2019年2月号

 えほんおじさんです。


 今月号の「0・1・2こどものとも」と「ちいさなかがくのとも」は、
どちらも「音」が主人公。
 ボールがころころ。車がくるくる。
ゴンドラがことこと、おふねがぷかぷか。
 「0・1・2こどものとも」は乗り物たちがそんな音を立てながら
絵本の画面を回って、不思議空間を作り出します。

 他方「ちいさなかがくのとも」は、オムライスができる過程の中にあふれる
たくさんの音を描いています。
「しゃっしょっしょっしょっ、たくんたくん、ぴぴち、つぷぱっ、づあんづあん…」
「ちゅーぶつぶつぶつ、じゃうじゃうじゃう、じゅぱじゅぱ…」

 しかも、それらの音は類型的ではなく、感覚を解放してこそ聞こえる音です。


 それでは、今日もごゆっくりお楽しみください。

◆0・1・2 こどものとも 2019年2月号
「くるくる」額田宣彦/さく


◎作者紹介
 1963年、大阪府生まれ。画家。愛知県芸術大学美術学部油画専攻卒業。
同大学大学院美術研究科絵画専攻修了。
ギャルリー東京ユマニテを中心に各地のギャラリーで個展を開催。
絵本に「あつまれ〜」がある。

◎ストーリー紹介
 ボールがころころ。車がくるくる。ゴンドラがことこと。
みんな画面の中をまわります。

◎絵本の特徴
 真っ白の画面の中に描かれた、やさしい青い色のボール、
ユーモラスなかたちをした紫の車、シンプルでかわいいゴンドラ。
次のページをめくると、それらが画面のなかで回っています。
絵本の上下左右を大胆に使って画面の生かし方が面白い作品。
文字の配置にも工夫がされていて、デザイン性の豊かさを感じます。
画家さんならではの発想力と、それを形にする力。
肩の力が入りすぎていないように見える線にも親しみがわきます。

 きっとこの線にたどり着くまでの道のりにはいろいろ試行錯誤が
あったことでしょう。シンプルな作品が秘めた力強さの奥に、
作家さんの生き方や考え方が見え隠れしています。
子どもたちには、きっとそれが小さな種として植え付けられていくのだと思います。

◎子どもの反応 
 音をいっしょにつぶやきながらきいていました。

◎読み手の感想
 色とかたちが愛らしい絵本でした。
いろんなものの形を単純化するとき、その人のセンスが出てきます。
複雑に線を重ねて描きこむことは、訓練でかなりどうにでもなるのですが、
シンプルな線はどうにもなりません。
 私は数年絵を勉強してそれを痛感しています。
まあ、はっきり言って私にはどうにもセンスがない。
なんとなくセンスがあるように見せかける技術は多少身に付きましたが…。
 この絵本みたいな線を描ける作家さんをうらやましく思います。
わずか数ミリの違いが決定的に違う絵の世界。
こうやって鑑賞者として客観的にいろいろな線を見比べるのはとても面白く、
その作家さんの人となりを思い浮かべて楽しんでいます。


◆ちいさなかがくのとも 2019年2月号
「おとが あふれて オムライス」夏目義一/さく


◎作者紹介
 夏目義一 神奈川県生まれ。日本大学芸術学部卒業。
絵本に「おおきくなりたいこりすのもぐ」「ひとりになったライオン」
「ゆうぐれのさんぽ」「ピエロのあかいはな」「たんぼにできたわらのいえ」
「ゆうぐれの さんぽ」「ときが とぶ そら」「とりの こもりうた」がある。

◎ストーリー紹介
 今日のお昼ごはんはオムライス! お父さん、いっしょにつくろう!
 にんじん、ピーマン、たまねぎ、ひきにく。
ケチャップ、バター、しお、こしょう…材料をそろえてつくりはじめるよ。
お父さんと協力して、野菜の準備。

「しゃっしょっしょっしょっ、たくんたくん、ぴぴち、つぷぱっ、づあんづあん…」
次はフライパンでバターをとかして、ひきにくと切った野菜、ご飯をいためる。

「ちゅーぶつぶつぶつ、じゃうじゃうじゃう、じゅぱじゅぱ…」
いろんな美味しい音があふれてく。

◎絵本の特徴
 読むとおなかがなってくる。おいしい絵本の時間です。
表紙に描かれているのは、そう。みんなが大好きなオムライス!
 卵の黄色、ケチャップの赤、添えられたブロッコリーの緑。
 湯気やにおいを感じさせるような、出来立てのオムライスがどーん。
白い画面、白いお皿の上に載ったオムライスの存在感。
表紙を見ただけで、うれしい気持ちになってしまうような絵本です。

 この絵本は、そんなオムライスを作るときの過程の中にあふれる
たくさんの音を描いています。野菜を切るときの音、一つの野菜から、
いろんな音が聞こえてきます。面白い響きをもった音、リズム。
耳を澄ませて、聞いてみましょう。この絵本のような音に聞こえる人も、
ちょっと違って聞こえる人もいるでしょう。
料理する人が違うと音も違ってくるでしょうし、聞いている場所によっても
違う音になるかもしれません。いろんな音を発見して、
それを文字にしてみると、面白いかもしれません。
 何気なく生活していると気づかないことが多いですが、
私たちはあふれる音の中で暮らしているのですね。

 この絵本では、子どもたちが大好きなオムライスを作る過程
(切ったり、混ぜたり、炒めたり)に乗せて、あふれる音の採集をしています。
しかも、記号化された音ではなく。きちんと耳で聞いた音を再現しています。
 身近で、しかも求心力のある素材を使って、その物事の別の切り口を見せる
という鮮やかな手腕。福音館の絵本は、常にその向こうの奥深く豊かな世界
への扉になっているのだな、と改めて感じます。

◎子どもの反応
 お料理のお手伝いをするのが大好きな下の男の子が食いついてきました。
卵の飛び散りを気にしたり、ケチャップで描かれているのがハートだ、
とつぶやいたりしながら何かを考えている様子でした。
読み終わってすぐ、「あとでもう一回読んでね」と言っていました。

◎読み手の感想
 この絵本を幼稚園に持って行ったとき、職員室にいた先生たちが
みんな嬉しそうな顔をしたのがとても印象的でした。
それからオムライスを作る過程の話になり、皆さんの作り方を教えてくださったり、
この絵本で描かれている作り方をやってみたいという話になったり、
ひとしきり盛り上がりました。
 美味しいものを美味しそうに描くことは、結構難しいことだと思います。
描きすぎてもいけない。描かな過ぎてもいけない。
絶妙なバランスで紙の上に出現した見事なオムライスの求心力。
 表紙を見ただけで、こんなにも人を笑顔にし、しかも話題にもなるという絵本は
なかなかありません。それだけでもありがたいですが、内容のほうもしっかりと
リアリティを伝えていて、優れた絵本だなあ、と思いました。




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