2019年9月号その2

 えほんおじさんです。


 こどものとも年少版「うみのメリーゴーランド」は、ぐるぐる回るメリーゴーランドで
「めまい」を引き起こし、「海を飛ぶ」体験をして日常を抜け出しました。
 赤ちゃん(0・1・2 こどものとも)は「まるくなーれ まるくなーれ いちにの さん」
と言う呪文で、動物に変身、まあるくなってゴロゴロ転がりました。

 「ちいさなかがくのとも「ない!」では、自分を無くすこともでき、すると自分が「存在」することの
意味まで体験することになります。さらに「こどものとも年中向き プールほいくえん」では、
一人だけでここではない向こうに行くのではなく、保育園のみんなで一緒に「プール」に入るのでした。


 それでは、今日もごゆっくりお楽しみください。


◆ちいさなかがくのとも 2019年9月号
「ない!」名久井直子/作 井上佐由紀/写真


◎作者紹介
・作者 名久井直子 1976年岩手県生まれ。武蔵野美術大学卒業。広告代理店を経て2005年独立。
ブックデザイナーとして谷川俊太郎詩集「わたしとあなた」など。
絵本に「100 (ちいさなかがくのとも2016年12月号 井上 佐由紀 写真)」がある。

・写真家 井上佐由紀 1974年福岡県生まれ。九州産業大学芸術学部(写真史と写真芸術専攻)卒業。
APAアワード入選。広告、CDジャケット、雑誌、書籍などで活躍。フォトブックに「どんころり(宝島社)」。
絵本に「100 (ちいさなかがくのとも2016年12月号 名久井直子/作)」がある。


◎ストーリー紹介
(表紙)冷蔵庫の中身が「ない!」(扉)牛乳ビンに何も入って「ない!』、
第一場面 左ページにあったぶどうが、右ページに「ない!」。
第二場面 左ページぎっしり詰まった「お弁当」が、右ページは空になって何にも「ない!」。
第四場面見開き、広い牧場のあちこちに牛がいる。「めくる」と、牛は一頭も「いない!」 
そして「チンアナゴ、ニシキアナゴ」がいない。次には海中のペンギンがいなくなった。
波打ち際に作られた砂のお城が、ちいさな砂の山になって、お城が「ない!」

◎絵本の特徴
ある「もの」、ある「こと」が、「どうして、なぜあるのか」が問われるのが普通の絵本のあり方です。
でも、この絵本では、「あったものが、無くなったり失われたり、消えたりします」。
つまり、「ない」こと、無くなったことから、逆に、「あった」ことの理由や「なくなる」と
どういう事態が起きるのかを考えざる得ません。

◎読み手の感想
「あった」ものやことが、なくなることを通して、逆に「ある」とはどういうことかが問われています。
日本語には「タマモノ」という概念があります。
【タマは内包空間に充満する力であり、その様子を古代には「たまご」や「かひ」のなかに密封されているように
イメージしていた。その密封空間のなかでタマはますます力を増やして、とうとう「かひ」を破って外の世界に
あらわれてくる。タマがモノとして「あらはれる」。存在をあらわす「ある」は、この「あらはれる」から派生した
ことばで、日本語では存在というものを、内包的な潜勢空間からモノとして現勢化してくるプロセスの全体をとらえて
「あらはれる」として理解していた。モノとタマは互いに同一であり差異でもある。タマは絶対的善、まったき肯定性
であり、モノには邪悪さや否定性がつきまとう。タマにはそういう意志はそなわっていない。それはただ純粋に
肯定的な力として、ひたすら「あらはれ」をめざして成長をとげていこうとする非人格の強度なのでである(中沢新一)】

この絵本の「ない!」は、「ある」があらわれたことと逆の現象が起きていることになります。「タマ(魂)は絶対的善、
まったき肯定性として、「ある」を現象するけれども、タマの差異である「モノ」には、邪悪さや否定性がつきまとう、
それゆえ、「ない!」を引き起こすと考えられます。
しかし、この絵本のあるモノが「ない! 無くなる」には、モノの全否定ではなく、「タマ(魂)」の変化や変容、
移行が描かれています。
例えば、魂を込めて作った波打ち際の砂のお城の「タマ(魂)」は、どこに行ったのでしょう。確かに「もの」としての
砂のお城は、波によって、再び砂に戻ったわけですが(これが「あった」ということでしょう)、そこには自然の力を
感受するとともに、砂のお城という「残像」を心に残します。
このように、この絵本は、「ない!」を通して、「ある」ことを考えさせてくれる絵本でした。


◆こどものとも 年中向き 2019年9月号
「プールほいくえん」岩井真木/文 三宅信太郎/絵


◎作者紹介
・作者 岩井真木 東京都生まれ。児童書編集者兼保育士。絵本に「かむかむ」「かぐかぐ」「にぎにぎ」(以上PHP研究所)。
「からだえん サーカスだん(かがくのとも)、「あめのひのかえりみち(こどものとも)などがある。

・画家 三宅信太郎 東京都生まれ。多摩美術大学卒業。ドローイング、立体、映像など様々な表現形式で自由で機知に
富んだ世界観を作り上げる。世界中で個展。絵本は今回がはじめて。

◎ストーリー紹介
「おはよう。あつーい! 俺、今日 プール入りたい」けいたがいうと、かりちゃんもしゅうも、はるひも「プール、プール、プールしたい!」
でも、プールは使えない、修理中。「よし、それじゃあ、保育園をプールにしちゃえ」
と保育園中の蛇口を全部ひねる。「ドドドドドー」 あっと言う間に保育園は水の中。
さあ、水中鬼ごっこや水中逆立ちそして、お昼は水中流しそうめん……。

◎子どもの反応
我が孫5歳児は、この絵本から得られる開放感がたまらなかったらしく、何回も読まされました。
そして感動的なのは、ある保育園での読み聞かせでは、今まで多動で聞かなかった四歳の子が、
この絵本だけは一番前でじっと聞いていたことです。
 
◎絵本の特徴
日頃、やってみたいと思う「あり得ないけどあったら最高!」の水遊び。子どもたちならではの、「集団ごっこ遊び」、
子どもたちにしかできない「集団ファンタジーの世界。絵本の中で起こる、自由奔放で、のびのびとした姿が、
文章からも絵からも発散されていて、子どもたちは即座にこの世界に同化します。

◎読み手の感想
この絵本を読んだ二つの園で、二つの園のどちらでも、今まで多動で聞かなかった子が、この絵本だけはじっと聞いていました。
この絵本のどこにそんなにすごい魅力があるのでしょうか。
(1)子どもは水が大好き
水があると、すぐに遊び始める。「水に入る」「バシャバシャやる」「水を溜める」「水をかけあう」「びしょ濡れになる」
(2)集団でごっこ遊び(浮遊とめまい)
「みんなで水道をひねる」
「保育園中が水の中にあると、みんなで決め、それを共通の前提として遊ぶ」
「丸まって水に浮かんでいることにする」
「でんぐり返りや鬼ごっこや逆立ちを全て水中でやっている気になっている」
「水中鬼ごっこでは、にんぎょや魚になるそして想像上のジェットイカになって、椅子や机の間を泳いでにが回る」
「赤ちゃんさえも参加させて(共同想像で)、ゆらゆらとプールに浮かべる」
「お昼ご飯の流しそうめんも、プールの中での出来事」
「お昼寝の時間も、水の上ぷかぷか、まるで南の島にいるような気分」
そして、さらに
これらは、集団想像遊びだから、先生たちには止められない。(強制されていない)だから、絵本の中で先生はみんな目をつむっている。
一人だけ園長先生とみられる男先生は嬉しそうに目を開けて泳いでいる。

そして絵本では、ケイタは思いつきます。「洗濯機をスイッチオン!」
すると、水没していた保育園がぐるぐる、回る回る、プール保育園。
保育園のみんなの、読者の子どもたちも「浮遊とめまい」を体験することになります。

(3)ごっこ遊びは究極のファンタジー
プール保育園の水は「ぐるぐるぐるぐる」
みんなお昼寝から起きだして、「ぐるぐる」
しかし、ファンタジーには、いつでも出口(終わり)があります。
しかし、こうした体験は、日常を飛び越え、心を解放してくれたのです。




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