9月号紹介

 えほんおじさんです。


 「0・1・2 こどものとも 2019年9月号 まあるくなーれ」は、
赤ちゃん絵本の条件を全てクリヤーした傑作です。
でも、派手な絵本ではないので息長く生き残ってくれるでしょうか。
赤ちゃん絵本の条件を持たない絵本が数多く出版されいるので
なんとか頑張ってほしい一冊です。

 また、2、3歳向きの
「こどものとも年少版 2019年9月号 うみのメリーゴーランド」も、
ファンタジーな物語絵本として、とっても入り易い仕掛満載ですので、
きっと子どもの魂に届く、これも傑作だと思います。


 それでは、今日もごゆっくりお楽しみください。

◆0・1・2 こどものとも 2019年9月号
「まあるくなーれ」 鈴木智子/作


◎作者紹介
 鈴木智子 1970年生まれ。セツ・モードセミナー卒。イラストレーター。
広告や書籍のイラスト、キャラクター制作。
絵本作品に「はらっぱららら(アリス館)」「おひさまおはよう(大日本図書)」がある。

◎ストーリー紹介
 「まるくなーれ まるくなーれ いちにの さん」
ページをめくると、
「まあるくなった にゃあ にゃあ」
猫がまあるくなりました。
「まるくなーれ まるくなーれ いちにの さん」
ページをめくると、
「まあるくなった ころころ」
ハリネズミがまあるくなりました。
続いて、リス、カエル、パンダもまあるくなりました。

◎絵本の特徴
「まるくなーれ まるくなーれ いちにの さん」と読む、あるいは歌う。
そのわらべ歌の優しい声に、猫やハリネズミや、パンダまでも「まあるく」なります。
気持ちよさそうに、楽しそうに。わらべ歌絵本ですから、描かれた動物の姿からも、
その感じが伝わります。そして、赤ちゃん絵本らしく、
(1)「まるくなーれ まるくなーれ いちにの さん」の繰り返し。
 また、その繰り返し(めくり)の楽しさ。例外(意外性・カエル)もちゃんと用意されています。
(2)余分なことは一切描かれず、「注視」を促すし、全ての動物がまん真ん中にある構図=安定性
(3)そして「まるまること」によって精神的な安心が得られます。

◎読み手の感想
 わらべ歌というのは、その詞(ことば)と音曲の中に「呪術的な」意味や響きや体の動きが
伴っています。その呪術性によって、わらべ歌は人の深層に届き「魂」を震わせます。
わらべ歌をヒントに創作されたこの絵本、「まあるくなーれ (0・1・2こどものとも9月号)」
も例外ではありません。
そもそも「丸くなる」は、お母さんのお腹の中にいたときの記憶を呼び覚まします。
ですから、まあるくなった動物の姿をみて、0・1・2歳児は、そこに自己同一化し、
安心と安定、すなわち心の安らぎを覚えるはずです。
さらには外界では、「動物たちが丸くなる形というのは、寒さや外敵や衝撃から身を
守るためにそうしているわけで、(生きる)という意思を持った生き物として非常に強い形
(著者折り込み付録より)」を示し、それはすなわち「どんな子でも自分で自分をちゃんと
守る=生命力が備わっている(著者)ことを表出していることになります。
「まあるくなーれ」という言葉は、だから、魂を震わせる力を持っていることでしょう。

◆こどものとも年少版 2019年9月号
「うみのメリーゴーランド」はらだ そのこ/作


◎作者紹介
 はらだ そのこ 東京都生まれ。2007年ギャラリーハウスMAYA「装画コンペティション」入賞。
本のという表現方法の魅力を再認識し制作に取り組んでいる。絵本は初めて。

◎ストーリー紹介
 ある海辺に砂の丘があって、その向こうに海がありました。
砂の丘を越えて海に向かって歩いていくと、メリーゴーランドがありました。
そこの看板に「メリーゴーランド 1回、海の1円」とありました。海の1円は貝殻一つのこと。
子どもたちが貝殻を持っていくと、おじさんがメリーゴーランドに乗せてくれました。
メリーゴーランドは始めはゆっくり、だんだん早く「トゥルリン リンリン」と回ります。
そうしていると子どもたちはまるで海の上を飛ぶかのように行くのです。
そしてまたゆっくり止まりました。子どもたちが去ると海辺には「ザザン ザザン」という
音だけが聞こえていました。

◎絵本の特徴
海辺のメリーゴーランドに子どもたちが乗るだけという静かで何にもドラマが起きないような、
でも、不思議な雰囲気を持ったファンタジー絵本。
とはいえ、子どもたちは亀や魚やイルカやアザラシに乗って、最初は
「トゥルリン リンリン ザザーン ザザーン」と行っていますが、
そのうち海の大波の上を飛び跳ねるが如くの大きな体験をします。
その大きな体験とは、メリーゴーランドの棒につかまって回っているはずなのですが、
いつの間にかその棒も消えて海の生き物の背中に実際に乗っているような気になり、
それは大波の上を飛び跳ねているがごときです。そのとき静かとはいえ、
子どもたちの耳には、最初は「トゥルリン リンリン」と音は鳴っており、
そのうち「ザザーン ザザーン」というに変わります。
これこそ、ファンタジー絵本でしか体験で来ないことを読者は体験しています。

◎読み手の感想
(1)「メリーゴーランド」という仕掛
メリーゴーランドは人工的に「めまい」を起こさせる遊具でと言っていいでしょう。
この「めまい」によって、よって立つ足元がすくわれ、現実から遊離され、ここ(現実)ではない、
向こうの世界(異世界)に連れて行かれます。だから、誰しもメリーゴーランドに乗ると、
 異界を垣間見せられるのです。だからメリーゴーランドは人工ファンタジー製造機と言えるかもしれません。
だから、この絵本において、「うみのメリーゴーランド」に乗った子どもたちは、海の大波の上を
飛び跳ねるという「異世界体験」をすることができたのです。こんな異世界体験の中では
「ワクワクドキドキ」するわけです。ですから、装置としてのメリーゴーランドはそんなに
はではでしくなくともいっこう構わないはずです。それは乗りたくなればいいのです。

(2)「メリーゴーランド」が置かれている場所について
絵本の表紙からもお分かりのように、海のメリーゴーランドはいたってシンプルです。
(1)で書いたように、「めまい」を引き起こすことができればいいのでした。
「うみのメリーゴーランド」は砂の丘の向こうの海辺にありました。こうした「海辺」とは
どんなところでしょうか。
「海辺」とは、海の世界と陸の世界の境界だということです。このような「境界」では、昔から、
日常的ではないこと、普通ではないことが起きます。場所だけではありません、
昼と夜の「あわい」、すなわち時間と時間の間でも同じようなことが起きます。
あらゆるファンタジーへの入り口は、こうした「境界」にあります。
ここでに非日常的なことが起きるのです。
つまり、この絵本の持つ静かで不思議な雰囲気は、不思議製造機メリーゴーラウンドが、
不思議なことが起きる「境界」に置かれているという二重性からきています。
そして、「ここ」と「あちら」を唯一繋いでいるのは、「ザザーン ザザーン」という音だけののでした。




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