2019年9月号紹介

 えほんおじさんです。


 「よるのいけ(かがくのとも 2019年9月号)」は、父と子がキャンプに出かけて、
夜の池を探検します。現代において、私たちが限りなく自然に近づけるのは
「キャンプ」「夜」「池」だと思います。
そして、こうした場でこそ私たちの「体」も、自然の一部だと気付かされます。

 今ひとつ、私たちが自らの体が自然の一部であることに気づかされる「場面」があります。
それは私たちが「死」に直面する時です。「ばあちゃんがいる(こどものとも 2019年9月号)」
という作品は、まさにそれです。
 私が日頃「おばあちゃん」という存在を通して感じていたものは自然の一部でした。
さらに、「ある日、私がばあちゃんのふとんにはいると、ばあちゃんがわたしの手をにぎった。
そしたら強い力でぐいっとひっぱられ、私とおばあちゃんはぐんぐんのぼって、ごろごろおちて、
ばしゃばしゃわたって、ずんずんはしった。着いたらそこはばあちゃんの国だった」ことからも
感じたのは、私たちの「体」も自然そのものだったということでした。


 それでは、今日もごゆっくりお楽しみください。

◆こどものとも 2019年9月号
「ばあちゃんがいる」 伊藤比呂美/文 MAYA MAX/絵


◎作者紹介
・作者 伊藤比呂美 1955年、東京都生まれ。詩人。
著書に「とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起」(萩原朔太郎賞・紫式部文学賞)
「たそがれてゆく子さん」「今日」など多数。

絵本に「たぬき」「なっちゃんの なつ」「おめめ とじてね」
「あー あった」「月にあいにいったアギサ」がある。

・画家 愛媛県生まれ。
絵本に「さるがいっぴき」「らっこちゃん」「ぱんだちゃん」「ちゅっちゅっ」
「しろねこしろちゃん」「テントウムシの いちねん」「ダックスくんとフントくん」がある。

◎ストーリー紹介
 私にはばあちゃんがいる。へんなばあちゃんなんだ。
よそのばあちゃんより、大きくて、動きが早くて、髪が長い。
ばあちゃんと私は、虫や花や木や鳥をいっしょに見た。でもだんだんばあちゃんが小さくなった。
髪の毛が短くなった。手や足が細くなった。ばあちゃんはいつもふとんの中だ。
ある日、私がばあちゃんのふとんにはいると、ばあちゃんがわたしの手をにぎった。
そしたら強い力でぐいっとひっぱられた。ぐんぐんのぼって、ごろごろおちて、
ばしゃばしゃわたって、ずんずんはしった。着いたらそこはばあちゃんのくにだった。

◎絵本の特徴
 文章も絵も、とても印象が強く残る絵本です。衝撃的、と言ってもいいかもしれない。
表紙は真っ赤で、手に取るのに躊躇してしまうくらいに、強くて少し不気味な女の子が
まっすぐこちらを見ています。どんな話なんだろう? とすごく気になります。
 文章を書かれたのは、詩人の伊藤比呂美さんです。独特の量感の中に土の温度や
肌の湿り気を感じさせる文章が、体の中にずっしりと響きます。
 絵を描かれたのはMAYA MAXさん。可愛らしい絵も得意な画家さんですが、
それだけにとどまらない多彩な表現力を発揮されています。
とくに今回の絵本では、また新しい境地を切り開かれたのではないでしょうか。

 絵本のテーマは“死”です。死といういうものは絵本でも、他のジャンルでもいろいろな表現で
扱われてきました。死を涙の中に閉じ込める作品は多いですが、この絵本は、もっと本質的な死の
身体や精神に迫っていると感じます。
“死”をなにかのかっこの中に閉じ込めようとするのではなく、素朴な身体でぶつかっていこうとする
お二人の姿勢に打たれます。理解できなくても何らかの強い印象を子どもたちは感じることでしょう。

◎読み手の感想
 さすが詩人、伊藤比呂美さんの文章がとても良いです。伊藤さんの文章は、
社会の中で女性として生きるリアリティを言語化してくれているからでしょうか。
私もこう思う、といつも共感してしまいます。イメージの中の美しい女性でも、怖い女性でもない。
かっこの中にくくられない、でも社会の中のイメージの中で葛藤を抱える肉を持ち、声を持った女性のリアル。
この絵本にも、いろんな言葉にまとわりつくかっこを外して、もういちど向きなおろうとする力強さを感じました。
 そのようなこの文章と、正面からぶつかり合って絵を描かれたMAYAさんの力量もすごいですね。
読むまでは少し不気味な絵本だなあ、という印象でしたが、読むとその面白さがズシン、とくる絵本でした。

◆かがくのとも 2019年9月号
「よるのいけ」 松岡達英/作


◎作者紹介
・松岡達英 1944年新潟県生まれ。
日本はもとより、中南米、アフリカ、東南アジアなどでの豊富な取材経験を生かした自然科学絵本を多数手がける。
絵本にっぽん賞、児童福祉文化賞、産経児童出版文化賞などを受賞。

「冒険図鑑」「よるになると」「ちきゅうがウンチだらけにならないわけ」「地面の下のいきもの」
「自然図鑑」「あまがえるりょこうしゃ」「かぶとむしは どこ?」「ぼくのロボット大旅行」
「ぼくのロボット恐竜探検」「恐竜たちの大脱出」「なく虫ずかん」「いけの おと」「生物の消えた島」
「海辺のずかん」「地球はえらい」「もりのくうちゅうさんぽ」「ゆきやまたんけん」「くさはら どん」
「いのちのひろがり」など多数。

◎ストーリー紹介
 ここは、池のほとりのキャンプ場。日が沈み、あたりはすっかり暗くなった。
キャンプ場にコノハズクの鳴き声がこだまする。夜もだいぶふけてきた。テントのまわりを探検してみよう。
「ゲッゲッゲッゲッゲッ、グエグエグエ、チッチッチッ ジージージー」いろんな声が聞こえてくるよ。
池のなかをライトで照らしてみると、たくさんの生き物がいる。

◎絵本の特徴
 普段の夜は寝ている子どもたちも、今日は特別な夜。池のそばのキャンプ場で、お父さんと一緒に探検です。
夜の池の、生き物たち。昼とは違う表情で、鳴いたり動いたりしています。
 美しくリアルな描写力で夜の池の生き物たちを描いたのは、福音館の絵本でもおなじみの松岡達英さん。
リアルでありながら、親近感を抱かざるを得ないような生き物たちの描写にはいつもため息が出ます。
 登場人物であるお父さんと男の子は、生き物たちほどにはリアルに描かれておらず、
それが絵本の中に入り込める仕組みにもなっています。絵の中の駆け引きが本当に上手な作家さんですね。
最近キャンプが流行っているので、お休みとなるとキャンプに出掛けていくというご家族も多いことでしょう。
今度のキャンプは池のほとりもいいですね。

◎読み手の感想
 流行りに乗っかって、我が家も空前のキャンプブームです。この夏は鹿児島の霧島高原でキャンプを楽しみました。
だだっ広く整備されたキャンプ場だったので、快適でしたが生き物とのふれあいは残念ながらあまりありませんでした。
 その前のキャンプは川のほとり。水場の近くのキャンプ場には、たくさんの虫がいました。
水の中には魚や、カエルがいて、子どもたちが捕まえて遊んでいました。
普段家の中にいるとテレビを観たがったりばかりする子どもたちも。自然の中にいると全くそんなことを言わなくなります。
子どもと自然の親和性の高さにはいつも驚きます。この絵本を持ってキャンプに行きたいなあ、と思いながら読みました。




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