12月号の紹介

 えほんおじさんです。

 今週は、

●「よるはおやすみ(こどものとも12月号)」と、
●「ひらいてみると(ちいさなかがくのとも12月号)」
の2冊を紹介します。

 それにしてもはや12月号の紹介。とってもとっても1年は早いです。
ということは、また歳をとったことになります。本当にこれは
想定外のこと、驚きです。

 それでは、今日もごゆっくりお楽しみください。


◆こどものとも 2018年12月号
「よるはおやすみ」はっとりさちえ/さく

◎作者紹介
 はっとりさちえ 1988年鹿児島生まれ。画家。
2018年フランスの出版社より「L'INFINVOYAGE」を刊行。
日本では、この作品が初めての出版。

◎ストーリー紹介

 お母さんがいいました。
「みんなにおやすみをいってからねましょうね。」
女の子はききます。「みんなってみんな?」
「そうよ。おとうさんおにいちゃんたち、みーんなによ」
と、お母さん。
 女の子はまず、お父さんとお兄ちゃんたち、そして小鳥に
「おやすみなさい」をいいます。それから窓からぬけだして…。

◎絵本の特徴
 「よるはおやすみ(こどものとも12月号)」は、少し昔の、
美しい外国の絵本を思わせます。あるいは大正や昭和初期のレトロ
モダンのころのイラストでしょうか。そしてそこに現代的な線や色の
感覚が合わさってなんとも素敵でおしゃれな一冊になっています。
この絵の虜になる方はたくさんいらっしゃることでしょう。

 子どもたちが着ている服の形や柄、壁紙の模様、細部に至るまで
緻密で鮮やかで、飽きることなく眺めていることができます。
 もちろん絵だけではなく、主人公の女の子が、家族に「おやすみ」
を言ったあと、窓から抜け出してまちのみんなに「おやすみなさい」
というと、まちのみんなもついてきて、噴水や橋、それからみんなで
ボートにのって、海のむこうのジャングルにも「おやすみなさい」を
言う…という絵本としての展開も見事です。
 川の小さな支流が集まって、大きな流れを作って海へ、みたいな
スピード感やスケールの大きさ。まどろみの中で聞いているような
柔らかい言葉と相まって、壮大な夢の入り口にいざなわれます。

◎子どもの反応
 絵の中にいろんなものを発見して楽しんでいました。
空を飛んで、星に乗るというところが気に入ったみたいです。

◎読み手の感想
 幼いころ、きれいな子どもたちがたくさん描かれている外国の
絵本が好きでした。色が白く、ほっぺたやくちびるが赤く、素敵な
洋服を着ている子どもたち。憧れて、憧れて、飽きることなく、
絵を眺め、お話をたどりました。外国の絵本はキリスト教の色が強く、
「良いこども」というものを描き出すことに長けていたのだろうと
今では思います。神様が見守ってくれる柔らかで暖かな世界に住む
「正しい子どもたち」。この絵本の世界の子どもたちも、そういう
世界の子どもたちに見えます。私は残念ながら大人になってしまい
ました。大人としてこの絵本を眺めると、その「正しさ」に少し
胸が痛みます。私は、もはやこの世界の住人にはなれないことを
身をもって知ってしまったからでしょうか。この絵本の子どもは、
記号化されすぎているように思えます。

 でも一方で、「正しさ」や「美しさ」をシャワーのように浴びて、
心の中にそういうものが詰まった箱を作った幼いころがあったから
こそ、そこから出て広い世界を見ることや、受け入れることが
できるようになったのかもしれません。
 幼いころの気持ちのままで、この絵本を楽しむことはできな
かったけれど、自分の中にしまっておいた箱をのぞいて、
懐かしいような愛おしいような気持ちになりました。

◆ちいさなかがくのとも 2018年12月号
「ひらいてみると」福知伸夫/さく

◎作者紹介
福知伸夫 1968年、東京都生まれ。武蔵野美術大学版画科卒業。
絵本に「とってください」「こちょこちょ」「ぱかぱか」
「ひとつひまわり」などがある。
エッセイには「なにしてあそぶ? 福知さんちの親子あそび日記」
がある。

◎ストーリー紹介
 紙をはんぶんにおります。それから紙をひらいて赤いえのぐを
ちょん、とのせます。もういちど紙をおって、上から「ぎゅーっ」
とおさえ、紙を「そーっ」とひらいてみると…ほらみて!あかい
まるがふたつになった!
今度はえのぐをぐるぐるぐる。おっておさえてひらいてみると…。

◎絵本の特徴
 楽しい色遊びの絵本です。この絵本に出てくる技法は
「デカルコマニー」という美術表現のひとつです。
デカルコマニーはフランス語で日本語の意味は「転写法」。
詳しくは、おりこみふろくのほうに書いてあるので、そちらも
参考になさってください。
 やり方はとてもかんたん。材料は紙と絵の具だけです。
絵の具はチューブから直接出して紙の上にのせればいいので、
筆もいりません。半分に折った紙の片方にのせた絵の具を、
反対側の紙に転写する。そうすると、同じ絵が二つできます。
 それだけでも十分楽しいのですが、もっと発展させてみます。
形を変えてみたり、色をまぜてみたり…。絵はどんどん複雑になり、
不思議で美しい模様ができます。
 子どもたちはきっと夢中になって遊ぶでしょう。偶然が生み出した
模様の中に、なにか意味のあるものを発見するかもしれません。
そこからお話が生まれるかもしれません。偶然や、無意識の中には、
あらゆる可能性が埋もれています。それを探す宝探しのような遊び
とも言えます。
 この絵本に出てくる作例も面白いので、まねしてみるのも
ありですよ。(おりこみふろくにも作例あり)

◎子どもの反応
 いつやってみる?と言いながら読みました。
絵本を読んでいると、やってみたいことがいっぱいです。

◎読み手の感想
 絵を描く、というと何か形のあるものをその形の通りに描かな
ければならない、という思い込みがありませんか? それは、
日本の教育の弊害のひとつだと私は思っています。
 絵を描く、ということは素材を楽しむことであったり、色を
楽しむことであったり、偶然がもたらす驚きに感動する、
であったり、色々な楽しみ方や方法があります。形を的確に
とらえることのできる能力を持つ人だけが、絵を楽しむ人である、
というのでは、せっかく絵を描く時間を与えられても苦痛でしか
ないですよね。
 歌を歌うことが、たとえカラオケで歌う自己満足の歌であった
としても人生に彩りを与えるように、絵を描くことも人生に彩り
を与えます。幼いころから、色々な技法に触れ、その中で自分に
向いている技法に出会う、ということも美術教育の中に取り入れて
いってほしいものだと常々感じています。
 今回の絵本はそういう意味でも素晴らしい。やり方の簡単なのに、
その先に広がる奥深い世界に感動します。ぜひ広まってほしい絵本です。
 最後になりましたが、この絵本に出てくる作例はとても美しいです。
作家の福知さんのセンスが光りますね。フレッシュな絵の具を
フレッシュなままに写し取った写真家の方の技術にも脱帽です!




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