賢い女の子です。ノホディは実に魅力的。
生き生きとお話の中を縦横無尽に駆け巡ります。おかあさんも
思いがけなく授かったノホディを心から愛していることが、
物語のすみずみから伝わってきます。この、愛されてて満たされて
いる感じは子どもたちに充足感や満足感を与えることと思います。
お母さんに愛されているから、怖い怪物にも怖気づくことなく
堂々と立ち向かっていけるのでしょう。日本の昔話よりも、
家族というものの量感が大きいように思いました。怪物と対峙する
ノホディの代わりにヤギが殺されてしまう場面などは残酷に思われる
方もいるかもしれません。でも、この残酷さは昔話に一般的な
神話的象徴言語で描かれる残酷さであり、子供の成長にとって
むしろ必要な残酷さですね。
 そして、この絵本、絵がとにかく素敵です。色味を抑えた渋い
ピンクにブルーがかったグレー。たくさんの色を使わないことで
かえって想像が膨らみます。登場人物の表情を描く線もシンプル
ながら的確です。画面の配置も工夫に富んでいて、本物の花、
葉っぱなどがエッセンスとして使われているのにもぐっときます。
ページをめくるごとにいろんな発見があり、最後まで飽きさせ
ません。痛快な気分になる一冊。ぜひ子どもたちと楽しい
ひとときをすごしてくださいね。


◎子どもの反応
 ノホディの魅力に取りつかれたように熱心に聞いていました。
お話の臨場感に合わせて、驚いたり、笑ったり。
楽しい読み聞かせの時間でした。

◎読み手の感想
 色がいいですね! この絵本で使われている色味がすごく
好きです。以前ボローニャ絵本原画展を見に行った時、こういう
色味の絵本が多かったように思います。最近の流行りと言えば
流行りなのかもしれません。明快な色よりもすこしくすんだ色
のほうに魅力を感じてしまうのは、私たちの世代が見てきた色
への感覚なのかもしれませんね。でも、世の中にはくすんだ色
よりもぱきっとした色のほうが多くあふれていますが。趣味嗜好も
多様化してきて、いろんな色に対する感覚を持つ人の作品を見る
ことができるのは幸せなことなのでしょう。色の感覚、画面の感覚、
色々なものを目にしてその情報を集積していく次世代の子どもたち
が生み出す作品はどんなものになるのか、今から楽しみです。

◆ちいさなかがくのとも 2018年9月号
「おしりじまん」齋藤槙/さく


◎作者紹介
齋藤槙 1981年、東京都生まれ。武蔵野美術大学日本画学科卒業。
絵本に傑作「ぺんぎんたいそう」、先月号のかがくのとも
「すいぞくかんの おいしゃさん」、「さくよさくよ」
「ちいさなうみのかくれんぼ」「ながーい はなで なにするの?」
「虹色いきもの図鑑」などがある。

◎ストーリー紹介
 後ろをむいたうさぎさん
「わたしの おしり まんまるおしり
 まあるいおしり かわいいでしょう」

そこへあらわれたのは、かばさん
「ぼくのおしりも まあるい おしり それにすごーく おおきいよ」

ぞうさん、とらさん、しまうまさん。
きりんさんのおしりに、マンドリルさんのおしり。
みんなみんなすてきなおしり!

◎絵本の特徴
 齋藤槙さんは、今を時めく作家さんの一人です。
「ぺんぎんたいそう」のかわいらしいペンギンにこころを奪われた
方も多いはず。齋藤さんのすばらしさは色々とありますが、
私はまずその筆致の丁寧さと美しい色使いについて語りたくなります。

 動物のお尻って、よく見ると美しい部分ばかりではありません。
特にカバや、ゾウのお尻。パッとみてみんなが口をそろえてきれいだね!
 というような色ではないですよね。
でも、斎藤さんはその内側からにじみ出る美しい色を発見しています。
ゾウはあんまりきれいな色じゃないから嘘っぽい水色で塗って
しまおう! というような、安易なことはされません。
あくまでもリアルの中ににじみ出てくる色の中から美しい色を
チョイスされています。観察眼と愛情のなせる業なのでしょうね。
リアルを追及すると、不気味につながっていくのですが、ギリギリの
ところで回避するそのセンスに毎回脱帽です。この絵本を読めば、
動物のお尻が好きになり、もっと見ていたくなることでしょう。

◎子どもの反応
 おしりの当てっこをしながら読みました。読み終わった後、
二人の息子たちは自分のお尻を出してみせ、お尻自慢を
していました。

◎読み手の感想
 わが子たちはおしりをよくだして見せてきます。おしりって
何とも言えない面白さがありますね。こんな簡単な手にひっか
かってたまるか! と思いながらいつもゲラゲラと笑って
しまいます。子どもたちのおしりが丸くて柔らかそうで
白くてかわいいのももちろんありますが。
 動物たちのお尻もまた、何とも言えない味わいがありますね…。
あんまりしみじみとみることありませんが、こうやって並んで
みると壮観ですね。どのお尻も本当に素敵です。
作者の齋藤さんはきっと、動物たちお尻を心底素敵だと思って
描かれていることがひしひしと伝わってきます。心から愛する
ものに対する熱量ってこんなに伝わってくるものなんですね。




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