9月号紹介第二弾

 えほんおじさんです。


 2018年9月号紹介第二弾は、

「年少版・うえからみたり よこからみたり」
「年中版・ヤドカリだんちの おまつり」

です。

 年少版が認識絵本だとすると、年中版はファンタジー絵本です。
さて、いわゆる「自己」というものが一応形成されてくるのは
4・5歳だと思われます。でも、その枠組みは、まだまだ柔らかく
自由自在に動いていますが、人間が「言葉」を獲得していく以上、
下手をすると過剰に心を固めていくことにもなりかねません。そ
の始まりは2、3歳児で、過剰に「秩序やルール(決まり通りに
やらないと気が済まない、言い張る)」を求める傾向にもなります。

 そんな子には、「うえからみたり よこからみたり」は、
そんなにいそいで心を固めなくてもいいんだよと言ってあげるのに
ぴったりだし、心はどこにでも、例えば、海辺の「ヤドカリ団地」
のウニのツックンとツンコちゃんのところへ行って、時間を忘れた
っていいんだよと安させた方がいいと思います。それの方が心は
広く深くなるでしょうからね。


 それでは、今日もごゆっくりお楽しみください。

◆年中版こどものとも 2018年9月号
「ヤドカリだんちの おまつり」倉部今日子/作

◎作者紹介
 1959年、新潟県うまれ。デザイン事務所勤務ののち銅版画を
はじめる。絵本に「やどかりだんちのなみでんしゃ」
「えのでんたんころ」などがある。

◎ストーリー紹介
 ここは海街どんぶら海岸のやどかり団地です。つっくんと
つんこちゃんは、あかやどかり団地にすむウニの兄弟です。
ある日、あおやどかり団地に住むさざえくんがもってきたのは
お祭りのお知らせ。つっくんと、サザエくんはいっしょに盆踊り
太鼓の練習をする約束をしました。さて、お祭りの日。広場には
たくさんの屋台がならんでいます。そしていよいよ盆踊りの時間
です。みんなが大波音頭をおどりはじめたとき、台風おじさんが
やってきて大暴れ。

◎絵本の特徴
 前作の「やどかりだんちのなみでんしゃ」から5年。ウニの
きょうだい、つっくんとつんこちゃんと海の仲間たちがまた
帰ってきました。主人公がウニというのはなかなか珍しいです。
可愛らしく擬人化されたウニの兄弟は、やどかりだんちで穏やかな
生活を送っているようです。壁には月のカレンダー。
潮の満ち引きが生活に密着している様子がみてとれます。
 絵本に描かれているのは、うみまちのお祭りです。お祭りの日は
「二百十日」といって立春から数えて二百十日め。昔の人が台風の
到来に警戒しなければならない「厄日」とした日だそうです。
いまでも全国各地で風を鎮めるお祭りが行われています。
 絵本の中でも、その日に台風おじさんがやってきて大暴れ。
根拠に基づいたお話の骨格が、物語に奥行きをあたえています。
以前の「やどかりだんちのなみでんしゃ」のときもそうでしたが、
細かく描かれたお店の様子なんかも、実に魅力的。海藻だんご屋
さんやシマダイのヨーヨー屋さんなど、子どもたちは、きっと
いろんな発見をしながら、自分がお祭りに参加しているような
気持になることでしょう。

◎子どもの反応
 夏休みで息子のお友達が遊びに来ていたので、4人の子どもたちに
読みました。台風おじさんがでてくると歓声があがっていました。
にぎやかな読み聞かせになって楽しかったです。

◎読み手の感想
 前作、「やどかりだんちのなみでんしゃ」は、子どもたちに
何度も読んだ絵本です。
海が好きな上の子のおきにいりでした。あの絵本からもう五年にも
なるんですね。すっかり大きくなった息子に、いまでも読んでやる
ことがあります。画面の中に細かく描かれたお店に、何が売って
いるのかとか、どれがほしいか、とかいろいろ話したなあ…。
実を言うと、私のほうは最初読んだときいまいちピンと来なかった
絵本なのですが、子どもに何度も読んでいるうちに、その面白さが
少しづつわかってきました。
 この絵本でもこまごまと描かれているシーンと、台風おじさんが
暴れる迫力のあるシーンとのコントラストが子どもを惹きつけるん
だろうなあ、と思いました。つっくんとつんこちゃんのキャラクタ
のいい意味での雑さも感情移入しやすい一因かもしれません。
緻密なのにどこかスキのある絵。その隙間から子どもたちは絵本の
中に入っていくんでしょうね。完璧になりすぎないことも、絵本の
絵に於いて重要な要素なのでしょう。

◆年少版こどものとも 2018年9月号
「うえからみたり よこからみたり」麻生知子/作

◎作者紹介
 1982年、埼玉県生まれ。
これまで全国17か所で旅と展覧会をしてきた。絵本は本作が初めて。

◎ストーリー紹介
 上から見るとなんだろう 横から見るとアイスクリーム 
 上から見るとなんだろう 横から見ると朝顔
 横から見るとなんだろう 上から見ると目玉焼き
 そして……
 上から見たり 横から見たり

◎絵本の特徴
 視点を変えていろんなものを見てみると、あら不思議。見慣れた
もののはずなのに全然違って見えることがよくあります。例えば
絵本にも出てきた目玉焼き。目玉焼きを横から見ることなんて
めったにありません。
「目玉焼き=上から見た目玉焼き」のイメージがいつのころか刷り
込まれていて、固定化されていいることに気づかされます。
こういう事例はきっとほかにもたくさんあるはずで、こういう
固定化が頭の固さだったりちょっと言い過ぎかもしれませんが
差別なんかにもつながっていくんじゃないかと思います。

 まだ頭の柔らかい子どもたちには、いろんな視点があるんだ、
ということを感じておいてもらいたい。大人として、あの手この手で
伝えておかなければならないことのひとつだと強めに思っています。
 そのいりぐちとして絵本は最適です。いままでも同じようなテーマ
の絵本はたくさん出ていますが、この絵本もぜひ読んでいただきたい。
独特の質感のある絵は美しく、対象との距離の取り方もちょうどいい。
 作家さんはまだお若い方なので、現代的な距離感なのだろうと
想像します。最近の絵本に増えてきましたね。
時代のセンスというのは面白いです。

◎子どもの反応
 大きい子ですが、みんなであてっこしながら読みました。
わかりやすい当てっこでも、当たるとうれしいみたいです。

◎読み手の感想
 美大の受験のために毎日デッサンを描いていたころ、座る席に
よってものの見え方が全然違うことに苦しめられました。特に箱の
ようなもののばあい、真正面に座ってしまうと立体感が全くでない。
でもデッサンのクラスに遅刻して行ったりすると、真正面しか席が
空いてないんですね。クラスが終わって、全員の絵を並べてみた
ときに、いろんな角度から描かれた対象物を見て、その表情の
豊かさに驚かされたものです。わたしのすぐ後ろとかで描いていた
人のデッサンが同じような角度にも関わらずすごく魅力的だったり
して、実力の違いを感じたりもしました。要はどういう視点を
もって対象物と向かい合うかということが大切なんだろう、と
今では思うことができます。そんなことを思い出しながら、
しみじみ読みました。




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