2018年12月号

 えほんおじさんです。


 今月号の「かがくのとも」は、
「小さな世界で起きている出来事の大きな連鎖に驚くやら感心するやら」
「虫の世界をのぞく自分の想像を超えた宇宙的な広がりを感じて、
 心がざわざわします。このざわざわ、どう言葉にしたらいいのでしょう」
というような心の動き。

 そして今月号の「こどものとも0・1・2」の
「寒い冬にお母さんの温かい体温に包まれて眠る…」時の、
包み込まれる究極の心の安心感。

 どちらの絵本も、それぞれの年齢に絶対的に必要な絵本の
最低条件をそれぞれ見事に表現しています。


 それでは、今日もごゆっくりお楽しみください。

◆こどものとも0・1・2 2018年12月号
「ゆきがふってきたの」南塚直子/作

◎作者紹介
南塚直子 和歌山県生まれ。
ハンガリー国立美術大学で銅版画を、
京都嵯峨芸術大学陶芸科で陶板画を学ぶ。

 絵本に「うさぎのくれたバレエシューズ」「やさしいタンポポ」
「月まつりのおくりもの」など。


◎ストーリー紹介
「あれなあに?」りすの子がいいました。
「ゆき。ゆきがふってきたの。さむいからもうおやすみ」
りすのおかあさんはいいました。

「あれなあに?」きつねの子がいいました。
「ゆき。ゆきがふってきたの。さむいからもうおやすみ」
きつねのおかあさんはいいました。

 ふくろうの子、しかの子、うさぎの子。
はじめてみたゆきにおどろきながら、
「さむいからもうおやすみ」というおかあさんに、
だっこされながらねむりにつきます。


◎絵本の特徴
 やさしい言葉と、愛らしい陶板画の絵。動物の子どもたちの
初めて見る雪への無垢なまなざしが美しく、長い時間眺めて
いたくなる絵本です。
 寒くなってきましたね。そろそろ冬がやってきます。
じき、動物たちの冬眠の季節でしょうか。空から雪が落ちてくるの
を初めて見た動物の子どもたち。この絵本には、初めてその雪を
見る子どもたちの驚きと、お母さんに包まれて眠る安心が同時に
描かれていて、心まで温かくなるようです。寒い冬に温かい体温に
包まれて眠る…これほどの幸福があるでしょうか。
 この幸福があればこそ明日への希望は湧いてくるのだと思います。
静かな声でゆったりと、眠りに落ちる前のひとときに読んで
いただきたい一冊です。

◎子どもの反応
 最近「こどものとも0・1・2シリーズ」を読むと、
「赤ちゃんの絵本かあ」という我が家の子どもたちも、
この絵本にはうっとり。読んだ後抱きしめると嬉しそうに
していました。

◎読み手の感想
 陶板画ってきれいですね。微妙な凹凸や、厚みや奥行き。
しっとりとしていてちょっと冷たい感じがありながら、柔らかな
ぬくもりもある。この絵本のコンセプトにぴったりだと思いました。
デフォルメされた動物たちの表情の豊かさと愛らしさも素晴らしい。
 一枚一枚の絵を部屋に飾ったらきっと素敵ですね。絵本の印刷技術
も素晴らしく、陶板画をよく再現されていると思います。そこから
想像するに、原画の美しさは目を見張るほどでしょうね。ぜひ原画を
見てみたいです。夜の空の深い深い紺色の表現をぜひ見てみたい、
と思いました。

◆かがくのとも 2018年12月号
「なりすます むしたち」澤口たまみ/ぶん 舘野鴻/え


◎作者紹介
作者・澤口たまみ 1960年岩手県生まれ。
岩手大学農学部で応用昆虫学を専攻、修士課程修了。

絵本に「みつけたよさわったよにわのむし」「わたしのあかちゃん」
「わたしのこねこ」「いもむしってね…」「だんごむしの おうち」
「こまゆばち」などがある。

 画家・舘野鴻 1968年、熊田千佳慕に師事し、動植物の細密画を学ぶ。
絵本に「つちはんみょう」「こまゆばち」「なつの はやしの いいにおい」

◎ストーリー紹介
 林のくりの木のえだに、アリの行列ができています。
行列のさきには、たくさんのアブラムシがいました。アブラムシの
おしりからでる甘い汁は、アリの大好物。アリの行列からすこし
離れた葉っぱの上でじっとしている一匹のアリがいます。
風で葉っぱがかすかに揺れた次の瞬間。アリは急に動き出すと、
葉っぱのさきからぴょーんとおちました。よくみると、さっきまで
アリがいた葉っぱから糸がのびています。糸の先にはさっきのアリ…
いいえ、これはアリそっくりの姿をしたアリグモというクモなのです。
アリグモのほかにも、アリににたアオオビハエトリ、ほそいまつばに
にたオナガグモ、いろんな虫たちが他の虫たちになりすましています。

◎絵本の特徴
 アリグモ、というアリになりすます(擬態。擬態にはいろんな
目的があります)クモを中心に、アリグモの近くで暮らす他の虫
たちの生態を描いた絵本です。
 まず登場するのはアリグモ。我が家の庭にもいるくらいなので、
きっとそんなに珍しいクモではなく、よく見てみると発見できる
クモなのだと思います。なりすましの上手なクモで、人間がぼんやり
見ているぐらいでは、アリと見分けがつきません。アリグモは、
アブラムシを食べたい。アブラムシとアリは共生関係ですから
アブラムシに気づかれずに近づくためにはアリになりすますのは
とてもいい方法ですね。進化の過程でいつ何がどうなってそういう
ことになったのか…と考え始めると卵と鶏の話のようにちょっと
わけがわからなくなってしまいますが、結果としてはアリグモは
アリにそっくりです。

 クモの足は8本ですが、前についた2本をアリの触角のように
見せることで、さらにアリに寄せています。足の使い方まで変えて
しまうとは…。本当に不思議です。インタビューできるとしたら
どうしてそこまで? と聞いてみたいです。クモとしての
アイデンティティは糸を出すことだけにあるのでしょうか…?
 虫ってすごい…とため息が出てしまいます。

 アリグモのように、アリになりすますクモのアオオビハエトリ。
アリグモとは違う目的でアリになりすましています。
アオオビハエトリはなんとアリを食べたいのです。仲間だと思わせて、
食べてしまう。人間の世界でもこういうことは多々ありそうですが、
これもなんだか壮絶な話ですね。
 文章を書かれたのは、澤口たまみさん。他にも虫の絵本を
書かれている作家さんです。流れるようで美しい文章には、
虫たちに真摯に向かい合う生真面目な姿勢が見て取れます。
 絵を描かれたのは、舘野鴻さん。緻密で柔らかな線が美しく、
虫たちの体温やささやかな鼓動が伝わってきます。驚きの虫の生態を
心ゆくまで堪能できる絵本。いろんな発見があり子どもも大人も
一緒になって夢中になることと思います。

◎子どもの反応
 すみからすみまで絵を読んでいました。
前にアリグモを発見したときの話にもなり、盛り上がりました。

◎読み手の感想
 おとなしめの表紙からは想像もつかないスペクタクル!
 虫の世界の奥深さを堪能しました。
何気なく手に取った草の茎に、アブラムシがびっしりついていて
びっくり!ということはよくあります。でも、もっとよく見て
みると、そこにはアリがいて、アリグモがいて、アオオビハエトリ
がいて、オナガグモがいて…小さな世界で起きている出来事の
大きな連鎖に驚くやら感心するやら。虫の世界をのぞく自分の
範疇を超えた宇宙的な広がりを感じて、いつものことながら
心がざわざわします。このざわざわ、どう言葉にしたらいいの
でしょう。涙が出そうになるほどの揺さぶり。共感していただける
方がいればうれしく思います。




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