あずき

 えほんおじさんです。


 ハードカバーの新刊絵本「あずき」が出版されたので、
月刊12月号の紹介を一時中止して、今週はこの絵本を紹介します。

「あずき」かがくのとも絵本


読んであげるなら 4才から
自分で読むなら 小学低学年から

◇ジャンル
かがく絵本

◇シチュエーション
これって何だろうな? 絵本


 それでは、今日もごゆっくりお楽しみください。

●作者関連図書
荒井真紀さん紹介
1965年東京生まれ、16歳より熊田千佳慕氏に師事する。
自然科学専門の編集プロダクションを経て、フリーイラストレーター。
自然をテーマにした雑誌や、書籍の挿絵を描いている。
2017年ブラティスラヴァ世界絵本原画展・金のりんご賞受賞。
作品には、
「じゃがいも」かがくのとも 2017年5月号、
「あさがお」「ひまわり」(金の星社)、
「チューリップ」(小学館)がある。


◆長文紹介
 美味しそうなたい焼き。「いただきまーす」
中には美味しいあんこがいっぱい!「あんこ」の中をよく見ると、
粒があります。この粒って何んだろう?
 この粒は、「小豆(あずき)」という豆です。
あんこはこの赤い豆から作られるのです。
豆を一粒地面に蒔けば新しい小豆(あずき)を作ることができます。
この赤い豆は小豆(あずき)の種子でもあるのです。

 一粒土に蒔いてみましょう。やがて、小豆は土の中に根を伸ばし、
地面の上に芽を出します。芽が開くと「葉っぱ」になります。
それから10日ほどすると葉っぱは3枚に。さらに茎は伸びどんどん
葉っぱをつけて大きくなります。またひと月たつと、茎と茎の別れ
目の所に花芽が出てきます。花芽が膨らんで花が咲き萎むと同時に
その花の根元が伸び始めます。これが「さや」です。花は次々に
咲き、そして萎むとそのあとに「さや」ができてきます。

 さやが育つにつれて、さやはでこぼこになります。
なかの豆が大きくなっているのです。最初豆は黄色ですが、
三日ほどでオレンジ色に、10日すると、豆はあずき色になり
硬くなります。葉っぱが黄色くなったころ、さやは茶色に成ります。
さあ、いよいよ収穫です。

 一粒の豆からとれた豆を数えてみました。
さて、いくつあったでしょう。びっくりします。


 さっそくあんこを作ってみましょう。
あんこを使ったお菓子や食べ物はたくさんあります。
「おはぎ」「おしるこ」「アンパン」「だんご」「どら焼き」
「かしわもち」などなど。
それに小豆は昔から大事な行事のとき食べられてきました。
何って言ったでしょうか?


◆絵本解説
科学絵本「あずき」で大事な点は、
次にようにまとめることができます。

1)科学絵本といえども絵本ですから、絵が物語らなくては
なりません。最初のページからはみ出しそうなあんこのたい焼きが
背景は何もなしで「どん」と描かれ、めくると同じように背景なし
に、たい焼きの頭部分を切り取って、その部分を正面に、あんこの
詰まったたい焼きが見開きいっぱいに描かれています。
 それも「つぶつぶ」のあんこ。そしてその「粒はなんだと
思いますか?」と言われると、注目して何んだろうと考えざるを
得ません。絵本のその絵は何かを語り出そうとしています。


2)豆には、いろんな豆があります。
「とらまめ、だいず、らっかせい、あずき、りょくとう、ささげ、
 べにしぼりきんとき、らいまびーん、ほたかいんげん、えんどう、
 さんじゃくささげ、なたまめ、そらまめ、おおふく、さやいんげん、
 くろささげ、うずら、きんとき、しろきんとき、ふじまめ、はなまめ」
(「まめ」という絵本から引用)

「あんこは赤い豆から作られるのです」
 またこの赤い豆は、「小豆」という豆の種子でもあるのです。
そのことが、真っ白いページのまん真ん中に描かれています。
ここまで抽象され強調されるともう二度と小豆を忘れるはずは
ありません。ここから種子が土から顔を出し成長し、これも見開き
いっぱいに葉っぱを茂らせ、花を咲かせ、たくさんのさやが薮の
ようになります。続いてさやの中の変化が語られます。そして収穫。


3)収穫された小豆全てを半ページ使って、一粒ずつ描いています。
縦18個×横17個、合計306個。蒔かれた小豆は、たった一粒だった
ことを思い出します。このように描かれることによって、これが
自然(神さま)から贈与された「富」の実態であることが物語られ
ます。小豆(あずき)が、おめでたい時に使われてきたのは、豆の
多産性にあることに気づかされます。


4)小豆(あずき)の色は赤い
「昔から、あずきの豆の赤い色は、おめでたい色、とされてきました。
そのおめでたい力をもらいたいと願ってあずきを食べてきたのです」
つまり、次のような意味がありました。古代より、「赤・白」は
特異な機能を持っていました。「赤い色は悪魔の呪いを避ける最も
広範な方法の一つ」でありました。そして神社や寺の橋、お地蔵さん
の赤いよだれかけ、還暦のちゃんちゃんこ、朱肉の赤、初山参り
(おでこに赤いハンコ)などに、赤い色が使われるのは、赤が
血の色だから、注意、興奮を呼び起こし、神聖なものを祝い込める
意味があり、魔除け、疱瘡よけに力があると信じられた方でした。
他にも、赤札、赤刷りの錦絵、病人には赤い帽子や赤い足袋、
赤の他人、真っ赤なうそ、あっかんべえ(赤い舌は魔除け)など、
赤色は力があったのです。
 赤飯もその一つで、「おめでたい力」を授かろうとしたのです。
そのことが、この絵本では、真っ白いページに他の色はなく、
「あずき」だけがくっきりと描かれているのでしょう。

5)このように、絵本は「あずき」ができ、食べるまでを集中して
見つめています。科学絵本に限らず、「見つめる」ことの大事さを、
他を一切描かないことでくっきりと見せてくれています。

6)最後は、「美味しいものばかりいっぱい」描かれています。
集中することと「あれこれ」いっぱいの大事さがわかります。

豆についての余談(科学絵本「まめ」の解説より再掲)

●豆はふしぎ(余談1)
「鬼は外、福は内」という節分の豆まきに使われます。
なぜ「豆」なのでしょう?
豆は、あちらの世界とこちらの世界をつなぐものだったからです。
豆をまいて、あちらの世界の福を呼び込もういうものです。

●豆はふしぎ(余談2)
「ジャックと豆の木」では、豆の木は天までとどき、ジャックは
天まで行って、宝物をもって帰ってきます。異世界とを繋ぐ「豆」
の役割は同じです。

●豆はふしぎ(余談3)
グリムの昔話「灰かぶり」に、こんなエピソードがあります。

《…あるときのこと、王宮で、王子の花嫁をえらぶパーティが
 開かれました。そのパーティに灰かぶりも行かせて下さいと
 継母に頼みました。すると継母は、
 「ほれ、豆を一皿分灰の中にまいといた。二時間のうちに、
  元通りにすればいかしてやるよ」といいました。
 そこで灰かぶりは、庭に出て、
 「小鳥たちよ、豆を拾うの手伝っておくれ、
  いい豆は お皿のなかに、悪いのは お腹のなかに」
 といいますと、数知れない小鳥がやってきて、一時間も
 しないうちに仕事を終えました》

このエピソードに使われる「豆」「小鳥」も、灰かぶりの重要な
キーワードです。これも余談1・2と同じように「繋ぐ・結ぶ」を
象徴するキーワードです。

それでは何故、「繋ぐ・結ぶ」ものとして「豆」の役割があるのでしょうか。


1)第一にそれはタネであること。つまり「生命力」そのものだからです。

2)第二に、「豆科」の多くは、つる植物で、成長が速いことによると
考えられます。つる植物はあっというまに天にもとどかんばかりに
伸びていきますし、地を這わせるとあっというまにここではない
向こうに行ってしまうような勢いがあります。
(小豆はツル科ではありませんが、その多産性と成長が早いことで、
生命力を感じさせます。赤いという特別な力を持っています)

◆読み聞かせのポイント
 この絵本は、絵本の特別な機能「めくり」が効果的になるように、
事物の絵の大きい、小さいが計算されて配置されております、また
背景をなくして、対象物をくっきりと描いています。
ですから、「めくり」の効果をよく考えてメリハリをつけるのが
いいと思います。「またくっきり」と見せる絵は、その場面を
じっくり絵を見てもたうよう配慮が必要です。




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