11月号紹介3

 えほんおじさんです。

 今週紹介するのは、
●0・1・2 こどものとも 2018年11月号「ひっぱれば」と、
●年中版 こどものとも 2018年11月号「ゆかしたの ワニ」です。

 「ひっぱれば」は赤ちゃん絵本で、赤ちゃんの日常を描いた
「生活絵本」です。小さな子はなんでもすぐに遊びに変えることが
できます。何かわからないけど、ちょっとだけ見えているものを、
「そーっと そーっと」 引っ張ってみました。
するとそれは…でした。それではこれは何かな? という具合に
次から次に赤ちゃんは引っ張ってみます。好奇心旺盛ですね。

 3、4歳の子には、やはり「ファンタジー絵本」が必要ですが、
この「ゆかしたの ワニ」は少し変。いきなりファンタジーの世界へ、
考えている暇はありません。そうでありながら、「ぼく」は淡々と
毎日同じ日常を繰り返します。床下にいるワニの歯磨きをするのです。
そうした日常には何も起こらないかというと、何しろ「ワニ」の
歯磨きという、ワニの口の中に入ってする歯磨きですから、
危険極まりない習慣。それが終わると「ぼく」は、ぼくの歯を
磨いてすやすや眠るのです。


 それでは、今日もごゆっくりお楽しみください。

◆0・1・2 こどものとも 2018年11月号
「ひっぱれば」長野ヒデ子/さく


◎作者紹介
 長野ヒデ子 1941年、今治市生まれ。絵本に
「とうさんかあさん」「にんじんさんとじゃかじゃかじゃん」
「くまさんはい」「だっこし〜て だっこし〜て」「まなちゃんのいす」
などがある。

◎ストーリー紹介
 ちょっとだけ見えるしっぽを、
「そーっと そーっと ひっぱれば……」ねこちゃんがでてきたよ!
次に、画面の端に見えているものを「そーっと そーっと ひっぱれば……」
おじいちゃん!!

 ひっぱれば、でてくる でてくる 次はなにかな?


◎絵本の特徴
 あてっこしながら遊べるたのしいあかちゃん絵本。作者は力強さと
やわらかさやおおらかさを併せ持った絵を描かれる長野ヒデ子さん。
 真っ白の画面(余白・背景)の中に生き生きとした笑顔の女の子。
あえて白い画面(余白・背景)にすることで、いま女の子が何を
しようとしているのか、が明確に伝わってきます。そして、今から
何が起こるのか、無限の可能性が画面いっぱいに広がります。
 画面の端に見えているものを、引っ張って出てきたのは…
ねこちゃん、おじいちゃん、おねえちゃん…。引っ張られて
ちょっと迷惑そうにしているみんなと、ものすごくうれしそうな
女の子。でも、最後に出てくるお母さんは「きたな〜」という表情。
どんなことでも遊びに変えていく子どもの日常風景です。
この絵本はお孫さんとの暮らしの中から着想を得られたそうです。
深い愛情をもって子どもたちを見つめるまなざしを感じます。

◎子どもの反応
 あてっこしながらあそびました。
おじいちゃんのヒゲが一番意外だったみたいで喜んでいました。

◎読み手の感想
 上の子も下の子も、わたしの服をよく引っ張りました。
ひっぱれば、わたしが出てくるのが楽しかったのかもしれません。
「いないいないばあ」を子どもたちが喜ぶのは、期待通りのことが
起こる楽しさがあるという説がありますが、この絵本の
「ひっぱれば遊び」にも共通する楽しさがあるのだろうと想像します。
 私はと言えば、この絵本に出てくるお母さんのようにはなれなくて、
どちらかというとおねえちゃんのような迷惑顔。でも、子どもたちは
きゃっきゃと喜んでいました。今でも時々服を引っ張られますが、
あのころとは違ってはぐれないようにするとか、何か発見してみて
ほしいときとか、ちょっと目的は違っています。引っ張るという
ことを、そのままに楽しめるのは短い時間なのかもしれませんね。


◆年中版 こどものとも 2018年11月号
「ゆかしたの ワニ」ねじめ正一/文 コマツシンヤ/絵


◎作者紹介
ねじめ正一 1948年、東京都生まれ。詩集「ふ」でH氏賞。
小説「高円寺純情商店街」で直木賞。童話「そらとぶこくばん」、
絵本に「ずんずんばたばたおるすばん」「はなくんくん」
「いっぱいいもうと」「ほんやのおじさん」
「あーちゃんちはパンやさん」などがある。

◎画家紹介
 コマツシンヤ 1982年高知県生まれ。マンガ家、イラストレーター。
2004年に第6回アックスマンガ新人賞・本秀康個人賞を受賞。
童話に「デタラメ研究所」「カタツムリ、小笠原へ」
「脱走ペンギンを追いかけて」

◎ストーリー紹介
 僕んちの床下にはワニがいて、僕は夜になると七つ道具の入った
袋を腰からぶらさげてワニのハミガキをするために床下へでかけ
ます。懐中電灯で ワニの口の中をてらし歯と歯のあいだに
つまったぼさのさした鶏肉の筋をほじくりだしたり ながい
ハブラシで上の歯をごしごし下の歯をごしごし。 

◎絵本の特徴
 福音館の絵本ではおなじみのねじめ正一さんの文章。独特の
節回しと、一続きの長い文章が特徴的です。男の子が、床下に
住むワニのハミガキをする。それだけと言えばそれだけのお話
なのですが、なんとも不思議なシチュエーションですね。
ねじめさんの物語世界では、唐突で異常に思えるような出来事が、
あっさりした言葉でいとも簡単に書かれていて、そこに疑問を思う
暇もなくその世界の中にほうりこまれます。
 ほうりこまれた世界には、日常があります。主人公たちは、
その日常を生きている。主人公の主観におけるリアリティが、
物語の構造になっています。他人の付け入るスキがないほどに、
明確な目的をもってその世界を生きる主人公たちは、こどもの
日常と似ているのかもしれません。
 絵を描かれたのは、コマツシンヤさん。抑えた色味と、精密で
可愛らしい絵が素敵です。絵の隅々までこまごまと描かれていて、
ページごとにいろんな発見があります。デザイン性の高い絵ワニの
口の中は迫力がありますが、それを磨く男の子は、どこか飄々と
して見えるので、そのコントラストがこの二人の関係性を表して
いるのかな、と思いました。

◎子どもの反応
 興味深そうに聞いていました。上の子はなんで床下が
川なのかとしきりに気にしていました。

◎読み手の感想
 ねじめさんは、いろんな方と絵本を書かれています。
今回の絵の方は、ちょっと意外でした。でも、ねじめ節とも
いえる独特の節回しのある文章と、このちょっと対象から
距離感のある絵との組み合わせは悪くないな、と思います。
 いつもは文章に絵が引っ張られているのに、この絵本では
絵が文章をひっぱっている感じがします。ねじめさんの文章は
一人称が多いので、主人公主体で描いてしまうとなんだか
独善的で押しつけがましい感じがしてしまうのですが、
コマツさんの絵は主人公を含む世界を描いているので
逃げ場所がたくさんあるんですね。むしろこの組み合わせ
だといつもは少し苦手なねじめさんの絵本もすんなりと読めて、
ねじめさんの面白い世界観の核心にも近づくことができて
良かったです。




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