2019年10月号

 えほんおじさんです。


 秋らしい月刊絵本の紹介です。
 「ちいさなかがくのとも 2019年10月号」は、「どんぐりむし」の一番大事なこと、
その生態がくっきりと絵本になりました。「どんぐりむし」の生き抜く知恵(賢さ)には
びっくりします。一番危険な幼虫期を安全に生き抜けます。人間を除けば。
でも、この絵本にであった子ども達はきっと、そっと森の環境を尊重するに違いありません。

 もう一冊は、秋の森や林の「キノコ」と和尚さんのお話。
【こどものとも 年中向き 2019年10月「おしょうさんとカックリカ 日本の昔話」】
作者によると、どうやら「キノコ化け物説」があるらしい。それも納得です。
キノコ図鑑などを見ると、「ベニテングタケ」を筆頭に、実に不思議な姿をしたキノコが
多種多様にあります。月夜の晩にはそんなキノコたちに足が生え踊り出したとしても
もう驚きません。そんなキノコたちを「おふろ」に入れてやると言って騙し、
和尚さんはキノコ汁にして食べてしまいます。でもきっとそんなことはキノコにとって
折り込み済みに違いないのです。


 それでは、今日もごゆっくりお楽しみください。

◆ちいさなかがくのとも 2019年10月号
「どんぐりころころむし」 澤口たまみ/ ぶん たしろちさと/え

◎作者紹介
 作者・澤口たまみ 1960年岩手県生まれ。岩手大学農学部で応用昆虫学を専攻、修士課程修了。
著書に「虫のつぶやき聞こえたよ(白水社)」「昆虫楽園(山と渓谷社)」、
絵本に「みつけたよさわったよにわのむし」「わたしのあかちゃん」「わたしのこねこ」
「いもむしってね…」「だんごむしの おうち」「こまゆばち」などがある。

 画家・たしろちさと 東京都生まれ。
絵本に「すずめくんどこでごはん食べるの?」「じめんのしたのちいさなむし」
「だんごむしの おうち」「かぶとむしが にげた!」「セーターパパ」
「ようこそ ぼくの てのひらへ」「バス はっしゃしまあす」「ぱぴぷぺぽ」
「こうま」「ねえ、あそぼうよ」「かあさん」などがある。

◎ストーリー紹介
 秋の林は、どんぐりたちでいっぱいだ。ポケットはどんぐりでぷっくりふくらんだ。
瓶にいれたどんぐりは、僕のたからものだよ。次の日、どんぐりを瓶からだしてみた。
……ん? どんぐりに穴があいている。「ん? ん? ん?」どんぐりのあいだに何かいる。
動いてるよ。なんだろう…?

◎絵本の特徴
 暑い夏も終わり、秋の気配がしてきました。そろそろ蚊も少なくなってきたでしょうか?
 雑木林に出かけるのにちょうどいい季節はもうすぐです。
雑木林に出かけると、子どもたちは必ずと言っていいほどたくさんのドングリを拾ってきます。
おおきいの、ちいさいの、ほそいの、まるいの、いろんなドングリを見つけてきます。
そして、そのドングリを大事に瓶や缶に入れておく子も多いですね。
そうやって大事に置いておいたドングリに小さな穴が開いていて、中から白い幼虫が出てきてびっくり!
という経験を子どものころにしたという方も多いでしょう。
10月の「ちいさなかがくのとも」は、そんな通称“どんぐりむし”が主人公です。
シギゾウムシの仲間の幼虫だそうです。シギゾウムシのというのは、ゾウのような顔をした甲虫のうち、
シギのように細長い口吻を持つ虫。体長は口吻を含めても1センチに満たないほど小さい。
メスはどんぐりの木の枝に若い実がつく頃に、どんぐりに穴をあけ、産卵します。
卵からかえった幼虫はどんぐりを食べ成長し、殻に穴をあけ出てくるそうです。

 なにかと虫に対して風当たりが強めのこの頃ですが、この絵本には小さな命に対してのあたたかで
優しいまなざしに包まれています。柔らかで、可愛らしい、小さな命への感動が伝わってきます。
秋の野遊びにぴったりの一冊です。

◎読み手の感想
 子どもの頃、ドングリをたくさん拾ってきて缶のなかに入れていました。しばらくして、缶を開けてびっくり。
中には白い小さな幼虫がうようよ…。思わず缶を閉めて、しばらく置いておいた記憶があります。ものすごく怖かった…。
 子どものころから虫が苦手です。この絵本のように幼虫を可愛らしい、愛おしい存在だと思えたら
きっとそれは素晴らしい経験だったに違いありません。今でも虫は苦手ですが、子どもたちは虫が平気なので、
本当にほっとしています。虫を面白いとか、かわいいとか思えたら、田舎における人生はもっと豊かで感動に
満ちたものになるだろう、と頭では思っているんですが…。

◎子どもの反応
 この絵本を読んで、夫が今年はドングリ虫を育ててみよう、と言っていたので、そっと見守りたいと思っております。
もちろん子どもたちは興味津々。

◆こどものとも 年中向き 2019年10月
「おしょうさんとカックリカ 日本の昔話」 日野十成/再話 斎藤隆夫/絵

◎著者紹介
・再話者 日野十成 1942年、台湾生まれ。岩手県で育つ。子どもの本関係のフリーライター。
絵本に「ずいとんさん」「かえるをのんだととさん」「かえるの平家ものがたり」「あたまがいけ」
「ぶすのつぼ」「カガカガ」がある。他に「日本の昔話かるた」がある。

・画家 斎藤隆夫 1952年、埼玉県生まれ。絵本に「まほうつかいのでし」「ずいとんさん」
「かえるをのんだととさん」「かえるの平家ものがたり」「かえるの竹取ものがたり」
「猫魔ヶ岳の妖怪」「こめだしだいこく」「あたまがいけ」「クモのつな」「おおぐいひょうたん」
「月にあいにいったアギサ」「カガカガ」がある。

◎ストーリー紹介
 とんとんむかし、ある村にふるい寺があってな、おしょうさんがひとりですんどった。
ある満月のばん、お寺のにわがなにやらさわがしい。おしょうさんがのぞいてみると、ばけものどもがおどっておった。

【つきよのばんは ああ、カックリカ カックリカ みなでて おどんべ カックリカ カックリカ…】

おしょうさんも、いっしょに踊ったと。
夜があけて、ばけものどもはいなくなった。
おしょうさんが後をつけると、ばけものどもはみないちょうの木にふっついた。
よくよくみると、ばけものどもは茸じゃった…。

◎絵本の特徴
 「ずいとんさん」「かえるをのんだととさん」の名コンビ、日野十成さんと齋藤隆夫さんの絵本がでました!
 今回の絵本も何ともシュールでユーモラス。文句なしに面白い作品です。
 月夜の晩に、古寺の庭に出てくるたくさんの化け物。その正体はキノコです。月の魔力で化け物になったのでしょうか?

 キノコたちは不思議な歌を歌っています。
「カックリカ カックリカ」と謎の言葉が繰り返される歌は読んでいるとクセになってしまいそうです。
満月の庭で踊るキノコたちと和尚さんの表情には不思議さや、不気味さ、くすっと笑ってしまうような可笑しさがいりまじり、
そんなに情報量の多い絵ではないのにも関わらずついつい引き込まれて見入ってしまいます。

 化け物の正体に気づいた和尚さん。キノコたちを「ふろに入れてやる」とだまして、鍋で煮て食べてしまいます。
キノコたちの可愛さに親近感を持ってしまっていた読者の皆さんは、ちょっと可哀そう…と思ってしまうんじゃないでしょうか?
でも、和尚さんのしてやった感に拍手もしたくなってしまいます。
 どのシーンの絵も文章も集中力が強く、絵本の中にぐっと入り込むことができる作品なので、
絵本や昔話に慣れていない子どもたちを導入する作品としても良いのではないかと思います。

◎読み手の感想
 このお二人の作品はどれを読んでも面白いですね。今回も本当に良かったです。
老獪な和尚さんと、化け物でありながらちょっと間の抜けたキノコたち。
目がきょろきょろしていて可愛いですし、その愛らしさについキノコたちに同情してしまいます…。 
でも、昔話ですから、主人公はおしょうさん。だから主人公側から見れば話はハッピーエンド。
和尚さんの人間としての知恵や、生きていく能力の高そうな感じがすごくいいんですよね…。
きっと理想を掲げて美しく生きていくタイプではなく、現実的な合理性と、目の前のことをあるがままに
受け入れる包容力を持ち、したたかにしぶとく生きていくタイプの人なんだろうなあ。
最近はそんな人にものすごく憧れます。このお話が昔話だということにも驚きますね。
やはり昔話というのは奥深いな…とため息がでてしまいます。




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