観天望気

 えほんおじさんです。

 観天望気という、気象・天候についてのことわざがあります。

○夏の入道雲は晴れ。
○秋の夜の北風は晴れ。

 といったような、短期の身近な天候変化についての予報をいうものがほとんどです。
しかし少し以前の天気予報の確度はとても悪かったので、こっちの方が
はるかに確度は高かったのではないかと思います。

 これに似て、農作業の目安となることわざもあります。

◯秋の夕焼け鎌を研げ(秋の夕焼けは翌日晴れることが多いので、
 畑仕事ができるように鎌を研いで準備をしておく)

 そして今週の「やまのゆきみてたらね(ちいさなかがくのとも3月号)」
にあるような「あの山のてっぺんに鳥の模様が出たらタネをまく」というのがあります。
 天気予報が頼りにならない頃は、農家は気象変化を見つめ、農業技術を
「ことわざ」にまで高めて、農作業手順を決めていたのでしょうね。

 さて、皆さんの周辺に春の気配は感じられるでしょうか。
今週のもう一冊も「ひこざさんとなのはな」も春を感じさせる絵本です。

 それでは、今日もごゆっくりお楽しみください。

◆こどものとも年中版 2019年3月号
「ひこざさんとなのはな」木村 晃彦/さく


◎作者紹介
 木村 晃彦 1942年、東京都生まれ。20数年間商業デザインの仕事に従事。

絵本に「あきちゃんとかみなり」「カボチャばたけのはたねずみ」
「ひこざさんとまほうのじゃがいも」などがある。

◎ストーリー紹介
 まだ冷たい風がふくある日のこと。いのししのひこざさんは
菜の花のつぼみをみながらいいました。

「はやく春がこないかなあ、あたたかくなったら菜の花もさくのに」

すると、

「もう春はきてますよ。つぼみがおおきくふくらんで、こんなにおいしそう」

とおくさんのおみつさん。菜の花のつぼみをとってしまったらはながさかないよ、
とひこざさんはおどろきます。おみつさんは摘んだ菜の花でおひたしをつくりました。
くいしんぼうのひこざさん、気になってしかたありませんが、食べようとしません。
きれいな花がさくのにたべるなんてかわいそう、というひこざさんと、
おいしいからたべるのもすきよ、というおみつさん。
ふたりは菜の花畑を、半分にわけました。お花見用と食べるぶんです。
おみつさんは、そのばんもなのはなでお料理。ひこざさんはよだれをぬぐってこらえます。

◎絵本の特徴
 2016年の9月号にも登場した、食いしん坊のいのしし、ひこざさんが再び登場です。
前回はせっかくじゃがいもをうえたのに、ついついほりかえして食べてしまっていた
ひこざさんですが、今回はまた違うひこざさんの一面を垣間見ることができます。
 春さきのごちそう、菜の花のつぼみを“きれいなはながさくのにかわいそう”
といって食べようとしません。お料理上手のおくさんのおみつさんが、となりで
おいしそうに食べているのに。前回のひこざさんをご存じの方も多いと思いますが、
あのひこざさんが! とびっくりしてしまいますよね。
ひこざさんは食いしん坊なだけでなかったみたいです。

 菜の花は、春先の少しの期間しか食べらない食材です。
つぼみが柔らかいうちに食べないとすぐに筋っぽくなってしまいます。
春野菜はみんなそうですが、すこしの苦みと独特の風味がくせになります。
おくさんのおみつさんは、きっと大好物なのでしょうね。
毎日つんではいろんなお料理にして食べています。

 そのお料理がどれもおいしそうで、ひこざさんじゃなくてもよだれがでてきてしまいます。
作者の木村さんもきっと食いしん坊なかたなのでしょう。
食いしん坊が描く食べ物はそのボリューム感や色合いがいかにもおいしそうで、
しかも味まで想像できてしまうような描かれ方をしています。

ひこざさんやおみつさんの表情の豊かさもいいですね。
生活感にとてもリアリティがあり、自分自身がその場所で一緒に食卓を
囲んでいるかのような気持ちになります。
 ブロッコリーも花のつぼみだと知って、菜の花も食べることにしたひこざさん。
きっとおみつさんはそのためにブロッコリーを食卓に並べたのでしょうね。
前回もそうでしたが、おみつさんはひこざさんより一枚も二枚も上手です。

◎子どもの反応
 最初は「ぼくもつぼみなんて食べないよ」、と言っていましたが、
グラタンの場面になると「やっぱり食べる!」と。終始嬉しそうに聞いていました。

◎読み手の感想
 鮮烈な青さと苦み。春の野菜はどれも美味しいのですが、菜の花は格別です。
さっと湯にくぐらせて、出汁醤油とからしで合えて食べるのがわたしは好きです。
てんぷらにして食べるのも美味しいし、ベーコンと炒めたりするのもおいしいですね。
菜の花を食べる、ということを知ったのは鹿児島に住んでいた時からです。
我が家では春野菜と言えばタケノコとかフキノトウとかタラの芽でした。
そもそも菜の花を食べる習慣がなかったので、初めてその味を知った時には
そのおいしさにちょっと衝撃を受けました。
それから岡山に帰ってきても、たびたび買って食べていますが、
子どもたちは「苦い」と言ってあまり食べてくれません。
この絵本のように今年はグラタンに挑戦してみようと思います。

◆ちいさなかがくのとも 2019年3月号
「やまの ゆき みてたらね」小野寺悦子/文 城芽ハヤト/絵


◎作者紹介
・作家小野寺悦子 岩手県生まれ。詩集に「これこれおひさま」がある。
絵本には「つららがぽっとーん」「あーといってよあー」「どろん ばあ」
「さあ あてて ぼくは だれでしょう」「ゆきのひのおかいもの」
「しーっ あれは なんの おと?」「あいうえどうぶつ おやつはなあに」
「あいうえどうぶつ おしごとなあに」「もじもじこぶくん」「ぴったりこん」
などがある。

・画家城芽ハヤト 秋田県生まれ。
絵本に「つくもがみ」「うめのみとり」「かたゆき」「しー、あれはなんのおと?」
などがある。

◎ストーリー紹介
 冬の間雪でまっしろだった庭。ようやく雪がすっかりとけた。
雪がとけたからお花の種をまこうとしたら、
「まだはやいかもしれん。」とおじいちゃん。
おじいちゃんは山を指さして、
「雪がとけていってね、山のてっぺんにくろいおおきなとりのもようがでたら、
 春がきたっていうしるし」とおしえてくれました。

次の日も、その次の日も、山はまっしろ。
でも毎日みていると、ちょっとずつかわってきて…。

◎絵本の特徴
 雪解けの山。壮大な景色と、その前で繰り広げられる女の子の日々のささやかな生活。
雪国の春は、こんな風に訪れるのですね。定点観測のように同じ位置、
同じ大きさで描かれた山の日々の変化はとても分かりやすく、
どんなふうに雪が解けていくのかということがよく伝わってきます。
手前に描かれた女の子と犬からは、二人の毎日が伝わってきます。

 文章を描かれたのは月刊絵本でもおなじみの小野寺悦子さん。
かどのない語り口がどんな人の中にも、すっと入ってじんわりととどまります。
奇をてらうことのない言葉遣いで、まっすぐみつめる山は、生活の中に溶け込んだ山なのでしょう。

 絵を描かれた城芽さんも雪国の方だそうです。
重たい空の色や山の量感と、生き生きと跳ね回る女の子と子犬のコントラストが見事です。
わざわざ見に行く山ではなく、ずっとそこにある山。
お二人ともその山のとらえ方が素晴らしく、臨場感が伝わってくる絵本でした。

◎子どもの反応
 目を輝かせながら熱心に山の様子を見ていました。

◎読み手の感想
 大きな山を前に生活したことはありません。
でも、大きな山を前に生活する気持ちを想像することはよくあります。
日常の中に溶け込んでしまってはいても、常に視界の中にあり、
季節を教えてくれたり、方向を教えてくれたりする大きな山は、
きっと心の中にもどっしりと居座ってしまうのではないかと思います。
 なんとなくいつも見守ってくれているような安心感と、畏れが
同居しそうな気がします。そういうものに日々触れることができると
いうのはラッキーなことかも知れないな、と絵本を読みながら思いました。




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