12月号紹介

 えほんおじさんです。


 今月号の「こどもの年少版」(2、3歳向きです)は、
森の奥にあった大きな布団に、まずライオンをはじめとして、
次から次へ入ってぬくぬくと寝ていくお話です。

 そして年中版向き(3、4歳むき)の「いぶくろ」は、
同じように「胃袋」にいろんな人が食べられて入っていくお話です。

 絵本の対象年齢は違っていても共通しているのは、「めくる」
たびに、袋状のものの中(お布団や胃袋)にいろんな動物や人間が
入れられていくという点です。

 つまり、お話の成り立ちは全く同じだということです。
ですから、シンプルなお話構造である「こどもの年少版」を
楽しめたお子さんは、3、4歳になって成長した心は、お話が
大きくなったり、少し複雑になった、そんな成長したお話には
慣れていて、それに入り込むことができます。


 それでは、今日もごゆっくりお楽しみください。

◆こどものとも年少版 2018年12月号
「もりのおふとん」西村敏雄/作


◎作者紹介
 西村敏雄 1964年、愛知県生まれ。東京造形大学デザイン科卒業。
 主な絵本に「もりのおふろ」「まてまてタクシー」
「さかさことばでうんどうかい」「バルバルさん」
「バルバルさん きょうは こどもデー」「どうぶつサーカス はじまるよ」
「こんにちは また おてがみです」などがある。


◎ストーリー紹介
 森の中に大きな布団がありました。ライオンがやってきました。
「あれ? こんなところにふとんがある。だれのかな…」
ライオンはふとんにはいりました。ふかふかおふとんいいきもち!
 そこへやってきたワニ。
「わたしもはいっていいですか?」「どうぞどうぞ」とライオン。
今度はブタのきょうだいたちがやってきました。おふとんにはいって
いいきもち。そしてどうぶつたちがつぎからつぎへやってきて…。


◎絵本の特徴
 あの人気作品「もりのおふろ」の続編!!
 心地良いリズムがクセになる文章と、ユーモアあふれる動物たちの
絵が印象的な、西村敏雄さんの新作です!
 気温もだんだん寒くなってきています。夜お布団に入るときが
至福の瞬間だ、というのは、きっと私だけではないだろうと思います。
肌寒い日に、目の前に広がった大きなお布団! なんてすばらしい
シチュエーションでしょうか?! 想像するだけで幸せすぎて
昇天しそうです。
 子どもたちもお布団に入るのが好きですね。誰かと一緒に入るのは
さらに好きです。お友達とお布団に入って嬉しそうにはしゃいでいる
子どもたちの姿に目を細めることがよくあります。きっとこの絵本の
動物たちもそうですね。お布団の温かさももちろん大好きだけど、
友達と共有するぬくもりがもっと嬉しいのではないでしょうか?
 そうやってはしゃいでいたら、いつのまにか寝てしまうところ
なんかも、子どもたちと同じです。
 前作の「もりのおふろ」もそうでしたが、今作も子どもたちの
遊びの時間に取り入れやすい作品です。おおきな布を用意して、
みんなを中にいれ、そのたびに「ふかふかおふとんいいきもち!」
と叫ぶと、冬の寒さも吹き飛ばせそうです。ぜひ、やってみて
くださいね。

◎子どもの反応
 お布団に入りながら読みました。
「ふかふかおふとんいいきもち」と言いながら笑いました。

◎読み手の感想
 ほんとうにめっきり寒くなりました。ちょっと前は毛布だけで
寝ていたのに、今は冬用のお布団が欠かせません。お布団って
冬の間の親友ですよね…。ストーブよりこたつより、省エネだし
あったかい。なんならお布団を着たまま外に出て、ずっと
くるまれていたいです。でも、くるまれるとすぐに眠たくなる
のが玉にキズです。
 冬眠休暇があればいいのに…とよく思います。そんな私にとって
今回の年少版「もりのおふとん」はなんとも魅惑的な作品でした。
おふろよりもおふとんが好き。
 森にあるのは、おふろよりもおふとん! というわけで、
タイトルから心を奪われてしまいました。
この絵本は、「もりのおふろ」同じに、「めくり(絵本ならでは)」
による展開がドキドキ楽しいですね。そして、その効果である
「途中でおふとんの持ち主のぞうさんが現れ、お布団をはがされた
ときには、本気で悲しくなります…。絵本の動物たちは不満そうに
文句を言っているように見えますが、私ならきっとさめざめと
泣いてしまうでしょう。でも最後にはみんなでぞうさんといっしょに
お布団で眠ったので一安心です。やっぱり冬はお布団が一番!ですよね。


◆こどものとも年中向き 2018年12月号
「いぶくろ ハンガリーの昔話」洞野 志保/再話・絵

◎作者紹介
 洞野志保 1977年、北海道生まれ。
女子美術大学芸術学部絵画科洋画専攻版画コース卒業。
2004年より、スロバキアのブラチスラバ美術大学で学ぶ。
絵本に「まるきのヤンコ」「ターニャちゃんのスカート」
「きつねどん ハンガリーの民話(ビリケン出版)」などがある。

◎ストーリー紹介
 昔あるところに、男とおかみさんと三人の娘がすんでいました。
とても貧しくて、ふとったこぶたが一頭いる他にはなにもあり
ませんでした。やがて冬がちかづくと、こぶたをソーセージや
ベーコンにして、少しづつ食べてくらしていましたが、春がくる
ころにはすっかり食べつくしてしまい、残ったのはこぶたの
「いぶくろ」の肉づめだけでした。それでおかみさんは一番
上の娘に「いぶくろ」をとってくるようにいいました。
娘が「いぶくろ」をとろうとしたそのとき、
「おいらをたべようっていうのかい? とんでもない、
 おいらがあんたを食ってやる! 」「グワッーッシュ!!」
「いぶくろ」は娘をひとのみにしてしまいました。そのあとは、
二番目の娘も、三番目の娘も、グワッーッシュ!! おかみさんも、
男もひとのみにしました。それから、重くなった「いぶくろ」は、
家から外へころがりでて…。


◎絵本の特徴
 なんとも不気味で味わい深い絵が表紙になっています。
そのインパクトに、どんな話なんだろう…と恐々ページを開いて
みます。普段はあまりなじみのないハンガリーの昔話。
読んでいくうちに、表紙の物体がブタの胃袋を干した保存食、
ということが分かります。日本ではお目にかかることがありませんね。
一体どんな味でどんな触感の食べ物なのでしょうか…? 興味を
掻き立てられます。でも、こんなお話が語り継がれるということは、
農家の屋根裏にぶらん、と揺れているブタの胃袋は、貴重な食糧で
ありながら、人々にとってどこか不気味で得体のしれないものだった
のではないでしょうか。

 そのブタの胃袋は、貧乏なおとこの家族をみんな一飲みにして
しまいます。ブタの命を奪い、食いつないでいく人間へのブタからの
復讐ともとれますね。昔話は、人々の心の中の恐怖心をかたちにした
ものも多いです。
 このお話の冒頭だけ聞いた子どもたちは、きっと親に言いつけ
られて薄暗い屋根裏にブタの胃袋を取りに行くのが怖かったこと
でしょうね…。でも、最後まで聞くと安心。人間も食べられたもの
もみんな図太くできています。ブタの胃袋の中で、自由に過ごして
います。飲み込まれたことにすら気づいていないのかもしれません。
そして、ベーコンをナイフで食べていたブタ飼いのナイフが胃袋に
ぷすりとささったとたん、パーン!と割れた胃袋の中から
飛び出して帰っていきます。ブタ飼いは決して胃袋を割ろうとして
ナイフを突き刺したのではなく、偶然ナイフが当たったのでしょう。
食べられてしまった人々を助けてあげる、みたいなヒロイズムが
全くないところが素晴らしい。
 食べられてしまった人は食べられる前とほとんど変わらないように
見えます。ちょっとブタの胃袋がかわいそうにもなりますね。
どんだけ人を飲んだって所詮ブタの胃袋だ、と言われているようで。
庶民の間に語り継がれてきた民話や昔話には、こういう力強いものが
たくさんありますね。それは人が生きてきた道筋そのものなのでしょう。
 作者の洞野さんの絵は、言葉では語りつくせない胃袋の不気味さや、
今日を生きる登場人物の心の機微まで饒舌に描きつくしています。
おかみさんのぶつぶつと文句を言っている声や、気弱な男のため
息まで聞こえてきそうです。しっかりとした線で描かれた平面的な
絵ですが、立体としての手触りを感じます。秋の夜長に、子どもたち
と語り合いながら読んでほしい絵本です。

◎子どもの反応
 神妙な顔をして聞いていました。
読み終わって「胃袋には歯がないんかなあ」と一言。

◎読み手の感想
 不気味な絵が好みです。色味を抑えて、くすんだ埃っぽい感じも
いいですね。最初、表紙を見たときはそのインパクトにのけぞり
そうになりましたが、中身を読んで安心しました。ものすごく
おそろしい話を想像していたので…。
 内容としては「おなかのかわ」と同じく、主人公(?)が目の前に
ある人をどんどん食べていくお話で、予測はつきやすいのですが、
人々を食べていくのが見たこともないブタの胃袋だというだけで
全然趣が違いますね。

 昔ハンガリーに旅したことがあります。レストランで食べられる
ものは、チーズとブタ料理とパン。とてもおいしいのですが、野菜
なんてひとかけらも出てこないので胃がものすごくもたれた記憶が
あります。でも、ブタの胃袋は食べなかったなあ…。この絵本に
出会ってから行けば、必ず挑戦したであろうと思いますが。
美味しいのでしょうか…? いろんな意味で想像力が掻き立て
られる絵本でした。




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