2020年1月号

 えほんおじさんです。


 仕草の柔らかさ優しさが「年少版」に描かれ、美しい水彩画と柔らかな文体とで
寒い冬の陽だまりのような世界を描いたかがくのとも。こうした絵本に出会うと、
読み手も聞いている子どもたちも優しい気持ちになります。

 それでは、今日もごゆっくりお楽しみください。

◆かがくのとも 2020年1月号
「でてきた でてきた はっぱのあかちゃん」高柳芳恵/文 松江利恵/絵

◎作者紹介
・高柳芳恵 栃木県生まれ。
作品に「葉の裏でいきぬくチョウ」「植物でシャボン玉ができた!」「どんぐりを おとしたのは だれ?」
「ゆうぐれの さんぽ」「はっぱの あな」「おちば シャック シャック」ほか。

・画家 東京芸術大学美術学部卒。共著書に「水彩で描く美しい人」など。絵本作品は本作がはじめて。

◎ストーリー紹介
 川のそばの一本のクルミのき。夏がすぎ、秋になってはっぱが色づくと、一枚のはっぱが枝から落ちた。
すると、枝に顔のようなものがあらわれた。次の日もまた次の日も大きなはっぱが落ちて、そのたびに
顔が増えていく。クルミのはがぜんぶ落ちると、おや? 枝のてっぺんに帽子のようなものがのこっている。
この帽子のようなものはクルミのきの冬芽。冬芽にはちいさなちいさなはっぱのあかちゃんがはいっている。
ながい冬がおわり、あたたかな風がふく春。はっぱのあかちゃんがめをさましたよ。

◎絵本の特徴
 美しい水彩画と、柔らかな文体。寒い冬の陽だまりのような絵本です。
34年前、「かがくのとも」から出版された「ふゆめがっしょうだん」。
その絵本を読んでからすっかり冬芽ファンになったという作者の高柳さん。
「ふゆめがっしょうだん」は長く読み継がれ、今でも人気のある名作です。
写真の配置もユーモラスな文体も面白く、あの絵本で冬芽の虜になったという
話はいろんな方から聞いています。

 そのみんなを虜にしてしまう冬芽はどうやってできるのか、そしてどうなっていくのか。気になりますね。
そのことは詳しくこの絵本に書いてあります。

 この絵本のすばらしさの一つは、文章と絵の見事なマッチングです。本年度のかがくのともの中でも
一番優しい文章かとも思われますが、その文章に花を咲かせるような絵に心を打たれます。
文章と絵がお互いを引き立てあって、それが暖かく安心感のある空間を作り出しています。
かがく絵本でこういう空間ができるというのはとても珍しいことだと思います。

 この絵本をかかれたお二人とも、絵本の世界で有名な方、というわけではありませんが、
とても実力を持たれた方々だと、この絵本を読んで感じました。
 これからの季節にぴったりな絵本。「ふゆめがっしょうだん」とともに読んでいただけると面白さ倍増です。
そして読んだ後は、帽子をかぶったかわいい顔に会いに、虫メガネを持って散歩してみてください。

◎読み手の感想
 水彩画って美しいんだなあ、と改めて感じました。特にこの絵本の絵を描いた松江さんの色使いは
すばらしいですね。植物の美しさを結晶化しています。こういうことを写真でやるとわざとらしくなりますが、
水彩画でやるとちょうどよくなるのが不思議です。世の中にはありとあらゆる技法がありますが、そのなかでも
かなりシンプルな水彩画で勝負する方は真に絵の上手な方なんじゃないかと思います。足すだけでなく引くことも、
最初にある程度念頭においてから描く難しさ。きっとこの絵本のために何百枚もスケッチしたことでしょう。
水彩画に於いては下ごしらえがすべてなんじゃないかと想像しています。高級店で食べる和食のような、
ふくよかな出汁のきいた透明なスープのような、そういう完成度の絵でした。原画はさぞ美しいことでしょうね…。


◆こどものとも年少版 2020年1月号
「てのひらいっぱい あったらいいな」 新泉薫/文 網中いづる/絵

◎作者紹介
・新泉薫 1971年生まれ。詩人。中村恵の名の詩集に「火よ!」(第8回中原中也賞)「十字路」。
新泉薫の名による詩集「あおい、母」「白であるから」。絵本に「ふわふわ ふー」がある。

・画家 網中いづる イラストレーター。2007年講談社出版文化賞さしえ賞。
さし絵にアンデルセン童話 赤いくつ(角田光代・文)、「鮎はママの子」。
絵本に「ふくはなにからできているの?」、「あたしときどきおひめさま」など。

◎ストーリー紹介
 「てのひらいっぱい、あったらいいな まっかないちご」「つやつや ぶどう」
「さんさんひかる さくらんぼ」「きいろいたんぽぽ」「ころころ どんぐり」
葉っぱ、おもちゃ、などなど。

◎絵本の特徴
 そっと広げた手のひらに、大好きなものがいっぱいあったらいいな。本当にそうですね。
絵本の扉の場面では、両方の手のひらが合わさってやさしくひらいています。
でも、まだ何にもありません。その両手をみつめていると、「手のひらにいっぱいあったらいいな」と、
小さな子たち想像がはたらきはじめます。

 まずは「いちご」。小さな手のひらいっぱい、6個のまっかないちごがあります。こぼしてはいけない、
潰してもいけないと、そっと、そして懸命に手を広げて、「あったらいいな」と小さな女の子は想像します。
 次は、つやつやブドウ。葡萄色とマスカット色の10個ほどのブドウ。ブドウは少し硬いから少し握りかけて、
手の平をみつめます。この場面は、表紙とは別の女の子が自分の手のひらを上から見つめる視点で描かれます。
 次は「さんさんひかる さくらんぼ」。本当に光っています。そして、この場面は、差し出す手のひらを、
女の子の正面から、あふれんばかりのたんぽぽ、いっぱいあったらいいなと、描かれます。
次は、色づいた葉っぱ、そしてどんぐり。
「あったらいいな」と思う子どもたちの表情の優しさ、広げた手のひらのやさしさがえかがれた絵本です。

◎子どもの反応
 読み終えるやいなや、子どもたちは自分の「てのひらにいっぱい あったらいいな」をはじめます。
あるいは、てのひらを広げて絵本にある自分の好きなものをいいます。そんな子どもはとてもうれしそうです。

◎読み手の感想
 子どもの想像をただちに誘発してしまう絵本です。それに乗って、読み手もいろいろ仕掛けてみました。
ちょっといたずら心をおこして、てのひらをそっとあけると、「泥」だとか、気持ちのわるいものだとかやりました。
そうやって遊びを誘発してくれるのも楽しいです。絵本が育てるもっとも大きな力は「想像力」ですが、
その始まりの子たちにこの絵本はぴったりの絵本ですね。




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