飽きない絵本

 えほんおじさんです。


「同じ本を繰り返し読まされて飽きる」
ー飽きない方法と飽きない絵本の新刊紹介


 4月上旬の朝日新聞を読んでいると、新学期だからでしょう、
次のような記事がありました。

『2歳の息子をひざに乗せて一緒に絵本を読むのは、私にとってほっとするひとときです。
 子どもの体温を感じ、好きな場面で喜ぶ表情に自分もうれしくなります。
 けれども楽しいはずの時間に、ふと不安が胸をよぎることがあります』

 その不安のひとつとは、
『同じ本を何度も読まされるのに飽きて、早口で読んだのは教育上まずかった?
 心配になってきます』
『一番の悩みは、同じ本を繰り返し読まされて私自身が飽きてしまうこと。
 保育園に行く前や帰宅後など、忙しい時間を含めて一日に何度もせがまれて、
 ぐったりすることもあります』
とのこと。

このような、『同じ本を繰り返し読まされて飽きるという悩み』は、どうやら意外に多いようです。


 それでは、今日もごゆっくりお楽しみください。

 そして悩み相談の答えに、
『読み聞かせをする親の全員が全員思っていることではないでしょうか。
 そう言われると、なんだか安心します』
とも書かれています。でも、安心しても問題の解決にはなりません。


 もちろんちゃんと相談の答えは書かれています。

『子どもは、お話が知っている通りに進むことに安心感を覚え、親と一緒にそれを繰り返し楽しむ
 時間を求めています。同じ話を聞いても、子どもは成長して週単位で反応が変わります。
 それを観察して成長を感じ、子どもがいま何に興味を持っているかを知る時間だと考えると、飽きませんよ』

というのがありました。

答えは、この通りですね。

 まず読み聞かせ行為そのものは、子どもに「安心と安定」を与えます。
さらに絵本の物語そのものが、そして繰り返し読まれる「お話が知っている通りに進むこと」が、
子どもに安心をもたらします。

 つまり、子どもは一方で安心を求めつつ「冒険」を求めていることがわかります。

というのも、散歩だって年少児にとっては「冒険」なのです。
絵本のほとんどは「ここではない向こうへ行って帰ってくるお話=非日常を求め、日常へ帰ってくる」
ものです。そんなお話を、身近な人に安心できる環境で読んでもらうことで、「冒険と安心」を
同時に体験したいと思っていると思って間違いないでしょう。
しかもその読み聞かせ体験は毎日、あるいは同じ絵本であっても(日々成長していることもあって)
微妙に違っています。このことを読み手が理解できていると、ほとんど飽きることはないでしょう。

また、この相談の答えとして、
『もう一つの方法は、親自身が読むたびに気持ちよくなれる本に出会うことだ、
 声に出して読むと楽しい気持ち、優しい気持ちになれる本があります。
 自分にとってのそういう本を見つけると、不思議と何十回読んでも飽きません』
とあります。

 確かにこれもいい方法です。でも時々見かけるのですが、「自己陶酔」にご注意。
あくまで「淡々」とが原則です。また、そもそも読み聞かせる本はなんでも良い訳ではありません。
優れた本を読んであげれば、読み手も飽きないはずなのです。


 さて、今週紹介する「かめさんのさんぽ」は、それこそ何回も読んでとせがまれる絵本になる可能性があります。
2、3歳向きですが、それでも文章はとても短いです。ですから読み手は飽きやすいかもしれません。
でも、読み手も「絵」じっくりみて読んでみてください。おそらく読めば読むほど発見がありますから飽きさせません。
さらにシリーズとして読めば、そこにより大きな世界を感じるようになりはずです。


◆新刊紹介
「かめくんのさんぽ」 なかのひろたか/さく・え


読んであげるなら3才から
自分で読むなら小学校低学年向き

◇ジャンル
ファンタジー絵本

◇シチュエーション
・寝る前に絵本
・お出かけしよう!絵本
・友だちとあそぼ!絵本

◎作者 なかのひろたか関連図書
「ぞうくんのさんぽ」
「ぞうくんのあめふりさんぽ」
「ぞうくんのおおかぜさんぽ」
「だぶだぶ」
「なきむしおばけ」
「ゆうちゃんとめんどくさいサイ」 西内ミナミ/さく
「およぐ」
「3じのおちゃにきてください」
「ぼくのぼうけん」
「かえるさんのおいけ」 教育画劇
「うさぎのおうち」 こうだのりこ/作
「ゲーとピー たぬきせんせいのびょうきのほん」 毛利子来/文
「カユイ カユイ たぬきせんせいのびょうきのほん」 毛利子来/文
「いつもとちがうさんぽみち」 間所ひさこ/作 国土社
「もりのおいしゃさん」 村山桂子/作 あかね書房

◎ストーリー紹介
 今日はぽかぽかいい天気。ちいさなかめくん、ご機嫌。のんびりおさんぽに出かけます。
最初、わにくんに出会いました。散歩に誘いますが、「今はお昼寝、散歩は後で」と断られます。
それならと、かめくんはわにくんの体の上を「えっちらおっちら」散歩。
かめくんは、続いて、かばくん、ぞうくんに出会いますが、散歩を断られます。
かめくんはぞうくんの体の上も散歩しますが、「おっとっとっと…」「うわーっ」。
おなじみ「ぞうくんのさんぽ」シリーズから、小さなかめくんが主人公の新しいお話が生まれました。

◎解説
1)「ぞうくんのさんぽ」シリーズは、「ぞうくんのさんぽ」「ぞうくんのあめふりさんぽ」
「ぞうくんのおおかぜさんぽ」に続いて、今回で4作目。
「ぞうくん」が散歩する前シリーズとは違って、今回は、おなじみの登場人物の中で一番小さい
「かめくん」が主人公となりました。

 「ぞうくんのさんぽ」シリーズは、積み木と同じ遊び世界(積む・行列=並べる・崩れる)を表現したものでした。
これは人間行為の本源的(ものがあると積みたがるし、列べたがります)なものです。
絵本表現は「めくり」機能を利用することで、その本源的行為を物語世界に包み込みました。
「ぞうくんのあめふりさんぽ」は、積むという行為の逆転世界(小さいものの上に大きなものをのせる
という逆転はどうすれば可能なのか)、「ぞうくんのおおかぜさんぽ」は行列を作り、
それも大風によって崩壊する世界を表現していました。

2)今回の「かめくんのさんぽ」では、積み木世界は期待されつつも結局存在しませんでした。
いわゆる「物語構造」だけで、ぞうくんとその友だちの世界は成り立っています。

「おっとっとっと…」「うわーっ」という言葉は、シリーズのどの絵本も同じですが、
この場合の「うわーっ」の後に起こることは、積み木世界の崩壊ではなく、物語世界における
「大事件ー解決」です。しかしながらこの場面は「ぞうくんのさんぽ」とそっくりな構図と
なっていますから、この絵本は、「ぞうくんのさんぽ」が前提となった続編と言えます。
したがって「ぞうくんのさんぽ」を読んだ後に、この絵本は読んだ方がいいでしょう。


3)散歩と友だち、そして昼寝
散歩は年少幼児にとって「冒険」であり、誘いながら行くというのは「友だち」という横の関係が
かろうじて成立し始めていることを表します。ぞうくんから落ちて動けなくなるという困難を
「友だち」のい助けによって乗り越えました。
そして疲れてしまった「かめくん」はぞうさんの背中の上で寝てしまいます。
ここのところは、「行きて帰りし物語」という物語構造そのもので大団円を迎えます。
安心な場から「冒険」して再び安心な場に帰ってきたのでした。

◎読み聞かせのポイント
上記したように、この絵本の読み聞かせポイントは、「ぞうくんのさんぽ」の後だし、
大風の中を行くという体験をした後の「ぞうくんのおおかぜさんぽ」と同時期だと思います。
そして、「ぞうくんのあめふりさんぽ」は水の中では物も自分も軽くなるという現象を知って
初めてお話は俄然面白くなります。同じシリーズでも、読み聞かせ年齢を変えて読んであげると
絵本は読み手も聴き手もより楽しくなります。




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